独自の多職種連携システム「おひさまネットワーク」を考案された山口先生。今後の在宅医療の展望についてお話をお伺いしました。
多職種連携で、患者さんに提供してあげられる医療を充実させたい
山口 高秀 先生
おひさま在宅クリニック 院長
救急医として働く傍ら祖母を在宅で診療して看取った経験から救急医療の退院後の受け皿不足を実感し、理念の「安心で安定した療養生活をできるだけ多くの場で」を実現すべく、救急から在宅医への転身を決意。地域のかかりつけ医を目指しており、患者様本人やご家族が希望する場所での療養を可能な限り実現していくことを目指している。
在宅医療の体制を支える「おひさまネットワーク」
菊池
山口先生は、自院の在宅医療の体制確保の一環で、「おひさまネットワーク」という独自の取組をなさっているとお聞きしています。
山口先生
当院を開業した当初、地域からの在宅医療のニーズは大きかったのですが、在宅医療を提供するために必要な医師、オペレーションスタッフが不足していた、という課題がありました。そこで、周囲の在宅医療に興味を持つ医師を巻き込み、組織化していく取組を開始しました。これが、おひさまネットワークの始まりです。
おひさまネットワークを継続していく中で、少しずつ、医師や看護師だけではなく、薬剤師やソーシャルワーカーなど、多職種間の連携ができるようになり、今に至ります。おかげで、医療提供の持続可能性を高めることや、医療提供の質を高めることにも、つなげることができました。
おひさまネットワークを継続していく中で、少しずつ、医師や看護師だけではなく、薬剤師やソーシャルワーカーなど、多職種間の連携ができるようになり、今に至ります。おかげで、医療提供の持続可能性を高めることや、医療提供の質を高めることにも、つなげることができました。
今後の在宅医療を展望して
菊池
これまで、第一線で在宅医療の業界を牽引されてこられた山口先生ですが、今後は、どのような取組が必要になってくるとお考えでしょうか。
山口先生
2040年までに、在宅医療にフルタイムで従事する医師が約7万人必要と試算した報告があります。しかし、この数字に向けて在宅医の確保を進めていくことは、あまり現実的ではないように思います。そこで、必要になるのは夜間・休日診療に対応する救急医と在宅医の連携だと考えています。
日頃から連携を意識していれば、患者さんが夜間・休日に受診しても「価値のある医療」を提供できると思います。多くの施設と連携するからこそ、発揮できる力があります。自分にはできないけれど、他の医師との協力によってできることが増えるのであれば、積極的に連携をしていきたいです。
この度のファストドクターとの連携は、こうした理由からも大きな期待を寄せています。
日頃から連携を意識していれば、患者さんが夜間・休日に受診しても「価値のある医療」を提供できると思います。多くの施設と連携するからこそ、発揮できる力があります。自分にはできないけれど、他の医師との協力によってできることが増えるのであれば、積極的に連携をしていきたいです。
この度のファストドクターとの連携は、こうした理由からも大きな期待を寄せています。
菊池
ありがとうございます。少しでも多くの先生や患者さんからのご期待に応えられるよう努力してまいります。
山口先生
これからの日本は、超高齢化社会・多死社会へ進んでいきます。患者さんは、様々な価値観があり多様性が求められています。その中で、私たちは、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、患者さんの人生を支援していきたいと思います。
菊池
本日は大変貴重なご意見をありがとうございました。今後もご指導をよろしくお願いします。
菊池 亮
ファストドクター株式会社 代表取締役・医師
2010年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部附属病院、関連病院にて整形外科に従事後、2016年にファストドクター株式会社を創業し代表取締役に就任。帝京大学医学部救急医学講座を兼務。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、一般社団法人日本在宅救急医学会評議員。