ニュース

2023.9.5

[メディア掲載]DXオピニオン旭川モデルを全国へ ー 時事通信社 iJAMP様 ✕ 菊池 亮

  • #メディア
  • #自治体支援
[メディア掲載]DXオピニオン旭川モデルを全国へ ー 時事通信社 iJAMP様 ✕ 菊池 亮

2023年8月22日号の時事通信社が運営する自治体向けメディア「iJAMP」様に、ファストドクタ―代表取締役(医師)の菊池 亮によるオピニオン掲載をいただきました。発行元の時事通信社様のご許可をいただき、全文掲載いたします。

媒体名:時事通信社運営「iJAMP」2023年8月22日号
記事タイトル:【DXオピニオン】「旭川モデル」を全国へ=菊池亮・ファストドクター代表取締役(医師)
URL:https://portal.jamp.jiji.com/portal/(会員専用)

夜間・休日の医療支援プラットフォームを手掛けるファストドクター (東京) は、 新型 コロナウイルスの感染拡大で医療体制が逼迫 (ひっぱく)した北海道旭川市と連携し、不要不急な救急搬送を大きく減らした。「旭川 モデル」を全国に広げ、地域の医師不足解消に貢献したい。


「旭川モデル」とは、消防への119番通報とオンライン診療を接続したモデルだ。日本では、救急隊が医学的判断を下せない。通報があれば、必ず駆けつけてどこかの医療機関に搬送しなければならない。多くのコロナ患者が救急車を呼んだが、受け入れ先が見つからない 「搬送困難事例」が数多く生じた。

2020年4月、オンライン診療の規制が段階的に緩和され、初診患者もインターネットや電話で診察が受けられるようになった。ファストドクターが旭川市と行ったのは、 救急隊と連携した搬送支援業務。119からの通報を受けて救急車が出動するが、患者の家に到着するまでにオンライン診療を行って搬送の要不要を判断し、場合によってはオンライン診療を継続して翌日までに処方薬が自宅に届くようにした。この結果、救急搬送の回数を約半数にまで減らすことに成功した。

今津寛介市長をはじめとする自治体関係者の幅広い協力は欠かせなかった。 特にコロナ禍の救急医療には消防だけではなく、保健所なども関わっていた。その縦割りの中で横断的なオペレーションを行うのはかなり難易度が高かったと思うが、トップの強いリーダーシップは達成の大きな要素だ。

搬送しなかった症例の予後も追っている。 本当に救急搬送が不要だったのかを検証する体制を構築し、安全性を確認してきた。これは一番大事なところで、今後もフィードバックを継続して改善し、安全性を追求し続けたい。この3年間で初診オンライン診療のオペレーションも洗練され、 処方薬の物流体制も全国的に整いつつある。 満足度の高いオンライン診療を各地域で生かしていけると思っている。 

地方自治体では、「医療資源は都道府県内で完結するべき」という考え方が根強いと感じる。これをどう変えていくか。 医師の偏在は大きな課題だ。医師がいない中で、地域だけで医療体制を確保するのは難しい。 物理的な距離を越えられるのがオンライン診療サービスの特長だ。 各自治体と連携し、都市部に数多くいる医師を地方部に活用することで地域医療の課題解決に貢献していきたい。 

世界的には、まずオンライン診療で初期治療を行い、必要時のみ対面診療に移行する 「バーチャルファーストケア」が一般化している。 救急だけでなく、慢性疾患、生活習慣病、精神疾患など活用範囲は幅広い。 例えば、デジタルデバイス (機器) を使って遠隔地にいる患者の生体データをモニターし治療に役立てるといった、オンライン診療プラスαで高度な医療を提供していくことが技術的に可能になってきた。マイナンバーカード保険証があれば、医療情報を医療機関の間で共有化できる。オンライン診療はより充実し、質高くなっていくだろう。 

都道府県や一部市町村では、急なけがや病気について電話で相談を受け付ける「#7119」「♯8000」窓口を設置している。 私たちは今年から3カ所の自治体で、「#7119」「#8000」の救急相談を受託しているが、へき地などでは病院案内を受けても受診ができないなど課題も多い。今後はオンライン診療につなげることで受診可能な医療機関の選択肢の拡充や、救急抑制効果の検証をしたいと考えている。 

人口減少に向けて医療資源(リソース) を、いかに生産性をもって活用していくか。そういうことを都道府県単位でしっかりと考えていただきたいと思っている。

(聞き手はiJAMP編成部長・樋口卓也 様)
本記事の転載については、発行元である時事通信社様からのご許可をいただいております。厚く御礼申し上げます。

菊池亮(きくち・りょう)

1986年生まれ。2010年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部付属病院、関連病院にて整形 外科・救急科に従事後、 16年にファストドクター株式会社を創業し代表取締役に就任。「生活者の 不安と医療者の負担をなくす」をミッションに、全国7000万人がアクセスできる医療プラットフォームを提供。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、公益社団法人東京都 医師会在宅医療協議会委員、一般社団法人日本在宅救急医学会評議員、一般社団法人日本在宅医療連合学会評議員。

ファストドクターについて


全国に対応する日本最大級のプライマリ・ケア医療プラットフォーム「ファストドクター」を運営するヘルステック企業。3,500名以上の医師が参加するこのプラットフォームは患者のほか、医療・介護施設、自治体、公的研究機関、製薬や保険業界など、医療業界の多岐にわたるステークホルダーの皆さまにご利用いただくことで、地域医療を強化する新たな医療インフラの構築を実現します。

所在地:〒108-0014 東京都港区芝4丁目5-10 ACN 田町ビル3F
設立:2016年8月
代表者:菊池 亮(医師)・水野 敬志
WEBサイト:https://www.fastdoctor.co.jp/corporate

本件に対するお問い合わせ

ファストドクター株式会社
広報 田島・大塚
E-mail:[email protected]

関連記事

該当する記事が見つかりませんでした