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2023.8.29

[ご利用者様の声]日扇会第一病院 院長 八辻 賢 先生

  • #医療機関支援

「最も魅力なのは確実性。一人だけという不安が消え、精神的にすごく楽になった」

[ご利用者様の声]日扇会第一病院 院長 八辻 賢 先生

八辻 賢(やつじ さとる)先生

日扇会第一病院 院長

 2000年 横浜市立大学医学部 卒業 東京女子医科大学病院にて内科研修後、同院消化器内科に入職  2006年 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院  2007年 医学博士(東京女子医科大学)学位取得  2009年 日扇会第一病院 副院長  2011年 東京女子医科大学消化器内科学講座 非常勤講師 2013年 日扇会第一病院 院長  専門分野 :一般内科、消化器内科、肝臓内科、在宅医療 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本肝臓学会 肝臓専門医

超高齢化が進む中、「いかに在宅医を支え、在宅医療の持続性を高められるか」といった視点での協議やソリューションの開発が活発に行われています。

3,500名の医師が在宅医の24時間体制をともに支える「ファストドクター時間外往診連携サービス」をご利用の先生方に、サービスの実感と変化についてお伺いします。

今回は、日扇会第一病院の八辻先生が抱えている在宅医療の課題と本サービスの魅力をお伺いしました。

今の時代、1つの医療機関だけで医療行為のすべてを完結させることは難しい


−貴院では、地域医療に対する取り組みをどのように行っているのでしょうか。

現在の医療は[分業と連携]で効率化を図ること、あわせて地域包括ケアシステムという地域内で医療を完結できるようなシステムを作っていくという社会的な要請があります。

在宅医療を必要としている患者さんの多くは高齢者ですが、なかでもADLが低下している患者さんや認知症の患者さんなどは、受診のためと言えど遠方に行くだけで相当なハードルがありますよね。そんな方々に対し、「地元の中で医療を完結できるようにすること」は地域貢献に繋がると考えています。

とはいえ、私たちも自院だけで患者さんに対して診断から治療までの全ての医療行為を完結させるのは難しいです。自分たちに特化した部分を伸ばしつつ、足りないところは他院と連携し、患者さんや地域に何を求められているのかを見極めながら日々、診療を行っています。

−そんな中で、なぜ在宅医療に力を入れるようになったのでしょうか?

実は先代から在宅医療を行っていて、来院が困難になった患者さんに対しては往診のかたちで診療を続けていました。当時、往診は保険点数的に低くて採算が取れるとは言えませんでしたが…、「医療は患者さんのためにある」わけで、求められれば全力で応えていく使命があると教わりました。共に歩んできた患者さんからSOSが発せられたら、「何とかしたい」と思うのがかかりつけ医だと思います。「最後は先生に看取って欲しい」と言われたら行かないという選択肢はありません。

そうした想いから、かかりつけ患者さんには在宅医療を提供していましたが、件数が多くなればなるほど赤字になってしまう状態で。人件費を削減するために、先代は休みの日でも一人で運転して往診に行くなど、できる限りの範囲の工夫を行っていました。

しかし、他のスタッフの助けもなく、一人でできることには限界がありました。本当はもっと、もっと患者さんの思いに応えたいと思いながら忸怩たる想いでした。

そのような中で私が3代目の院長になった頃、在宅療養支援病院として訪問診療がようやく保険的にも評価されるようになりました。当院としては待ちに待った改正であり、「ようやくかかりつけ医としての本分に近づける」と早速在宅療養支援病院の認定を受けた次第です。

これでやっと、スタッフを揃えることができるようになりました。そこから在宅療養支援病院として24時間体制を構築して、当院が責任を持って在宅医療を行えるように注力してきました。

一方で課題も見えてきました。夜勤対応ができるスタッフは限られていますので、24時間体制が不安定にならないようにスタッフを集めることが必要です。24時間体制という施設基準を満たすために、院長自らがオンコールを対応するしかいない状況の病院やクリニックは多いのではないかと思います。

そうなると、後任を引き受けてくれるスタッフが育たないことも課題です。当院も最初は私と一緒にオンコール対応をやってくれるスタッフがいましたが、様々な事情で継続できなくなり、結局は私1人でオンコールの対応をするようになっていました。

確実に患者さんのところに向かってくれることが魅力的。精神的にすごく楽になった


−そんな中でファストドクターの「時間外往診連携サービス」を導入してくださったのですね。その後、貴院ではどのような変化があったか教えていただけますでしょうか。

2022年の年末から導入して、ちょうど半年くらい経ちましたが、私の代わりにオンコールを受けてくれて、必ず患者さんのところへ行ってくれるのはすごく安心できました。当院で夜勤が可能な医師は私1人でしたので、もし私がCOVID-19に感染したり、万が一のことがあったら夜間は訪問できないという不安が絶えずありました。

このプレッシャーから解放されたのは大きいですし、時間が空いた分は他の仕事に注力できるようになりました。これまで後回しになっていた部分を着手できるようになったのも大変ありがたいです。

また、サービスに付随して利用している「クリニックポータル」というwebツールも使い勝手が良くて助かっています。webから簡単に往診依頼ができて、いまどのような対応をしてくれているのかが途中経過も含めてリアルタイムで確認できますし、状況が更新されるとメールでお知らせも届きます。そういった確認だけではなく、診療録、患者情報などを管理・連携できるのも便利です。

今はまだそのような事はありませんが、「クリニックポータル」上で確認している時、もし万が一にも介入の必要があればすぐに自分が割って入れるのも安心できます。また、記録として確実に残るので、これを元に翌日の対応が漏れなくできますし、統計資料としても活かせます。そこから課題が見つかればさらに体制の改善にもつなげられますし、活用のポテンシャルは高いと感じています。

在宅医療の特徴は、我々の城である病院で診るのではなく、患者さんの城であるご自宅にお邪魔して診察することです。診察結果の判断も、病院で診る以上に患者さんや家族の性格や価値観、環境への配慮、接遇面での配慮が求められます。

「クリニックポータル」では診察結果を見られるだけでなく、当方から医療面だけに留まらず、往診に行って下さる先生方に注意して欲しい点をあらかじめ記載し、漏れなく伝えておけることが良いと思っています。代診となる先生方は基本初対面となりますので、患者さん側も緊張してお迎えすることになります。些細な情報を把握しているだけでも患者さんの安心につながっていると感じています。

−ありがとうございます。ファストドクターの「時間外往診連携サービス」ご利用いただく中で、魅力に感じた点を教えていただけますでしょうか。

最も魅力なのは確実性です。1人でオンコールの対応をしていると「電話を取り損ねたらどうしよう」「自分に何かがあって行けなかったらどうしよう」などと不安がありました。

これらの確率が1パーセント以下であったとしても、私たちには患者さんのところに行く責任があります。なので確実に電話を取ってくれる、確実に患者さんのところに向かってくれる、それを任せられるということが魅力的で、精神的にすごく楽になりました。

3段論法的になりますが、ファストドクターの「時間外往診連携サービス」が地域医療にご尽力されている先生方を支えることによって、先生方の時間ができ、結果的に地域の医療のレベルが上がっていくという大きな力を持っているサービスです。

−最後になりますが、貴院が目指す地域医療の姿についてお聞かせください。

何でも気軽に相談できて、その方に良い医療を提供する「かかりつけ医」として、とことん突き詰めていきたいです。かかりつけ医は家庭医に近いのかもしれません。医療も最後は人と人で成り立っているのでお互いに信頼関係ができて、顔が見える関係を築けていると安心できる部分もあります。やはり、1人でできることは限られていて、様々なことができるように地域間での協力や連携により、その地域がもっと住みやすくなればいいなと思っています。

−本日はありがとうございました。

▼ファストドクターの在宅医療支援サービスはこちら
https://www.fastdoctor.co.jp/service/oncall

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所在地:〒108-0014 東京都港区芝4丁目5-10 ACN 田町ビル3F
設立:2016年8月
代表者:菊池 亮(医師)・水野 敬志
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本件に対するお問い合わせ

ファストドクター株式会社
広報 田島・大塚
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