高熱が一日で下がる理由とは?原因と受診の目安について解説

更新日: 2025/07/18
高熱が出て一晩で熱が下がって安心していませんか? 一晩で熱が下がったとしても病気の前兆だったり、既に感染症にかかっている可能性もあるのです。 高い熱が何日も続くイメージがあるコロナやインフルエンザですが、中には一晩で熱が下がったというケースがあると報告されています。 コロナやインフルエンザは感染力が高く他人にうつしてしまう可能性があるため、原因を特定して早めに対処することが重要です。
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急に熱が出て一日で下がる原因を症状別に紹介

急に高熱が出て一晩で下がった場合、以下5つの原因が考えられます。

  • 風邪

  • 新型コロナウイルス

  • インフルエンザ

  • 心因性

  • 熱中症
  • その他の病気

身体的にあらわれる症状であるケースがほとんどですが、なかには精神的な疲れなどから来るものもあります。

「ただ休めば治る」「解熱剤を飲めば大丈夫」と考えるのではなく、きちんと原因となる病気を治療しましょう。

風邪の場合

風邪を引き起こすウイルスが強いものでなければ、免疫力が勝ち、一日で熱が下がることもあります。

風邪のひき始めにしっかり休息し、水分や栄養をとっていると一早い回復に繋がり、すぐに解熱します。普段から免疫力を高める生活習慣をつくっておけば、自己治癒力が働く可能性も高いです。

ただし高熱が一晩で下がったからといって、風邪が完治したとはいえません。

無理をすると熱がぶり返したり発熱以外の症状があらわれたりする可能性もあるため、数日は安静に過ごすとよいでしょう。

もう少し様子を見れば大丈夫と思っている方は注意!

熱が一日で下がって安心してしまっていませんか?

コロナは夜に熱が出始めて翌日の朝は一度熱が下がることがあります。

もし会社を休むかどうか・外出するかどうかを悩んでいるのなら、一度オンライン診療で医師の診察を受けてみませんか?

ファストドクターでは市販の検査キットによる結果や、症状の状態からインフルエンザと医師が診断した場合には、お薬を処方することが可能です。

新型コロナウイルスの場合

新型コロナウイルスに感染すると37.5℃以上の発熱が4日以上続くことがよくあるとされています。しかしなかには、1日〜2日で熱が下がるケースもまれにみられます。

風邪と同様に個人の免疫力や体力が高ければ、高熱が続くことなくウイルスを追い出すことが可能です。

また新型コロナウイルスに感染しても無症状である人が約20%もいるとのことから、必ずしも熱が出るわけではありません。[4]2〜3日の間は熱が上がったり下がったりするケースもあります。

解熱しても数日は安静に過ごしてください。

新型コロナウイルスは人によってあらわれる症状が異なるため、たとえ一日で高熱が下がったとしても、医療機関を受診しておくとよいでしょう。[5]

関連記事:新型コロナになった!つらい高熱や強いのどの痛み、関節痛などコロナに効く解熱剤は?

関連記事:【2025年7月】コロナの最新症状や潜伏期間について確認しよう

インフルエンザの場合

インフルエンザの場合、通常は3日程度発熱が続くケースが多いです。一方で事前にインフルエンザの予防接種を受けている人は、発熱期間が短縮され1日で解熱した可能性も否定できません。

「二峰性発熱(にほうせいはつねつ)」によって、一度熱が下がっているケースがあります。二峰性発熱とは一旦解熱したにも関わらず、再び1〜2日発熱する熱型です。

おもに子どもに見られることが多いですが、大人でもまれにあらわれるケースがあります。[6]

インフルエンザが疑われる場合は、発症後3〜7日間ウイルスを排出するといわれています。
一日で解熱したとしても、ウイルスを排出する期間は外出を控え、安静に過ごしましょう。

関連記事:インフルエンザは1日で熱が下がる?症状や治るまでの期間を解説


心因性発熱の場合

ストレスが原因で心因性発熱を起こしていた場合、そのストレスが解消されたことで一晩で熱が下がるケースもあります。

心因性発熱はストレスによって交感神経が活発になり、褐色脂肪細胞の熱産生によって発熱する症状です。[2]

体がストレスに対して闘えるように、過剰に反応して熱が出てしまうのが特徴として挙げられます。心因性発熱の場合は解熱剤を服用しても効果が見られません。

解熱するには個々のストレスを解決することが重要です。たとえ一日で熱が下がったとしても、ストレスの原因を取り除かないと何度も繰り返し発熱する場合があります。

心因性発熱が疑われる場合は、自分で判断するのではなく心療内科を受診して適切な治療を受けましょう。[9]

熱中症

熱中症によって起きてしまった発熱も、きちんと対処すれば1日で熱が下がります。炎天下での作業や運動、室内での蒸し暑さなどがきっかけとなり、体温が38~40度を超えることもあります。

熱中症は、暑さによって体温調節機能が乱れ、一時的に体温が上昇する病気です。熱中症による高熱は感染症とは異なり、体の熱がこもることで生じます。

体を冷やす・水分や塩分を補給するなどの対応をとると比較的早く熱が下がることが多いのが特徴です。しっかり休養をとった翌日には熱が平熱に戻るケースも珍しくありません。

ただし、熱が下がったからといって油断は禁物です。体の内部では脱水や疲労が残っており、再び症状がぶり返すこともあるため注意が必要です。

高熱が1日だけ出てすぐ下がったという場合には熱中症を疑い、無理をせず体調を整えることが大切です。

関連記事:熱中症で熱が出ることはある?原因やいつまで続くのかについて解説

関連記事:熱中症の症状をレベル別にすると?頭痛や治し方についても解説

その他の病気の場合

上記で紹介した原因以外にも高熱が一日で下がる病気がいくつかあります。

  • 腎盂腎炎
  • 関節リウマチ
  • 悪性腫瘍(がん)

膀胱など細菌感染を起こして発症する「腎盂腎炎」は、一日に一回〜数回発熱して解熱する熱型が特徴的です。一日で下がったと思っても、また一日経つと発熱する可能性があります。

どのように発熱しているのかについては診断時に必要な情報となるため、医師に伝えるようにしましょう。[7]

免疫の異常により関節が破壊され主に手足の関節が変形してしまう「関節リウマチ」は、発症初期の日中は平熱であるものの、夕方以降になると熱が上がる所見がみられます。[8]

既に関節リウマチと診断されている場合、疲れが溜まると夜間に発熱することも珍しくありません。

悪性腫瘍(がんや白血病など)によって体の免疫力が低下したときや、炎症を引き起こした際に発熱することもあります。

発熱の周期性は悪性腫瘍のタイプや進行度によって異なり、なかには特定の時間だけ熱が出るケースや周期的に発熱するケースもみられます。[11]

発熱・解熱のメカニズムについて

発熱とは、体内の体温調節中枢が設定温度(セットポイント)を上げることで起こる生理反応です。

体温は脳の「視床下部」にある体温調節中枢によって、一定に保たれています。

敵の侵入を伝えられた視床下部は、体全体に体温を上げるよう指令を出します。[1]

  • 毛穴を閉じて皮膚から熱が放出されるのを防ぐ

  • 悪寒(ブルブル震える動作)によって熱を生産させる

  • 体の中を循環している血液量を減少させる

  • 寒気を感じ暖をとる

ウイルスや細菌に感染すると、免疫細胞がサイトカインという物質を分泌し、プロスタグランジンE2(PGE2)という発熱物質の産生を促します。

プロスタグランジンE2が視床下部に作用すると、体温の設定が通常より高くなり、寒気や震えによって熱を生み出そうとします。結果、体温が上昇し発熱が起こるのです。

解熱は体温の設定が元に戻り、熱を放散する仕組みが働くことで起こります。

ウイルスが排除されたり、解熱剤でプロスタグランジンE2の働きが抑えられたりすると、視床下部の設定温度が正常値に戻ります。

すると体は「熱を下げよう」として皮膚の血流を増やし、発汗することで体温を下げます。[3]

発熱・解熱は、体が感染などに対抗するために行う一連の防御反応といえます。

発熱するメカニズムは、体温を上げ免疫力を高めることでウイルスを撃退するための作用です。ウイルスが体内に侵入すると、脳で体温調節を担う視床下部へ外敵の侵入を伝えます。

高熱が1日で下がったが病院に行く目安はあるのか

受診をするかどうか判断に迷っている人は、以下の受診する目安を確認しましょう。[12]

  • 身近にインフルエンザや新型コロナウイルスに感染した人がいる

  • 再度発熱した

  • 鼻水・咳・のどの痛みが続いている

  • 倦怠感がある

  • 水分や食事を受け付けない

  • 発熱以外に自覚症状がある

  • 基礎疾患のある人

  • 極度の体温上昇(41度以上)

  • 発熱によって精神状態に変化があった

一晩で熱が下がったとしても再び熱がぶり返すケースやインフルエンザや新型コロナウイルスにかかっているケースもあります。

熱が下がっても油断することなく、一日は安静にして体調の変化を観察しておきましょう。

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学校や仕事は行ってもいいの?

一日安静にして熱が下がっている場合は、解熱していても、念のため休んだ方がよいでしょう。

仕事であれば感染症法や労働安全衛生規則、学校であれば学校保健安全法で定められている病気でなければ、出勤・出席停止扱いになることはありません。

ただしインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にかかっていたりすると、職場や学校で急に高熱がぶり返したりする可能性もあります。

原因が感染症でなくても、発熱しているということは身体のSOSのサインであるとも考えられます。一日で熱が下がった場合も、ゆっくり休養をとるように心がけましょう。

自宅で様子をみる場合に気を付けること

一日で高熱が下がり、自宅で安静にして様子を見る際に気をつけるポイントは以下の通りです。

対策

ポイント

いつから熱が出たか記録しておく

受診が必要になった際に備えて、発熱の記録をする

  • いつから熱が出ているか

  • 熱が上がったり下がったりしているか

  • 発熱時の最高体温

  • 発熱以外の症状があるか

こまめに体温を計測する

自宅で様子を見る時は体温の変化がないかこまめに計測しておく

※1日2回(朝・晩)は確認を

換気をする

  • 2時間毎に部屋の空気を入れ替える
  • 湿度を保つ

マスクをする

不織布マスクを着用

飲料水や食料を買っておく

急な症状の悪化に備えて飲料水や食料を買っておく

  • 経口補水液

  • 消化によい食べ物(うどん・ゼリーなど)

  • 回復したときのためのレトルト食品

受診できる近所の病院を探しておく

下記2点を探しておく

  • 発熱対応の医療機関
  • 夜間救急対応病院

発熱の原因がウイルスによる感染症の場合、換気をしていない部屋ではウイルスが増え続けます。少ない頻度で長い時間換気をするよりも、短い時間でこまめに換気をするとよいでしょう。

マスクは布製やウレタンのマスクでは細かな飛沫を防げない場合があるため、できるだけ不織布マスクを使用してください。

発熱時は、発熱外来でしか受診できない病院や予約制の病院が増えています。あらかじめ受診できる病院を探しておくと安心でしょう。

上記のポイントに気をつけながら休養し、規則正しい生活をして免疫力を高めることが重要です。

もしまた熱が上がってきたらどうする?

万が一、熱が再び上がってきた場合は、近くの内科や発熱外来のある病院を受診しましょう。子どもの場合は、かかりつけの小児科を受診してください。

その際に、これまでの発熱の経過や他症状を説明できると受診に役立ちます。

感染症であった場合に備えて、病院を受診する前に会社や学校を休む際に診断書等が必要か確認しておくとよいでしょう。会社や学校から診断書が必要と言われるケースも少なからずあります。

受診時に一度診断書を書いてもらっていれば、再度受診する必要はなくしっかり療養に専念できるでしょう。

まとめ

急に高熱が出て一日で下がる原因はさまざまですが、大人も子どもも少なからずみられるケースです。過度に心配する必要はありませんが、安静に過ごし経過を観察しましょう。

高熱の原因にはインフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症や心因性発熱も挙げられます。一旦解熱している場合も、再び発熱したり悪化したりする可能性があるため、油断は禁物です。

発熱時は原因が何であろうと、体からのSOSのサインと考え、安静に過ごしましょう。

既に熱が下がっていても受診の目安を参考に、少しでも気になる症状があればためらわず早めに受診をしてください。

参考文献

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[1]体温調節中枢機構に関する最近の進歩

[2]京都大学|心理ストレスを受けたときに体温を上昇させる脳神経回路を解明

[3]ヒトの体温調節

[4]Eurosurveillance | Estimating the asymptomatic proportion of coronavirus disease 2019 (COVID-19) cases on board the Diamond Princess cruise ship, Yokohama, Japan, 2020

[5]厚生労働省|インフルエンザQ&A
[6]小児呼吸器感染症の病態と治療法の検討:ヒトボカウイルス感染症とインフルエンザ

[7]炎症性偽腫瘍と間欠熱

[8]メディカルスタッフのためのライフステージに応じた関節リウマチ患者支援ガイド

[9]褐色脂肪組織による熱産生と体温・体脂肪調節

 

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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