KP.3株のコロナの症状の詳細と特徴は?ワクチン接種した人も注意

公開日: 2024/07/29 更新日: 2024/09/06
「KP.3ってどんな症状があらわれる変異株?」 「ワクチンが効かないって本当?」 2024年6月に入り、日本では新型コロナウイルスの感染者が増えました。 新型コロナウイルスが5類感染症となった今、しっかり感染対策をおこなっている人は多くありません。 この記事では新たにあらわれたKP.3株に感染した際の症状や特徴について解説します。 読み終えた頃にはKP.3について理解ができ、もし感染してしまった際にどうすればよいのかが理解できるでしょう。
KP.3に感染したかも、と不安な方へ

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KP.3とは?

KP.3は新型コロナウイルスのさまざまな変異株のなかの種類のひとつです。

新型コロナウイルスは今までも、アルファから始まり、オミクロンへと進化していきました。

2024年6月くらいから感染者が増加しているKP.3株はオミクロンBA.2系統の子孫株です。

そして2023年の年末から主流株となっていたJN.1株の子株にあたります。JN.1の子株はKP.3だけでなく、LB.1株やKP2.3株が存在しています。

実はKP.3株は2023年12月にはすでに存在していた変異株です。

しかしそのときに実際に感染者が多かったのはJN.1株の方であったため、KP.3は注目すらされていませんでした。

2024年5月に入ってからじわじわと感染者を増やし、同年7月にはテレビでも取り上げられるくらいの主流株となっています。

関連記事:「JN.1株」とは?症状と感染状況を解説

KP.3の症状と特徴

KP.3の症状は、今までのオミクロン株と大きく変わりません。以前のコロナの症状と比較して特徴は3点です。

  • 主にあらわれるのはのどの痛みと発熱
  • 抗体が効きにくい
  • 風邪なのか熱中症なのか判断できない

2024年6月に入ってからは、のどの痛みや発熱を訴える人が増加しています。

抗体が効きにくく、熱中症と症状が似ているため診断が難しい状況です。

主にあらわれるのはのどの痛みと発熱

KP.3株は咳や倦怠感、下痢症状も目立ちますが、主にあらわれる症状はのどの痛みと発熱です。

鼻水症状や腹痛、嘔吐などは一部の感染者にあらわれています。味覚や嗅覚がなくなるなどの症状を訴える方は少なく、重症化のしやすさも否定的です。

しかし高齢者や基礎疾患持ちの方は重症化するリスクを抱えているため、感染した際には経過観察をしっかりとおこないましょう。

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関連記事:【2024年】新型コロナについて症状・変異株ごとの最新情報を知ろう

抗体が効きにくい

KP.3株はワクチンが効果を示さない可能性があるため、抗体がききにくい可能性があります。

英国科学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」では、KP.3株が自然感染の際につくられた抗体やワクチン接種による中和抗体に対して「高い逃避能を有している」と発表しました。[1]

「高い逃避能を有している」とは、抗体をすり抜ける、掻い潜る(かいくぐる)状態です。

「ワクチン接種をしたからかかることはないだろう」「重症化することはないだろう」と考えるのは避けましょう。

風邪なのか熱中症なのか判断できない

KP.3株の主な症状はのどの痛みや発熱のため、医師はすぐに「コロナである」と判断することができません。

症状だけを聞くと風邪となんら変わりがないためです。医師がコロナ検査をしなければただの風邪と診断されてしまいます。

また熱中症との見分けに注意が必要です。

KP.3株の本領が発揮されて流行している2024年6〜7月は、1年のなかでも一番じめじめして気温も湿度も上がってきている時期です。

熱中症の可能性も高いことから、風邪とコロナ以外の選択肢も増え、医師は様々な想定をする必要性に迫られています。

「のどの痛みはないが発熱している、高熱症状があらわれている」と訴えられた際には、熱中症の可能性をまず考えます。

しかしコロナに感染している可能性も十分あり、診察の難易度が上がるのです。

熱中症の可能性が高いのであれば、検査キットを使用する必要がないためコロナを見逃す可能性も発生します。(検査キットにも限りがあるため、全患者に検査をするのは現実的ではありません。)

風邪や熱中症と似たような症状があらわれるため、コロナ渦初期に比べると重症化する可能性は低くなりました。

しかし重症化する可能性も否定できないため、KP.3の流行が収まるまでは積極的に検査を医師に要望することが大切です。

関連記事:【2024年】新型コロナについて症状・変異株ごとの最新情報を知ろう

関連記事:熱中症の症状チェック|頭痛も熱中症のサイン?治し方も解説

今までの変異株との違い

KP.3株は今までの変異株と比較して何点か違いがあります。特に今までとは違う点は感染年齢です。

今まで(JN.1も含む)の変異株

KP.3株

  • ワクチンの中和抗体から逃れられない

  • オミクロンBA.1もしくはBA.2以降は感染力は強め

  • ワクチンの中和抗体をすり抜ける

  • 感染力がかなり強い

  • 高齢者や未就学児より高校生の感染者が多い[2]

ワクチンが効かない可能性も

KP.3株はワクチンの中和抗体に対して逃避能を有しているため、ワクチンが効かない可能性があります。[1]

逃避能は繰り返しになりますが、抗体を掻い潜る(かいくぐる)力です。

ワクチンを5回〜6回接種したから安心と考えている方も、今回の変異株に関しては抗体が機能しない可能性があります。

製薬会社がKP.3株に対して効果を有するワクチンを開発するかもしれませんが、現在は感染しない対策が必要です。

コロナKP.3に対する特効薬はあるのか

KP.3株だけに対する特効薬というのはありませんが、新型コロナそのものに対する治療薬は存在します。

コロナ陽性になってしまった際は以下の薬を服用します。

  • 新型コロナ専用の治療薬
  • 症状に対しての薬

新型コロナ専用の治療薬として2024年時点で販売されているのは3種類です。

つらい症状を和らげる薬も処方されるため、合わせて服用することもあれば症状に対しての薬のみを服用することもあります。

新型コロナ専用の治療薬

新型コロナに感染してしまった際には3種類の治療薬から、医師が患者に合った薬を処方します。2024年時点では以下3種類の治療薬です。

 

特徴

服用方法

ラゲブリオカプセル

重症化リスクが高い人が処方対象。

妊婦には処方できない。

他の内服薬とも併用できる

18歳以上で1日2回5日間内服する。

パキロピットパック

重症化リスクが高い人が処方対象。

最も重症化予防効果が高い。

妊婦にも処方可能。

他の薬との飲み合わせが悪い。

12歳以上で1日2回5日間内服する。

ゾコーバ

重症化リスクがなくても使用できる唯一の飲み薬。

症状出現期間が短くなる。

妊婦・授乳中の方には処方できない。

他の薬との飲み合わせが悪い。

12歳以上で1日1回5日間内服する。

コロナの薬は飲み合わせで制限が厳しい薬です。

普段から薬を飲んでいる高齢者や、基礎疾患持ちの方、妊娠中の方は必ず医師に十分相談してから処方してもらうようにしましょう。

新型コロナウイルス専用の治療薬とはいっても、体内に存在しているコロナウイルスを消滅させることはできません。ウイルスの増殖を抑えることが目的です。

また新型コロナに対する公費はなく、すべて保険適用での金額となります。

治療薬によっては3割負担で2万円を簡単に超えるため、以上のことを理解した上で薬を処方してもらうようにしましょう。

症状に対しての薬

のどの痛みや発熱症状に対しての薬は一般的な風邪のときに処方される薬と同じものが出されます。

症状

商品名

成分名

のどの痛み

トランサミン

トラネキサム酸

SPトローチ

デカリニウム塩化物トローチ

アズノールうがい液

アズレンスルホン酸ナトリウム水和物

桔梗湯

桔梗湯

発熱

カロナール

アセトアミノフェン

ロキソニン

ロキソプロフェンナトリウム水和物

ブルフェン

イブプロフェン

痰(たん)がからんでいるときや咳が出ている場合は、鎮咳薬(ちんがいやく)や去痰薬(きょたんやく)を使用します。

咳の症状がどうしてもよくならない際には内服に加えて吸入薬が出ることもあるため、症状がつらい場合は医師に迷わず相談してください。

症状

商品名

成分名

メジコン

デキストロメトルファン臭化水和物

アスベリン

チペピジンヒベンズ酸塩

フスコデ配合錠

ジヒドロコデインリン酸塩

・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩

レスプレン

エプラジノン塩酸塩

アストミン

ジメモルファンリン酸塩

カフコデ配合錠

ジプロフィリン・ジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・アセトアミノフェン・ブロモバレリル尿素

ホクナリン

ツロブテロール塩酸塩

ムコダイン

カルボシステイン

ムコソルバン

アンブロキソール塩酸塩

ひどい咳

パルミコート

ブデソニド

オルベスコ

シクレソニド

シムビコート

ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物

レルベア

ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステル

2024年7月時点での日本全国の感染状況

2024年9月現在、日本全国の感染者数は爆発的に増加。1か月後(2024年10月)に3倍〜4倍になる可能性もあると言われています。

テレビやインターネットで専門家や医師たちは「第11波に入った」と発言しました。

情報が少なく今後の予測が困難な状況ですが、爆発的なコロナの再流行には意識を傾ける必要があります。

「感染しないように注意しなければいけない期間」は短期間ではない可能性が大きいです。

関連記事:【2024年9月】コロナの最新症状や潜伏期間について確認しよう

第11波が到来と言われている理由は

厚生労働省からは、毎週金曜日に新型コロナの発生件数が定点把握で発表されています。

最新の情報から見ても、定点当たり報告数が4週間前と比べて2.02倍増えていることが分かるでしょう。

第23週

第24週

第25週

第26週

第27週

6/3-/6/9

6/10-6/16

6/17-6/23

6/24-6/30

7/1-7/7

3.99

4.16

4.61

5.79

8.07

KP.3株の感染者が増える前の2024年4月最終週は2.27人だったため、4月に比べると約4倍増えていることが分かります。

全国的に見ると、定点把握数が増えているのは5つの地域です。

【第27週:新型コロナ定点当たり報告数】

都道府県

定点把握数

沖縄県

29.92

鹿児島県

23.13

宮崎県

19.74

熊本県

18.24

高知県

12.75

沖縄県や鹿児島県が定点当たりの報告数が非常に多いです。

東京や大阪などの主要地域に比べて、医療施設の数やコロナ感染者の受け入れ数は多くはありません。

そのため医療ひっ迫の危機に陥っている地域があることが予測できるでしょう。

このことから第11波が到来したと言われています。

関連記事:コロナ最新情報 「第10波」の状況は?

1ヶ月後に3倍〜4倍になる可能性も(2024年9月現在)

2023年第27週の定点当たり報告数は9.14で、その後も感染者数は伸びていき、第35週には20.50にまで増えました。

このときも短期間で大幅に陽性者が増えましたが、2024年27週時点でも同じように感染者数が増えています。

増加数を曲線であらわすと昨年と類似した曲線を描きます。

【2023年/2024年の定点当たりの感染者報告数】

黄:2023 赤:2024年

すぐに医療機関へ相談ができないときはオンライン診療の活用を

のどの痛みや発熱があらわれた際は、オンライン診療を活用することも考えましょう。

  • オンライン診療のメリット

  • オンライン診療の具体的な利用方法

オンライン診療はスマートフォンで気軽に、医師に直接相談をすることが可能です。

夜間や休日などの病院が開いていない時間に受診ができるため、たくさんのメリットがあります。

オンライン診療のメリット

オンライン診療は一度受けると抵抗感がなくなりますが、一度も利用したことがない方の敷居はとても高いです。

5つのメリットがありますので、順番に確認していきましょう。

メリット

詳細

どこにいても診察を受けることができる

「体調が悪いかも」

「のどの痛みがあるから薬を処方してほしい」

そう思ったときにどこからでも診察を受けることが可能です。

待ち時間がない

「具合が悪すぎる」

「小さな子どもがいるから待てない」

などという場合は、自宅での待ち時間は自由に過ごせる

体調が悪くてもそのまま診察が受けられる

「寝込んだ状態」

「着替えができない」

そのままで診察を受けるここが可能

感染対策になる

病院はさまざまな病気の人が集まる場所です。他のウイルスをうつされないための感染対策にもなります。

薬を自宅で受け取れる

オンライン診察のあとに、薬局に行かなくても自宅に薬を宅配してもらえる。

(自分もしくは家族が薬局に薬をとりに行くことも可能)

オンライン診療の具体的な利用方法

オンライン診療の具体的な利用方法はどこも大きく変わることはありません。

  1. 受診する病院またはクリニックと薬を受け取る薬局を決める

  2. 病院指定の方法(ホームページかアプリ)で予約をする

  3. 予約時間が近づいたら、指定の方法でビデオ通話にアクセスして診察を受ける

  4. クレジットカード、電子マネーなど病院が対応している支払い方法で会計をする

  5. 薬局で薬を受け取る

ファストドクターも同様です。

専用アプリからオンライン診察予約画面が表示されているため、指示に従って入力していきましょう。順番になったら通知が来ます。

その際にご自身もしくは家族の症状について相談しましょう。

まとめ:今一度コロナ対策に意識を向けよう

KP.3は今後爆発的に流行する可能性があります。ワクチンや自然免疫による中和抗体が効かず、感染力はかなり強いです。

感染者が増加したタイミングで熱中症患者も多くみられ、医師たちは「コロナなのか熱中症なのか、はたまた普通の風邪なのか」判断がつきません。

5類感染症に移行しコロナに無関心になる人が増えました。今一度コロナ対策を意識することで感染対策を防ぐことが可能です。

手洗いやうがいはもちろん、今までおこなっていた対策を思い出しコロナに感染しないようにしましょう。

少しでも早く医師に相談したい

コロナなのか熱中症なのか自分で判断がつかなければ、まずはオンラインで医師に相談することから始めてみましょう。

ファストドクターではオンライン診療はアプリをダウンロードすればすぐに予約ができます。

つらい症状にお困りであればすぐにご利用ください。

参考文献

[1]Virological characteristics of the SARS-CoV-2 KP.3, LB.1, and KP.2.3 variants|THE LANCET

[2]東京都新型コロナウイルス情報 第16号|東京都保健医療局



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