コロナ最新情報 「第10波」の状況は?

公開日: 2024/02/06 更新日: 2024/11/05
「またコロナ感染者が増えてきたけど、第10波っておさまっているの?」 感染者が再度増えてきたコロナウイルスですが、そこには新しい変異株があらわれていることが起因しています。 どのような特徴を持つ変異株で、今までの変異株との症状の違いなどが気になりますよね。 この記事では、新たにあらわれはじめた変異株の特徴について、最新の情報とあわせて解説します。
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コロナ「第10波」最新状況は

2024年2月時点では「新型コロナウイルス感染症は第10波に入ったのではないか」という声が挙げられました。

その後2024年4月に入るころには感染者は減少傾向となり、第10波そのものは落ちついてきた傾向にあります。

しかし実は第10波が落ち着いてしばらくしてから最新株が出てきました。2024年5月上旬から世界中に拡大しているため、まだまだ安心はできないでしょう。

感染者数の増加について

厚生労働省の統計によると、5月上旬からの定点報告感染者数(1つの医療機関で何人新型コロナウイルス感染症と診断されているかを計算したもの)は7週連続で増えつづけています。[1]

新型コロナウイルスの第10波と呼ばれていたシーズンはインフルエンザの流行期でもあったため「コロナなのかインフルエンザなのか」検査してみないと分からず、かなり感染も拡大していました。

2024年第5週には定点当たり報告数が16.15人とかなり多かったですが、第18週には2.27人まで落ち着きました。

第26週では8週連続で新規感染者数が増加していることが分かっています。

感染者増加の原因

なぜ急激に感染者数が増加しているのでしょうか。

そこには「オミクロンKP3」「オミクロンLB.1」「オミクロンKP2.3」という新しい変異株が関係していると推測されます。

オミクロンKP3株やLB.1株、KP2.3株は2024年5月から世界中で感染者が増加しはじめ、2024年7月時点で流行している主要な株として世界で感染が拡大しています。

日本でも2024年5月に入ったころからいきなり感染者が増加し、JN.1が主流株のときほどではありませんがじわじわと感染を広げているのが事実です。

東京都でも連日新規感染者は増加しており、2024年第26週時点で定点あたり5.57人が観測されています。[3]

すでに日本でも主流株になっているといえるでしょう。

関連記事:「2024年コロナの最新情報を確認しよう 」

変異株「オミクロンKP.3、LB.1、KP.2.3」とは

変異株「オミクロンKP.3株、オミクロンLB.1株、オミクロンKP.2.3株」はオミクロンの子孫株です。

JN.1株と比べて感染スピードは緩やかではありますが感染力が強いことが特徴といえるでしょう。

新たにあらわれた変異株は「オミクロンBA.2.86株」がさらに変化した変異株でありJN.1株と同じようにBA.2.86株の親戚にあたります。

新型コロナウイルスなどのウイルスは、ウイルスが増えるときに設計図である遺伝子を書き換えることがあります。その結果できた産物を「変異株」とよびます。

この変異をするときに「スパイクたんぱく質」というものが変化することがあり、ヒトの細胞にくっつきやすくなるという報告があります。

今回あらわれた変異株3種については、自然感染やワクチン接種により誘導された中和抗体に対して、高い逃避能を有していることが分かりました。

要するにコロナワクチンに対してすり抜けてしまう能力が高く、感染力が強いということです。

これまでとの症状の違い

オミクロンKP.3株、オミクロンLB.1株、オミクロンKP.2.3株による新型コロナウイルス感染症の症状は以下のとおりです。

  • 発熱、悪寒(おかん)

  • 咳(せき)

  • 頭痛

  • からだの痛み、だるさ

  • 鼻水、鼻づまり

  • のどの痛み

オミクロン株やJN.1株と比べても特徴的な症状はありません。症状としてよくみられるのは咳と発熱、嘔吐といった通常の風邪とさほど変わらない症状です。

そのため風邪なのかコロナなのか分からず、発熱が一旦落ちついてから受診をする人が多い傾向にありました。

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2024年7月以降これからの動向

2024年の7月以降は夏休みや帰省ラッシュ、夏祭りなどの大規模イベントがあります。

外国人観光客は2024年に入ってから増加しており、人の動きもかなり多くなっていることが分かるでしょう。

観光による人の移動が多くなること、感染対策がだんだん緩くなってきていることが起因していることから、感染者数が増えることを回避するのは難しくなってきています。

また夏が近づくにつれて手足口病やヘルパンギーナなどの夏風邪を発症する機会が増えきます。

発熱症状やのどの違和感だけでは普通の風邪と見分けがつきにくいため、コロナを見逃してしまう可能性が高まるでしょう。

関連記事:ヘルパンギーナは夏風邪の一種?手足口病との違いについても解説

関連記事:手足口病とは?原因・症状・治療方法について解説|【医師監修】

感染対策

おもな感染対策は4つです。

  • 換気

  • 手洗い

  • マスク

  • 体調管理

  • 人ごみを避ける


上記にあげた感染対策は、新型コロナウイルスのどんな株にも共通して効果があり、そのほかのあらゆる感染症にかかることも防いでくれます。

対策を徹底し、感染予防に努めましょう。

換気

部屋の中にとどまっているウイルスの濃度を減らすために、換気は重要な方法のひとつです。夏はエアコンをつけるなどして窓を開けない時間が増えてしまいます。

定期的な換気とうまく併用して、室内のウイルス濃度を下げましょう。

手洗い

もっとも重要な感染対策が手洗いです。流水15秒でウイルスの量は1/100に減少するといわれています。[4]

石けんやハンドソープを使用して10秒もみあらいし、15秒かけて流すとウイルス量を1万分の1に減らすことが可能です。[4]

しっかり洗えていれば手洗い後の消毒は不要ですが、心配な場合は併用しても良いでしょう。手洗いができない場合は積極的にアルコールを使用して消毒をしましょう。

マスク

マスクの装着により感染リスクを大幅に下げることができます。ただし、マスクの装着は義務ではありません。

人ごみや室内に入った時に、すぐ使用できるよう携帯しておくと安心です。

体調管理

新型コロナウイルス感染症は季節に関係なくかかりやすいです。

普段から風邪をひきにくいからだ作りが重要になります。規則正しい生活を送ったり、バランスを心がけた食事をとったりして過ごすようにしましょう。

とくに睡眠は免疫力を高めるために重要です。日頃から休息は十分にとるよう心掛けましょう。

また新型コロナウイルス感染症にかかったことがあっても、新たな変異株の出現やウイルスの進化によって再度新型コロナウイルス感染症にかかる可能性があります。

からだがだるかったり、咳が出始めたりなど、疑われる症状がある場合は「自分はかかったことがあるから大丈夫」とは思わずに、体の異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

人ごみを避ける

新型コロナウイルスは通常2メートル以内の距離で感染するといわれています。

人が多い場所ではその距離を保つことが難しく、屋外だとしても感染するリスクはおおいにあります。

そのため人ごみを避けて行動するようにしてください。

ワクチン接種も視野に

オミクロン株やその変異株JN.1に対しては、ワクチンが有用だと考えられています。

CDCは「最新のワクチンがJN.1に対して防御力を高めることが期待できる」と報告しましたが、KP3やLB.1、KP2.3は中和抗体に対して逃避性が高いといわれています。[3]

WHOは、現行のワクチンが引き続きオミクロン株やJN.1など他の変異ウイルスによる重症化および死亡のリスク低減について効果があると発表しています。

KP3やLB.1、KP2.3に対して効果は低いかもしれませんが「効果がない」といっているわけではありません。

一定の効果を示すことが期待できるため、ワクチン接種も検討してみてください。

まとめ

第10波はいったん落ち着いたものの、2024年5月に入り新たな変異株があらわれはじめたために感染者は増加中です。

KP3やLB.1、KP2.3はオミクロン株BA.2系統の親戚にあたる子孫株といわれています。

しかしワクチンの効果が期待できるBA.2系統、JN.1株と異なり新たな3種は中和抗体に対する逃避性が高いと報告されています。

ワクチンを打っても「まったく効果がない」というわけではないためにワクチン接種を検討してみましょう。

新型コロナウイルスの動向は日々変化します。定期的にチェックし感染対策を心がけましょう。

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参考文献

[1]新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について|厚生労働省

[2]最新の新型コロナウイルス感染症の情報|東京都保健医療局

[3]Update on SARS-CoV-2 Variant JN.1 Being Tracked by CDC|CDC

[4]新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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