ファストドクターにご協力いただいている先生方
8月1日よりスタートしたファストドクタースペシャリストプログラムについて、先生方より実施の背景や評価基準について不透明な部分があるとフィードバックをいただいたため、本プログラムを一時停止し、制度の見直しをすることに決定いたしました。
不快に感じられた先生方へ心からお詫び申し上げます。
大変申し訳ございません。
改めて、スペシャリストプログラム実施の背景をご説明致します。
ファストドクターでは、医師の勤務環境が改善されることが、結果的に患者さまの安心・安全に繋がると信じ、日々様々な施策を行っております。
その一環として、診療内容や事務局からの依頼事項(PPE着用や紹介状など)について意識やモチベーションを高めていただき、日々頑張っていただいている先生が他の勤務先にはないようなベネフィットを受け取れることを目的として、本プログラムを考案いたしました。
しかし、リリースと同時に複数の先生から評価基準に関する疑問のお声を頂き、本プログラムの制度が十分に考慮されたものでなかったと気が付きました。
現在の、エキスパートラベルとなるための評価項目は
①診察満足度の平均点
②体温37.5度以上の患者に対するPPE着用率
③カルテのAssesment&Plan項目における文字数の中央値
④紹介状発行率
の4点です。
①診察満足度の平均点について
診察後に患者に「医師の診察はいかがでしたか?」と5段階評価でアンケートを行っており、N=10以上かつ、平均点数が4.80/5.00点以上でエキスパート認定としておりました。
8/1時点において、本プログラム対象の医師の平均点数は4.74点で、中央値は4.80点、上位25%は4.90点となっており、上位50%をエキスパートラベルの基準と考え、4.80点を基準といたしました。
しかし、どんなに丁寧な診察を心がけていても、コンタクトセンターでのコミュニケーションの問題や、医療資材の準備不足等による、先生方にとっては不可避な問題が誘引となり、結果として☆1や☆2の評価が付いてしまうケースも一定数考えられるのは事実です。
たった1つの☆1の評価で大きく平均点が変動する場合もございます。こういった点を考慮する視点が漏れておりました。
配慮が足りず、誠に申し訳ありませんでした。
②体温37.5度以上の患者に対するPPE着用率について
ほとんどの先生がワクチン接種済みとは存じますが、ワクチン接種後のブレークスルー感染も徐々に確認されてきており、先生と患者さま及び同行スタッフを感染リスクから守るために本指標を設定致しました。
こちらについては平均着用率は123%、基準をクリアしている先生の比率が82%と、例え発熱診察でない場合でも、先生方には積極的な感染防御に努めていだいている結果となり、大変感謝しております。
③カルテのAssesment&Plan項目における文字数の中央値について
創業以来5年間、まだ1件も発生しておりませんが、医療過誤裁判となった場合、カルテは医師を守る重要な書類の一つになります。
そのため、ファストドクターではカルテに、特にAssesment&Planの項目には医師の思考過程を具体的に記載頂きたいと考えております。
車酔いする先生方に向けて、音声入力等のシステム的な側面からの改善も行っておりましたが、本プログラムを通してよりカルテ記載へのモチベーションを高めて頂けることを期待し、項目として採用いたしました。
基準となる文字数は、医師の思考過程及び患者様への説明内容の記載のあるカルテを参考に、中央値で50文字以上と設定しておりました(ただし音声入力についてはGoogleの解析文字数が多くなるため、解析文字数を4分の1に圧縮)。
事前に明確な文字数を提示しなかったのは、それによって評価基準文字数を上回るテンプレート化した文言をコピー&ペーストするなどの攻略方法が出てしまうのではとの懸念があったためです。この基準を隠す事が、本プログラムの不信感に繋がってしまったのではと反省しております。誠に申し訳ございません。
現時点では、Assesment&Planの文字数の、各医師の中央値の平均値は75文字、各医師の中央値の中央値は97文字と、中央値50文字の基準を満たしている先生の割合は87%と、多くの先生にご協力いただけており、大変感謝しております。
④紹介状発行率について
ファストドクターでは「救急診療」の位置づけとして、その後の加療を地域の医療機関と連携することを前提としているため、紹介状の発行を原則全件お願いしております(患者様が明示的に拒否された場合を除く)。したがって、紹介状発行率50%以上を基準としておりました。平均発行率は60%、中央値は67%と、平均値50%以上の発行基準を満たしている先生の割合は64%でした。
現時点では多くの先生の善意によってご協力いただいておりますが、紹介状を発行するには非常に多くの時間を割く必要があり、また足元で増加する保健所から依頼されたコロナ自宅療養者への診察で紹介状を発行することは妥当ではないなど、そういった市況を十分に考慮できないまま、地域の医療機関からの要望に応えるためになんとか紹介状発行を促したいという思いが先行してしまっておりました。申し訳ございません。
現状のスペシャリストプログラムでは①~④の項目「すべてを満たす」ことが条件となっており、1つでもクリアできない場合はパートナーラベルとなってしまっている点も、大いに反省すべき点と思っております。
つきましては、本プログラムは本来の主旨である、先生方の勤務環境をより良いものに改善していきたいという思いが伝わりづらいものになっておりましたので、大至急の改善を行うことに致しました。
ラベルの位置づけや基準自体を見直し、改めてスタートをしたいと思っております。
重ね重ねになりますが、本当に申し訳ございませんでした。
評価項目を見直し、基準を明確にした上で再度アナウンスを致します。
今しばらくお待ちくださいませ。
このファストドクタースペシャリストプログラムに関しては全て私たち(小石・上柳)の責任です。
個別に説明を聞きたい場合はご連絡頂ければ
zoomでの謝罪・説明の機会を設けさせていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ファストドクター小石祐司、上柳菜摘