診断書があれば休職できる?休職制度や手続き方法を合わせて解説

公開日: 2025/05/04 更新日: 2025/05/04
「休職をしたいけれど診断書は必要なの?」 「診断書はどこでもらえるの?」 「そもそもどうしたら休職できるの?」 休職をしたいと思っても、何をすればいいのか分からない人は多いのではないでしょうか。 診断書は必要なのか、それ以外にも必要なものがあるのか気になりますよね。 診断書は休職を決定する重要な書類です。 休職のメリットは会社に籍を置いたまま長期間休むことができ、その期間を終えたら復帰できることです。 この記事では休職のための診断書について、取得方法や発行にかかる費用、休職制度についても詳しく解説します。 休職手続きの手順も紹介しますので、参考にしてみてください。
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目次

休職するのに診断書が必要か

病気やケガが原因で会社を休職するとき、多くの場合は診断書の提出を求められます。

診断書は医師が書く公的な文書で、病気やケガのために療養が必要であることを証明するものです。

休職に関する法律はないため、休職制度を設けるかどうかは、会社側が自由に決定できることになっています。

そして、休職制度を設けた場合の申込の手続方法も同様に会社側が自由に決定できます。

従って休職する際に診断書の提出を求めるかどうかも同様に会社により異なります。[1]

必要な場合

会社に休職制度があり、診断書の提出を義務付けている場合は診断書が必要になります。

休職制度に関しては就業規則に定められているため、一度確認してみるとよいでしょう。

不要な場合

診断書が不要なのは以下の場合です。

  • 休職制度の利用に診断書の提出を義務付けていない場合

  • 休職制度がない場合

休職に関する法律はないため、休職制度を設けるかどうかは会社の判断に任されています。

休職制度がない会社では、長期の休暇が必要になった場合は有給休暇を消化するか、欠勤扱いにする等により休むことになります。

なお、休職制度がない場合でも、病気等の理由で従業員が長期の休暇を取得した場合に、すぐに会社が退職を求めたり解雇をすることは現実的ではないと考えられています。

休職制度とは何か?

休職制度とは、会社に在籍しながら長期間休むことのできる制度です。休職制度は法律で定められておらず、会社ごとに規定されています。

休職期間中に復帰できれば復職となり、復帰できなければ退職または解雇となります。

また仕事が原因で病気になった、仕事中または通勤中にケガをした場合は労災となり、休職制度の適用にはなりません。[2]

仕事を休む制度には何があるのか

仕事を休む制度には、法律で定められたものもあります。代表的なものに以下のようなものがあげられます。

  • 年次有給休暇:一定期間勤務した従業員に対して与えられる休暇

  • 生理休暇:生理による体調不良で取得できる休暇

  • 産前・産後休業:出産予定日を含む産前産後に取得できる休業

  • 育児休業:1歳未満の子どもを養育するための休業

  • 介護休業:要介護状態である家族を介護するための休業 など

これらは労働基準法や育児・介護休業法に定められている制度です。

これらの休暇を従業員が希望したときは、会社は取得させないと罰せられる可能性があります。

休職できる人は

休職制度を利用できるかは就業規則上に定められていて、会社ごとに異なります。

休職条件の例として、勤続年数や雇用形態(正社員・パートタイマーなど)、必要書類を全て準備できる人などがあります。

また、休職期間の通算規定により、新たに休職できる期間が残っていることも条件になり、誰でも休職できるわけではありません。

休職できる期間

休職できる期間は3か月~3年程度の範囲で定められていることがほとんどです。

休職期間も会社ごとに異なり、就業規則上に定められています。

メンタル不調で休職できる期間の目安は軽症では約1か月、中等症では3か月~6か月、重症では1年以上です。

厚生労働省によると、メンタル不調で休職した人の平均日数は、1回目の休職では107日(約3.5か月)、2回目の休職では157日(約5か月)という報告があります。

種類別による休職期間の目安は以下の通りです。[3]

  • 私傷病休職:6か月~1年未満

  • 出向休職:出向している期間

  • 組合専従休職:組合に専従している期間

  • 起訴休職:会社が必要であると判断する期間

休職中の給与

会社に休職中の給与の支払い義務はありません。しかし急に収入がなくなったら不安に思う人も多いでしょう。

そこで利用できる制度が「傷病手当金」です。

傷病手当金は休業中の生活を補償する健康保険の制度です。

病気やケガで会社を休んだときに給付を受けることができます。給付を受けるには以下の要件を満たす必要があります。

  • 業務外の病気やケガであること

  • 病気やケガのために働けない状態であること

  • 連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること

  • 病気やケガのために休んだ日に給与の支払いがないこと

傷病手当金の支給を受けるには「傷病手当金支給申請書」を会社、もしくは全国健康保険協会、健康保険組合のWEBページから入手可能です。

会社と主治医に証明事項を記入してもらい、必要な書類を添付して健康保険組合に提出します。提出方法は自分で直接提出(郵送)、もしくは会社経由です。[4]

休職の手続き方法

休職の手続きは会社で定めた方法でおこなう必要があります。

適切なタイミングを逃さないために、一般的な手続きの流れと注意点を把握しておきましょう。

病気やケガで休職する場合の休職手続きの流れは以下の通りです。

  1. 会社に休職制度があるか確認する

  2. 会社に休職の相談をする

  3. 必要書類を準備する

  4. 休職の申請をおこなう

  5. 職場の担当者と面談をする

  6. 休職中の対応を確認する

職場の休職制度があるか確認する

休職制度は法律で定められていないため、全ての会社に設けられているわけではありません。

休職制度がある場合は就業規則に記載されていますので確認してみましょう。

分からないときは直属の上司や人事部に聞いてみてください。

職場の担当者(上司・産業医・人事部・総務部など)に相談する

会社に休職制度があることが確認できたら、休職の意向があることを直属の上司や産業医などに伝えます。

休職前には業務の引継ぎなどが必要になることもあるため、早めに相談することが大切です。

体調が悪くて出社できなかったり、直接伝えられなかったりするときは電話やメールを使うことも可能です。

伝え方に困ったら主治医に相談してみましょう。

診断書などの必要書類を準備する

提出書類は会社によって異なりますが、一般的には以下の3つの書類が必要です。

  • 休職願

  • 診断書(病気やケガで休職する場合)

書類は会社で書式が決まっている場合があります。

病気やケガで休職するときは多くの場合、診断書が必要になります。

診断書は休職開始日の決定に関わるため、早めに準備しておいたほうがいいでしょう。

休職の申請をする

必要書類が揃ったら、会社に正式な休職申請をおこないます。

申請先は直属の上司や人事部、総務部などです。出社できないときは郵送で対応してもらえることもあるので、会社に相談してみてください。

職場の担当者と面談をする

休職開始日までに上司や人事担当者、産業医などと面談をおこなう場合があります。面談の目的は、休職希望者の状況を把握することです。

給与や有休消化のことなど不安に思う点があれば、この面談でしっかり確認するようにしましょう。

面談方法は直接会社に出向くほか、オンラインでも実施できることがあります。

休職中の対応を確認する

休職開始日が決まったら、今後の対応を会社に確認します。確認のポイントは以下の4つです。

  • 休職期間

  • 休職中に会社と連絡を取る頻度、連絡方法

  • 休職中の給与について

  • 休職中の社会保険について

休職して心身を休める

休職期間中は休養に専念することが大切です。休職直後は職場のことは考えず、睡眠をしっかり取りましょう。

復職を焦って、無理に生活のリズムを整えようとしたりせず、ストレスの原因となることからは距離を取るようにします。

また、薬が処方されている場合は主治医の指示どおりに服薬して、困ったことがあれば主治医に相談することが大切です。

休職するための診断書の取得方法

メンタルの不調などで休職をしたいとき、多くの会社では診断書の提出を求められます。

診断書は休職を決定する重要な書類ですので、取得方法をあらかじめ把握しておくようにしましょう。

どこで取得できるのか

診断書は医療機関を受診し、医師の診察を受けて発行してもらいます。

メンタルの不調で診断書を取得するときは、精神科や心療内科、メンタルクリニックなどを受診します。

診察時に「休職のために診断書を発行して欲しい」ことを医師に伝えましょう。

記載される内容

診断書には、診断名、所見、療養に必要な休職期間が記載されます。

休職期間は診察日を遡って記載できないため、早めに受診しておくことが大切です。

発行にかかる期間

発行にかかる期間は医療機関によって異なります。

早ければ診察した日に発行してもらえますが、診断名がつかないなどの理由で1週間~2週間以上かかることもあります。

取得にかかる費用

診断書の発行は保険適応外のため、全額自己負担です。

取得にかかる費用は医療機関が独自で決めていて、目安は4,000円~10,000円程度です。

診断書の提出先

診断書は他の書類(休職願や診断書)と一緒に、直属の上司または人事部や総務部に提出します。

提出先は会社によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

体調が優れず出社できないときは郵送で提出することもできるので、会社に相談してみてください。

よくある質問

休職と診断書について、よくある質問にお答えします。

メンタル不調で休職する診断書のもらい方は?

精神科や心療内科、またはメンタルクリニックを受診して発行してもらいます。

医師の診察を受けるときに「休職のために診断書を発行して欲しい」と伝えるようにしましょう。

メンタルの診断書で休職期間はどれくらい?

多くの場合は1回の診断書で休職期間を1~2か月とし、その後必要に応じて追加発行します。

メンタル不調での休職期間の目安は軽症では1か月~3か月程度、中等症では3か月~6か月、重症では1年以上になることもあります。

診断書なしで休職できますか?

診断書がなくても休職できる会社もありますが、病気やケガが原因で休職する場合は、診断書の提出を義務付けていることが一般的です。

就業規則を確認して、分からなければ会社に確認してみましょう。

まとめ

休職制度は、会社に在籍したまま長期間休む制度です。制度そのものは法律で定められていないため、会社ごとに規定されています。

病気やケガで休職するとき診断書の提出を義務付けている会社は多く、医療機関を受診して取得する必要があります。

発行かかる日数は医療機関によって異なり早ければ受診したその日に、遅いと1週間~2週以上になることもあるため、早めに受診することが大切です。

休職したいときはまず、会社に休職制度があるか確認してください。その後休職の意向を会社に伝え、診断書など必要書類を揃えて申請します。

休職直後はゆっくり休養に専念することが大切です。不安なことがあれば、主治医や産業医に相談しましょう。

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参考文献

[1]労働基準法第 15条第 1項

[2]34 休職と休業

[3]主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究

[4]病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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