睡眠障害にはどんな種類があるの?原因や治療方法について解説

公開日: 2024/06/20 更新日: 2024/06/25
「疲れているのに、なかなか寝付けない」 「しっかり寝たのに日中とても眠い」 「家族に『夜中大きな声で叫んでいた』と言われたが記憶がない」 睡眠に関してこのような悩みをお持ちではないですか? 睡眠について何か症状が出ていて日常生活に支障が出ている状態を睡眠障害と呼びます。 不眠症のような満足に眠れないという症状から、必要以上に眠ってしまう過眠症、睡眠中のいびきや寝言などの睡眠随伴症など、非常に多くの種類があります。 睡眠障害は、原因を見つければオンライン診療でも治療することが可能です。 この記事では、睡眠障害の種類と原因、症状、治療方法について解説します。 また、自宅からビデオ通話等で気軽に診察が受けられるオンライン診療についても解説します。

睡眠障害とはどんな病気?

睡眠障害とは、睡眠に関連したさまざまな病気の総称です。

大きくは、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症に分けられます。[1]

 

睡眠障害特徴診断される可能性のある病名の例
不眠症寝つきが悪い、何度も目が覚めるなど睡眠の質や量が低下して日常生活に支障が出る不眠症
過眠症夜しっかりと眠れているにもかかわらず日中に強い眠気を感じるナルコレプシー
突発性過眠症
睡眠時随伴症睡眠中に夢遊病のように歩き回る・体がむずむずする・歯ぎしり・悪夢など望ましくない行動がみられる周期性四肢運動障害
睡眠時遊行症
睡眠時驚愕症
閉塞性睡眠時無呼吸症候群睡眠中にいびきをかいて呼吸が止まる。睡眠の質が極端に下がるため、日中異常な眠気に襲われる閉塞性睡眠時無呼吸症候群
 

 

また、睡眠と覚醒のリズムが崩れて睡眠時間が定まらない概日(がいじつ)リズム睡眠障害や、昼夜逆転してしまう睡眠相交代症候群なども睡眠障害の一つです。[2]

睡眠障害の種類・治療とは?

ここでは、よくある睡眠障害の特徴と治療方法を解説します。

夜満足に眠れない・日中の眠気が取れないなど、症状に合わせて治療方法も変えていかなくてはなりません。

自分に当てはまる症状や原因がないかどうか確かめてみましょう。

不眠症

不眠症では、夜の睡眠が満足に取れない結果、日中に疲労感や集中力の低下などの支障が出ます。不眠症の症状には入眠困難・熟睡障害・中途覚醒・早朝覚醒の4タイプがあります。

 

  • 入眠困難:寝床に入ってもなかなか寝付けない

  • 熟睡障害:睡眠時間は取れているが眠りが浅い

  • 中途覚醒:夜中に何度も目覚める

  • 早朝覚醒:起床時間よりもかなり早く目覚めてしまい、その後寝付けない

 

不眠症の種類は原因によって分けることもできます。

原因別で一番多いのは原発性不眠症です。

睡眠に関する不安や緊張から余計に眠れなくなってしまいます。

以前に満足に眠れなかった経験から「今日も眠れなかったらどうしよう」と強い不安を覚えてしまい、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ってしまうことが特徴です。

 

また、二次性の不眠として、薬や病気が原因で睡眠が妨げられてしまうこともあります。

うつ病や適応障害などのこころの病気の初期症状として「寝つきが悪い」「疲れているのに眠れない」という不眠症状を自覚することも多いです。

 

不眠症の治療では、まず原因となる病気がある場合は治療を行います。

そして不眠症のタイプに合わせて睡眠薬を使用したり生活指導をしたりします。

過眠症

過眠症は、夜にしっかり眠れているにもかかわらず日中に強い眠気が生じる病気です。

眠気によって仕事や授業に集中できなかったり実際に居眠りをしてしまったりして社会生活に支障が出ます。

 

10代でよく発症する過眠症にはナルコレプシーと原発性過眠症があります。

 

ナルコレプシーでは、覚醒を促すオレキシンという物質が脳内で非常に少なくなることで日中に強い眠気が出て、睡眠発作という症状があらわれます。

睡眠発作とは、プレゼンやテスト中、自転車をこいでいるときなど、通常では寝ないような場面で突然寝てしまう症状です。

その他にも、笑ったり驚いたりすると体の力が抜けてしまう情動発作や眠りに入るときに金縛りにあったり幻覚を見たりすることも少なくありません。[3]

 

ナルコレプシーや原発性過眠症の治療では、日中は神経を興奮させる薬を服用して睡眠発作を防ぎます。

今のところナルコレプシーの根本的な治療法はないため、薬の服用をやめると症状が再発してしまう点には注意が必要です。[4]

 

また、薬の副作用によっても過眠症が引き起こされることもあります。

睡眠薬の効果が日中に持ち越してしまったり、風邪薬やアレルギー薬、酔い止めなどの副作用で眠気が出たりすることがあるでしょう。

髄膜炎や頭のけががきっかけになって起きる突発性の過眠症もあります。

概日リズム睡眠障害

概日(がいじつ)リズム睡眠障害とは、睡眠と覚醒のリズムが崩れ就寝時間がずれていく睡眠障害です。

そもそも、私たちの体内時計は25時間周期になっていて「1日24時間」と1時間ずれています。

この体内時計のずれを無くすためには、朝起きたら太陽光を浴びる・規則正しい生活をするといった工夫が必要なのです。

ですが、夜勤・当直などの交代勤務や長期休暇による不規則な生活リズムによって、睡眠と覚醒のリズムがどんどん崩れて生活が昼夜逆転したり睡眠障害を引き起こしたりします。

また、年齢を重ねると眠気が夕方以降強くなりどんどん就寝時間が早くなってしまうこともあります。

概日リズム睡眠障害の治療では、薬を使うことは少ないでしょう。交代勤務でリズムが崩れてしまう人には、起きたい時間に太陽光ほどの強い光を浴び、眠る前には光を見ないようサングラスをかける対処法がすすめられます。

もちろん、規則正しい生活習慣を心がけることが最も大切です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に舌が気道を塞いでしまい呼吸ができなくなる睡眠障害です。

大きないびきをかくことが特徴で、熟睡感が得られず日中に異常な眠気が出ることもあります。

1993年に発表された研究では、日中の強い眠気が出るような睡眠時無呼吸症候群のある大人は男性で4%、女性で2%にのぼると推定されています。

また、子どもの閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、日中の落ち着きの無さ・学習上の問題・体の発達の遅れにも影響を与えることもあるため注意が必要です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群を起こしやすい人には、次のような特徴があると言われています。

  • 肥満
  • 脂肪が多く首が短い
  • 上気道が狭い
  • 下顎が小さい・後退している

上記の特徴に合わせて、体重減少・マウスピースの装着・外科的治療などで症状改善を目指します。

その他の睡眠障害

今回ご紹介したもの以外にも、以下のような睡眠障害があります。

 

  • レストレスレッグス症候群:寝るときに足に異常なむずむず感が生じる

  • 周期性四肢運動障害:睡眠中に主に足が繰り返し動いて眠りが浅くなる

  • 睡眠時遊行症:睡眠中に起き上がり動き回る

  • 睡眠時驚愕:睡眠中に悲鳴や叫び声をあげる

  • レム睡眠行動障害:睡眠中に悪夢を見るとともに寝言・暴力行為・立ち上がって動き回る

 

これらは睡眠随伴症にあてはまり、睡眠中の行動によって熟睡感が得られず、日中の眠気につながってしまうことが多いです。

症状により日常生活に支障がでていたり、症状が長期間続いたりしている場合には薬を使って治療することができるため、医師に相談してみてもよいでしょう。

 

睡眠障害の治療では、いち早く睡眠を満足に取りたい場合や生活習慣を整えても満足した睡眠ができない場合、医師の指示のもと、睡眠薬を服用することもあります。

この記事を読んでいる方の中には「睡眠薬は依存するイメージがあるから飲みたくない」という方もいるかもしれません。

実は、睡眠薬の中には依存性がほとんどない薬もあります。

薬の使用で不安なことがある方は診察時に医師に相談してみましょう。

睡眠障害の治療にオンライン診療でできること

オンライン診療では、医師による問診で睡眠障害の種類に合った治療法を提案していきます。

 

まず、問診によって睡眠障害の種類を判断していきます。具体的には、次のようなことを聞かれることが多いでしょう。

 

現在の睡眠の悩みについて

満足に眠れない/寝つきが悪い/朝早く目覚めてその後寝付けない/日中寝てしまう/中途覚醒/しっかり寝ているのに日中も眠いなど、現在の困っていることを聞き取ります。

睡眠時間は十分取れているのか?

就寝時間や起床時間を聞き取ります。

 

問診で不眠症とわかった場合、オンライン診療では生活習慣を整えることを優先します。

ただし、睡眠障害を診断するために検査が必要な場合や専門的な治療が必要な場合には、睡眠専門の医療機関への受診をおすすめすることもあります。

特に、ナルコレプシーのような過眠症の可能性がある場合、診断のために脳波検査や血液検査が必要になるため、睡眠専門外来をご紹介することがあります。

 

また、睡眠障害の裏にこころの病気が隠れているときは、オンライン診療でこころの症状の治療も一緒に進めていくことが大切です。

 

※診療前相談や診察の結果、対面の検査や診察が必要と医師が判断する場合もあります。

オンライン診療のメリット・デメリット

睡眠が満足に取れていないと毎日の生活に影響します。

質の良い睡眠をとり日中を快適に過ごすためにも、きちんと医療機関で治療していきましょう。

「眠れなくて辛いけど、病院へ行く時間がない」という方は、精神科・心療内科を取り扱っているオンライン診療を受診してみてはいかがでしょうか。

精神科・心療内科のオンライン診療でも、睡眠障害の診察と治療ができます。

ここでは、オンライン診療のメリット・デメリットを解説します。

オンライン診療のメリット

心療内科・精神科のオンライン診療で睡眠障害の治療をするとき、メリットと感じられるのは次のような特徴でしょう。

  • スマホやパソコンがあれば診察予約・診察・会計までオンラインで完結できる
  • 土日祝や夜間でも受診できる
  • 自宅のようなリラックスした環境で診察してもらえる

ほとんどのオンライン診療では、受診の予約から診断書や会計まで、すべてオンラインで完結します。

スマホアプリやWebサイトから24時間いつでも予約でき、予約の枠が空いていれば当日でも診察可能です。

また、ファストドクターメンタルクリニック(オンライン診療)では、土・日・祝でも受診可能です。

平日昼間は仕事や学校の授業を受けているという方も多いですよね。

毎日忙しくて病院へいく時間がないという方は、オンライン診療を検討してみると良いでしょう。

オンライン診療では、自宅のようなリラックスした環境で受診できることが大きなメリットです。

症状について自分のペースで話すことができますよ。

オンライン診療のデメリット

一方で、心療内科・精神科のオンライン診療では次の点がデメリットと感じるかもしれません。

  • 顔を見せながら落ち着いてビデオ通話できる環境が必要

  • 対面診療を勧められる場合がある

オンライン診療では、患者さんの話す内容に加えて、顔色や表情も見たうえで病状を判断していきます。

そのため、患者さんの顔が見えない状態でのオンライン診療はできないため注意しましょう。

また、心療内科・精神科でも、身体の状態を把握するため患者さんの体に触れる「触診(しょくしん)」や、心音や呼吸の音を聴く「聴診(ちょうしん)」など、身体の病気がないか調べるための検査をすることがあります。

オンライン診療ではその場でこのような検査ができないため、必要に応じて対面診療を勧める場合があります。

オンライン診療の流れ

ここでは、ファストドクターのメンタルクリニックを例に、心療内科・精神科のオンライン診療を受ける流れについて解説します。

 

①予約

予約サイトにある「診察予約する」または「予約する」を押して、画面の表示にしたがって必要情報を入力します。入力後に届く仮予約メール到着後、30分以内にURLをクリックすると予約が完了します。

 

②事前問診

予約完了画面に問診ボタンが表示されるので、画面の表示にしたがって保険証やお薬手帳の画像をアップロードしていきましょう。

 

③診察

診察時間の30分前にビデオ通話用URLがメールで届きます。診察時間になったらURLをクリックして入室します。

まずは診療前相談をした後、診察がスタートします。

※診察前相談の結果、オンライン診療を行わない場合は診療費用は発生しません。

 

④お会計

診察の翌日以降、お会計についてのメールが届きます。クレジットカードで支払いをします。

※クレジットカードを持っていない場合は、口座振込での支払いも可能です。相談してみると良いでしょう。

 

職場などへ診察を受けた証明を提出する必要がある場合、診断書を発行することもできます。医師と相談したうえで、休職を希望する場合は、診断書や傷病手当金申請書など、各種申請書・証明書の発行も対応しています。

 

当院指定書式の診断書を希望された方にはご診察後3日以内を目安に【PDFファイル形式(メール添付)】にてお送りします。ご希望の場合は事前問診および診察時にその旨をお知らせください。



※当院指定書式以外の診断書を希望される場合には、診察希望日の7日以上前までに[email protected]にPDFファイル形式で当該のフォーマットをお送りください。事前相談なく診察当日に依頼いただいても対応できかねますのでご留意ください。

 

※最終的な発行可否は医師の医療的判断によります。書類によっては継続的な診察を通して発行可否を判断するものもございますため、初診時に発行できない場合もございますことをご了承ください。

まとめ

この記事では、睡眠障害の種類・原因・症状・治療方法について解説しました。睡眠障害は睡眠に関する症状の総称で、その種類によって原因や治療方法が異なります。

 

睡眠に関して困ったことがあれば、まずは医師に相談して自分がどのタイプの睡眠障害なのかを診てもらいましょう。質のよい睡眠を満足にとることは、快適に生活していくためには欠かせないことです。適切な治療をして、より良い睡眠を目指していきましょう。

 

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

近所に心療内科・精神科がない方、通院を周りに知られたくない方へ
受診するか悩んでいる方、薬にあまり頼りたくない方へ
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ご利用前にお読みください
以下の症状が見られる場合は、お近くの病院で対面での受診をおすすめします。
  • 自傷他害のおそれがある場合
    • 自分を傷つけたいと思う
    • 具体的に死ぬ方法について考えている
  • 身体疾患が強く疑われる場合
    • 高熱がある
    • 呼びかけてももうろうとしている
    • 意識がない
  • 緊急性が認められる場合
    • ここ数日の間で急激に状態が悪化している
    • 食事や水分をとることができない
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