睡眠障害の診断方法とは?セルフチェックやよい睡眠をとるためのポイントについても解説

公開日: 2025/05/26 更新日: 2025/05/26
「夜、布団に入ってもなかなか眠れない」 「朝起きたときにすっきりしない日が続いている」 寝ても疲れが取れない、眠れない日々が続くと、自分が睡眠障害ではないか気になりますよね。 睡眠障害は、睡眠の乱れにより日常生活に支障をきたす病気の総称です。 睡眠の乱れが見られると、集中力が低下したり気分が落ち込んだりするようになります。 放っておくとうつ病になる可能性もあるため、早めに身体の不調に気づき適切な治療を受けることが大切です。 この記事では、睡眠障害の診断方法について解説します。 セルフチェックのポイントもお伝えしますので、まずは自分の状態を確認してみましょう。
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目次

睡眠障害の診断はどのようにおこなわれる?

診察時に最初におこなわれるのが医師による問診です。[1]

睡眠障害の治療では、生活習慣が原因なのか病気が原因なのかにより治療方針が変わります。

そのため不眠がどのように起きているかを確認することが欠かせません。具体的には以下のような項目について聞き取りがおこなわれます。[1]

睡眠習慣の確認

就寝時間・起床時間・夜間に目覚める回数・カフェインの摂取状況・飲酒の有無など

持病や服用中の薬の確認

痛みやかゆみのような睡眠を妨げる持病の有無・不眠症の原因になりやすい薬の服用有無など

睡眠中や日中の症状の確認

睡眠中のいびき・無呼吸の有無、日中の強い眠気、仕事中や運転中の居眠り、寝ても疲れが取れない感覚の有無など

問診で睡眠障害が疑われる場合には、原因を特定するための検査がおこなわれることもあります。

睡眠障害を早期発見し治療がはじめられるように、医師から生活習慣などの質問をされたら正直に答えるようにしましょう。

睡眠障害の検査

生活習慣による不眠ではなく睡眠障害の疑いがある場合は、眠りの状態を詳しく調べる検査がおこなわれることがあります。

代表的な検査はおもに以下の2つで、それぞれ昼間と夜間の睡眠状況を調べることが可能です。

反復睡眠潜時検査(MSLT)[2]

  • この検査は、日中の眠気の程度を詳しく調べるために行われます。

  • 脳波、目の動き、筋肉の動きなどを記録しながら、4~5回にわたり、眠りにつくまでの時間や眠りの深さを測定します。

  • 主に、ナルコレプシーなどの日中の過眠が疑われる病気の診断に役立ちます。

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

  • 一晩かけて夜間の身体変化を記録する検査です。

  • 複数のセンサーや電極を身体につけ、寝ている間の脳波・呼吸・心拍・筋肉の動きなどを調べます。

  • 閉塞性睡眠時無呼吸(へいそくせいすいみんじむこきゅう )やナルコレプシーなど、複数の睡眠障害の診断が可能です。

このほか血液検査・心電図・MRIをおこない、睡眠障害の原因になんらかの病気が隠れていないか調べることもあります。

どの検査を受けるかは医師により決められ、全ての人が同じ検査を受けるわけではありません。

睡眠障害の検査には入院が必要なものもあるため、仕事のスケジュールなどが気になる場合は医師に相談してみましょう。

睡眠障害を診断してもらうには何科を受診すればいい?

睡眠に関する悩みを相談できる診療科は、おもに以下の3つです。

  • 精神科

  • 心療内科

  • 睡眠外来

精神科と心療内科は似ているように思えますが、厳密にいうと専門分野に違いがあります。

「精神科」は心の病気を専門に診察する診療科で「心療内科」は心と身体の両方を診察する診療科です。

実際にはどちらを受診しても治療内容に大きな違いはないため、通いやすい医療機関を選びましょう。

一方で「睡眠外来」は睡眠障害を専門に診察する診療科です。

精密検査を受けたいときや、ほかの診療科で原因がはっきりしなかった場合などに適しています。

どの診療科を選べばよいか迷ったときは、あらかじめ医療機関に電話で相談してみましょう。

睡眠障害の種類

症状や原因により、睡眠障害は大きく7つの系統に分類されます。[3]

そのうち代表的な病名は以下の4つです。

  • 不眠症

  • 閉塞性睡眠時無呼吸

  • むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害

  • 過眠症

「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」など不眠のタイプもあれば「眠くてたまらない」といった過眠のタイプもあります。

一方でどの睡眠障害にも共通しているのは「睡眠に異常が生じて日常生活に支障をきたす」ことです。

放っておくと気分が落ち込んだり不安が強くなったりし、心のバランスを崩してしまうかもしれません。

まずは自分の症状がどのタイプの睡眠障害に近いのかチェックしてみましょう。

不眠症

うまく眠れない状態が続き、心と身体に不調をきたす病気を「不眠症」といいます。[4]

日本人では不眠で悩む人が珍しくなく、成人のうち21.4%が不眠を感じているという報告があるほど多いです。[5]

症状により不眠症はおもに以下の4つに分類されます。[4]

入眠障害

寝ようとしてもなかなか寝つけず、長時間目がさえてしまう

中途覚醒

眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めてしまう

早朝覚醒

早朝に目が覚めて二度寝できない

熟眠障害

十分な睡眠時間を確保したにもかかわらず、ぐっすり寝たと感じられない

適切な睡眠環境で寝ているにもかかわらずこれらの症状が持続し、日常生活に影響が出ている場合は不眠症と診断されます。[5]

一時的に眠れないことは誰にでもありますが、長く続くようであれば不眠症になっているかもしれません。

放置していると、日中のだるさ・集中力の低下・やる気が出ない・食欲がわかないなどメンタル面の不調が起こる可能性もあります。[6]

不眠症の症状に心当たりがある人は「気分が落ち込むことがないか」など、日常生活への影響もあわせてチェックしてみましょう。

閉塞性睡眠時無呼吸

寝ている間に何度も呼吸が止まってしまう病気を「閉塞性睡眠時無呼吸」といいます。 [7]

この病気に 特徴的な症状は次のとおりです。 [8]

  • 大きないびきをかく

  • 寝ているのに何度も目が覚める

  • 睡眠中に息苦しさがある

  • 昼間に強い眠気がある

  • 「寝ているときに呼吸が止まっていた」といわれたことがある

閉塞性睡眠時無呼吸の原因は、のどの奥にある空気の通り道が狭くなることです 。 [1]

肥満は最も関連性が高く 、肥満の人ではこの病気を発症する確率が2倍に増加するという報告があります。 [9]

また血液中の酸素量が低下し、心臓に負担がかかることで高血圧になりやすいのも特徴的です。 [7]

病状が進行すると、心筋梗塞・脳梗塞に つながる 可能性 もあります。 [7]

周囲から 「就寝中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがある人は、重症化する前に睡眠外来で相談してみましょう。

むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害

どちらも足に関係する症状がみられる睡眠障害の一種で、寝つきにくくなったり熟睡できなくなったりします。

自覚症状があるかどうかに違いがみられ、それぞれの特徴は以下のとおりです。

むずむず脚症候群[10]

  • 足をじっとしていると「むずむずする」「かゆい」などの不快な症状を感じ、足を動かしたくなる病気のことです。

  • 夕方から夜にかけて症状があらわれ、寝つきにくくなります。

  • 足を動かすと症状が改善し、自分自身の異変を感じやすいです。

周期性四肢運動障害(しゅうきせいししうんどうしょうがい)[10]

  • 寝ている間に足が「ぴくっ」と勝手に動いてしまう病気です。

  • 足が動いたときに眠りが浅くなり、日中に眠気を感じるようになります。

  • 自分では気づきにくく、家族から指摘されて気づく人が多いです。

基本的には足に症状が出やすい病気ですが、腕に出るケースもあります。どちらの病気も、鉄が不足している人に多いのが特徴的です。[5]

放っておくと睡眠不足が続き、疲れがしっかりとれなくなってきます。集中力が低下したり落ち込みやすくなったりするかもしれません。

症状に心当たりがある人は、脳神経内科や精神科を受診すれば原因を特定できる可能性があります。

「足がむずむずして寝られない」「寝ている間に足がぴくっと動いているといわれた」という人は、早めに専門医に相談してみましょう。

過眠症

夜間にしっかり眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気があらわれる病気を「過眠症」といいます。

過眠症にはいくつかのタイプがあり、そのうち最も有名なのが「ナルコレプシー」で以下の症状がみられます。[5]

  • 夜に7〜8時間以上寝ているのに、日中どうしても眠くなる

  • 会議中や試験中など、通常なら寝るはずのない状況で眠ってしまう

  • 10〜20分ほど寝たあとすっきり目覚められるが、1〜2時間後にまた眠ってしまう

ナルコレプシーの原因は、脳が目を覚ました状態を保つのに必要な「オレキシン」という物質が不足することだと考えられています。

過眠症は周りの人に誤解されやすく「だらしない」「サボっている」と思われてしまいがちです。

しかし眠らないよう気をつけても、強烈な眠気のため自分ではコントロールできません。

急に眠ってしまうと思わぬ事故やケガにつながるおそれもあります。

「日中の眠気が我慢できない」と感じている場合は、身の安全のためにも早めに医療機関で検査を受けましょう。

睡眠障害の治療は?

治療法は、薬を使用するかどうかにより「非薬物療法」と「薬物療法」の2つに分けられます。

効果が得られるまでの時間に違いがあり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

非薬物療法[11]

  • 眠りを妨げている要因を減らして眠りやすくする治療法です。

  • たとえば以下のような指導がおこなわれます。

    • 毎日同じ時間に寝たり起きたりする
    • 寝る前のスマートフォンの使用を控える
    • 夕方以降にカフェインをとらない
  • 非薬物療法を試してもすぐに効果が出るとは限りませんが、続けることで睡眠のバランスが整い眠りやすくなります。

薬物療法[11]

  • 眠れないつらさを一時的に和らげる薬を使用する治療法です。

  • 症状により睡眠導入剤・抗不安薬・抗うつ薬の3種類を組み合わせて使用します。

  • 日中に眠気を感じたり薬に頼りすぎたりする可能性がありますが、非薬物療法よりも早く効果を感じやすいのが特徴的です。

根本的に睡眠障害を治すためには、非薬物療法がとくに大切です。[11]

「カフェインの多い飲み物をよく飲む」など、日常生活のなかで自然と眠りづらくしている習慣がないか確認してみましょう。

また薬物療法は補助的におこなわれるもので、睡眠導入剤などの薬は誰にでも処方されるわけではありません。

薬が処方されないと不安に感じる場合は、治療方針について医師と相談してみましょう。

睡眠障害セルフチェック

医療機関を受診するか悩んでいる人は、まずはセルフチェックをするのがおすすめです。

以下の項目のなかで当てはまるものを数えてみましょう。[12]

就寝環境

  • 寝室がうるさいと感じる

  • 寝室が明るい

  • 寝室の温度や湿度が適切ではない

  • 就寝直前に入浴している、または入浴しない

  • 寝る前にスマートフォンやパソコンを使用している

生活習慣

  • 朝食を抜くことが多い

  • 日中にほとんど身体を動かさない

  • 夜遅くに食事をとることが多い

  • 食事のタイミングにばらつきがある

  • 寝る直前まで活動をしている

嗜好品

  • 寝る前にアルコールを飲んでいる

  • カフェインが含まれる飲料をよく飲む

  • タバコを吸っている

不眠症状

  • なかなか寝つけない、朝起きられない

  • 夜中に何度も目が覚める

  • 寝ている間にいびきをかく、息が止まる

  • 夜間にしっかり寝ていても昼間に眠くなる、居眠りをしてしまう

  • 寝るときに脚がむずむずして落ち着かない

  • 寝るときに痛み・かゆみ・尿意などの不快な症状がある

「就寝環境・生活習慣・嗜好品」の項目で当てはまる数が多いほど、眠りに影響を与えやすい過ごし方をしている可能性があります。

また「不眠症状」の項目に当てはまる人は、すでに睡眠障害に特徴的な症状があらわれている状態です。

これらの症状が続いている場合は単なる寝不足だと思い込まず、早めに医療機関を受診しましょう。

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よい睡眠をとるためのポイントは?

睡眠の質を改善するには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。寝不足が続いてつらい場合は、以下のポイントを参考に生活習慣を整えてみましょう。[6]

寝る時間・起きる時間をそろえる

  • 休日も平日と同じ時間に寝たり起きたりしましょう。

  • 寝る時間と起きる時間をそろえると身体のリズムが整いやすくなります。

  • また日中に眠気がある場合、昼寝をしすぎると体内時計が乱れやすいです。どうしても眠くなったときは、午後3時までに30分以内の短い昼寝をしましょう。

朝に日光を浴びる

  • 朝起きたらカーテンを開けて日光をとり入れるようにしましょう。

  • 朝日を浴びると体内時計が整い、夜には自然と眠くなるリズムができてきます。

  • 「早く寝なきゃ」と意識するよりも、まずは朝きちんと起きる習慣をつけることが大切です。睡眠の質を高めるために、朝早く起きて日の光を浴びましょう。

寝る前のスマートフォンを見るのは控える

  • 寝室では強い光を浴びないようにしましょう。

  • 強い光により脳に刺激が加わると、目覚めやすくなります。

  • スマートフォンのほか、就寝前はテレビやパソコンの使用を避けるのも大切です。寝つくまでの時間が退屈な場合は、読書など電子機器を使わない方法をとり入れましょう。

寝る1〜2時間前に入浴を済ませる[3]

  • スムーズに寝られるよう、就寝1〜2時間前に入浴を済ませておきましょう。

  • お風呂で身体を温めておくと、体温が下がるにつれて眠りにつきやすくなります。

  • 就寝直前に入浴したり、熱いお湯に使ったりするとかえって目が覚めやすいです。タイミングと温度に気をつけて入浴しましょう。

就寝前にアルコールを飲まない

  • 睡眠の質が下がるのを防ぐため、寝る前にお酒を飲まないようにしましょう。

  • お酒で眠れても効果は一時的で、かえって目が覚めやすくなることもあります。

  • 眠るためにはお酒を睡眠薬の代わりにせず、生活リズムを整えることが大切です。早寝早起きを心がけましょう。

軽い運動をする

  • 午後に軽いストレッチやウォーキングをとり入れると眠りやすくなります。

  • 身体を動かすと適度に疲れがたまり、自然な眠りにつきやすくなるためです。

  • ただし激しい運動をすると寝つきにくくなる可能性があります。無理のない程度の運動にとどめましょう。

生活習慣を見直すと、寝つきがよくなったり熟睡できるようになったりしやすいです。

すぐに効果がでなくても、毎日の習慣を改善していくうちにぐっすり眠れる日が増えるかもしれません。

ただしあまりにも眠れない日が続いている場合は、自己判断で対応し続けると症状が悪化する可能性もあります。

日常生活に影響が出るほど寝不足になっている人は無理をせず、医療機関を受診しましょう。

よくある質問

よくある質問にお答えします。

医療機関で睡眠薬を処方されている場合は、診断されていなくても睡眠障害になりますか?

睡眠薬が処方されたからといって、睡眠障害と診断されているとは限りません。

はっきりと病名がついていなくても、不眠の症状がある人には睡眠薬が処方されることがあるためです。

たとえばストレスや環境の変化、うつ病などによる一時的な不眠に睡眠薬が処方されるケースがあります。

診断の有無に関わらず、睡眠薬が処方されたということはそれだけ眠りにくい状態だということです。

睡眠障害と診断されていなくても、睡眠薬の服用が必要な時期だと考えましょう。

睡眠障害と診断された場合に運転を禁止されることはありますか?

睡眠障害の程度によっては運転免許を取得できなかったり、取消されたりする場合があります。[13]

閉塞性睡眠時無呼吸やナルコレプシーなど、日中に眠気が出やすい病気の人が車を運転すると事故を起こす可能性があるためです。

睡眠障害の人が運転免許の取得や更新をする際には、運転可否が記載された医師の診断書が必要になることもあります。[13]

運転免許の取得を検討している人や、日頃から運転をする人は運転の可否について医師に確認してみましょう。

睡眠障害で一番多いのはなんですか?

睡眠障害のなかで最も多いとされているのは不眠症です。[14]

不眠症は眠りの質が低下したり睡眠時間が不足したりする病気で、以下の症状がみられます。

  • 寝つきが悪い

  • 夜中に何度も目が覚める

  • 朝早く目が覚めてしまう

仕事や人間関係のストレス、スマートフォンの長時間使用、不規則な生活などが原因で不眠症になる人が増えています。

不眠症を放置しておくとうつ病になることがあるため「ただ眠れないだけ」と甘く考えてはいけません。

症状に心当たりがある人は、早めに医療機関を受診しましょう。

不眠症かどうか確かめる方法は?

不眠症かどうか確かめるために、まずは自分の症状を把握しましょう。たとえば次の症状に当てはまる人は不眠症の可能性があります。[6]

  • 寝つくまでに時間がかかる日が多い

  • 眠りが浅く夜中に目が覚めてしまう

  • 早朝に目覚めて、そのまま眠れない

  • 朝起きたときにぐっすりと眠れた感じがしない

これらの症状に加え「集中力が低下する」「気分が落ち込む」など、日常生活に影響が出る場合があります。

ただし自己判断では不眠症かどうか確定できないため、不眠症の疑いがある場合は医療機関での診察が必要です。

「不眠症かもしれない」と感じている人は、検査や治療が必要かどうか医療機関で相談してみましょう。

睡眠障害の症状は4つありますか?

睡眠障害の症状には、よくみられる4つのタイプがあります。[4]

それぞれ症状が少しずつ違うため、自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

入眠障害

寝つきが悪く、布団に入ってから30分〜1時間以上寝られない

中途覚醒

夜中に何度も目が覚めてしまう

早朝覚醒

朝早く目が覚めてしまう

熟眠障害

しっかり眠ったはずなのに、朝起きたときに疲れが残っている

「疲れているだけ」「年齢のせいかな」と不眠の症状は見過ごされがちですが、続くようであれば睡眠障害の可能性もあります。

思い当たる症状がある人は、ひとりで抱え込まず医師に相談してみましょう。

うつ病になると不眠症になりますか?

うつ病になると不眠症の症状がみられることがよくあります。[5]

実際に「寝つきにくい」「朝早く起きてしまう」などの症状を抱えているうつ病の人は少なくありません。

一方で不眠症が長く続くと、うつ病を発症するケースも多いです。

ある研究では、不眠がある人ではうつ病が2倍以上も起こりやすくなると報告されました。[15]

つまり、うつ病と不眠症はお互いに影響しあう関係といえます。

「よく眠れないし元気もない」と感じたら、不眠症だけでなくうつ病になっているかもしれません。

うつ病の場合は治療が必要なケースも多いため、不眠やうつ症状があるときは医療機関を受診しましょう。[6]

まとめ|不眠の悩みは多くの人が抱えるもの。日常生活に支障をきたす場合は医療機関へ相談し適切な治療を受けよう

「眠れない」「眠りが浅い」「すっきり起きられない」といった悩みは、多くの人が経験するものです。

「そのうち治るだろう」と見過ごされがちですが、不眠の症状が続くと日常生活に支障をきたす可能性があります。

たとえば仕事や勉強に集中できなくなったり、気分が落ち込んだりするかもしれません。

不眠症を治すためには、生活習慣の見直しや薬による治療が必要になることもあります。

不眠の症状が続いている場合は一人で治そうとせず、医療機関に相談してみましょう。

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参考文献

[1]鈴木正泰.不眠の鑑別診断とその進め方.日大医誌.2020;79(6):337–340.

[2]園部晴花,富田順子,内山健二,春木宏介,宮本智之.当院における反復睡眠潜時検査(MSLT)の現状について.日臨生理誌.2021;51(1):7–11.

[3]睡眠障害とは|厚生労働省

[4]不眠症とは|厚生労働省

[5]内山真.不眠症と過眠症.日大医誌.2010;69(1):11–16.

[6]不眠症|厚生労働省

[7]睡眠時無呼吸症候群 /SAS|厚生労働省

[8]睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本呼吸器学会

[9]Romero-Corral A,et al.Interactions between obesity and obstructive sleep apnea: implications for treatment.Chest. 2010 Mar;137(3):711–719.

[10]睡眠障害のスクリーニングガイドライン|日本睡眠学会

[11]本多真.睡眠障害の治療.日薬理誌(Folia Pharmacol Jpn).2007;129:422–426.

[12]睡眠チェックシート|厚生労働省

[13]一定の病気等に該当する方の受験・更新、安全運転相談(ご本人・ご家族の方)|警視庁

[14]睡眠障害|厚生労働省

[15]Baglioni C,et al.Insomnia as a predictor of depression: a meta-analytic evaluation of longitudinal epidemiological studies.J Affect Disord. 2011 Dec;135(1–3):10–19.

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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