デエビゴ(レンボレキサント)とアルコールの併用は危険?安全性とリスクを解説
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デエビゴ(レンボレキサント)と酒(アルコール)の飲み合わせは避けるべき?
デエビゴ(レンボレキサント)とアルコールの併用は避けるべきです。アルコールと一緒に服用すると、デエビゴの作用が強くなりすぎてしまうためです。
厚生労働省によると、デエビゴとアルコールを併用した場合、デエビゴの血中濃度が最大70%上昇すると報告されています。この数値は、薬の効き方が想定よりも強くなってしまうことを意味しています。[1]
また、デエビゴは脳の覚醒を抑える中枢神経系抑制作用があり、アルコールにも同じく脳をリラックスさせる作用があります。2つの作用が重なると、お互いの働きを増強し合ってしまうのです。[1]
具体的には以下のようなリスクがあります。[2]
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深すぎる眠り
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ふらつき
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物忘れ
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興奮する、攻撃的な行動をとる(奇異反応)*
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呼吸が浅くなる(呼吸抑制)
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精神運動機能(注意力・判断力など)の低下
※奇異反応:薬の期待される効果とは逆の反応が出ること
たとえ少量であっても、飲酒をすると薬の効果が強まりすぎてしまうリスクがあります。アルコールでの服用も避け、必ず水かぬるま湯で服用しましょう。
また、お酒を飲んだ日はデエビゴの服用はスキップするのが望ましいです。「まだ酔いが残っている」と感じるときは、服用を見送る判断も大切です。
デエビゴを含む睡眠薬とアルコールの併用は、思っている以上に体に負担をかけます。少量の飲酒でも、併用を避けましょう。
アルコールを飲んだあとにデエビゴを飲んでしまったが大丈夫なのか
少量の飲酒であれば、必ずしも深刻な症状があらわれるとは限りません。ただし、予期せぬ強い眠気や息苦しさ、意識がもうろうとするなどのリスクがあります。
アルコールを飲んだあとにデエビゴを服用してしまった場合、無理に吐かずにまずは安静にして様子をみましょう。
万が一症状があらわれた場合は、迷わず医療機関に連絡することが大切です。また、症状がなくても心配な場合は『#7119(救急安心センター)』に電話をして指示を受けると安心できます。家族や友人など身近な人に連絡し、一緒に過ごしてもらいながら安静にするのも安全な選択です。
以降は、薬の服用時間や飲酒のタイミングに気をつけましょう。
デエビゴはアルコールを飲んでから何時間後に飲めばよい?
アルコールを飲んでから「⚪︎時間後であればデエビゴを飲んでいい」という明確な基準はありません。個人の体質や飲酒量によって、アルコールの体内での代謝スピードが異なるためです。
一般的に、缶ビール1本(アルコール度数5%)なら、体内から抜けるのに3〜4時間程度かかるとされています。ただし、あくまで目安にすぎません。[3]
飲んだお酒の種類や量、体格、肝機能、日々の健康状態によっても変動します。度数によっては、長時間体内に残ることもあるため「当日だけ薬を控えれば大丈夫」といった考え方は避けましょう。[4]
そのため、デエビゴを服用している期間中は基本的に禁酒が望ましいといえます。
デエビゴは服用すると何時間寝れるか
個人差はありますが、デエビゴの効果は一般的に6〜8時間ほど持続するとされています。体重や体質、睡眠の質などによって感じ方に違いがあらわれることもあると知っておきましょう。
2022年に報告された研究によると、デエビゴを10mg服用した場合、効果のピークは服用後4時間前後にあらわれ、その後もしばらく持続するとされています。入眠時だけでなく、中途覚醒を減らす効果も期待できるでしょう。[5]
デエビゴが効かない理由
「デエビゴを飲んでいるのに眠れない」と感じるときは、服用方法や生活習慣に原因があることも少なくありません。実際には薬が効かないというよりも、効果を感じにくくしてしまう要因があるケースも多くみられます。
原因 |
内容・対策 |
空腹時に服用していない |
デエビゴは空腹時に服用すると吸収が早くなり、効果がでやすくなります。 食後に飲むと効果の発現が遅れたり、弱まったりすることがあります。 |
寝る直前にスマホやPCを見ている |
スマホやPCの画面からでるブルーライトは、眠気を促す「メラトニン」の分泌を抑えてしまいます。[6] |
用量が合っていない |
体質によっては、少量では効きにくい場合があります。 デエビゴは通常2.5mgや5mgから始めますが、効果が不十分な場合は10mgに増量することもあります。 |
薬が体質に合っていない |
デエビゴは「オレキシン受容体拮抗薬」という種類の薬で、体質によってはこのタイプが効きにくい人もいます。 他のタイプの睡眠薬(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系など)の方が合う場合もあります。 |
ストレスや生活習慣の影響 |
強いストレスがかかっていたり、夜更かしや不規則な生活リズムがあると、薬の効果が感じにくくなることがあります。 |
このような場合の多くは、生活習慣や服用方法を見直すことで改善が見込めるでしょう。
就寝前のスマホを控える、服用時間を調整するだけでも、効果の変化が期待できます。
それでも「何をしても眠れない」といったつらい症状が続く場合は、無理せず医師に相談しましょう。
薬の種類を見直すことで、より自分に合った睡眠につなげることができる可能性があります。
デエビゴには怖い副作用がある?
悪夢や金縛りなど、デエビゴの一部の副作用が「怖い」と感じられることもあります。これらの副作用が日常生活に支障をきたす可能性もあるため注意が必要です。
副作用 |
内容 |
悪夢や金縛り |
脳が一時的に覚醒と睡眠の間の状態になることがあります。 |
翌朝の眠気・ふらつき |
薬の効果が朝まで残り、注意力や判断力が低下する可能性があります。車の運転や階段の昇降時に注意が必要です。 |
倦怠感・疲労感 |
体がだるく感じることがあります。 |
頭痛 |
薬の影響や睡眠リズムの変化により、頭痛があらわれることもあります。 |
呼吸の抑制 |
アルコールと併用すると、呼吸が浅くなる可能性があります。飲酒との併用は避けましょう。 |
副作用の頻度や程度は個人差があります。上表のような副作用があらわれた場合、自己判断で服用を中断せず、医師に相談しましょう。
よくある質問
デエビゴに関するよくある質問をまとめました。
アルコールとの併用や効果の持続時間、体内から抜けるまでの期間など、不安を感じやすいポイントについて解説します。
正しい知識を身につけ、安全に服用できるよう確認しましょう。
デエビゴはアルコールと一緒に服用できますか?
原則、デエビゴとアルコールの併用は避けましょう。どちらにも脳の覚醒を抑える中枢神経系抑制作用があります。併用すると、効果が強まりすぎてしまうためです。
また、飲酒後も酔いが残っていると感じるうちはデエビゴの服用は避けましょう。
アルコールと睡眠薬は一緒に飲めますか?
睡眠薬とアルコールを一緒に飲むのは避けましょう。
とくに、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬、抗うつ薬の併用は危険です。併用すると、眠気や筋肉のゆるみを強く引き起こしてしまうのです。そのため、転倒や呼吸困難、記憶の一部が抜け落ちる健忘(けんぼう)などのリスクが高まります。[7]
高齢の方は、転倒による骨折につながる可能性もあります。アルコールと睡眠薬は原則一緒に飲まないようにしましょう。[8]
デエビゴは何時間で体内から抜けますか?
デエビゴが体内から完全に抜けるまでには、約10日かかると推定されています。
体内にある薬の成分が半分になるまでの時間「半減期」は、デエビゴの場合およそ47〜51時間と非常に長いです。[5]
一般的に、薬が体から消えるまでには半減期の5倍かかるとされており、単純計算すると約10日(250時間程度)かかります。
眠剤(睡眠薬)を飲んでも酒を飲むと効かなくなりますか?
睡眠薬を飲んだあとにアルコールを飲むと睡眠の質を低下させる可能性があります。
薬の作用が過剰になり、副作用のリスクが高まるケースもあるのです。
安定した効果を得るためにも、服用期間中は飲酒を控えた方がよいでしょう。
まとめ:デエビゴ服用時にはアルコールを控えましょう
デエビゴとアルコールを併用すると、脳の働きを抑える作用が増強されます。その結果、眠気やふらつき、呼吸の浅さなど副作用のリスクが高まるのです。
デエビゴの効果は一般的に6〜8時間ほど続きますが、「服用した日は飲酒を控える」「飲酒した日は睡眠薬の使用を避ける」ことが推奨されます。万が一、アルコールと併用してしまった場合は、無理に吐かず安静にします。異常を感じたら速やかに医療機関に相談しましょう。
また睡眠薬が効かないと感じる場合は、空腹時に服用することや就寝前のスマホ使用を控えるなど、服用方法や生活習慣の見直しで改善が見込めることもあります。デエビゴを正しく服用するためには、アルコールとの関係を正しく理解し、安全な服用を心がけることが大切です。
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参考文献
[1] 不眠症治療薬 レンボレキサント製剤 DayvigoⓇ Tablets
[2] 睡眠薬の適正使用に関するエビデンス抽出と今後の検討課題に関する研究
[5] 新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント (デエビゴ錠® 2.5 mg
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
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