不安障害・パニック障害とはどんな病気?症状や治療方法について解説

公開日: 2024/06/20 更新日: 2024/06/25
「人前に立つと、冷や汗や息苦しさの症状が出る」 「いきなり怖いくらいの動悸や吐き気があらわれることがよくある」 「身の回りには怖いことがたくさんある気がして家から外に出られない」 このような悩みがある場合、医療機関などに相談してみることをおすすめします。 特定の場面でひどく不安や緊張を感じたり常に不安感を感じて落ち着かなかったりする場合、不安障害(別名:不安症)の症状が出ている可能性があります。 また、前触れもなく動悸や息苦しさなどの発作がくり返される場合はパニック障害の治療が必要かもしれません。 不安障害やパニック障害は治療することで改善が見込めます。 しかし、放っておくと外出や人との接触を避けようとしてしまい、日常生活に支障が出てしまうでしょう。 この記事では、不安障害とパニック障害について症状や治療方法について解説します。

不安障害とはどんな病気?

不安障害(別名:不安症)は、身近な出来事に対する恐怖心や将来への不安などを強く感じてしまい、日常生活に支障が出る病気です。

恐怖や不安により日常での行動が制限される状態が、成人の場合で6ヶ月、子どもの場合で4週間以上続くと不安障害と診断されます。[1]

 

不安障害には、次のような症状があります。

社交不安障害や対人恐怖症とも呼ばれ、スピーチや会議での発言などで極度に緊張してしまう症状です。人から注目される場面で声が震える・顔が赤くなる・汗をかく・めまい・動悸・吐き気といった症状が出ます。

パニック症とも呼ばれます。突然、動悸や息苦しさなどの自律神経発作が現れ「このまま死んでしまうのではないか」といった強い恐怖を感じパニックになる症状です。発作は前触れもなく繰り返し起こります。

電車の中や狭い場所など、すぐに逃げられない、または助けを求められないような場所で、強い不安を感じます。建物や公共交通機関の中に入れなくなったり、1人での外出を避けたりするようになります。

漠然としたあらゆることに不安を感じる症状。常に落ち着かない状態になることも多いです。体に症状が出ることはほとんどありませんが、常に何かに不安になり日常生活に支障が出ます。

高所恐怖症・閉所恐怖症・嘔吐恐怖症などがあり、特定の状況に対して強い不安や恐怖を感じます。その他にも、特定の動物や人・注射針・自然などに恐怖を感じる人も多いです。

子どもに多い症状

保護者から離れるときに強い不安を感じる症状。子どもだけでなく大人でも生じることがあります。

特定の人とは話しができますが、他の人を目の前にすると全く話せなくなる症状です。

不安障害では、これらの不安や恐怖、症状を避けるために回避的な行動を取ってしまうこともあります。

人前で発言ができず仕事に支障が出たり、電車に乗れず外出できなかったりしてしまうこともあるでしょう。

パニック障害とはどんな病気?

パニック障害は不安障害の一種です。なんの前触れもなく、動悸・息苦しさ・めまいなどの苦しい症状(パニック発作)があらわれます。

同時に「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖も感じることが特徴です。

ただ、身体的な問題はなく、医療機関で検査しても異常が見つからないため、患者さんはより不安を覚えることもあるでしょう。

 

パニック発作は短時間で自然におさまりますが、突然起こることがくり返されるため「次はいつ発作が起きるのだろう」といった漠然とした不安(予期不安)が付きまといます。

この予期不安をきっかけに、遠出ができない・付き添いがないと外出できないといった広場恐怖症の症状も出てきます。

不安が進むと外出自体ができなくなってしまい、引きこもりにつながる場合もあるでしょう。[2]

不安・パニック発作の症状がある方へ

不安感や動悸・息苦しさ・めまいなどの症状がある場合は、まず内科を受診しましょう。身体の症状から不安や発作が起きている可能性もあります。

 

「身体の検査では特に問題が無かったが、症状が改善しない」「不安やパニック発作で日常生活に支障を感じている」という方は精神科・心療内科を受診しましょう。

当院はオンラインで受診できる精神科・心療内科です。不安・パニック発作の相談も受け付けています。

不安障害・パニック障害の治療方法とは?

不安障害やパニック障害の治療では、抗不安薬や抗うつ薬での薬物療法を行います。

さらに、認知行動療法をメインとしたカウンセリングを通しパニック発作が起きた時の対処を考えたり、少しずつ不安を引き起こす要因に慣れていくことで不安を必要以上に感じなくて済むよう、物事の受け止め方や行動を修正していくことも必要です。

薬物療法

不安障害やパニック障害の薬物療法では、主に抗不安薬と抗うつ薬を服用します。

種類作用の仕方服用方法
抗不安薬
(ベンゾジアゼピン系)
脳内のGABA(ギャバ)という物質を活発にすることで不安を和らげる。効き目の速いタイプを不安の症状が出たときに服用(頓服)することが多い。
依存に注意しながら使用する。
抗うつ薬
(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
脳内のセロトニンを活発にすることで、症状が出にくくなるようコントロールする。毎日決まったタイミングで服用する。依存性はないが、急にやめると離脱症状がでるためゆっくり減らしていく。

 

ただし、動悸や息苦しさなどの身体的な症状は甲状腺機能亢進症・不整脈・貧血などの内科的な病気が影響している場合もあります。

不安とともに身体の症状が出ている場合には、まず内科を受診して他の病気が隠れていないか確認してもらいましょう。

カウンセリング(認知行動療法)

カウンセリングでは、認知行動療法という心理療法を使いながら症状の改善を目指していきます。

認知行動療法では、不安を感じるときの対処法(リラクセーション法)を身に付けたり、症状の原因としてかたよった考え方があれば修正したりしていきます。
カウンセリングは、薬物療法と一緒に行うことも可能です。

医師と相談しながらカウンセリングも取り入れていくと良いでしょう。

自分で行う対処法

不安障害やパニック障害は医師による診察と治療が基本となりますが、自分で気をつけられることもあります。

次の2点について知っておきましょう。

 

①お酒やたばこ、カフェインの取りすぎで神経が過敏となり、不安を感じやすくなっている可能性があります。

日常的に摂取されている方は、1日の摂取量を見直してみたり、これらを徐々に減らしていけると良いでしょう。

 

②不安を感じそうになったら、息を「ゆっくり吐く」ことを意識できるように心がけましょう。

不安なときに息を吸うことばかりに意識を向けてしまうと、不安が強くなってしまうことがわかっています。[1]

 

※受診前・通院中の方は、ご自身で診断せず、医師に相談のうえ取り入れてみてください。

不安障害・パニック障害の治療にオンライン診療でできること

「不安障害な気がするけど、いきなり病院へ行くのには抵抗がある」

「急な息苦しさや動悸があるけど検査では異常がなかった。パニック障害かもしれない」

そんな方は、精神科・心療内科を取り扱っているオンライン診療を受診してみてはいかがでしょうか。

 

精神科・心療内科のオンライン診療では、スマホやPCから受診でき、ビデオ通話で直接医師と話してご自宅で不安障害やパニック障害の診察と治療が受けられます。

 

ここでは、不安障害・パニック障害の治療のためにオンライン診療でできることを、メリット・デメリット・オンライン診療の流れとともに解説します。

オンライン診療のメリット

心療内科・精神科のオンライン診療で不安障害やパニック障害の治療をするとき、メリットと感じられるのは次のような特徴でしょう。

  • スマホやパソコンがあれば診察予約・診察・処方薬の受け取り指定までオンラインで完結できる
  • 土日祝や夜間でも受診できる(当院は年中無休の予約制で、当日予約も受け付けています)
  • 自宅のようなリラックスした環境で診察してもらえる

オンライン診療では、受診の予約から薬の受け取りまで、すべてオンラインで完結します。

予約の際に医療機関へ電話する必要がなく、スマホアプリやWebサイトから24時間いつでも予約できることが特徴です。

 

また、ファストドクターメンタルクリニック(オンライン診療)では、土・日・祝でも受診可能です。

平日昼間は仕事や学校の授業を受けているという方も多いですよね。

仕事や学校を休みたくないという方は、オンライン診療を検討してみると良いでしょう。

 

オンライン診療では、自宅のようなリラックスした環境で受診できることが大きなメリットです。

外出するのが怖い方や、病院だと不安や緊張を感じてしまう方にとっては、おすすめの受診方法です。

 

移動や待ち時間なく受診できるので、通院を周りに知られたくない、ついつい受診を後回しにしてしまうといった方も安心してご利用いただけます。

オンライン診療のデメリット

一方で、心療内科・精神科のオンライン診療では次の点がデメリットと感じるかもしれません。

  • 顔を見せながら落ち着いてビデオ通話できる環境が必要

  • オンライン診療で処方できない薬がある

  • 聴診などの検査ができない

 

オンライン診療では、患者さんの話す内容に加えて、顔色や表情も見たうえで病状を判断していきます。

そのため、患者さんの顔が見えない状態でのオンライン診療はできません。

また、オンライン診療では、患者さんの安全を守るため、処方できる薬の種類や日数に制限があります。

すでに対面診療で処方されている薬でも、オンライン診療では処方できない場合があります。

例えば、厚生労働省のガイドラインに従い、向精神薬の処方はできませんが、当院では、必要に応じて類似の代替薬を提案いたします。

当院を受診される方でお薬のご希望・ご相談がある方は、予約後の事前問診にてお知らせください。

そして、心療内科・精神科でも、身体の状態を把握するため患者さんの体に触れる「触診(しょくしん)」や、心音や呼吸の音を聴く「聴診(ちょうしん)」など、身体の病気がないか調べるための検査をすることがあります。

オンライン診療ではその場でこのような検査ができないため、必要に応じて対面診療を勧める場合があります。

オンライン診療の流れ

ここでは、夜間・休日も全国エリアで対応しているファストドクターのメンタルクリニックを例に、心療内科・精神科のオンライン診療を受ける流れについて解説します。

※医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。

 

①予約

予約サイトにある「診察予約する」または「予約する」を押して、画面の表示にしたがって必要情報を入力します。入力後に届く仮予約メール到着後、30分以内にURLをクリックすると予約が完了します。

 

②事前問診

予約完了画面に問診ボタンが表示されるので、画面の表示にしたがって保険証やお薬手帳の画像をアップロードしていきましょう。

 

③診察

診察時間の30分前にビデオ通話用URLがメールで届きます。診察時間になったらURLをクリックして入室します。

まずは診療前相談をした後、診察がスタートします。

※診察前相談の結果、オンライン診療を行わない場合は診療費用は発生しません。

 

④お会計

診察の翌日以降、お会計についてのメールが届きます。クレジットカードで支払いをします。

※クレジットカードを持っていない場合は、口座振込での支払いも可能です。相談してみると良いでしょう。

 

⑤薬の受け取り

診察で薬が処方された場合、薬局からの服薬指導を受けた後に薬を受け取ります。ファストドクターと連携している薬局からの配送もしくは、ご希望の薬局での受け取りが選べます。
※薬の受け取りには期限があります。診察日を含めた4日以内に薬局での受付を行ってください。
※薬代は薬局でのお会計となります。配送の場合、配送料100円(税込)が別途かかります。

職場などへ診察を受けた証明を提出する必要がある場合、診断書を発行することもできます。

医師と相談したうえで、休職を希望する場合は、診断書や傷病手当金申請書など、各種申請書・証明書の発行も対応しています。

 

当院指定書式の診断書を希望された方にはご診察後3日以内を目安に【PDFファイル形式(メール添付)】にてお送りします。

ご希望の場合は事前問診および診察時にその旨をお知らせください。



※当院指定書式以外の診断書を希望される場合には、診察希望日の7日以上前までに[email protected]にPDFファイル形式で当該のフォーマットをお送りください。事前相談なく診察当日に依頼いただいても対応できかねますのでご留意ください。

 

※最終的な発行可否は医師の医療的判断によります。書類によっては継続的な診察を通して発行可否を判断するものもございますため、初診時に発行できない場合もございますことをご了承ください。

まとめ

不安障害は身近な状況や出来事で強い不安や緊張を感じてしまい、場合によっては動悸・めまい・息苦しさなどの体の症状も引き起こします。

パニック障害は不安障害の一種で、体の症状が前触れもなくあらわれ「このまま死んでしまうのではないか」と強い恐怖を感じます。

 

不安障害やパニック障害は、これらの不安から外出や人との接触を避けてしまう可能性があり、日常生活に支障が出る病気です。

 

薬物療法やカウンセリングなどで徐々に改善に導いていけます。

心当たりのある方は医療機関などへ相談し、症状が悪化する前に速やかに適切な治療を受けていきましょう。

 

当院はオンラインで受診できる精神科・心療内科です。

不安障害・パニック障害の相談も受け付けています。

 

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受診するか悩んでいる方、薬にあまり頼りたくない方へ
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ご利用前にお読みください
以下の症状が見られる場合は、お近くの病院で対面での受診をおすすめします。
  • 自傷他害のおそれがある場合
    • 自分を傷つけたいと思う
    • 具体的に死ぬ方法について考えている
  • 身体疾患が強く疑われる場合
    • 高熱がある
    • 呼びかけてももうろうとしている
    • 意識がない
  • 緊急性が認められる場合
    • ここ数日の間で急激に状態が悪化している
    • 食事や水分をとることができない
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