妊娠糖尿病とは?|産後の血糖値や治療法を解説!
妊娠中に妊娠糖尿病と診断され、産後も妊娠糖尿病は治らないかもと、不安になっている人も少なくありません。妊娠糖尿病が産後も完治できなかった場合、胎児にも影響を与えてしまうのかと悩む人も多いでしょう。
妊娠糖尿病は糖尿病に移行してしまうリスクがあり、産後いつまで続くのか、産後いつまでに治るのか不安や疑問を抱えながら育児をするのは大変です。その不安などで血糖コントロールができずに、糖尿病を重症化してしまう場合もあるので、大変危険です。
妊娠糖尿病がどのように胎児に影響するのか、産後の血糖値や治療法、胎児や母体の将来を考え産後気をつけることは何かをご紹介します。
妊娠糖尿の正しい知識を身に着け、赤ちゃんを守るためにもお母さんになる準備をしておきましょう。
名倉 義人 医師
○経歴
・平成21年
名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
・平成23年
東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得
・平成27年
東戸塚記念病院で整形外科として勤務
・令和元年
新宿ホームクリニック開院
○資格
救急科専門医
○所属
日本救急医学会
日本整形外科学会
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妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病とは、妊娠前まで糖尿病と診断されたことがないにも関わらず、妊娠中に糖代謝異常の指導をされたが妊娠糖尿病の基準を満たしていない人のことです。また妊娠前から糖尿病と診断されている場合や妊娠中に明らかな糖尿病と診断されている場合は、妊娠糖尿病に含まず妊娠糖尿病より重度の状態となるので、血糖値をより慎重に管理する必要があります。妊娠する前や妊娠中に明らかな糖尿病と診断されたら、健康な赤ちゃんを産むために自分の今の状態や糖尿病の進行具合を評価し、計画的に妊娠することをおすすめします。
妊娠糖尿病に罹患される人は、普通より遅い年齢で結婚することや高齢出産、不妊症などに伴い増加傾向です。妊婦の人全員に糖検査をしたところ、約12.8%の人が妊娠糖尿病と診断され、すでに糖尿病と診断されてから妊娠した人を合わせると、約15%に増加します。妊娠糖尿病になると、血糖値が高くなり合併症を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
さらに妊娠糖尿は妊娠している女性なら誰でも罹患する可能性があります。その中でも妊娠糖尿病になりやすい人の特徴は、以下の通りです。
- 高齢妊娠をした
- 親戚などの血縁に糖尿病罹患者がいる
- 肥満体質
- ストレスを溜めやすい
- 羊水が多いと言われたことがある
- 妊娠20週までに妊娠糖尿病と診断された
- 妊娠中にインスリンを打っていた
- 巨大児の出産経験がある
- 産後、血糖値がしばらく高かった
妊娠をすることで血糖値が上がり、妊娠糖尿病になるリスクは誰にでもあります。産後、1度は正常に戻った血糖値も糖尿病に移行しやすい人も多いので、注意が必要です。
妊娠糖尿病は産後の赤ちゃんにも影響する
お母さんの体(母体)が妊娠糖尿病に罹患すると、赤ちゃんにも影響し合併症を引き起こす原因になります。
妊娠糖尿病が赤ちゃんに影響する確率は正常妊娠で約0.5%、糖尿病との合併妊娠では約6.2%に跳ね上がります。妊娠後期になると赤ちゃんへのダメージは増すばかりで、新生児低血糖や黄疸、流産、電解質異常、巨大児、多血症、形態異常、心臓肥大、奇形児、胎児死亡などの影響を受け大変危険です。妊娠糖尿病の影響で様々な合併症が進行していると、最悪の場合自然分娩はできず、帝王切開に切り替わるケースがあります。特に巨大児の場合は、お母さん(母体)の産道を通ることができず、赤ちゃんの腕神経麻痺や骨折、またはお母さん(母体)の産道裂傷などが起こります。これらを防ぐためにも血糖値を安定させ、巨大児を予防することが不可欠です。
お母さん(母体)も妊娠糖尿病により、妊娠高血圧症候群や羊水量の異常、網膜症、肩甲難産、腎症など様々な疾病が現われ、それらが悪化することも少なくありません。
母体合併症 | 糖尿病合併症 | 糖尿病網膜症の悪化糖尿病腎症の悪化糖尿病性ケトアシドーシス低血糖(インスリン使用時時) |
産科的合併症 | 流産早産妊娠高血圧症候群羊水過多症巨大児に基づく難産 | |
胎児・新生児合併症 | 周産期合併症 | 先天奇形巨大児巨大児に伴う難産による分娩損傷胎児発育遅延胎児仮死、死亡新生児低血糖症新生児高ビリルビン血症新生児低カルシウム血症新生児呼吸窮迫症候群多血症肥厚性心筋症 |
成長期合併症 | 糖尿病肥満 |
引用元:https://www.club-dm.jp/novocare_all_in/novocare-circle/academy/academy12.html
産後、赤ちゃんに妊娠糖尿病の影響を与えることは少なく、母乳育児でも問題ありません。あくまで、出産するまでに影響を大きく与えてしまうので、しっかり治療することが大切です。
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妊娠糖尿病の産後の血糖値の基準は?
妊娠糖尿病と診断された人は、出産後必ず糖検査を受ける必要があります。産後は、75gブドウ糖負荷試験をし、血糖値が通常基準に戻っているかを確認しましょう。産後の血糖値はいったんホルモンの影響を受けなくなるので、下がることがほとんどです。妊娠糖尿病の基準値は、以下の通りです。
- 空腹時血糖 92mg/dl
- 1時間後の血糖 180mg/dl
- 2時間後の血糖 153mg/dl
引用元:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html
産後はこの血糖値を下回り、かつ、通常の血糖値に戻す必要があります。食後体の中では血液中の濃度が上がり、この濃度が上がりすぎないようにインスリンを出して血液中の濃度をコントロールしているのですが、血液中の濃度のことを血糖値と呼びます。妊娠中は血糖コントロールだけでなく、産後の血糖コントロールもとても重要となるのです。出産したからと言って妊娠糖尿病が必ず改善されるわけではないので、基準値に戻るよう日々の生活習慣を整えましょう。
妊娠糖尿病患者の産後の血糖値はいつ下がるのか?
妊娠糖尿病に罹患しても、産後は胎盤からのホルモンの影響が軽減されるので、一旦血糖値は下がることがほとんどです。しかし日数が経つにつれHbA1cが徐々に上昇し、そのまま気がつかない場合は、糖尿病を発症してしまいます。
HbA1cとは、ヘモグロビンがどのくらい存在しているかを調べる方法で、1〜2か月間の日常生活で血糖値がどう変動するか、平均でどのくらいの数値だったかを診ます。検査の結果、HbA1cが6.5%以上が糖尿病と診断され治療が必要です。
産後は1週間以内に血糖値は正常に戻ることが多いですが、「妊娠糖尿病による高血糖値は戻ったが、産後20、30年後に糖尿病になった」「次回の妊娠の時にまた妊娠糖尿病になった」という報告もあります。
産後も血糖値が下がるか下がらないかは個人差があるので、一概に下がるとも言い切れません。食事療法などで下がる人もいれば、インスリンを打っても下がらない人もいますので、医師の指示に従いましょう。
妊娠糖尿病が産後に糖尿病へ移行するリスク
妊娠糖尿病と診断され、出産した後も糖尿病が続く場合があります。妊娠糖尿病だった人の10年後の糖尿病に移行するリスクは約7.4倍に増え、お母さんが妊娠糖尿病に罹患し出産した10歳〜14歳の人は肥満や脂肪量が多くなる傾向にあります。
妊娠糖尿病と診断される人も約8%と高いので、他人ごとではありません。妊娠中から産後まで糖尿病と付き合うことがないよう、注意しておきましょう。
また糖尿病の妊婦さんから生まれた子供は、肥満や糖尿病などの生活習慣病に罹患してしまうリスクが高いことが知られています。自分自身の血糖コントロールだけでなく、子供も一緒に良好な生活習慣を続けることが大切です。
合併症を引き起こし手遅れになることも
妊娠糖尿病から糖尿病に移行した場合、自覚症状もほとんどないので気づかずに進行し手遅れになることもあります。妊娠高血圧症候群やメタボリック症候群に罹患することも考えられるので、妊娠糖尿病の正しい知識を持っておくと良いです。
手遅れになると失明や人工透析、足の切断など大きな障害が残り不自由な生活になってしまいます。糖尿病の自覚症状が出た場合は、すでに症状が悪化しているか、合併症を引き起こしているかなので、早期発見できるよう定期的に検診をしましょう。
妊娠糖尿病の産後に気をつけること
妊娠糖尿病の産後に気をつけることは、食事の内容と授乳です。日常生活の中で栄養バランスのいい食事や授乳後の体の変化に気をつけましょう。
- 食事
- 授乳
出産後は、母体の血糖管理と育児の両立が必須です。忙しい中でも、自己管理をしっかり行うと重症化を防ぐことに繋がります。産後6〜12週の間に再検査を受けに、病院へ行きましょう。もし治っていても、20年後、30年後に糖尿病になる可能性が高くなり、一生糖尿病と付き合っていくことになります。そうならないためにも、妊娠糖尿病になった事実を受け止め、糖尿病に移行しないよう予防し、日々の生活の中で糖尿病に罹患しないよう意識することが大切です。
食事
妊娠糖尿病患者の産後は、食事管理に気をつけましょう。栄養不足にならないように、鉄分やカルシウム、ビタミンをしっかり補い、水分補給も必須です。特に野菜は根菜類は乳汁分泌が促進され、サラサラになる効果があります。
通常より多く母乳が出る人は血糖値が下がりやすいので、授乳前に炭水化物やたんぱく質を含んだ食べ物を捕食しましょう。それでも血糖値が下がる場合は、授乳後すぐにブドウ糖や糖分が入ったジュースや食べ物で補うと効果的です。夜間の授乳に関しても、睡眠前に炭水化物やたんぱく質を含む乳製品がおすすめです。
おやつも食事と分割して食べることもできます。ヨーグルトやフルーツなど糖分が入っているおやつを選ぶと低血糖を防ぐことができます。
産後、血糖コントロールができなくなってしまうお母さんも多いので、食生活から気をつけてみましょう。
授乳
妊娠糖尿病患者の産後の授乳は、低血糖を起こす恐れがあるので気をつけましょう。授乳100mLで約80kcal消費するといわれているので、1日の摂取カロリーは約450Kcal程度増やします。授乳後に低血糖を起こす場合は、インスリンの量を減らしたり、授乳前に食べ物で補います。そうすることで、重度の低血糖や高血糖を起こすリスクが減るので、注意しながら授乳しましょう。
育児は子供が成長するまで20年程度子育てが続きます。その中でもう一人のお子様を考えている場合、さらに子育て期間が長くなります。妊娠糖尿病と診断された人は次の妊娠でも妊娠糖尿病と診断されることも多いので、産後は血糖コントロールに十分注意しましょう。
子育ての忙しさや妊娠中の緊張がほぐれた反動で、血糖コントロールができなくなる場合もあるので注意が必要です。定期的に検診や血糖値を測り、余裕のある生活を心がけましょう。
妊娠糖尿病はいつ治る?産後に治る確率は?
妊娠糖尿病は、基本的に出産すると治ります。妊娠糖尿病患者が産後に治る確率も、ほぼ100%に近いです。しかし妊娠糖尿病は一時的な糖尿病ですが、本来の糖尿病に移行してしまうケースも多いです。妊娠糖尿病が糖尿病を発症してしまう確率は、約60%以上で決して少なくありません。産後もしっかり検査を受け、定期的な糖尿病の検査を受けることが大切です。
妊娠糖尿病と診断されたら、完治を目指して治療する必要があります。産後の検査で正常に血糖値が戻っていたとしても、将来糖尿病になるリスクが高まり重症化する場合もあります。なので産後も気を抜かず、生活習慣の見直しや健康管理、定期的な検診を怠らないよう気を配ると糖尿病の予防につながるでしょう。
産後は、自分の事は後回しでお子様に付ききりになりますが、健康に気を配る時間を心がけるようにしてください。
妊娠糖尿病の産後の治す方法は?
妊娠糖尿病を産後に治す方法は、まず検査をして食事療法を行います。重症化している場合は、インスリンを打ったり、入院したりすることもあります。
妊娠糖尿病の患者が産後に検査をすると大抵は完治していますが、血糖値が下がらなかった場合は慎重に血糖コントロールをしなければなりません。糖尿病が今後悪化しないためにも産後に治すことが1番の近道です。
- 検査
- 食事療法
妊娠糖尿病の産後は食事療法を用いて治療することが多く、栄養バランスを考え血糖コントロールができるように工夫することが大切です。その際、おすすめの食品や食べてはいけない物、食事の回数などで治療していきます。目安となる摂取カロリーは、標準体重×30Kcalで、非肥満体質の人は、プラス350Kcal追加した数値が目安です。糖尿病が重症化し手遅れになる前に、しっかり予防しましょう。
検査
産後1〜3ヶ月の間で75gブドウ糖負荷試験をし、正常の血糖値に戻っているか確かめます。血糖値が下がっていない場合は治療を続けますが、治っていても年に1回はブドウ糖負荷試験を行い、糖尿病を発症しないように予防しましょう。
妊娠糖尿病の産後の検査方法は、朝食抜きで病院に行きブドウ糖75gを飲む前の空腹時血糖を測ります。そのあとブドウ糖入りのサイダーを飲み、飲んでから1時間後と2時間後の3回に分けて血糖値を測定します。血糖値の基準は以下の通りです。
空腹時血糖 | 92mg/dl |
1時間後 | 180mg/dl |
2時間後 | 153mg/dl |
引用元:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html
だいたいの目安であり、担当医師の判断で治療法が変化します。多くの場合は食事療法で改善することが多いですが、薬物療法なども用いる場合もあります。妊娠糖尿病の人は、妊娠中の人も産後の方も同じように検査し、糖尿病に移行する確率が高い人は継続して経過観察が必要です。
食事療法
産後も、食生活に気をつけましょう。血糖値を上げないためにも、野菜を中心に脂っこいものを避け、鉄分やカルシウムなどを積極的に摂取すると良いです。動物性脂肪である飽和脂肪酸は、コレステロールを増やし乳管が詰まりやすくなります。結果、乳腺炎を発症する恐れがあるので控えましょう。
また適度な運動を行い、医師の指示に従い体調の良いときに行いましょう。
妊娠糖尿病の産後に必要なインスリンの量は、妊娠中よりもグッと減ります。妊娠中はプロゲステロンなどのホルモンがインスリン働きを抑えたり、胎盤でインスリンが分解されたりなどが胎盤が出ることによって影響を受けなくなります。出産前に打っていたインスリンの量を産後も打ってしまうと、低血糖を起こす危険性が高まるので、2/3程度で調整してみましょう。また、授乳中は糖尿病の飲み薬よりインスリンの方が効果的です。飲み薬の場合母乳に混ざりこんで赤ちゃんが低血糖になる恐れがあるからです。
Q&A
妊娠糖尿病は出産後いつまで?
妊娠中に妊娠糖尿病と診断された場合は、産後6〜12週以内に再検査をしましょう。大抵の場合は妊娠中に妊娠糖尿病に罹患するだけで、出産後には落ち着きます。出産後にしっかり検査をしないと、次の妊娠の際に糖尿病と合併し初期の流産や奇形児が生まれる可能性があります。さらに妊娠糖尿病が治っていても将来糖尿病になるリスクが高くなるので定期的な検診が必要です。
また母乳育児を行うと、糖尿病に罹患するリスクを下げることができます。無理して母乳を与える必要はありませんが、可能な限り母乳育児を行うことをおすすめします。
妊娠糖尿病患者の出産後どうなる?
妊娠糖尿病と診断された人は、産後血糖値が下がることがほとんどです。出産前に使用していたインスリンも必要なくなるでしょう。なぜなら妊娠によって効果が出ていなかったインスリンが、赤ちゃんが生まれてインスリンの効果も元に戻るからです。もし下がらない場合は、出産後6〜12週の間にもう一度検査し、血糖値を確認します。将来糖尿病に移行することも考えられ、次に妊娠したときに赤ちゃんへの影響も大きくなるので治療することをおすすめします。
毎日の生活を見直し、栄養バランスの摂れた食事、適度な運動、規則正しい生活を心がけ定期的に検診をすると妊娠糖尿病から糖尿病への移行が予防できます。
妊娠糖尿病は産後いつ戻るのか?
出産を終えると、高かった血糖値は1週間以内に下がることが多く、正常に戻ります。稀に戻らない人もいるので、続けて治療するようにしましょう。
産後6〜12週以内に糖尿病の再検査をして、正常値に戻っているか確認すると良いです。仮に治っていても、将来糖尿病を発症するリスクが高いため、定期的な検診を行い自分の血糖値を知っておくことが必要です。
また母乳で育児をすると、将来糖尿病に罹患しにくいと言われています。無理のない範囲内で自分の将来の為にも、母乳育児を推奨しています。
妊娠糖尿病の患者が産後に糖尿病になる確率は?
妊娠糖尿病の産後は、血糖値が下がることがほとんどです。産後1〜3ヶ月の間に再検査をして、通常の血糖値に戻っているか確認しましょう。
妊娠糖尿病だったお母さん(母体)の約10年後の糖尿病発症率は7.4倍であり、妊娠糖尿病だった母親から生まれた10歳〜14歳の子は、肥満や脂肪量が多くなると言われています。妊娠糖尿と診断された人の全体の8%が、糖尿病に移行しているので注意しましょう。
糖尿病に移行すると定期的に血糖値を測り、受診をしないといけません。場合によっては、食事療法だけでなく、インスリンを打たないといけないこともあり、体に負担がかかります。将来、子育てしながら糖尿病の治療を続けていくのは大変です。妊娠糖尿病と診断されてから糖尿病に移行しないように、食事や適度な運動を心がけましょう。
まとめ
妊娠糖尿病の患者が産後、血糖値がどうなるのか、治療法をご紹介しました。ほとんどの場合は妊娠が終了した時点で妊娠糖尿病は完治し、その後は経過観察で様子を見ますが、妊娠糖尿病から移行して糖尿病を発症する人も少なくありません。
妊娠糖尿病と診断された人は、産後1〜3ヶ月までに再検査し、血糖が正常値に戻っているか確認することが不可欠です。また栄養や偏食にならないよう注意し、育児をすることを心がけましょう。授乳は赤ちゃんにほぼ影響はないですが、お母さんの血糖値コントロールが難しくなるので定期的に血糖値を測り、余裕のある生活をすると安定します。
母乳は赤ちゃんの免疫力を高める効果があり、将来自分自身が糖尿病にならないための予防にもなります。たくさん母乳が出ると低血糖を起こす確率が上がるので、インスリンの調節や授乳前に食事を摂り低血糖にならないよう気をつけましょう。お子様が手がかからないくらい成長するまで、合併症を起こさずお子様と一緒に生活習慣を見直し、血糖コントロールを心がけましょう。