ウイルス性胃腸炎の治ったサインはおなら?大人特有の症状とは?

公開日: 2024/03/01 更新日: 2024/05/08
大人のウイルス性胃腸炎はかかってから何日で治るのか、治ってきたサインとおならはどんな関係性があるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。 もし今吐き気や下痢などの症状がある場合、この辛い症状がいつまで続くのか、仕事はいつまで休まないといけないのか不安ですよね。 この記事では、大人のウイルス性胃腸炎の特徴や、治ってきたサイン、下痢のみの症状など状況別の対応方法を解説しています。
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ウイルス性胃腸炎が治ってきたサインはおなら!?

胃腸炎が治ってきたサインは「おなら」で判断できると言われています。

では、どんな「おなら」なら症状が改善してきている証拠なのか、判断方法を紹介していきます。

どんな「おなら」なら治ってきたサインと言えるのか

通常胃腸炎になると強烈な臭いのおならが出ますが、臭いの薄いおならに変化してきたら改善していると考えてよいでしょう。

ウイルス性胃腸炎になると腸内環境が乱れ、悪玉菌が増加します。

この悪玉菌が増えると、「インドール」や「スカトール」というガスを発生させ、おならが強烈な臭いになるのです。

善玉菌が多い:あまり臭くない

善玉菌が少ない:強烈な臭いがする

もし「おなら」が臭くないのであれば、腸内バランスが整ってきていると言え、回復しているサインと考えることができます。

[12]

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ウイルス性胃腸炎とは

ウイルス性胃腸炎とは、ウイルスの感染が原因で生じる胃腸炎です。

主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、発熱などで、急性的に生じることが多いです。

ウイルス性胃腸炎は毎年秋の終わりくらいから流行しはじめ、冬がピークになります。

とくに家族内での感染や、幼稚園や保育園、学校や福祉施設などでの集団感染が起こりやすいです。

ウイルス性胃腸炎以外の感染性胃腸炎に細菌性胃腸炎があります。こちらは食中毒の原因になりやすい細菌感染症で、夏に発生することが多いです。

同じ食事をした家庭内、飲食店で集団感染しやすいです。

大人のウイルス性胃腸炎の原因

ウイルス性胃腸炎の原因となる主なウイルスに、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。

ノロウイルス、ロタウイルスは主に子どもで流行しやすく、大人が感染しても無症状や軽度のことが多いです。ノロウイルスは大人でも強い症状がでやすい感染症です。

これらの病原体の感染経路として接触感染と経口感染があります。

  • 接触感染:病原体の付着したものに接触した手などから口に入ってしまう。感染者の嘔吐や下痢の飛沫が口に入ってしまうことにより感染する

  • 経口感染:病原体に汚染された飲食物を口にすることにより感染する

とくに、ノロウイルスは感染力が強く、わずかな接触や、少量のウイルスで簡単に感染してしまうといわれています。[6][7]

ウイルス別症状

感染の原因となるウイルスによって、発症のタイミングや症状のある期間が変わってきます。また症状自体もそれぞれ特徴があります。

主なウイルス別の症状、発症期間、治るまでの平均日数について紹介します。

 

症状

発症から治るまでの平均日数

ノロウイルス

吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛。子どもは嘔吐、大人は下痢が多い。症状は急に激しく出現することが多い。

潜伏期間:24~48時間

症状のある期間:1~2日間

ロタウイルス

乳幼児に多い。水様便や嘔吐を繰り返す。脱水になり、重症化することがある。熱が出ることもある。

大人はかかっても症状が出ないことがほとんど。

潜伏期間:2日間

症状のある期間:1~2週間

アデノウイルス

発熱、嘔吐、下痢の症状が主な症状。とくに下痢が長期間続き、ウイルスを排出する期間が長いのが特徴。

潜伏期間:3~10日間

症状のある期間:1週間以上

[8][9][10]

ウイルス性胃腸炎にかかってから完治まで

感染力が強く大人も発症しやすいノロウイルスは、1~2日の潜伏期間を経た後、症状が出現します。重症化しなければ、2~3日で回復するのが通常です。

症状がよくなっても、1~2週間は便にウイルスを排出するといわれています。まれではありますが、1ヶ月程度ウイルスを排出することもあります。

ウイルス性胃腸炎の治療方法

ウイルス性胃腸炎を治す特効薬はありません。医師の判断で、吐き気止めや、整腸剤が処方されることがあります。

水分摂取が難しい場合は、点滴で脱水対策を行うこともあります。

これらは、対症療法(たいしょうりょうほう)※1です。重症化を予防し、回復を早める目的で行われます。

ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスに効く抗ウイルス薬はありません。

ウイルス性胃腸炎による嘔吐や下痢は、体に入った異物(ウイルス)を体外に出そうとする体の防御反応です。

それを止めてしまうような胃腸の動きを抑える下痢止めの服用は推奨されません。

ウイルス性胃腸炎のときによく処方される薬は、

  • ビオフェルミン、ビオスリー、ミヤBM、ラックビーなど:善玉菌を増加させることにより、腸内環境を整える

  • ナウゼリン、プリンペラン、柴胡桂枝湯など:吐き気などの胃腸症状を抑える

  • カロナール、ロキソニンなど:発熱を伴う場合、解熱目的

ウイルス性胃腸炎が疑われるときは対症療法をしつつ、十分な休息を取ることが大切です。自己判断で下痢止めを服用しない、水分摂取をして脱水対策することが重要です。

※1病気の原因の治療ではなく、その病気の症状を軽減するための治療

大人のウイルス性胃腸炎の特徴。症状が下痢だけの場合も

子どものウイルス性胃腸炎は、嘔吐のイメージがあるかもしれません。しかし、大人のウイルス性胃腸炎の場合は吐き気がなく、下痢だけという場合もあります。

ウイルスによっても症状は変わってきますが、起こりやすい症状を大人、子どもに分けて紹介します。[1][2][3]

子ども

大人

  • 突然の嘔吐から始まることが多い

  • 嘔吐が何回も繰り返される

  • 嘔吐の後に下痢が見られることが多い

  • 脱水傾向になりやすい

  • 子どもに比べて嘔吐より下痢症状が多い

  • 子どもに比べて嘔吐ほど症状は強くなく、吐き気やお腹の張り程度の症状で済むことが多い

  • 子どもに比べて感染しても特別な症状が出ないこともある

[4][5]

自宅療養期間は法律で定められているのか、いつから出社できる?

ウイルス性胃腸炎は、インフルエンザのように明確な出席停止期間が決められているものではありません。

しかし、下痢や嘔吐がある期間は仕事を休むことが推奨されています。

無症状や家族に感染者が出た場合、潜伏期間を考慮した日数を考慮して自宅待機を求める会社もありますので、会社の規則を確認しましょう。

ノロウイルス感染症では、症状が改善しても1週間程度はウイルスが体内にいる可能性があるため、1週間出勤停止としている会社もあります。

職場のトイレのドアノブなどから、他の人に感染してしまう可能性がありますので、下痢や嘔吐がある期間は休むべきです。

さらに飲食店や食品を取り扱う職場では、検査キットで問題なしとなるまで食品を扱う仕事をしないことが望ましいとされています。

感染の原因となる病原体によっても異なりますが、「症状がある期間は休む」「会社の規則を確認する」は必ず守るようにしましょう。

自宅での仕事が可能な場合は、リモートワークなどの選択肢もあります。[11]

関連記事:胃腸炎になったとき、仕事は何日休むべき?

ウイルス性胃腸炎かも?と思ったら

ウイルス性胃腸炎の特効薬はありません。しかし、強い症状を緩和したり、悪化させないようにする対応はできます。

ウイルス性胃腸炎かもと思ったら内科(消化器内科)を受診しましょう。

とくに、食品を扱う仕事をしている方は感染性の病気なのか確認する必要があります。必ず受診するようにしましょう。

自己判断で下痢止めを服用したりすると、ウイルスの排出を抑えてしまうので控えてください。

強い吐き気や嘔吐、下痢が急に出現して1日何回も出現する場合はウイルス性胃腸炎の可能性があります。

家族、職場の人などでウイルス性胃腸炎になっている人がいるかどうかもポイントになります。

ウイルス性胃腸炎と診断された!ピークに備えての準備

ウイルス性胃腸炎になってしまったときに、あってよかったという声が多いもの、準備しておけばよかったと思ったものを紹介します。

  1. 経口補水液を6本
  2. プリンやゼリーなど食べやすい食事
  3. ビニル袋、手袋、マスク、ガウンなどの嘔吐物処理セット
  4. 次亜塩素酸ナトリウム消毒薬
  5. 受診できる病院リスト

例えばノロウイルス感染症の場合、強い症状は1~2日です。大人の経口補水液の摂取目安が1日最大2本なので、3日分程度準備してあると安心です。

よくなってきてすぐに買い物に行くのは大変です。回復し始めたときに食べられるものを準備しておくことをおすすめします。

ご家族の中で感染を広げないように、嘔吐物の処理セットを準備しておくとよいです。

また、ノロウイルスの場合はアルコール消毒が効果的ではないので、次亜塩素酸の消毒薬を準備しておきましょう。

症状が出たときに受診できる消化器内科の病院をピックアップして控えておくとスムーズです。

ウイルス性胃腸炎になると、急に激しい症状が出現します。そんなときにすぐに対応できるように、流行する時期には準備しておきましょう。

胃腸炎を早く治す方法

症状がひどい1~2日は無理して食事をする必要はありません。脱水にならないように少量ずつこまめに水分をとるようにしましょう。

胃腸炎が回復してきたら、消化のよいものを少しずつ食べていきましょう。

では、消化がよく胃腸炎の回復期におすすめの食材はどのようなものでしょうか。

胃腸炎を早く治すには、ビタミンU、アミラーゼ、ビタミンCが含まれている食品がおすすめです。

キャベツにはビタミンU(キャベジン)が豊富に含まれており、胃粘膜の保護や修復を助けます。

大根やカブにはアミラーゼという消化酵素が含まれているため、胃腸の調子を整えてくれます。柔らかく煮ると消化もよく摂取できます。

ビタミンCは免疫を強化してくれます。じゃがいもはビタミンCも豊富で消化がよいためおすすめです。[13]

大人が胃腸炎にかかった際の絶対NG行動4選

NG行動①刺激のある食べ物や飲み物を飲む

刺激のある食べ物や飲み物の摂取は回復するまで控えましょう。

胃腸炎は胃腸が荒れて弱っている状態です。回復するまでは、胃腸を休ませることが大切です。

避けた方がよい食べ物

避けた方がよい飲み物

  • 辛い食べ物

  • 脂っこい食べ物

  • 刺し身などの生物

  • 根菜類やきのこなどの食物繊維が多い物

  • みかんなどの酸味のある柑橘類

  • アルコール

  • 牛乳

  • コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインを含むもの

  • 炭酸飲料

  • オレンジジュースやグレープフルーツジュースなどの酸味のある飲みもの

[14]

NG行動②喫煙

喫煙は控えた方がよいです。

タバコを吸うことにより、血管が収縮して血流が低下します。喫煙により胃の粘膜の血流量が低下すると、胃の機能が低下しやすくなります。[15]

NG行動③カイロや湯たんぽで温める

腹痛や下痢があると胃腸を温めるのがよいと思われがちですが、実はウイルス性胃腸炎にはNGなのです。

冷えからくるような下痢や腹痛には温めることはよいです。しかし、ウイルス性胃腸炎など炎症が起こっている状態では過剰に温めると炎症を悪化させる可能性があります。

ウイルス性胃腸炎でお腹の冷えを感じるときは、衣類や布団で調整する程度にして、カイロや湯たんぽで温めるのは控えましょう。

NG行動④嘔吐や下痢を我慢する

症状が辛いからといって、嘔吐や下痢を我慢してはいけません。

ウイルス性胃腸炎のときの嘔吐や下痢は、感染から体を守る自然な反応です。

嘔吐が激しく水を飲んでも吐いてしまう間は無理に水を飲まなくても構いません。

症状が落ち着いてきたら少量の水や経口補水液を摂取し、問題なければ少量ずつをこまめに摂取していくようにしましょう。

ウイルス性胃腸炎になったときは、胃腸を休ませ炎症を速やかに抑え、ウイルスを排出することが重要です。

NG行動を参考にして、胃腸を刺激する、炎症を悪化させるような行動は控えるようにしましょう。

胃腸炎をとにかく早く治したくありませんか?

嘔吐や下痢が続いている場合、無理に食事をとらない方が良い場合もあります。

刺激物は避け、ゼリーや経口補水液を接種するようにしましょう。

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3日経っても症状が落ち着かない場合

通常、急性的な胃腸炎の症状は1〜3日で改善します。自力で水分をとれないほど症状が強い場合は、点滴治療などの必要性も出てくるので再受診するようにしましょう。

ウイルスの種類にもよりますが、1週間〜10日程度症状が続くことがあります。

回復していってはいるものの症状が長引く、別の症状が出現する場合は、合併症などのリスクがあるので再受診した方がよいでしょう。

最も注意が必要な合併症は脱水症です。

ごくまれではありますが、脱水の継続による腸重積(ちょうじゅうせき)※2や嘔吐物を誤嚥(ごえん)※3することにより起こる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)なども注意すべき合併症です。[16]

※2腸の一部が内側に入りこんでしまい元に戻らなくなってしまってしまい、腸閉塞のような状態になる

※3食物などが、誤って気管に入ってしまう状態

まとめ

ウイルス性胃腸炎は、ウイルスによる感染性胃腸炎です。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。

感染が疑われるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

根本治療はありませんが、胃腸をしっかりと休ませることが回復の近道です。脱水傾向にならないように水分をしっかりと摂取し、感染予防対策も行っていきましょう。

症状が治まるまでは安静にし、仕事復帰は医師や会社の指示に従い、無理せずに過ごしてください。

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ウイルス性胃腸炎にかかると思ったより症状が長く続き、

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症状のことでご不安な方は一度オンライン診療のファストドクターにご相談ください。

以下の詳細ページを開き、「内科」を選択すると詳しい診察情報を見ることができます。

参考文献

[1]MSDマニュアル家庭版|小児の胃腸炎

[2]東京都感染症情報センター|感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に)

[3]MSDマニュアルプロフェッショナル版|胃腸炎

[4]SARAYA|家庭の感染と予防

[5]宮城県|感染性胃腸炎を予防しよう

[6]福岡県|感染性胃腸炎とは ノロウイルスを中心に

[7]国立感染症研究所感染症情報センター|ノロウイルス感染症

[8]厚生労働省|ロタウイルスに関するQ&A

[9]国立感染症研究所|アデノウイルスによる感染性胃腸炎

[10]クラシエ胃腸かぜの研究室|胃腸炎とは?感染性胃腸炎(胃腸風邪)の原因と症状、注意すべきポイント

[11]花王プロフェッショナル・サービス|ノロウイルスに感染したスタッフは何日間出勤停止にすべきなのか?

[12]兵庫県保険医協会|健康情報テレホンサービス

[13]北海道医療大学|元気の種|野菜と果物のお話

[14]健栄製薬|ノロウイルスになった時に、オススメの飲み物・食べ物について

[15]エーザイ|セルフケア製品情報|喫煙【胃の不快症状の原因を探る】

[16]シオノギ|高齢者感染症ナビ|知っておきたい!高齢者の感染症

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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