インフルエンザが家族に感染する確率は?同居家族にうつる確率が高いのはいつまで?

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/09/29
感染力が強いと言われているインフルエンザ。 同居家族がいる方は、お互いにうつしてしまわないか心配になるでしょう。 インフルエンザには感染力が強い期間があるため、注意する必要があります。 今回は、インフルエンザの潜伏・感染期間、家族内や同じ部屋での感染確率、家族がかかった場合の仕事への影響などについて解説します。 家族内感染を防ぐための予防法についても説明するのでぜひ参考にしてください。
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目次

インフルエンザの潜伏期間

潜伏期間とは、ウイルスや細菌に感染してから発症するまでの期間のことです。

インフルエンザの潜伏期間は、おおむね1~3日程度です。

ただし、カナダで行われたインフルエンザウイルスの潜伏期間を調べる研究では、感染から発症までの中央値が4日との結果が出ています。[1]

潜伏期間中は、自覚症状がほとんどないため、知らず知らずのうちに周りの人にうつしてしまうかもしれません。

そのため、インフルエンザ感染者との接触があってから4日程度は、ご自身の体調に変化がないか慎重に観察するようにしてください。

高熱や関節痛、全身の倦怠感などの症状が数日内にあらわれたらインフルエンザの可能性が高いといえるでしょう。

インフルエンザがうつる期間とは?感染力があるのはいつまで?

インフルエンザ発症の1日前から発症後3~7日間は、ウイルスを排出するといわれています。[2]

ウイルスが排出される期間は個人差がありますが、発症前日から発症後1週間ほどは感染力があると考えておきましょう。

排出されるウイルス量は解熱とともに減っていきますが、解熱したあともウイルスが排出されているため注意が必要です。

中にはインフルエンザに感染した当日に、すでに感染力をもつことがあります。

症状があらわれないうちに周りにうつしてしまうことが、インフルエンザ感染が拡大する原因の一つと言えるでしょう。

インフルエンザが家族感染するのは何日目?

インフルエンザは、発症してから3日程度は感染力がピークになる時期です。[3]

そのため、家族がインフルエンザを発症してから3日目くらいまでが、最もうつりやすい時期といえるでしょう。

家族のなかでも、一緒に過ごす時間が長い人は、とくに感染する可能性が高いです。

なお、インフルエンザウイルスの排出は発症後1週間ほど続くため、3日目を過ぎても気を緩めないようにしてください。

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インフルエンザ5日目の感染力は?

インフルエンザのウイルス排出は、発症前日から発症後3~7日目まで続くと言われています。

発症後5日目はウイルス量は少なくなってきているものの、まだ感染力をもつ可能性があるといえるでしょう。

発症後5日目になると身体も楽になってきていると思いますが、周りの人にうつさないために外出はやめておきましょう。

学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」を出席停止期間としています。

(ただし、病状により医師において感染のおそれがないと判断したときは、この限りではありません)。[4]

インフルエンザA型の感染力は?

インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型及びD型の4つに分けられます。

季節性インフルエンザとなるのは、A型とB型です。

このうちA型は、感染力が強くパンデミックを起こすタイプです。

A型インフルエンザは、毎年ウイルスが形を変えて変化するため、多くの人が感染してしまいます。

通常一度かかった病気であれば抗体がつくられますが、A型インフルエンザは変異しやすいため以前かかっていても再び感染しやすいのです。

同居家族にインフルエンザが感染する確率は?

家族がインフルエンザになったときに、うつる確率はどれくらいあるのでしょうか。

アメリカで行われたインフルエンザの家庭内感染リスクに関する研究では、家庭内感染率がコロナ前の20%に比べてコロナ禍で約2倍の50%になったと報告されました。[5]

新型コロナウイルス感染症が大流行していた時期に、インフルエンザウイルス感染は世界的に減少していたことをご存じの方もいるかもしれません。

コロナ禍でインフルエンザ家庭内感染率が高くなった理由として、インフルエンザウイルスに対する免疫力の低下が考えられています。

とくにA(H1N1)亜型やA(H3N2)亜型の抗体の保有割合がすべての年齢で低下傾向にあることなどから、インフルエンザの流行が起こりやすい状況にあるといえるでしょう。[6]

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同居家族にインフルエンザがうつる経路は、主に飛沫感染や接触感染です。

インフルエンザにかかった家族の看病だけでなく、近距離で会話や食事をすると飛沫感染する可能性があります。

また、インフルエンザに感染している家族が触ったドアノブなどを握り、その手で目や鼻を触ると接触感染することもあるでしょう。

家族にうつさないために、マスクや消毒など予防対策を行うようにしてください。

さらに、事前にインフルエンザワクチンを接種しておけば、感染確率や重症化のリスクを下げられるでしょう。

インフルエンザの人と同じ部屋にいた場合にうつる確率は?

インフルエンザの人と同じ部屋にいてうつる確率は、状況により異なります。

インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみの際に口から出るしぶきによる飛沫感染です。

また、飛沫がとんだものを自分の目や口にいれてしまい接触感染することもあります。そのほか、換気が悪いところでは空気感染する可能性もあるようです。[7]

同じ部屋にいた場合、インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみがかかった場合や近距離での会話でうつるかもしれません。

くしゃみで出るしぶきは1~2mもの距離まで届くため、少し離れたくらいではからだにかかってしまうでしょう。

またドアノブやスイッチなど共有で触るものから感染する可能性もあります。

狭い部屋で換気をせずに、長時間一緒に過ごした場合も感染してしまうかもしれません。

しかし、換気をした広い部屋で、離れて作業したりお互いにマスクや消毒をするなど感染予防をすればうつる確率を下げられるでしょう。

インフルエンザの人と一緒に寝たらうつる?

インフルエンザの人と一緒に寝た場合、飛沫感染する可能性があります。寝ているときに近距離で咳やくしゃみをすることで、飛沫が顔にかかるかもしれません。

また空気感染も否定できないため、インフルエンザが治るまで別の部屋で寝る方がよいでしょう。

インフルエンザの人とキスをしたらうつる?

インフルエンザに感染している人の唾液中には、インフルエンザウイルスが含まれています。そのため、キスをすることでインフルエンザがうつる可能性は非常に高いです。

インフルエンザの発症前日や発症後7日未満の治りかけでも、感染する場合があるのでやめておきましょう。

インフルエンザの人とキスをしてしまった場合は、発熱や倦怠感などの症状がでないか4日程度観察してください。

発症したときは、医療機関を受診するようにしましょう。

同居家族がインフルエンザになったらどうしたらいい?

家族がインフルエンザになった場合、以下の対策を行いましょう。

  • 部屋の隔離
    インフルエンザに感染した家族はなるべく別の部屋で療養してもらいましょう。
    子どもの場合は、異常行動を起こすケースやインフルエンザ脳症などで容態が急変する心配があるので、大人が近くで見守ってください。

  • 手洗い・うがい
    こまめに手洗いやうがいを行い、インフルエンザウイルスの接触感染を防ぎましょう。

  • マスク着用
    マスクを着用し、インフルエンザウイルスの飛沫感染を防ぎましょう。
    鼻やのどの加湿効果も期待できます。

  • 手指の消毒
    家族を看病したあとに、手指のアルコール消毒をしておきましょう。

  • ドアノブやスイッチの消毒
    インフルエンザの人が触ったドアノブやスイッチ、階段の手すりなどもエタノールで消毒しておきましょう。

  • 部屋の加湿と換気
    部屋の加湿を行い、のどの免疫力をアップさせましょう。
    インフルエンザに感染している家族の部屋は、一日に数回換気をしておくとよいです。

家族がインフルエンザになったら自宅待機が必要?

家族がインフルエンザになっても、自分が感染していなければ自宅待機の必要はありません。

ただし、自分もインフルエンザにかかった可能性が高い場合は、外出を自粛するようにしましょう。

家族がインフルエンザにかかったら仕事は出勤停止になる?

家族がインフルエンザになっても、自分が感染していなければ出勤停止の必要はありません。

自分もインフルエンザにかかった場合は、医師の指示に従い自宅で安静に過ごしましょう。

大人の場合は、インフルエンザ発症後の出勤再開について決まりはありません。

発症前日から発症後7日目あたりまでウイルスが排出される可能性があるため、症状が軽快していても外出や出勤は注意が必要です。

職場の就業規則に従い、仕事に差し支えなければ発症後7日目くらいまで休むのが望ましいといえるでしょう。

インフルエンザの診断書や登園許可証がオンラインで受け取れる

インフルエンザになった場合、職場や学校・保育園や幼稚園などで診断書や登園許可証の提出を求められる場合があります。

ファストドクターでは、最短即日で電子発行にて診断書・登園許可証を発行します。

※ 紙での郵送をご希望の場合にも1日~2日でお手元にお届けいたします。

・ファストドクターでは医師による臨床診断が可能であり、市販の検査キットの結果や、症状がインフルエンザによるものと判断した場合に診断書を発行することが可能です。

・オンライン診療で医師が治癒したと判断した場合、登園許可証の受け取りができます。

インフルエンザにかかっている人と一緒にいてもうつらないことがある?

家族やよく一緒にいる人がインフルエンザになった場合に、周りの人が必ずしも感染するわけではありません。

ここでは、インフルエンザがうつる人とうつらない人の特徴を解説し、うつらないための予防法も紹介します。

家族にインフルエンザがうつらないのはなぜ?

家族がインフルエンザにかかってもうつらない人がいます。

たとえば、家族のなかでお兄ちゃんだけがインフルエンザにかからなかったといった話をきくことがあるでしょう。

インフルエンザがかからない理由の一つは、体に備わっている免疫力が高いこと。

免疫力が高ければ、ウイルスを取り込んでも発症しません。

また、感染している家族に近づかない、会話は最小限にする、ものを共有しないなどを徹底している人は、うつる可能性が低いといえるでしょう。

インフルエンザがうつる人とうつらない人の特徴

インフルエンザがうつる人の特徴は、以下のものがあります。

  • 免疫力が落ちている
    インフルエンザがうつる大きな原因は、免疫力の低下です。免疫力が低下していると、インフルエンザウイルスにからだが負けてしまい発症につながります。
    しかし、ウイルスを取り込んでも、それに打ち勝つことができる免疫力を備えていれば発症しません。

  • 疲れがたまっている
    疲れがたまると、からだの免疫力が低下し、インフルエンザに感染しやすくなります。
    十分な睡眠をとるなど規則正しい生活を心がけ、なるべく疲れをためないようにしてください。

  • 人ごみに出かけることが多い
    インフルエンザが流行している時期に人混みへ行くのは、インフルエンザウイルスを取り込みにいくようなものです。
    感染を予防するために、不要な外出は避けるようにしましょう。

  • 集団生活をしている子どもと一緒に住んでいる
    集団生活をしている子どもは、インフルエンザウイルスだけでなくさまざまな病気をもらう可能性があります。
    そのような家族がいる場合は、感染しやすい状況を自覚して丁寧な予防を実践するようにしましょう。

  • 手洗い、うがいを徹底していない
    手洗い、うがいは予防の基本です。家の中にいても、調理や食事の前、トイレの後などしっかり手洗いを行うようにしてください。

  • 顔をよく触る、マスクをしない
    目や鼻などをよく触る人は、インフルエンザウイルス接触感染の機会が増えてしまいます。とくに外出時や帰宅後も、手を洗う前になるべく触らないようにしましょう。
    マスクは飛沫感染や接触感染を防ぐ効果があるので、人混みへ出かけるときはマスクをつけておくと安心です。

  • インフルエンザワクチン接種をしていない
    インフルエンザワクチンは、インフルエンザを予防するために重要です。ワクチン接種でインフルエンザにかからなくなるわけではありませんが、重症化を防ぐことが期待できます。
    インフルエンザにうつらない人は、もともとの免疫力が高いことだけでなく、うつる人の特徴にあてはまらないパターンが多いです。

うつる人の特徴にあてはまった場合は、上記で紹介した点に注意して生活するようにしましょう。

インフルエンザが家族にうつらないための予防方法

自分がインフルエンザになったときに、家族へうつさないための予防方法を紹介します。

  • 手洗いをこまめにする
    インフルエンザを家族にうつさないために、手洗いをこまめに行いましょう。
    咳やくしゃみ、鼻水などが手についたときもティッシュで拭くだけでなく洗い流しておくとよいです。

  • 咳エチケットを守る
    咳エチケットとは、咳やくしゃみをするときにマスクやティッシュ、ハンカチ、服の袖で口や鼻をおさえる行為です。
    飛沫の防止効果があるので、他の人への配慮として心がけてください。

  • 部屋を分けたり、なるべく離れる
    なるべく別室で過ごし、一緒の部屋にいても離れて過ごすようにしましょう。

  • 換気と加湿を行う
    部屋を2~3時間に1回換気をして、部屋の空気を入れ替えるとよいです。
    インフルエンザウイルスは、湿度が50%以上になると生存しにくくなります。[8]

    そのため、部屋の湿度を50~60%に維持するようにしましょう。

  • タオルやコップを共有しない
    タオルやコップを共有するとうつる可能性があるため、各自のものを使うことが大切です。

  • 十分な睡眠や栄養をとって免疫力を高める
    体調を早く回復させるために、睡眠を十分に取り、バランスの良い食事を心がけましょう。
    食欲がないときは、無理をせずお茶やスープなど飲みやすいものを取り入れてください。

Q&A

インフルエンザは家族にうつりますか?

インフルエンザが家族にうつる可能性は十分あります。インフルエンザの感染経路は、飛沫感染、接触感染、空気感染です。

免疫力が高い場合は、うつらない可能性もあるでしょう。ただし、近距離での会話や食事、咳エチケットを守らないといった行為でうつりやすくなるので注意が必要です。

家庭内感染を防ぐために、手洗いやうがい、マスクの着用など基本的な予防を徹底してください。

インフルエンザに感染している人は、なるべく別室で過ごすようにしましょう。

ただし、小児の場合は異常行動や容態の急変などの心配があるため目を離さないようにしてください。

湿度が50%以上になるとインフルエンザウイルスの生存率が低下するため、空気清浄機などを利用して50~60%を目安に加湿を行いましょう。

インフルエンザに感染した家族が触ったドアノブやスイッチなどは感染源となりやすいため、エタノールなどの消毒液でこまめに拭いておくとよいでしょう。

インフルエンザが家族内感染する確率は?

インフルエンザが家族内感染する確率は、コロナ前では約20%だったものの、コロナ禍では50%に上昇したとの報告があります。

これは、新型コロナウイルス感染症の流行によって、、インフルエンザウイルスの感染が減少したことが原因と考えられるでしょう。

インフルエンザに感染する機会が減ると、自然とインフルエンザに対する免疫が低下します。

そのため、インフルエンザワクチンを事前に接種しておくのが望ましいです。

また、基本的な予防として、うがいや手洗い、マスクの着用、咳エエチケットを守るなどの対策を行うようにしてください。

家族で過ごしていると、どうしても距離が近くなることが多いです。

インフルエンザに感染している人は、なるべく別室で過ごすようにし、食事も時間をずらしてとるようにするとよいでしょう。

またコップやタオルの共有は感染確率を高めるため、各自で分けたものを使用してください。

家族がインフルエンザにかかったら何日後に感染しますか?

インフルエンザにかかった人がウイルスを排出する期間は、発症前日から発症後3~7日目までと言われています。

とくに3日目までがウイルス排出のピークを迎えるため、もっとも感染力が高い時期といえるでしょう。

また、家族のインフルエンザ症状が落ち着いてきても7日目くらいまでは感染する可能性があるため油断はできません。

インフルエンザ感染が疑わしいときは、潜伏期間の目安である4日間ほど、発熱や関節痛、全身の倦怠感などの症状がでないか慎重に観察しましょう。

インフルエンザは何人に一人感染しますか?

インフルエンザは、日本で毎年約1千万人、約10人に1人が感染していると言われています。[9]

コロナ禍で流行が比較的落ち着いていたものの、今後は大きく流行する可能性もあります。

インフルエンザウイルスは感染力が高いため、いったん流行が始まると短期間に多くの人へ感染が拡がります。

感染を防ぐために、手洗いやうがいの徹底、マスクの着用などの予防をしっかりと行いましょう。また、インフルエンザワクチンの接種や人混みにでかけないなどの対策も有効です。

まとめ

インフルエンザが家族に感染する確率は?同居家族にうつる確率が高いのはいつまで?を解説しました。

家族内の感染確率は、コロナ前は約20%だったものの、コロナ禍では約50%まで上昇したとの報告があります。

コロナ禍でインフルエンザの感染機会が減ったため、インフルエンザに対する免疫力の低下が原因と考えられています。

対策として、インフルエンザの流行が始まる前に、インフルエンザワクチンを接種しておくとよいでしょう。

インフルエンザは、発症後3日目あたりにウイルス排出のピークを迎えるといわれています。そのため、家族内でうつる確率がもっとも高い時期として注意が必要です。

ただし、ウイルス排出は発症後約7日目までつづくため、3日目を過ぎても油断しないようにしてください。

同居家族がインフルエンザになったとしても、自分が感染していなければ自宅待機や出勤停止はしなくてよいため、仕事への影響はありません。

インフルエンザの家族内感染を防ぐために、マスクの着用や手洗いの徹底、タオルや食器の共有は避け、換気や別室で過ごすなどの工夫を行いましょう。

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参考文献

[1]Estimated epidemiologic parameters and morbidity associated with pandemic H1N1 influenza

[2][4][6]厚生労働省

[3]内科総合クリニック人形町

[5]Household Transmission of Influenza A Viruses in 2021-2022

[7]恩賜財団 済生会

[8]東京都健康安全研究センター

[9]首相官邸

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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