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ヘルペスの初期症状は?
ヘルペスの初期症状には、感染した部位にピリピリとした痛みやかゆみ、違和感のような症状があらわれます。
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ピリピリとした痛み
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かゆみ
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違和感
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乾燥
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赤み
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小さな水ぶくれ
ヘルペスには口唇ヘルペスと性器ヘルペスがあります。
ヘルペスの初期症状があらわれても、必ずヘルペスを発症するわけではありません。免疫力が高く体調が良いときは症状が自然と治り、結局ヘルペスだったのか分からないまま消えてしまうこともあります。
一方、体調を崩しているときやストレスを感じているときには、症状が進行しやすくなるため注意が必要です。
いずれも初期症状があらわれた段階で対処すると悪化を防げます。
口唇ヘルペスの場合
口唇ヘルペスは、唇や口周りにピリピリとした初期症状があらわれることが多いです。
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唇や口周りのピリピリ感
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かゆみ
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乾燥
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赤みや腫れ
口を動かしていない時でも突然ピリピリとした違和感があり、くちびるのはしや皮膚がムズムズ感じる場合もあります。ピリピリしたりムズムズしたりしても、症状が軽いため気づかぬうちに治ってしまうケースもあります。
また初期症状があらわれていると、唇が口周りがいつも以上に乾燥しやすくひび割れてしまい、赤みや腫れを感じることもあるでしょう。
性器ヘルペスの場合
性器ヘルペスは男女関係なく、性器にかゆみや違和感があらわれる場合が多いです。
初期症状は非常に軽い場合もあり、少し違和感があり軽いかゆみだけで、見過ごされることもあります。赤みやかゆみを肌荒れと考え、放置してしまっていたケースもありました。
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かゆみ
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違和感
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小さい水ぶくれが複数あらわれる
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赤み
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腫れ
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38℃以上の発熱
性器ヘルペスの症状は2〜10日間程度の潜伏期間を経て、突然あらわれるのが特徴です。男性女性ともに、1〜2mm程度の小さな水ぶくれが特徴的な症状です。38℃以上の発熱を伴うこともあります。[1]
女性の場合、ヘルペスの感染が膀胱(ぼうこう)にまで及び、排尿時に痛みを感じる「排尿痛」を伴うケースもあります。このため、膀胱炎と間違えてしまいやすいため注意しましょう。
ヘルペスが初期症状から悪化すると?
ヘルペスの初期症状があらわれたまま放っておくと、水ぶくれが増え、痛みやかゆみなどの不快な症状があらわれる可能性もあります。[7]
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水ぶくれが複数できる
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皮膚が赤くただれる
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傷からウイルスが広がり、ほかの部分も感染するリスクがある
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悪化した部分が跡になりやすい
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再発しやすい
ヘルペスに初めて感染する場合、ウイルスに対する免疫がないため、発熱などの全身症状にも注意が必要です。高熱や頭痛などをおもな症状として、ヘルペスと診断されるのが遅れることがあると報告されています。[2]
身体的な症状だけではありません。症状が長引くと痛みやかゆみが日常生活に支障をきたし、精神的にもストレスを感じてしまうでしょう。
また、顔など見える場所に目立つ病変ができると、見た目が気になってしまうものです。人前にでるのが恥ずかしくなり、心理的な苦痛も伴います。
悪化するまで放っておくと、完全に治るまでに時間がかかるため、早めに医療機関を受診しましょう。[3]
悪化させないための対処法
ヘルペスを悪化させないためには早めに医療機関を受診することが大切です。
ヘルペスの場合、抗ヘルペス薬(飲み薬や塗り薬)が処方されます。ウイルスの増殖を抑え、症状の改善につながるため、指示どおりに使用しましょう。
また、症状があらわれている部位にふれないことが大切です。すでにヘルペスにかかっている人でも、ほかの部位に感染する恐れがあります。患部をさわったあとは、必ず手を洗いましょう。
体の免疫力が落ちている場合もヘルペスが悪化しやすくなります。症状がでている間は、十分に睡眠をとり体を休めましょう。[4][5]
ヘルペスができる原因は?
ヘルペスの原因は「ヘルペスウイルス」に感染するためです。
世界中で最も一般的なヒトウイルス感染症のひとつで、全世界の人口の60%以上が一度は感染していると報告されています。 [6]
代表的なウイルスには以下の2種類があります。
ウイルスの種類 |
原因 |
感染経路 |
発症部位 |
単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1) |
口唇ヘルペスを引き起こすおもな原因。 |
唾液や感染した皮膚との接触 |
くちびる・口の周り・顔・首など |
単純ヘルペスウイルス2型 (HSV-2) |
性器ヘルペスを引き起こすおもな原因。 |
性行為などの接触 |
性器・臀部・肛門周囲など |
ヘルペスの有病率(ある時点で感染している人の割合)は地域や年齢層で異なるものの、口唇ヘルペスでは成人の20~45%と推定されています。[8]
ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜の傷から体内に入り込み、感染を引き起こすのです。ウイルスがついたタオルやコップの共有でも感染する可能性があります。
ただし、感染しても症状があらわれないことが多いです。症状がなくても、ほかの人に感染させる可能性があると知っておきましょう。[9]
一度感染すると神経節(しんけいせつ)の中にウイルスが潜伏し、免疫力が低下した時に再発する恐れがあります。[10]
ヘルペスができる部位
ヘルペスは体のどこにでも発症する病気です。口や性器だけでなく、首や耳、背中などにも発症し、発症する部位によって呼び方が異なります。
臨床病型 |
発症部位 |
口唇ヘルペス |
唇・口周り |
顔面ヘルペス |
顔・口唇 |
ヘルペス性ひょう疸 |
手指(指先・爪) |
性器ヘルペス |
性器・肛門周辺・臀部・太もも |
ヘルペスは再発する?
ヘルペスは再発を繰り返すことがあります。一度感染すると、完治後も神経細胞にヘルペスウイルスが潜んでいます。
健康なときは免疫がウイルスの活動を抑えていますが、以下のような状況で免疫が低下すると再発しやすいです。[12]
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強いストレス
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過労や睡眠不足
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月経
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強い紫外線を浴びる
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風邪などの病気にかかる
体が弱ったタイミングで再びウイルスが動き出し、その結果ヘルペスの症状があらわれます。[10]
ヘルペスの再発を防ぐ方法
ヘルペスの再発を防ぐには、日頃から免疫力を高めておくことが大切です。
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疲労を溜めない
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規則正しい生活
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ストレスを溜めない
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適度な運動をする
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栄養バランスのとれた食事
上記を心がけ、心身の健康を保つことが再発を防ぐ方法です。
一方、単純ヘルペスウイルス2型による性器ヘルペスを頻繁に再発する人もいます。その場合、抗ヘルペスウイルス薬を服用し、再発を抑えるケースもあります。[13]
PIT療法をおこなう場合も
悪化を防ぐため、ヘルペスの初期症状があらわれた時点で「PIT療法(ピーアイティー療法)」をおこなうことがあります。
PIT療法は、再発に備えてあらかじめ薬剤を処方してもらい、初期症状(ピリピリ感やかゆみ)を自覚した時点で内服を開始する方法です。医師による診断と処方が必要で、自己判断での治療は控えましょう。
ファムシクロビル(ファムビル)という薬剤を、初期症状があらわれて6時間以内に服用すると効果が期待できます。
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単純ヘルペスウイルスの同じ型の再発を繰り返す人
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再発頻度が年間3回以上の人
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再発の初期症状を正確に判断できる人
早期治療により症状が軽減し、日常生活への影響が抑えられることが期待できます。
ただし、PIT療法をおこなっても再発リスクをゼロにはできません。日頃から規則正しい生活を心がけ、免疫力を高めましょう。
Q&A
ヘルペスの初期症状に関するよくある質問をまとめました。参考にしてください。
ヘルペスの前触れは?
ヘルペスの前触れとして、以下のような症状があらわれることがあります。
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ピリピリとした痛み
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軽いかゆみ
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発症部位の違和感
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赤みやほてり
ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜の神経を刺激し症状があらわれます。初期症状に気づいたら早めに医療機関に相談しましょう。
ヘルペスかどうか確かめる方法は?
ヘルペスの診断は、医療機関での抗原検査が一般的です。「イムノクロマト法」と呼ばれる検査方法が用いられます。水ぶくれや潰瘍部分をぬぐい、5〜10分程度で判断できます。[16]
また、以下の初期症状をセルフチェックすることも大切です。
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ピリピリ感やかゆみがある
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赤く腫れている
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小さな水ぶくれができ始めている
正確に診断するには医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
ヘルペスはほっといても治りますか?
ヘルペスの症状は、とくに治療をしなくても2週間程度で自然に治る場合もあります。
ただし、放置すると痛みが続き症状が悪化してしまうリスクがあります。また、周囲の人に感染させてしまう可能性もあるのです。
早期に治療をすれば症状の悪化を防ぎ、回復を早められます。放置せず医療機関を受診しましょう。[17]
ヘルペスになる原因は何ですか?
ヘルペスウイルスはヘルペスウイルスに感染することが原因です。皮膚や粘膜からウイルスが体に入り込み感染を引き起こします。
まとめ
ヘルペスの初期症状はピリピリとした痛みや違和感、小さな水ぶくれの出現など軽い症状です。
口唇ヘルペスと性器ヘルペスが有名ですが、いずれも初期の段階で対処すると悪化を防げます。
症状が軽いからといって放置すると、悪化する恐れがあります。治療が遅れるとウイルスが広がり、ほかの部分に感染を広げる可能性が高いです。
悪化させないためにも、症状に気づいたら早めに医療機関を受診することが大切です。
またヘルペスウイルスに一度感染すると、再発するリスクがあります。免疫力が低下すると再発しやすくなるため、日頃から免疫力を高めましょう。
ヘルペスかどうか早めに判断できると早期回復につながります。
「ヘルペスの初期症状かも」と感じたら医療機関に早めに相談しましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
[2] 口腔領域の単純ヘルペスウイルス感染症におけるウイルス分離率, 感染価および局所病変の経時
[5] ヘルペス治療薬 フォーミュラリ Ver.1.1 解説書
[7] 厚生労働省検疫所2017年|単純ヘルペス、性器ヘルペス (ファクトシート)
[10] 難治性の再発型性器ヘルペスに 補中益気湯が奏効した1症例
[13] ファムビル 250mg 錠の単純疱疹の用法・用量追加について
[14] イムノクロマト法を用いた 単純ヘルペスウイルス抗原の検出
[15] 性器ヘルペスウイルス感染症 Genital herpes simplex virus infection | 東京都感染症情報センター
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。