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頭痛を和らげる即効性のある治し方は?
片頭痛や緊張型頭痛は、頭痛を和らげる即効性の期待できる治し方がそれぞれ異なります。
片頭痛は、ズキンズキンと拍動性(はくどうせい)のある頭痛です。
光や音などの環境が原因である場合もあり、静かな暗い部屋で休むことで痛みを和らげる可能性があります。
額やこめかみを冷やすことも効果的です。水分が足りていないと思ったら水分補給もおこないましょう。のちほど紹介しますが片頭痛に効くツボもあるため、試してみてください。
緊張型頭痛は、重苦しい感じや締め付けられるように感じる頭痛です。筋肉のコリやストレスが原因で発生することが多いです。
簡単なストレッチや姿勢改善が有効なため、特に首や肩の筋肉をほぐすストレッチをおこなうとよいでしょう。蒸しタオルやホットパックで首や肩を温めることで血行が良くなり、痛みを和らげることもあります。
片頭痛・緊張型頭痛ともに、痛み止めの服用も効果的です。
とくに片頭痛では、痛みの出はじめに痛み止めを服用することで痛みの大きさ自体を下げる効果が期待できます。[1]
痛み止めは効果の出方に個人差がありますが、約15〜30分で効果が実感できることが多いです。[1]
ただし片頭痛と緊張型頭痛では対処法が大きく違うため、自分の頭痛がどちらなのかしっかりを見極めることが重要です。
タイプ別による頭痛の治し方
頭痛には、大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛があります。
一次性頭痛は頭痛そのものがおもな症状で、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛が代表的です。
二次性頭痛は別の病気が原因で起こるもので、脳卒中や感染症などが関わっている場合があります。
それぞれの頭痛とその対処法について次に紹介しますので、自分がどの頭痛なのかを把握しましょう。
一次性頭痛
一次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。
以下に、それぞれの原因、対処法、注意点を紹介します。
頭痛の種類 |
主な原因 |
症状 |
対処法 |
注意点 |
片頭痛 |
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頭の片側もしくは両側がズキンズキンと痛む |
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緊張型頭痛 |
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頭全体が締め付けられるような鈍い痛み |
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群発頭痛 |
不明(自律神経の関与が指摘されている) |
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薬物乱用頭痛[2] |
痛み止めの長期服用 |
たびたび頭痛が起こり、薬を飲んでも効かないことが多い |
痛み止めの服用を控える |
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一次性頭痛にはいくつかの原因と症状があります。それぞれのタイプに応じた適切な対処をとることで、頭痛を和らげられます。
とくに片頭痛や緊張型頭痛は、生活習慣やストレスの管理によって予防や改善が期待できるため、自分の頭痛タイプに合ったセルフケアを心がけましょう。
二次性頭痛の種類と対処法
二次性頭痛は他の病気が原因により起こる頭痛で、病気の一つの症状としてあらわれる頭痛です。
感染症や脳卒中、髄膜炎などが原因となることがあり、場合によっては命に関わることもあるため、迅速な対応が重要です。
以下に、代表的な二次性頭痛の種類と原因・症状・対処法を紹介します。
頭痛の種類 |
主な原因 |
主な症状 |
対処法 |
注意点 |
感染症による頭痛 |
新型コロナウイルス、インフルエンザなど感染症 |
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感染症を他人にうつさないように注意する |
脳卒中
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脳の血管の病気 |
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すぐに救急車を呼び、専門医の診察を受ける |
命に関わるため、速やかな治療が必要 |
その他の危険な病気 |
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すぐに医療機関を受診して精密検査を受ける |
放置すると危険なので、早めに受診する |
二次性頭痛はその背後に重大な病気が隠れていることがあります。
「この頭痛はおかしい」「頭痛が突然強くなった」と感じた場合や頭痛以外の症状があらわれた場合には、速やかに医療機関で診察を受ける必要があります。
とくに脳卒中や髄膜炎などは早期治療が命を左右するため、放置せずに専門医を受診しましょう。
薬を使わない頭痛の治し方
日常的に取り入れやすい方法として、食べ物や飲み物、ツボ押し、サプリメントなどが挙げられます。
頭痛の治療には薬が有効な手段の一つですが、できれば薬を使わずに症状を和らげたいと思う方も多いのではないでしょうか。
自然な方法で体のバランスを整えながら、頭痛を和らげる手段を探っていきましょう。
食べ物・飲み物
食べ物や飲み物には、頭痛を予防したり和らげたりする成分が含まれているものがあります。
積極的に摂りたい成分は、生姜、マグネシウム、ビタミンB2、オメガ3脂肪酸です。
効果 |
作用 |
多く含まれる食べ物 | |
生姜 |
頭痛を和らげる |
体を温め血行をよくする |
生姜湯 |
マグネシウム |
頭痛を予防する |
血管を広げ筋肉を緊張を和らげる |
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ビタミンB2 |
頭痛の頻度を減らし痛みを和らげる |
自律神経の働きを整える |
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オメガ3脂肪酸 |
頭痛の頻度を減らし痛みを和らげる |
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オメガ3脂肪酸は、頭痛に効果があることが最近わかりました。16週間オメガ3を多く摂取したグループは、頭痛の回数が半分以下になり、頭痛の痛みも軽くなったという研究結果がでました。[3]今後、慢性的な痛みに対する食事のアプローチとして期待されています。
カフェイン
カフェインは血管収縮作用を持ち、片頭痛の症状を軽減する効果がある成分です。
カフェインはコーヒー、緑茶、紅茶、ココア、エナジードリンクなどに多く含まれています。
健康な成人の場合、1日の摂取上限は約400mgとされており、コーヒー約4〜5杯分に相当します。[4]
妊婦や授乳中の女性は胎児や乳児の健康リスクを考えて、1日200mg(コーヒー約2杯分)までに制限すべきとされているため、注意してください。
カフェインの過剰摂取は不眠や神経過敏を引き起こす可能性があります。コーヒーや茶類に含まれているカフェイン量を把握する、エナジードリンクなどカフェイン量が記載されている飲み物はカフェイン量を確認するようにして、過剰に摂取しないようにしましょう。
エナジードリンクは眠気覚ましや頑張りたいときなどに飲まれていますが、1本あたり200mgものカフェインが含まれている商品もあります。
気を付けていないとあっという間にカフェインの摂取上限を超えてしまうため、一日に何本も飲むのは避けてください。
ツボ
片頭痛や緊張型頭痛は、手や足、頭部にある特定のツボを押すことで痛みが軽減されることがあります。
ここでは、頭痛に効果が期待できる主なツボを紹介します。
ツボ |
位置 |
主な効果 |
注意点 |
合谷(ごうこく) |
親指と人差し指の骨が交わる手前、手の甲にある |
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風池(ふうち) |
首の後ろ、髪の生え際のくぼんだ所 |
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痛みがある場合は押す力を調整する |
太陽(たいよう) |
こめかみの少し外側にある柔らかい所 |
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百会(ひゃくえ) |
頭のてっぺん (両耳を結んだ線と顔の中心線が交わる所) |
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呼吸に合わせて継続的に押す |
太衝(たいしょう) |
足の甲、親指と人差し指の骨が交わる所 |
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強く押しすぎない |
ツボ押しは力加減を意識し、無理のない範囲でおこなうことが重要です。痛みが軽減される感覚があったら、定期的に取り入れてみるとよいでしょう。
サプリメント
サプリメントは日常的に不足しがちな栄養素を補い、頭痛予防や痛みの軽減に役立ちます。
薬を避けたい方は、サプリメントの服用を検討してみましょう。
頭痛に対して効果が期待できるサプリメントを以下の表に紹介します。
成分 |
効果 |
注意点 |
コエンザイム Q10[5] |
細胞のエネルギーを高め、片頭痛を予防するとされている |
効果を実感するには長期的な服用が必要 |
ナツシロギク(フィーバーフュー)[6] |
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妊娠中は服用を避ける |
マグネシウム[7] |
マグネシウム不足が頭痛の原因になることがあり、補給することで予防効果がある |
下痢を引き起こす可能性がある |
ビタミン B2(リボフラビン)[8] |
|
尿の色が黄色くなることもある |
サプリメントを服用する場合も自己判断で大量に服用するのは避け、適切な量を守ることが重要です。
現在服用している薬との相互作用がある可能性もあるため、服用前に専門家に相談しましょう。
薬を使用する頭痛の治し方
頭痛には解熱鎮痛薬や漢方薬の服用が有効です。医師に処方してもらう医薬品のほか同じ成分が含まれている市販薬があり、ドラッグストアなどでも手に入れることができます。
頭痛の種類や強さによって選ぶ薬が異なるため、症状に合わせたものを選びましょう。
代表的な解熱鎮痛薬の効果や注意点、そして市販で購入できる製品を紹介します。
成分 |
効果・特徴 |
注意点 |
主な商品 |
アセトアミノフェン |
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肝臓に負担をかけることがあるため、長期服用や過剰服用は注意が必要 |
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イブプロフェン |
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ロキソプロフェン |
強力な鎮痛作用があり、片頭痛や激しい頭痛に効果的 |
胃の粘膜を傷める可能性があるため、胃薬と一緒に服用するか、食後に服用する |
ロキソニンS |
頭痛に効果のある薬は、解熱鎮痛薬だけではありません。
漢方薬でも頭痛に効果を発揮するものがあります。
漢方薬は、自然由来の成分を用いて体全体のバランスを整え、頭痛を和らげるとされています。
漢方薬名 |
効果・特徴 |
おすすめの体質タイプ |
注意点 |
呉茱萸湯(ごしゅゆとう) |
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効果が強い場合があり、自己判断での長期使用は避ける |
桂枝人参湯(けいしにんじんとう) |
冷え性による頭痛や、胃腸の不調を伴う頭痛に効果がある |
胃腸が弱く、冷え性で、疲れやすい方 |
胃腸が弱い方には負担がかかることがあるため、注意が必要 |
釣藤散(ちょうとうさん) |
緊張型頭痛や、ストレスによる頭痛に効果的 |
ストレスや精神的な負担が多く、肩や首のコリが強い方 |
自己判断での長期使用は避ける |
葛根湯(かっこんとう) |
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体力があり、体が冷えている方 |
長期使用は避ける |
五苓散(ごれいさん) |
水分代謝の改善に効果があり、むくみや水分不足による頭痛に効果がある |
むくみやすく、体内の水分バランスが悪い方 |
脱水症状がある場合には、水分補給をおこなう |
漢方薬は市販で手軽に入手できますが、体質に合わない場合は効果が十分に発揮されないこともあります。
医師や薬剤師、登録販売者に相談し、体質や生活習慣に合った漢方薬を選びましょう。
頭痛の予防方法
頭痛の予防方法は、自宅でできるものと、医療機関での予防治療があります。
普段からおこなえる予防方法を知っておけば、頭痛が発症したときに軽症で済むかもしれません。
発症したときの頭痛が毎回ひどく、日常生活に支障をきたす際は予防治療を受けるなどして対策をとることが重要です。
頭痛を起こさないために、ストレッチや姿勢改善などを日常生活の中で取り入れたり、医療機関で予防治療について相談したりしてみましょう。
自宅でできる予防方法
頭痛の予防には、日常的にできる簡単なケアで大きく効果がある場合もあります。
とくにデスクワークや勉強中に姿勢が悪くなると肩や首の筋肉が緊張し、頭痛を引き起こしやすくなります。ストレッチや姿勢改善などの効果が得られやすいため、積極的に取り入れましょう。
方法 |
効果・特徴 |
注意点 |
ストレッチ |
筋肉の緊張をほぐし、血行を促進して頭痛を予防する |
無理に体を伸ばしすぎず、痛みを感じたら中止する |
姿勢改善 |
正しい姿勢を保つことで、肩や首の負担を減らし、緊張型頭痛を防ぐ |
長時間同じ姿勢でいないよう、こまめにストレッチもおこなう |
目の疲れを軽減 |
画面の光を弱めたり、適度な休憩をとることで目の疲れを防ぎ、頭痛を予防する |
|
どの方法でも、休憩とともにストレッチを取り入れることがおすすめです。日常的にストレッチをおこない肩や首をリラックスさせることで血行が良くなり、頭痛の発生を防ぐことにつながります。
頭痛の予防治療を受ける
片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛のように、頭痛が頻繁に繰り返される場合は医療機関で予防治療を受けるのがよいでしょう。
片頭痛の場合、予防薬を使用することで、発作の頻度や強度を軽減できます。また、緊張型頭痛の場合は、ストレス管理や抗うつ薬を使用することで、症状の改善が期待できるでしょう。
頭痛の種類 |
主な治療法 |
片頭痛[9] |
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緊張型頭痛[10] |
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群発頭痛[11] |
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医師の診察を受け、適切な治療を受けることで、頭痛をコントロールしやすくなります。とくに頭痛の頻度が多い方は、早めに予防治療を受けることをおすすめします。
頭痛が治らないときはどうすればいい?
もしも頭痛が長引いたりいつもと違う痛みを感じたりした場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
以下のような症状がみられた場合は、すぐに専門の診察を受ける必要があります。
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突然激しい頭痛が起きた場合
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頭痛が徐々に強くなり続ける場合
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頭痛と共に視力の変化、言語障害、麻痺などの症状がある場合
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月に10回以上頭痛が起こる、あるいは頭痛が長期間続く場合
これらの症状は、脳卒中やくも膜下出血、脳腫瘍など重大な病気のサインである可能性があります。
早期に適切な治療を受けることで、手術や後遺症を避けられるかもしれません。
また、判断に迷う場合や、強い頭痛に耐えられず動けない場合は「#7119(救急相談)」に電話し、救急車が必要かどうかの相談をおこないましょう。
関連記事:#7119って何?救急車を呼ぶべきか教えてくれる安心電話相談窓口
頭痛で受診する際に医師に伝えるべきポイント
頭痛にはさまざまな種類があり、人によって症状などが異なります。
医師の診察をスムーズかつ正確に受けるためにも、余裕があれば受診の際に以下のポイントをメモにまとめておくとよいでしょう。
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頭痛の場所:頭のどの部分が痛むか
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痛みの種類:鈍い痛み、鋭い痛み、ズキズキする痛みなど
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発症時間:頭痛がいつからどのくらい続いているか
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発症頻度: 頭痛の頻度や、どれくらいの間隔で起こるか
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トリガー:頭痛が始まるきっかけや、悪化する要因があるか
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頭痛に伴う症状:頭痛と一緒に出る他の症状(吐き気、視力の変化、発熱など)
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薬の使用: すでに試した市販薬や処方薬の効果や副作用について
よくある質問
頭痛に関する疑問や対処法について、多くの方が悩むポイントをまとめました。
頭痛の適切な対応の参考にしてください。
頭痛を即効で治す方法はありますか?
片頭痛の場合は光や音を避け、冷やすことで速やかに軽減できることがあります。
緊張型頭痛では、首や肩を温めるか、ストレッチが効果的です。
痛み止めを早めに服用することも、一つの手段です。
頭が痛い時、和らげる方法はありますか?
上記の即効で治す方法に加え、痛みを軽減できるツボを押すのも効果的です。
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合谷(ごうこく):親指と人差し指の骨が交わる手前、手の甲にある
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風池(ふうち):首の後ろ、髪の生え際のくぼんだ所
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太陽(たいよう):こめかみの少し外側にある柔らかい所
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百会(ひゃくえ):頭のてっぺん(両耳を結んだ線と顔の中心線が交わる所)
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太衝(たいしょう):足の甲、親指と人差し指の骨が交わる所
薬を使わない頭痛の治し方は?
薬を使わない場合、ツボ以外にも次の成分を摂取することで頭痛の予防・軽減ができます。
成分 |
主な摂り方 |
生姜 |
生姜湯 |
マグネシウム |
ほうれん草、アーモンド、豆腐、ひじき、サプリメント |
ビタミンB2 |
牛乳、卵、納豆、アーモンド、サプリメント |
オメガ3脂肪酸 |
青魚、サケやマスなどの脂肪が多い魚、ナッツ類、えごま油 |
コエンザイム Q10 |
サプリメント |
ナツシロギク(フィーバーフュー) |
サプリメント |
カフェイン |
紅茶、コーヒーなど ※カフェイン摂取は1日400mgを超えないように注意 |
頭痛がズキズキしてやばいときはどうしたらいいですか?
「やばい」と感じるほどの痛みの場合には重大な病気の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
とくに頭痛持ちの方はいつもの痛みと異なる場合、違和感にすぐ気づくことができるはずです。
受診する際は医師に「いつもの頭痛と異なる違和感」をきちんと説明してください。
まとめ:正しい頭痛の治し方で早めに対処しましょう。
頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などさまざまな種類があり、それぞれ原因や対処法が異なります。
片頭痛には光や音を避けて冷やす、緊張型頭痛にはストレッチや温めるといった即効性のある方法としてあります。
頭痛を予防するためには、姿勢の改善やストレッチを日常に取り入れたり、マグネシウムやビタミンB2を含む食材を摂取することも有効です。
また痛み止めや漢方薬、サプリメントを上手に活用し、自分に合った方法を見つけることが重要です。
頭痛が続いたり強い痛みがある場合は、早めに医療機関を受診して対処してください。
正しい対処法を取り入れ、早めに対処することで、頭痛に悩まされない快適な生活を送りましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
夜間や休日でもすぐに医師に相談ができるように、ファストドクターのアプリをダウンロードしておきませんか?
参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。