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膀胱炎の治し方は?
膀胱炎を治すには、薬の使用とセルフケアの両方が必要です。
膀胱炎のおもな原因は細菌による炎症ですが、基礎疾患や原因不明の場合もあり、治療法がそれぞれ異なります。[1]
膀胱炎の種類 |
原因 |
おもな治療方法 |
単純性(急性)膀胱炎 |
おもに大腸菌によるもの |
(閉経前後、妊娠中で使用される薬は異なる[1])
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複雑性膀胱炎 |
膀胱炎の原因となる基礎疾患 |
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間質性膀胱炎 |
不明 |
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間質性膀胱炎以外は、抗生剤と症状にあわせた薬の使用(対症療法)が一般的な治療法です。
抗生剤を飲み切っても症状が変わらない場合は、飲んでいる薬が原因菌に効かない(耐性菌:たいせいきん)、細菌以外の病気が関係しているなどが考えられます。処方を受けた医療機関に相談しましょう。
医療機関での治療とあわせて自宅でのセルフケアをおこなうことで、より早期の症状改善が期待できます。とくに水分摂取は膀胱内の細菌が尿で排泄されるのをうながすため、もっとも重要と言えます。
膀胱炎を一晩で治す方法はある?
膀胱炎を一晩で治す方法はありません。
膀胱炎のおもな原因は細菌による炎症であり、一晩でおさめるのは難しいためです。
膀胱炎を完治させるには細菌を完全に除去する必要があり、抗生剤を服用しても数日から数週間かかると言われています。
長引かせずに治すには医療機関で適切な治療を受け、同時にセルフケアすることが必要です。
膀胱炎の薬
膀胱炎の治療で使用される薬には、抗生剤や解熱鎮痛剤、漢方があげられ、市販薬が存在するものもあります。
薬の目的や飲み方などを知り、膀胱炎を正しく早期に治していきましょう。
抗生剤
膀胱炎が細菌によるものの場合、抗生剤を使った治療が一般的です。
目的 |
細菌の増殖を防いだり働きをおさえたりする |
飲み方 |
医師が処方した回数・分量を全て飲み切る |
注意点 |
処方医薬品であるため医師の診察、処方が必要である |
内服開始後すぐに症状がやわらいでも細菌が残っている可能性があるため、服用を中止してはいけません。医師の指示どおり、かならず最後まで飲みつづけましょう。
抗生剤を服用しても症状が改善しないときは、細菌が原因でないかもしれません。医療機関の再受診をおすすめします。
解熱鎮痛剤
膀胱炎は排尿痛や発熱などの症状を引き起こし、日常生活に支障が出る場合があります。
痛みや熱は、解熱鎮痛剤の服用で症状の軽減が期待できます。
目的 |
膀胱炎による痛みをおさえる |
飲み方 |
痛みが強いときに服用する やわらいだら中止して問題ない |
注意点 |
市販薬を使用するときは薬剤師に相談する |
医療機関をすぐに受診できない場合は、市販薬の服用も方法の一つです。
ただし市販薬には抗生剤が含まれておらず原因菌への対処は不可能であるため、治癒までの期間を短くすることはできません。
あくまでも一時的な対処であることを理解し、できるだけ早めに医療機関で適切な治療を受けることが早期改善の近道です。
漢方
膀胱炎の症状に効果が期待できる漢方薬は多数存在するため、困っている症状によって使用をわける必要があります。
漢方薬の種類 |
気になる症状 |
五淋散(ごりんさん) |
排尿時の軽い痛み |
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) |
排尿時の強い痛み |
猪苓湯(ちょれいとう) |
残尿感 |
清心蓮子飲(せいしんれんしいん) |
頻尿 |
猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう) |
長引く症状(とくに更年期にあたる女性) |
腎仙散(じんせんさん) |
膀胱炎の再発 |
紹介した漢方薬はドラッグストアや薬局でも購入できますが、解熱鎮痛薬と同様に抗生剤が含まれていないため原因菌への対処はできません。
つらい症状を少しでも楽にしたいときに使用するとよいでしょう。
薬以外でできる膀胱炎時のセルフケア
薬の使用とあわせてセルフケアをおこなうことで、つらい症状が早くやわらぐことが期待できます。[3]
セルフケア |
必要な理由 |
具体的な方法 |
水分摂取をこまめにする |
膀胱内の細菌を外に排出するのをうながすため |
|
尿意を我慢せずトイレに行く |
膀胱内の細菌を増殖させないため |
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下腹部や腰をあたためる |
免疫力を高めて細菌と戦う力を養うため |
|
陰部を清潔にする |
尿路へのあらたな細菌の侵入を防ぐため |
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あらたに物品をそろえる必要はなく、すぐに日常生活に取り入れられるものばかりです。
膀胱炎の再発にも効果的であるため、日ごろからおこなうとよいでしょう。
膀胱炎の症状
膀胱炎は、排尿時の不快感がおもな症状です。[3]
-
頻尿
-
残尿感
-
排尿痛
-
尿のにごり
まれに発熱をみとめることもありますが、37℃前後であることがほとんどです。
高熱とあわせて全身のだるさや腰・背中の痛みがあらわれている場合は、腎盂腎炎(じんうじんえん)が疑われます。[4]
自覚症状だけで判断することは難しく、重症化している場合は入院による治療が必要です。かならず泌尿器科や内科を受診しましょう。
関連記事:膀胱炎の症状をチェックしよう:原因や治療法についても解説
膀胱炎の際に控えた方がよいことはある?
膀胱炎の症状が改善しない場合、自分の行動が治癒に影響しているかもしれません。[5]
控えたほうがよいこと |
控える理由 |
対策 |
尿意を我慢する |
膀胱内の細菌が増えるため |
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水分を控える |
細菌の排出が進まず、膀胱内の細菌が増えるため |
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からだを冷やす |
血行不良により免疫力が低下し症状が悪化するため |
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性行為をする |
尿路へ細菌が入りやすくなり膀胱炎が悪化するため |
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カフェインやアルコール、刺激物をとる |
膀胱への刺激が強く炎症を悪化させるため |
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ストレスを我慢する |
自律神経のバランスが乱れて免疫力が低下するため |
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自己判断で薬を服用する |
間違った使用によって症状が悪化し治癒が遅れるため |
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膀胱炎を放っておく |
腎臓への感染拡大リスクが高まり重症化する恐れがあるため |
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負担の大きい作業をする |
からだの疲れによる免疫力の低下や回復の遅れの恐れがあるため |
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おこなっている行為があればすぐに中断し、対策を実行しましょう。
それでも症状が改善しない場合は、医師に相談することをおすすめします。
よくある質問
膀胱炎の治し方に関するよくある質問にお答えします。
治療法の理解を深め、1日でも早い治癒を目指しましょう。
膀胱炎はロキソニンで治りますか?
ロキソニンには原因菌を退治する抗生剤が含まれていないため、膀胱炎の治療はできません。
膀胱炎の多くは細菌による炎症が原因です。原因菌の増殖や働きをおさえる効果がある薬は、抗生剤に限られます。
ただしロキソニンは解熱鎮痛剤の一つで膀胱炎による痛みや炎症をやわらげる効果があり、一時的な症状の緩和に有効です。
市販薬も存在しますが、自己判断での服用はせず医療機関で相談するのがのぞましいです。
膀胱炎を自力で治す方法はありますか?
症状が強くなければ、適切なセルフケアで治すことも不可能ではありません。
水分摂取やこまめな排尿によって細菌の排出がうながされるため、意識しておこなうとよいでしょう。
より早く治したい、悪化を防ぎたい場合は、医療機関を受診して抗生剤を処方してもらうことがもっとも有効です。
膀胱炎は何日で自然に治りますか?
膀胱炎の症状が軽い場合はセルフケアのみで改善することもありますが、一概に何日で治るとは言い切れません。
抗生剤による治療を受ければ、1〜2日で症状が改善するという意見もあります。
症状が軽度であっても悪化するリスクはあるため、自然治癒を期待するよりも医師の診察を受けることが早期治療に重要です。
膀胱炎のときにやってはいけないことは?
水分をとらない、尿意を我慢する、からだを冷やすなど、細菌が増殖しやすい環境にしてしまうことは避けましょう。
膀胱炎の悪化や治療期間の延長につながりかねないためです。
「膀胱炎でやってはいけないこと」で紹介した内容を参考に、自身の行動を改めましょう。
膀胱炎は性行為のあと何日で起こりますか?
性行為後に膀胱炎の症状が出るまでの期間は個人によって異なり、明確に何日後と断言できません。一般的には数日以内に症状があらわれるケースが多いようです。
まとめ:膀胱炎かも?と思ったら早めの受診をおすすめします
膀胱炎は初期症状が軽いため放置されがちですが、適切な治療を受けないと腎盂腎炎をはじめとする深刻な合併症につながる可能性があります。
頻尿や排尿時の痛み、尿のにごりなどの症状があらわれた場合、早めに医療機関を受診することが早期の症状改善に大切です。
水分補給やからだを冷やさない工夫をすれば、より早い治癒が期待できます。
膀胱炎は適切な治療を受ければ比較的短期間で改善する病気です。少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず泌尿器科や内科で相談してください。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。