咳が出る病気とは?原因や対処法についても詳しく解説
咳が出る病気の一覧
咳はウイルス感染症でとくによくみられますが、細菌感染症・喘息・慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん/COPD)などさまざまな病気であらわれる症状です。
咳が出る病気の症状や原因などを表で確認し、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
<感染性の疾患>
疾患名 |
症状 |
咳の特徴 |
原因 |
なりやすい人・年齢 |
治療法 |
潜伏期間 |
風邪 |
発熱・咳・痰(たん)・鼻づまり・咽頭痛 |
|
ほとんどがウイルス |
|
水分補給・安静・対症療法(※2) |
病原体によって異なる |
インフルエンザ |
発熱(38℃以上)・頭痛・全身倦怠感(けんたいかん)・筋肉痛・咳・鼻水 |
|
インフルエンザウイルス |
|
対症療法・抗インフルエンザ薬 |
1~3日間 |
新型コロナウイルス感染症 |
発熱・咳・全身倦怠感・頭痛・下痢・結膜炎・嗅覚障害・味覚障害 |
|
コロナウイルス(SARS-CoV-2) |
免疫力の低下している人 |
対症療法・抗ウイルス薬・中和抗体薬 |
2~3日間 |
RSウイルス感染症 |
鼻水・咳・発熱・喘鳴(ぜんめい)(※1) |
|
RSウイルス |
2歳以下の乳幼児 |
対症療法 |
4~5日間 |
マイコプラズマ感染症 |
発熱・全身倦怠感・頭痛・咳 |
|
肺炎マイコプラズマ |
1~14歳 |
抗菌薬 |
2~3週間 |
急性気管支炎 |
咳・発熱・痰 |
|
ほとんどがウイルス |
先行する感染症による |
対症療法 |
病原体によって異なる |
細気管支炎 |
鼻水・発熱・咳・喘鳴・呼吸困難 |
|
ほとんどがRSウイルス |
2歳以下の乳幼児 |
水分補給・安静・酸素投与・輸液 |
病原体によって異なる |
肺炎 |
発熱・咳・痰・倦怠感・胸痛・呼吸困難 |
|
細菌・ウイルス・真菌・喫煙 |
|
抗菌薬・抗ウイルス薬・対症療法 |
病原体によって異なる |
肺結核(はいけっかく) |
咳・痰・血痰・微熱・胸痛・全身倦怠感・食欲不全 |
|
結核菌 |
|
抗結核菌薬 |
半年~2年 |
(※1)喘鳴(ぜんめい):気道が狭くなり呼吸するときにヒューヒュー・ゼーゼーと音がすること
(※2)対症療法:病気の根本的な原因を治療するのではなく、咳や頭痛などの症状を和らげる治療
[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17]
<非感染性の疾患>
疾患名 |
症状 |
咳の特徴 |
原因 |
なりやすい人・年齢 |
治療法 |
咳喘息 |
咳・胸痛(喘鳴をともなわない)・喉のイガイガ感 |
|
遺伝的要因と環境要因(カビ・ほこり・花粉・タバコ・風邪・気温の変化など)の両方が関与 |
本人または家族がアレルギー性の症状をもつ人 |
吸入ステロイド・気管支拡張薬 |
気管支喘息 |
咳・喘鳴・痰・呼吸困難・胸部圧迫感 |
|
遺伝的要因と環境要因(カビ・ほこり・花粉・タバコ・風邪・気温の変化など)の両方が関与 |
本人または家族がアレルギー性の症状をもつ人 |
吸入ステロイド・気管支拡張薬 |
アトピー咳嗽(がいそう) |
咳・喉のイガイガ感 |
|
遺伝的要因と環境要因(タバコ・ストレス・会話・冷たい空気・食べ物・運動など)の両方が関与 |
|
抗ヒスタミン薬 |
アレルギー性鼻炎 |
鼻水・鼻づまり・くしゃみ・鼻漏(びろう)(※3)・咳 |
|
遺伝的要因と環境要因(花粉・ハウスダスト・ダニ・カビなど)の両方が関与 |
本人または家族がアレルギー性の症状をもつ人 |
抗ヒスタミン薬・鼻閉改善薬・ステロイド |
慢性閉塞性肺疾患(COPD) |
咳・痰・息切れ・呼吸困難・喘鳴 |
|
ほとんどがタバコ |
40~50代の喫煙者 |
禁煙・吸入ステロイド・気管支拡張薬・呼吸リハビリテーション・酸素投与 |
胃食道逆流症(GERD) |
胸やけ・呑酸(どんさん)・喉の違和感・胸痛・咳・肩こり |
|
加齢・肥満・暴飲暴食・高脂質・高たんぱくの食事 |
|
生活習慣の改善・胃酸をおさえる薬(プロトンポンプ阻害薬・抗ヒスタミン薬など)・手術 |
うっ血性心不全 |
むくみ・息切れ・倦怠感・咳・痰(赤さび・ピンク色のことも)・冷感・食欲減退・息切れ・不整(ふせいみゃく)脈・急激な体重増加 |
|
心筋梗塞・高血圧・弁膜症・不整脈(ふせいみゃく)・肺疾患・薬剤の副作用 |
|
生活習慣の改善・薬物療法 |
肺がん |
咳・痰・血痰・息切れ・倦怠感・発熱・体重減少 |
|
ほとんどがタバコ |
|
手術・放射線治療・抗がん剤治療 |
間質性肺炎 |
咳・呼吸困難・ばち指 |
|
自己免疫性疾患・ほこり・薬 (ほとんどは原因不明) |
50~70代 |
ステロイド薬・免疫抑制剤・抗線維化剤 |
(※3)鼻漏(びろう):鼻水が喉に流れること
[18][19][20][21][22][23][24][25]
<感染性・非感染性どちらも考えられる疾患>
疾患名 |
症状 |
咳の特徴 |
原因 |
なりやすい人・年齢 |
治療法 |
副鼻腔炎 |
鼻づまり・膿性の鼻水・後鼻漏(こうびろう)・顔面痛・嗅覚障害・倦怠感・頭痛・発熱 |
|
ウイルス・細菌・真菌・ほこり・ダニ・タバコ・大気汚染 |
|
ネブライザー療法(※4)・血管収縮薬・抗菌薬・手術 |
後鼻漏症候群 |
痰・咳・咽頭痛・口臭 |
|
風邪・副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・後鼻孔ポリープ |
|
ネブライザー療法・抗菌薬・漢方薬・鼻うがい・手術 |
胸膜炎 |
胸痛・呼吸困難・咳・発熱 |
|
ウイルス・細菌・自己免疫性疾患・肺がん |
|
抗菌薬・抗ガン剤・手術 |
(※4)ネブライザー療法:霧状にした薬剤を鼻や口から吸入する治療法[26]
表に記載した内容はあくまで代表的なものです。
例外もあるため参考までにとどめ、咳が続く場合は医師の診断を受けましょう。
咳が出るのはコロナの後遺症?
コロナウイルス感染症の後遺症として咳が続くことがあります。
厚生労働科学特別研究事業横山班報告によると、コロナ感染後に咳が残った人の割合は発症後3か月時点で約20%、12か月時点で約5%です。[10]
コロナの後遺症の多くは自然に改善しますが、症状が残るケースも一定数あると報告されています。[27]
ただしコロナ感染症後に続く咳であっても、ほかの病気が原因である可能性もゼロではありません。
咳の症状が改善傾向にあれば様子をみてもよいですが、改善しないまま2週間以上続く場合にはかかりつけ医や医療機関に相談しましょう。
関連記事:新型コロナの止まらない咳症状はどれくらい続く?コロナ後遺症についても解説
咳が出る病気で流行性のものは?
流行性であり咳が出る病気は次のとおりです。
-
インフルエンザ
-
新型コロナウイルス感染症
-
RSウイルス感染症
-
マイコプラズマ感染症
多くのウイルスは、空気が乾燥する秋から冬に流行ります。
ウイルスと水分を含む飛沫(ひまつ)が乾燥して軽くなり、長時間空気中にただよい続けるためです。
ただし春〜夏にもウイルスは存在し、地域的な流行を起こすことがあるため注意しましょう。
それぞれの感染症の特徴や流行の時期を把握しておくと、咳が出る原因の推定に役立ちます。
[28][29][30][31][32][33][34][35][36]
特徴 |
流行する時期 |
症状 |
咳の特徴 |
なりやすい人・年齢 |
潜伏期間 | |
インフルエンザ |
通常の風邪と比較して、高熱・頭痛・全身倦怠感などの全身症状が強い |
12~3月ごろ |
発熱(38℃以上)・頭痛・全身倦怠感・筋肉痛・咳・鼻水 |
|
14歳以下の小児・免疫力の低下している人 |
1~3日間 |
新型コロナウイルス感染症 |
|
12~1月・7~8月ごろ |
発熱・咳・全身倦怠感・頭痛・下痢・結膜炎・嗅覚障害・味覚障害 |
|
免疫力の低下している人 |
2~3日間 |
RSウイルス感染症 |
|
11〜1月ごろ |
鼻水・咳・発熱・喘鳴 |
|
2歳以下の乳幼児 |
4~5日間 |
マイコプラズマ感染症 |
|
10~12月 |
発熱・全身倦怠感・頭痛・咳 |
|
1~14歳 |
2~3週間 |
RSウイルスやマイコプラズマ感染症は子どもがかかりやすい病気ですが、大人もかかる可能性があります。
とくに高齢者では重症化するケースもあるため、家庭内感染に注意が必要です。
咳の種類
咳にはコンコンとした乾いたタイプや、痰のからんだ湿ったタイプなどさまざまあります。
乾いた咳は喘息や気管支炎、湿った咳は細菌性肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、咳のタイプから病気が推定できることも多いです。[37][19]
咳は体の防御反応のひとつで、気道に異物が入ったり炎症が起こったりすることで発生します。
感染症・アレルギー・ストレス・消化器系の疾患など、原因は多岐にわたります。
咳の種類 |
考えられるおもな病気 |
乾いた咳(コンコン、コホコホ) |
|
湿った咳(ゼコゼコ、ゴホゴホ、ゲホゲホ) |
|
犬のような咳(ケンケン) |
|
発作的な咳 |
|
夜間の咳 |
|
咳の種類を理解し適切な診療科を受診すると、スムーズな治療が受けられます。
咳の治療法
咳をしずめるためには、咳の原因となっている病気の治療が重要です。
たとえば細菌による肺炎には抗菌薬が、喘息には気管支拡張薬やステロイドなどが投与されます。
咳の継続期間によっても選択される治療方法が変わります。
「咳嗽に関するガイドライン」によると、急性咳嗽(発症後3週間以内)と、遅延性・慢性咳嗽(発症後3〜8週間・8週間以上)の特徴的な治療法は以下のとおりです。[1]
<急性咳嗽(発症後3週間以内)>
受診時の状態 |
治療法 |
膿性痰や咳などの症状が改善傾向にある |
経過観察 |
膿性痰や咳などの症状が改善傾向にない |
推定される原因菌に対する抗菌薬の投与 |
気道に炎症や潰瘍(※)などの病変がある |
原因となる病気の治療 |
(※)潰瘍(かいよう):皮膚や粘膜が傷つき深くえぐれた状態
<遅延性・慢性咳嗽(発症後3〜8週間・8週間以上)>
慢性咳嗽のおもな疾患 |
治療法 |
咳喘息 |
気管支拡張薬、ステロイド薬 |
アトピー咳嗽 |
抗ヒスタミン薬 |
副鼻腔気管支症候群(※) |
マクロライド系抗菌薬 |
胃食道逆流症 |
プロトンポンプ阻害薬(胃酸の分泌をおさえる薬)・抗ヒスタミン薬 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)・慢性気管支炎 |
禁煙 |
(※)慢性気管支炎と副鼻腔炎などが合併した状態のこと
急性咳嗽の原因はウイルスや一般細菌による感染性が多く、症状が改善しているようであれば経過観察も可能です。
慢性咳嗽は診断や治療が困難なことも多いため、長く続く咳がある場合は早めに診察を受け、適切な治療を受けられるようにしましょう。
咳を即効で止める方法は?
咳を即効で治す方法はありせんが、すぐに実行でき比較的すぐに効果があらわれるセルフケアはあります。
濡れマスク・部屋の加湿・ハチミツなどは咳をおさえるのに効果的です。
咳はエネルギーを消費し体力の回復を遅らせるうえ、何度も繰り返すと気管を傷つけて炎症を長引かせます。
咳が長期的に続くときは医療機関への受診が望まれますが、仕事や子育てなどですぐに医療機関に行けない方もいるでしょう。
症状の悪化を防ぎ、まわりの人へ感染させないように自分でできるケアをおこなってください。
咳を和らげるための対処法
咳を和らげるポイントは以下の3点です。
-
喉を保湿する
-
喉の炎症をおさえる
-
喉を保湿する
咳を和らげる具体的な対処法を紹介しますので、できそうなことからぜひ試してみてください。
咳の和らげ方 |
具体的な方法 | |
喉を保湿する |
部屋の湿度を40~60%にする |
|
喉をうるおす |
| |
生活環境を見直す |
喉への刺激を避ける |
|
ストレスを解消する |
| |
十分な休息・睡眠をとる |
| |
喉の炎症を和らげる |
市販品を使用する |
|
ハチミツをとる |
|
加湿器を使用したり濡れタオルを干したりして部屋の湿度を上げましょう。
部屋の湿度は40〜60%がよいとされています。[41]
湿度が40%以下になるとウイルスが浮遊しやすく、60%を超えるとカビやダニが発生しやすくなるためです。
喉への物理的な刺激やストレス、睡眠不足などは咳の原因になります。
お酒やからいものなどを避け、ストレスや疲れをためない生活習慣を心がけましょう。
ハチミツには抗菌作用や抗炎症作用があることがわかっており、イギリスの国立医療技術評価機構ガイドラインでは子どもの急性咳嗽にハチミツの使用を推奨しています。[42]
ただし1歳未満の乳児は、ハチミツに含まれるボツリヌス菌により便秘になったり元気がなくなったりします。
過去には死亡例もあるため、1歳未満の子どもには絶対に与えないようにしましょう。[43]
咳の苦しさを軽減する姿勢
咳が出て息苦しくなったときは、楽な姿勢をとり安静にすることが大切です。
外出先で咳の発作が出た場合も無理せずまわりの人に助けを求め、座ったり横になったりできる場所を探してもらいましょう。
息苦しさを楽にする姿勢を知っておけば、急にせき込んで苦しくなったときもすぐに対応できるため、ぜひ参考にしてください。
状況 |
姿勢 |
補足 |
寝ているとき |
|
|
椅子に座っているとき |
<テーブルがある場合> 両肘をテーブルにつけ前かがみになる <テーブルがない場合> 両足をしっかりと床につけ、両手を膝におく |
テーブルに枕や丸めたタオルなどを置き、両手で抱えこむとより楽になる |
立っているとき |
<台がある場合> 肘をつける台がある場合は肘をのせて前かがみになる <台がない場合>
|
|
紹介した姿勢はあくまでも一例なので、自分にとって楽な姿勢をみつけてくださいね。
症状が改善しない場合
咳が2〜3週間以上続く場合や悪化する場合は、医療機関を受診しましょう。
一般的な風邪からくる咳は2週間以内に自然におさまることがほとんどです。
長期間にわたって続く咳は専門的な治療が必要で、放置すると重症化し治療が難しくなります。
咳症状が強い場合は呼吸器内科、鼻の症状がある場合は耳鼻咽喉科など症状に合わせて診療科を選ぶとスムーズな治療を受けられるでしょう。
どの診療科を受ければよいかわからないときは、内科やかかりつけ医に相談すれば問題ありません。
以下に診療科と受診対象者の例をまとめたので、診療科を選ぶ際の参考にしてください。
診療科 |
受診の対象となる人の例 |
内科 |
|
呼吸器内科 |
|
耳鼻咽喉科 |
鼻や喉の症状がある人 |
心療内科 |
心因性の咳が疑われる人 |
よくある質問
咳が出る病気についてのよくある質問に回答します。
-
咳が出る病気の一覧は?
-
風邪でもないのに咳が出る病気は?
-
大人が咳が出る病気は?
-
咳がずっと続いている原因は何ですか?
-
咳が出るのはストレスが関係している?
自分の咳の原因を推定し適切な対応をとれるよう、ぜひ参考にしてみてください。
咳が出る病気の一覧は?
咳が出る病気はさまざまあり、感染性・非感染性などにわけられます。
<感染性の疾患>
-
風邪
-
インフルエンザ
-
新型コロナウイルス感染症
-
RSウイルス感染症
-
マイコプラズマ感染症
-
急性気管支炎
-
細気管支炎
-
肺炎
-
肺結核
<非感染性の疾患>
-
咳喘息
-
気管支喘息
-
アトピー咳嗽
-
アレルギー性鼻炎
-
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
-
胃食道逆流症(GERD)
-
うっ血性心不全
-
肺がん
-
間質性肺炎
<感染性・非感染性どちらも考えられる疾患>
-
副鼻腔炎
-
後鼻漏症候群
-
胸膜炎
咳の原因として最も頻繁にみられるのはウイルスによる風邪です。
乾いた咳から湿った咳に移行することが多く、ほとんどの場合2週間以内におさまります。
2週間以上咳が続く場合は風邪以外の大きな病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診してくださいね。
風邪でもないのに咳が出る病気は?
風邪以外で咳が出る病気には次のようなものがあります。
-
アトピー咳嗽(アレルギー)
-
心因性咳嗽
-
感染後咳嗽
-
胃食道逆流症(GERD)
-
肺がん
咳を発生させる原因は、カビ・ほこり・花粉・タバコ・冷たい空気・ストレスなどです。
風邪やインフルエンザ・コロナウイルス感染症のあとも、気管支の炎症が続き咳が出ることがあります。
風邪以外の病気による咳は2週間以上続くことがほとんどです。
適切な治療を受けずにいると生活の質が落ちるのはもちろん、病気によっては重症化したり命にかかわることもあるため、早めに診断を受けましょう。
大人が咳が出る病気は?
風邪・咳喘息・間質性肺炎など、咳が出る病気の多くは大人でもかかります。
大人もかかる咳が出る病気の例は次のとおりです。
-
風邪
-
インフルエンザ
-
新型コロナウイルス感染症
-
咳喘息
-
肺結核
-
COPD
-
胃食道逆流症
-
間質性肺炎
-
肺がん
RSウイルスは2歳以下、マイコプラズマ肺炎は14歳までの子どもに発症しやすいですが、大人がかからないわけではありません。
家族内に感染者がいる場合は、受診時にその旨を伝えると診断に役立つでしょう。
咳がずっと続いている原因は何ですか?
咳が長く続く原因には次のようなものがあります。
-
咳喘息
-
アトピー咳嗽
-
胃食道逆流症
-
感染後咳嗽
-
マイコプラズマ感染症
-
気管支炎
-
肺炎
-
肺結核
-
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
-
逆流性食道炎
-
副鼻腔炎
アレルギーやストレスにより気道にある神経が刺激されると咳が出ます。
感染症後に気道の炎症が残ることも咳が続く原因です。
そのほか咳が続く原因は多岐にわたるため、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
咳が出るのはストレスが関係している?
ストレスが原因となって出る咳を心因性咳嗽といいます。
乾いた咳・3か月以上続く・起きている間に起こりやすい・なにかに集中していると出ないなどの特徴があります。[44]
対処法は、運動や趣味などで気分転換する・気の合う人と話す・睡眠を十分にとるなどです。
内科や呼吸器科で問題がないと言われたにもかかわらず咳が続く場合は、心療内科の受診も検討しましょう。
まとめ:咳が続く場合は医療機関を受診しましょう
この記事では、咳が出る病気の特徴や原因、咳を和らげる方法などについて解説しました。
風邪やインフルエンザなどの感染症では、咳は2週間以内におさまります。
一方で気管支炎・肺結核・喘息・COPD・肺がんなどの病気では2週間以上咳が続くことが多いです。
痰がからむタイプの咳なのか、どのタイミングで咳が出やすいかなどを受診時に伝えられるようにしておくと診断・治療に役立ちます。
咳のセルフケアには、加湿器・濡れマスク・ハチミツなどがおすすめです。
ストレスも咳を発生させる要因となるため、自分なりのストレス解消法をみつけ、睡眠・休息をしっかりとるようにしましょう。
咳は発熱や頭痛とともによくみられる症状のひとつですが、大きな病気が原因のこともあります。
たかが咳とあまくみず、2週間以上続いている場合は早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献
[1]咳嗽に関するガイドライン(第2版) 総 説|J-STAGE
[2]A-01 かぜ症候群 - A. 感染性呼吸器疾患|一般社団法人 日本呼吸器学会
[5]日本の医療データベースから算出された季節性インフルエンザの重症化率|厚生労働省
[6]季節性インフルエンザ(ファクトシート)|厚生労働省検疫所 FORTH
[8]IDWR 2020年第16号<注目すべき感染症> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)|厚生労働省
[10]新型コロナウイルス感染症 罹患後症状のマネジメント - COVID-19|厚生労働省
[11]新型コロナウイルス治療薬等について|東京都保健医療局
[17]結核 Tuberculosis|東京都感染症情報センター
[18]B-01 慢性閉塞性肺疾患(COPD)一般社団法人日本呼吸器学会
[19]Q2. せきとたんが3週間以上続きます。 - 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
[20]胃食道逆流症(GERD)(消化器内科)|KOMPAS
[21]胃食道逆流症(GERD)による 咳嗽|J-STAGE
[26]G-01 胸膜炎 - G. 胸膜疾患|一般社団法人日本呼吸器学会
[27]新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A|厚生労働省
[29]新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き・第2版|厚生労働省
[31]RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂)|厚生労働省
[32]成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性|国立感染症研究所
[34]マイコプラズマ肺炎の発生状況について|国立感染症研究所
[37]Q1. からせき(たんのないせき)が3週間以上続きます。 - 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。