喘息症状が悪化してつらいときはファストドクターを頼ってください。
ファストドクターでは夜間・休日問わず24時間365日おうちに駆け付けます。
そのため、急な夜間や休日の喘息発作でも診察が受けられます。
また、症状に応じた薬(咳止め・喘息薬、痰切り、抗炎症薬、吸入薬など)の処方も可能です。
まずはお電話で症状についてお聞かせください。
喘息のときにやってはいけないことは?
喘息とは、何らかの原因により激しい咳が出てしまったり「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴や呼吸苦が起きたりするなど、発作性の呼吸困難が生じる疾患です。
喘息の発作は、小発作・中発作・大発作と重症度によって呼ばれ方が異なります。
アレルギー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などの体質がある人や、家族に喘息を発症している人がいると起こりやすいです。
喘息のときにやってはいけないことは日常生活の中でもいくつか存在します。
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原因物質を吸ってしまう
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原因となる食べ物を食べてしまう
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原因となる飲み物を飲んでしまう
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激しい運動
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薬の服用
では、それぞれについて解説します。
原因物質を吸ってしまう
ほこりやダニなどのアレルゲンを吸ってしまうと喘息症状は悪化します。
喘息患者は気道が敏感になっており、アレルギー症状を起こしてしまう原因物質を吸い込んでしまうと発作が起こりやすくなってしまいます。
ほかにも喘息を引き起こす以下のような原因があるため、日常生活を過ごす際は気に留めておくとよいでしょう。
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たばこの煙
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洗剤や柔軟剤などの刺激臭
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寒暖差
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花粉
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黄砂
実際に全てを完璧に防ぐことは不可能です。
しかし喘息が出るタイミングを振り返ってみると、同じ状況下で発作が起きているかもしれません。
少しでも発作が起こる可能性を下げるためにご自身の生活を振り返ってみるのもよいでしょう。
喘息を悪化させる食べ物
刺激臭だけでなく、刺激のある食べ物も気管を刺激し悪化する恐れがあります。唐辛子など刺激の強い香辛料は控えましょう。
また、気道を収縮するとされるヒスタミンやアセチルコリンを含む竹の子やほうれん草、山芋などもできれば食べないようにしましょう。
喘息発作の原因となるアレルゲンが含まれる食べ物も避けてください。
食物アレルギーは人によってそれぞれ異なり、仮にアレルギーを引き起こす食べ物を食べると、気道炎症が悪化し発作があらわれることがあります。
食事中に体調が悪くなった場合や皮膚に発疹や発赤がみられた際には、すぐに食べるのを中止して医療機関を受診してください。
喘息を悪化させる飲み物
強炭酸飲料や冷たい飲み物は気道の粘膜を刺激し、喘息を引き起こす可能性があります。お酒にも注意が必要です。
アルコール摂取をすると気管支粘膜がむくむため、喘息を悪化させる恐れがあります。もちろん飲んではいけないというわけではありませんが、摂取量には注意しましょう。
激しい運動
激しい運動も控えた方がよいでしょう。運動後に息切れしたり持久力が必要なスポーツは喘息症状を悪化させてしまいます。
このように、運動がトリガーとなって起こる喘息のことを「運動誘発喘息」といいます。
気道を刺激しないように吸入薬を服用してから運動したり、ウォーキングなどの有酸素運動をしたりすれば喘息発作は起こりにくいです。
ご自身に合った運動法で体を動かすようにしましょう。
薬の服用
喘息患者の中には、服用を避けるべき薬があります。
「アスピリン」と「コデイン」です。
アスピリンは解熱鎮痛薬にも含まれている成分で、服用すると「アスピリン喘息」と呼ばれる発作を引き起こすことがあります。
コデインに関しても喘息のときに服用すると呼吸抑制が生じてしまい、喘息の症状が悪化するおそれがあります。
アスピリンもコデインも市販薬に含まれている成分であるため、市販薬を購入の際は配合成分に注意しましょう。分からなければ薬剤師や登録販売者に相談してください。
喘息とコーヒーの関係性は?発作に効くって本当?
喘息の発作時、コーヒーを飲むと一時的に症状が緩和するといわれています。
コーヒーにはカフェインが含まれており、交感神経を優位にさせ、喘息発作をあらわれにくくする効果が期待できます。
カフェインは喘息発作治療薬にとして有名な気管支拡張薬「テオフィリン」に作用が類似しています。
もちろん子どももコーヒーを飲むことにより喘息に対して効果を発揮しますが、大人よりカフェインによる影響を受けやすいため、飲む量に関して注意が必要です。
カフェインを摂取しすぎると、以下のような症状があらわれることがあります。
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不眠
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吐き気
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めまい
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動悸
10歳以下の子どもはコーヒーを飲むのではなく、医療機関で処方された薬をしっかり服用するようにしてください。
コーヒーを飲んだからといって、治療薬と同等の効果は期待できません。あくまで一時的に喘息発作の対処法と覚えておくと良いでしょう。
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喘息治療薬をコーヒーで飲んでも良いのか
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喘息発作後にコーヒーを飲み続けると悪化するのか
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喘息の応急措置にコーヒーは効果的なのか
ここではコーヒーを飲むことで、喘息にどのような効果をもたらすのかを解説します。
喘息の治療薬をコーヒーで飲んでも良い?
喘息の治療薬をコーヒーで飲むのは控えましょう。
たしかにカフェインは、先述したように喘息治療薬のひとつである「テオフィリン」系の薬と同じく気管支を拡張する作用があるため、喘息の対処方法として効果的であると述べました。[1]
しかし「テオフィリン」系の喘息治療薬とコーヒーを同時摂取すると、互いの作用が増強してしまい、頭痛や動悸などの症状が出やすくなる恐れがあります。
コーヒーだけでなく、カフェインが含まれる紅茶や緑茶も避けましょう。
喘息発症後にコーヒーを飲み続けると悪化する?
カフェインは喘息発作に有効ですが、コーヒーに含まれるナトリウム(Na)やマグネシウム(Mg)は喘息の発症に影響するといわれています。
一時的な発作の緩和には有効ですが、コーヒーを大量に長期間摂取するのは避けた方が良いでしょう。[2]
また、喘息に限らず一日に何杯もコーヒーを飲み続けると、ホルモンバランスが崩れ身体の不調に繋がりかねません。
欧州食品安全機関によると、成人の場合カフェインの最大摂取量を1日400mg、1回200mg以下であれば影響がないとしています。[3]
コーヒーであれば1日5杯程度が目安です。
喘息発作の応急処置にコーヒーは効果的?
喘息発作の中でも小発作であれば、コーヒーは一時的に発作の対処に役立ちます。その際は、常温または温かいコーヒーにしましょう。
冷たいコーヒーの場合、気道を刺激し逆効果になってしまいます。
ただし、発作の程度によっては応急処置にはなりません。発作治療薬を適切に使用し、状況に応じて医療機関の受診が必要です。
あくまでコーヒーは一時的な症状緩和のための対処法であり、喘息を治すものではないと覚えておきましょう。
喘息に効くおすすめの食べ物や飲み物は?
コーヒー以外にも紅茶やハーブティーなどカフェインが含まれると喘息に良い飲み物とされています。
特にハーブティーにはリラックス効果も期待できるので、発作時に気持ちを落ち着けてくれるでしょう。[4]
食べ物では炎症を抑える効果が期待できるビタミンCやE、スルフォラファンが積極的に摂取したい成分です。
ビタミンCはみかんや大根、葉野菜に多く含まれます。ビタミンEは緑黄色野菜や黒豆、ナッツ類に含まれているのでおすすめです。
スルフォラファンも気道炎症を抑える効果が期待でき、ブロッコリースプラウトやブロッコリーが多く含んでいるため、できるだけ食べる機会を増やすとよいでしょう。
チョコレートが喘息に効果があると聞いたことがある方もいるかもしれません。
実はチョコレートの原料となるカカオには、カフェインだけでなくテオブロミンという成分が含まれています。
テオブロミンにはカフェインと同様に気管支拡張作用があり、咳を鎮める効果が期待できます。
テオブロミンはカフェインよりも気管支拡張作用が強いといわれているので、コーヒーと比べるとチョコレートの方が一時的に喘息発作を対処できるでしょう。
ただし、テオフィリンなどの喘息発作治療薬を服用している場合は、チョコレートの摂取は控えるようにしてください。[5]
Q&A
喘息発作の対処にコーヒーが効くかどうかについて、気になる質問をご紹介します。
喘息にコーヒーはダメ?
喘息の発作時にコーヒーを飲むことは、ダメではありません。あくまで喘息発作予防と軽い発作時の一時的な対処として役立つでしょう。
喘息の咳にコーヒーが効くのはなぜですか?
コーヒーにはカフェインという成分が含まれています。
カフェインには気管支を拡張する作用があり、喘息発作時に狭まった気道を拡張します。その結果、喘息発作を緩和する効果を期待できるでしょう。
喘息が楽になる飲み物は?
温かい飲み物または常温の飲み物を飲むと良いでしょう。
気管支喘息に効く飲み物はコーヒーでも良いですが、 紅茶や緑茶も同様にカフェインが含まれているので喘息発作を緩和する効果が期待できます。[6]
また、ココアにはテオフィリンが含有され、カフェインよりも強い気管支拡張作用があります。ココアも咳の症状を緩和してくれるでしょう。 [7]
のどの粘膜に潤いを与えてくれるはちみつ入りの飲みものもおすすめです。 [4]
気管支を広げる飲み物は?
気管支拡張作用のあるカフェインが含まれるコーヒーや紅茶などの飲み物が、気管支拡張効果が高いとされています。
またカフェインよりも強い気管支拡張作用をもつテオフィリンを含むココアも良いでしょう。
喘息で飲んではいけない飲み物は?
アルコール摂取をすると気管支粘膜が浮腫み喘息を悪化させるため、お酒は避けてください。
また、炭酸飲料など刺激の強い飲み物も避けた方が良いです。
喘息に水を飲むと良いですか?
喘息発作時の対処として、まずは水分補給が大切なので、水を飲むことは良いことです。
水分を摂って脱水を予防し、痰を出しやすくします。水を飲む際は、なるべく常温の水あるいは白湯で摂取しましょう。
喘息の大人が飲むべき飲み物は?
大人だから飲むべきといった飲み物は特にありませんが、やはりカフェインが含まれる飲み物で発作が楽になるでしょう。
カフェインが含まれる飲み物の中でも、特に大人であれば精神的なリラックス効果も得られるハーブティーがおすすめです。
喘息発作時に落ち着くことができるでしょう。
喘息を抑える食べ物は?
バランスの良い食事が基本ですが、喘息の症状を抑える効果が期待できる食べ物は以下の通りです。[8]
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ビタミンA:緑黄色野菜(かぼちゃ・人参)、うなぎ、レバー
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ビタミンE:豆類
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ビタミンC:ほうれん草、キャベツ
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オメガ3脂肪酸:マグロ、イワシ、鮭
以上、紹介したものを積極的に取り入れると良いでしょう。
今回紹介した食べ物は発作を緩和するものではありません。喘息予防や長期的な症状緩和に繋がるものと理解しておきましょう。
喘息で自宅でできることは?
まずは、医療機関で処方された薬を用法通りに服用することが重要です。
喘息は根気強く、症状と向き合い治療を続ける必要があります。自己判断せず、指示通りに処方薬の服用をしましょう。
また、喘息の原因となるダニやカビ、ホコリなどのアレルゲンを回避しましょう。日頃から自宅を掃除してアレルゲンを除去しておくことが大事です。
風邪も喘息を悪化させてしまう一因です。手洗いやうがいなどを行い、規則正しい生活を心がけましょう。
喘息に効果のある食べ物や飲み物はいろいろありますが、バランスの良い食生活が基本となります。
まとめ
今回は喘息のときにやってはいけないことや、効果のある食べ物や飲み物、そしてコーヒーの効果について解説しました。
喘息のときはアレルゲンとなる物質を吸い込んだり、食べたり飲んだりすることを避けることが大切です。
また、ご自身の方だに負担がかかってしまうほどの激しい運動をすることも避けるようにしましょう。
解熱鎮痛薬や咳止めなど、喘息の方が飲んではいけない成分の薬が市販薬として販売されています。購入の際は薬剤師や登録販売者に相談するようにしてください。
コーヒーなどカフェインを含む紅茶や緑茶は喘息症状の緩和につながりますが、
治療薬と併用しないよう注意してください。
喘息は適切な治療と長期的に向き合っていく必要があります。
ご自身の症状に上手く取り入れて、辛い発作が少しでも楽になることを願っています。
参考文献
[2] 日本内科学会雑誌第98巻第12号
[4] smt+|喘息の病気に良いとされている食事に関連する基本情報
[5] 国民生活センター|高カカオをうたったチョコレート(結果報告)
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。