関節リューマチの特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、関節リューマチの症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。

関節リューマチについて

関節リューマチの特徴・症状

関節リューマチの特徴

関節リューマチというのは、炎症が関節に起きて、関節がだんだん壊れて、最終的に固まったり、変形したりして動かなくなるものです。

以前は、関節リューマチになれば寝たままになると考えられていました。

しかし、医学が現在では進んで、適切に早くから治療すると、病気が進むのを抑制して関節の機能を維持して従来通りの生活が継続できることも考えられます。

免疫力が下がっている場合はよくかぜをひく、というような話を耳にしたこともあるのではないでしょうか。

関節リューマチの場合は、異常がこの免疫力に起きたため、炎症が関節に起きて、痛みや腫れが起きると言われています。

炎症が関節で継続すると、「滑膜」という関節の中にあるものに細胞や血管が多くなって、厚く滑膜が腫れてきます。

腫れてきた滑膜は、そのうちに靭帯や軟骨部分を壊して、さらに進むと軟骨だけでなく骨も壊してしまいます。

関節リューマチの症状

特徴的な関節リューマチの症状としては、関節の痛みや腫れで、多くの場合は左右対称に出るようです。

朝起きた際に、手足が動かしにくくなってこわばったりする場合もあります。

また、よく疲れるようになったり、だるくなったりするなど、症状が関節以外に現れる場合もあります。

関節リューマチは、発症してから症状が急速に2年以内に進むことが、近年分かってきました。

可能な限り早く見つけて治療をすぐに始めることが、運動する機能を維持して症状が重くなるのを抑えるために非常に大切です。

関節リューマチになれば、重いものを運搬したり、階段を上り下りしたり、長い時間歩いたりすることなどが、つらくなる場合もあります。

早期の関節リューマチの症状としては、

  • 手足が朝起きた際にこわばっている
  • 力が手に入りにくく、雑巾やふきんを絞りにくい
  • 足裏が床や畳を歩く際に痛い

などが現れます。

また、例えば、冷房が強い部屋の中や梅雨のシーズンなどは、体調が良くないかもしれません。

生活を送るためには、周りの人にこのようなことを話して、関節リューマチの病状を分かってもらうことが大切です。

関節リューマチの診断と検査

関節リューマチの検査としては、血液検査と尿検査がメインで、レントゲン検査、関節液検査も行います。

血液検査は、関節リューマチの疑いがあるか検査するために免疫の状況を確認します。

同時にいろいろな値を確認して、別の病気と区分けします。

尿検査は、関節リューマチか見極めができませんが、別の病気と区分けしたり、薬の副作用を確認したりすることができます。

レントゲン検査は、関節の状況を調査します。

関節液検査は、関節液を調査して、別の病気と区分けします。

関節リューマチの治療法

薬物療法が、関節リューマチの治療のメインです。

炎症を抑制する飲み薬の痛み止めやステロイド剤なども使います。

症状に応じて、炎症を抑制する飲み薬の痛み止めやステロイド剤なども使います。

抗リウマチ薬は、効果が早いほど期待できると言われており、理想的には初期症状の「手の指が朝にこわばる」などが分かってから、可能であれば3ヶ月以内、1年以内に遅くても服用するのがいいと言われています。

1ヶ月~3ヶ月程度服薬して効果がなければ、「生物学的製剤」という2000年代に出たものを使います。

炎症が起きる物質の作用を防止するもので、病気が進むのを高い確率で抑制することができます。

服用し始めると、炎症が1週間~2週間で改善して、関節の腫れや痛みが治まる場合もあります。

症状が改善して、薬の服用を止めてもいい状態になる場合もあるなど、効果が非常に期待できるため着目されています。

この薬は、関節リューマチが起きるタンパク質の特定のものや、このタンパク質と結合する受容体の特定のものに対して直接働き、炎症を抑制する効果が期待できます。

関節リューマチの予防

  • 禁煙

まず、禁煙が関節リューマチを予防するためには大切になります。

喫煙している人は、関節リューマチの発症率が高くなります。

関節リューマチの患者の中においても、喫煙している人は病気が早く進行し、治療の効果も少ないことが判明しています。

薬を服用するよりも、関節リューマチの予防は禁煙が大切です。
また、免疫力が喫煙すると下がるので、インフルエンザや肺炎にもよくかかります。

  • ウイルス感染を防ぐ

ウイルスにシーズンの変わり目などに感染すると、関節リューマチが発症する要因になる場合があるため注意しましょう。

  • いい腸内環境を維持する

近年、全身の免疫に腸内の状態が非常に影響を及ぼすことが分かってきました。

関節リューマチの発症に腸内の状態が影響を及ぼしている可能性があり、いい腸内環境を維持することによって、関節リューマチの発症が抑えられるでしょう。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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