結膜下出血の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、結膜下出血の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。

結膜下出血について

結膜下出血の特徴・症状

結膜下出血の特徴

結膜下出血と言うのは、小さな結膜下の血管から血が出たもので、べったりと白目の部分が赤くなります。

目の痛みなどは無く、目が少しゴロゴロします。

結膜下出血の要因としてはいろいろあり、咳、くしゃみ、月経、過飲酒などが挙げられます。

結膜下出血の場合は、血が眼球の中に入る場合はなく、視力が下がることもありません。

血が出るのは、自然に1週間~2週間程度で治まる場合が多くありますが、酷い場合は数ヶ月程度かかります。

いずれにしても血が出るのは自然に治まるため、心配はほとんどいりません。

結膜下出血の症状

結膜下出血の症状としては、大小の結膜にある血管が破損して、出た血が結膜の下に拡大します。

点状の小さいものから、全体の眼球結膜を覆うような範囲が広いものもあります。

また、血瘤ができる場合もあります。

普通に血が出た場合は、かゆみや痛みなどの症状はほとんどありません。

また、視野が狭くなったり、目が見えにくくなったりする場合もありません。

このような症状がもし現れた場合は、眼科医で必ず診てもらいましょう。

一般的に、自然に1週間~2週間で治りますが、場合によっては数ヶ月かかる場合もあります。

血が出るのは、時間はかかりますが自然に治まるため心配はいりません。

しかし、眼外傷などのために血が出るのが治まらない場合は、眼科医ですぐに診てもらいましょう。

結膜下出血の診断と検査

結膜下出血を診断する方法としては、十分に目視のみでも分かりますが、スリットランプを使用すると簡単に診断することができます。

結膜下出血のみを診断する場合は、白目表面のみを目視で診るといいでしょうが、眼球の中の症状を詳しく調査する場合はスリットランプが必要です。

一般的に、散瞳検査という瞳を目薬で開かせて眼球の中を調査します。

幅が非常に狭い隙間から出る光線を開いた瞳の中に角度を変更しながら照射して、全体の眼球の状態を双眼立体顕微鏡で調査します。

明るく目の中の全体を照射すると、異常が透明な水晶体にあるか分かりにくくなりかすが、狭い幅の隙間から光線を照射すれば、鮮明に濁りなどが見えてきます。

目の水晶体などの組織は透明ですが、組織の断面が狭い幅の隙間からの光線を照射するとよく見えるようになります。

この散瞳検査の場合は、水晶体や眼底の隅々まで詳しく調査することができます。

散瞳検査は、早い時期に眼の病気を見つけるためには非常に優れたものです。

繰り返して白目の血が出るような場合は、眼球の中などの眼の病気や、結膜下出血の要因になる全身の病気が潜んでいることもあるため、内科的検査や血液検査などが必要になる場合もあります。

結膜下出血の治療法

結膜下出血を治療する際に、血が出るのが軽い場合は10日程度で自然に白目になるので、治療する必要はありません。

また、血が出るのが止まっても広い範囲で赤目が拡大している場合は、結膜下注射を血栓溶解剤などで実施する場合もあります。

しかし、結膜下出血の要因になっている疾患を治療することが、次のような場合は必要になるため、眼科医にすぐに診てもらいましょう。

眼外傷を金属片や鋭利なものなどで受けたり、転倒やボールなどで受けたりした場合などは、治療がすぐに必要になります。

結膜下出血が、眼外傷の後に長引くような場合は精密検査を必ず受けましょう。

流行性角結膜炎や急性出血性結膜炎などが起きた場合は、別の自覚症状の痛みや涙、目やにが多くなるなどがあります。

眼科で診てもらって、別の人に病気を感染させないよう注意しましょう。

結膜下出血が繰り返して起きる場合は、動脈硬化、糖尿病、高血圧、白血病、貧血、紫斑病などの出血性素因、腎炎などの可能性があります。

そのため、異常がないか内科で診てもらいましょう。

結膜下出血は、猩紅熱、マラリア、コレラ、ジフテリア、発疹チフス、麻疹、インフルエンザなどの場合でも現れます。

最優先で結膜下出血の原因疾患を治療しましょう。

結膜下出血の予防

結膜下出血の場合は、疾患として結膜下出血というものがあるということではありません。

結膜下出血は、全身疾患の貧血、生活習慣病、白血病などの一つの症状として起きることもあり、目を花粉症などによって擦り過ぎて傷が結膜につくために起きることもあります。

ちょっとでも白目が赤くなれば、恐ろしさが外観的にもあるため、眼科ですぐに診てもらう場合も多くあるでしょう。

しかし、赤く目がなるのは、出血した場合と充血した場合があります。

目が充血した場合は、目薬を処方するのみで経過を観察する場合が多くあるようです。

相当症状が軽い場合は、目薬を処方しなくても、目を休めるために閉じると、だんだんと充血も治ってきます。

なんとなく目がピンク色に一部分なっている場合は、目が充血しており結膜下出血ではない場合が多くあるようです。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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