破傷風の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、破傷風の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。
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破傷風について

破傷風の特徴・要因・症状

破傷風の特徴

破傷風というのは、傷口などから破傷風菌が体の中に入って増えて、特有なけいれんや開口障害などの症状がこの破傷風菌が作る毒素によって現れ、症状が重くなると死亡する病気です。

日本においては、任意の破傷風ワクチンの接種が1953年から始まって、破傷風、ジフテリア、百日咳の三種混合ワクチンとして1968年からは行われました。

そのため、破傷風の患者が1950年頃は数千人年間にいましたが、50人〜100人くらいまで現在は少なくなっています。

破傷風が発症すると治療するのは困難であり、一般的に、30%以上の人が死亡し、高齢者になるほど症状が重くなるので、予防することが大切になってきます。

破傷風の要因

破傷風の要因である破傷風菌は、酸素が少ない嫌気性環境の数cm地表面から入ったあたりの泥や土の中などで生きて繫殖します。

このような嫌気性環境においては、硬い芽胞という膜に覆われています。

木片や砂粒などが傷口などから侵入して体の中に残れば、皮下組織などに付いていた破傷風菌が繫殖して毒素を出します。

人の一部の神経に接合してこの毒素は継続的に神経の興奮を起こすので、けいれんなどの症状が顔面や全身の筋肉に現れます。

一般的に、破傷風菌が感染するのは深い刺傷のような傷からであると言われていますが、小さな傷からのこともあります。

なお、外傷歴が分からないケースも4分の1はあります。

また、不適切な分娩する際の臍帯処理によってまれに感染し、妊婦の産褥性破傷風や新生児破傷風として発症したり、手術を消化管などをする際に感染したりすることもあります。

破傷風の症状

破傷風が潜伏しているのは2日〜8週間の期間であり、一般的に、時間が感染してから発症するまで短いほど、あるいはオンセット・タイムという時間が開口障害から全身けいれんまで短いほど死亡する割合が高くなります。

破傷風を分類すると、全身性破傷風という全身のけいれんの代表的なもの、限局性破傷風という傷の周りにけいれんが限定されているもの頭部破傷風という頭部の傷から感染して脳神経の顔面神経をメインとするけいれんになるもの、新生児破傷風に分けられます。

最も代表的な全身性破傷風の病期は、次のようになります。

第1期の病期は、継続日数が1日~2日で、症状としては全身倦怠感、肩こり、不眠、微熱、頭重感などで、この病期に診断することは困難です。

第2期の病期は、継続日数が5日~6日で、部分的な筋肉のこわばり、牙関緊急という特徴的な口が開きにくくなる症状、痙笑という顔がこわばって笑っているような症状が現れます。

このような所見や症状から耳鼻科や歯科を受診する場合が多くありますが、診断した結果破傷風の場合は病院内に集中治療室があるところへ送られます。

この第2期の病期に診断することと、治療をすみやかに始めることが大切です。

第3期の病期は、筋肉の全身的なけいれんが現れ、特徴的な背中がけいれんして反った後弓反張などの症状が現れます。

人工呼吸器が、呼吸が呼吸筋のけいれんでできないので必要になります。

血圧や呼吸を管理することが必要であり、治療を集中治療室などで行うことが必要です。

第4期の病期は、毒素の神経に結合したものの働きが下がります。

破傷風の診断と検査

破傷風が顔の筋肉がこわばったなどで疑われる場合は、治療をすぐに始めることが大切です。

破傷風の診断は、破傷風菌が傷から確認されると確定します。

しかし、破傷風は破傷風菌の量がわずかでも起き、破傷風菌が確認されない場合も多くあり、診断の条件としては破傷風菌の確認ではありません。

破傷風の治療法

破傷風を治療する際は、傷を開いて洗って、異物や壊死した組織を取り除きます。

抗菌薬を、破傷風菌として残っているものを少なくするために点滴します。

また、破傷風が作った毒素を抗毒素血清である抗破傷風ヒト免疫グロブリンで中和しますが、すでに毒素が神経組織に結合したものに対しては効果がありません。

抗けいれん薬をけいれんに対して投与し、全身管理を血圧や呼吸の管理をメインに行います。

破傷風になっていることが分かった場合は、病院の救急部門または内科か外科をすぐに受診しましょう。

筋肉の全身的なけいれんが現れる場合は、救急車をすぐに呼びましょう。

破傷風の予防

破傷風を予防するためには、予防接種が効果が期待できます。

一般的に、三種混合ワクチン接種が1968年から行われていますが、二種・三種の混合ワクチン接種を幼小児期に受けた人でも、10年以上経てば免疫が下がっていることがあり、接種していない人も含めて追加でワクチンを接種することによって免疫力を保つ必要があります。

予防接種は副作用があるため一時期止めていたこともあるため、1975年前後に生まれた人は予防接種を受けているかどうか医療機関や母子手帳などでチェックしておきましょう。

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記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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