熱性けいれんの特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、熱性けいれんの症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。
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熱性けいれんについて

熱性けいれんの特徴・要因・症状

熱性けいれんの特徴

熱性けいれんというのは、乳幼児期の生まれてから半年~5歳に発症する場合が多くあるとされており、7%~11%くらいの発症率であると言われています。

発熱がある子供が、熱性けいれんを急に始めると慌てるでしょう。

しかし、熱性けいれんは、実際には、正しい知識を持っているとほとんどの場合は対処が落ち着いてできます。

熱性けいれんの要因

熱性けいれんは、感染症やかぜなどで急に体温が上がった際に、けいれんが脳で起きやすくなるので発症します。

体温が上がると熱性けいれんがどうして起きやすくなるかについての要因は、現在でははっきりしていません。

しかし、子供の脳は発達しているため、鋭く高熱に反応すると考えられています。

また、熱性けいれんが起きる体質は、家族などに熱性けいれんが発症した場合は遺伝性があるとも言われています。

しかし、熱性けいれんを家族が発症した場合でも、子供が発症するということでは必ずしもありません。

熱性けいれんの症状

熱性けいれんとしては、「複雑型熱性けいれん」と「単純型熱性けいれん」があります。

ほとんどのケースは、単純型熱性けいれんですが、1割くらいが複雑型熱性けいれんであると言われています。

単純型熱性けいれんの場合は、熱性けいれんの良性のものであるため、ほとんど後遺症が残らなく自然に治ります。

一方、複雑型熱性けいれんの場合は、てんかんが後から発症することがあるため、治療が場合によっては必要になります。

そのため、熱性けいれんの場合は、複雑型熱性けいれんであるかどうかを判断することが大切になります。

複雑型熱性けいれんであるかどうかを判断する場合は、けいれんの状況、回数、時間がポイントになります。

複雑型熱性けいれんの場合は、けいれんは全身で起きるのではなく、けいれんが一部の体あるいは左右非対称で起きる、15分以上発作が続く、けいれん発作が24時間以内あるいは発熱中に数回起きる、のいずれかの症状が現れます。

複雑型熱性けいれんの疑いがあれば、すぐに病院で検査を受けるようにしましょう。

このような症状のいずれにも該当しない場合は、単純型熱性けいれんになります。

先にご紹介したように、ほとんどの熱性けいれんは単純型熱性けいれんです。

単純型熱性けいれんの場合は、対処を正しく行うと大きな後遺症が残るリスクも多くないので、それほど心配する必要はありません。

熱性けいれんの診断と検査

熱性けいれんを診断する際は、けいれんが脳炎、髄膜炎、脳症などに伴うものと区別することが大切になります。

熱性けいれんが起きる前にも、神経学的な異常が見られた場合や意識障害が見られた場合は、脳炎、髄膜炎、脳症などの疑いがあるため、髄液検査、脳波検査、頭部のCT検査、MRI検査などが必要になります。

熱が無いけいれんが現れたり、繰り返して熱性けいれんが現れたりする場合は、脳波検査をてんかんと区分けするために行うのが有効です。

熱性けいれんの治療法

熱性けいれんが現れた場合は、横に寝かせて呼吸がしやすいようにして、気道に吐物が詰まらないようにしましょう。

また、大切なのは、熱性けいれんの状況や時間を落ち着いて確認することです。

多く熱性けいれんの回数がある場合は、抗けいれん薬を再発を防ぐために使う必要があります。

発熱した際だけに熱性けいれんを防ぐためには、発熱が37.5℃になった場合はジアゼパム坐薬を使って、発熱が8時間経っても継続する場合はジアゼパム坐薬を再度使います。

しかし、ジアゼパム坐薬の副作用としては、ふらつきの一過性のものが現れる場合があります。

応急的にジアゼパム坐薬を投与することによって、約3分の1に熱性けいれんが再発する割合が少なくなることが期待されます。

また、抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウムやフェノバルビタールなどを連日続けて飲むことも、場合によっては行われます。

熱性けいれんの予防

熱性けいれんを予防するためのポイントは、熱が上がり始めた時になります。

繰り返して熱性けいれんが起きる場合は、医師に診てもらって熱性けいれんを止める薬をもらっておきましょう。

熱性けいれんの場合は、熱が出始める24時間以内にほとんど現れるため、予防するためには対処を熱が上がり始める時に行うことが大切です。

子供が嫌がらない場合は、氷嚢・アイスノンなどを使って、大きな動脈がある首の周り、脇の下、頭などを冷却すると効果が期待できます。

熱さましについては、発熱して24時間以内であれば6時間~8時間ごとに使用しても問題ありません。

しかし、熱さましを使用しても熱性けいれんを抑制する働きはないため、熱性けいれんが起きることを把握しておきましょう。

熱性けいれんは、正しく把握することが予防するための早道です。

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記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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