セディール(タンドスピロン)の効果が出るまでどのくらいかかる?特徴や副作用についても解説
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セディール|効果が出るまでの期間は?
セディールは多くの場合、1〜2週間継続して服用することで効果を感じ始めます。[1]
脳の中で「セロトニン」と呼ばれる気持ちの安定に関わる物質にゆっくり働きかけ、心のバランスを整えていく薬です。
服用してからおよそ1.4時間で血液中の濃度が最大になり、その後10時間程度で体内からほとんど排出されます。
このため、すぐに効果があらわれるように感じるかもしれませんが、実際には血液中の濃度が高くなっても、不安がすぐに和らぐわけではありません。
これは、脳の受容体が薬に反応して徐々に変化するためで、効果を実感するまでには1〜2週間ほどかかります。
ただし、効果があらわれるまでの期間には個人差があります。
服用を始めたばかりで効果を実感できていなくても焦る必要はありません。医師の指示どおりに服用を続けることが大切です。
セディールは即効性のある薬ではなく、ゆっくりと効いていく薬であることを知っておくと、安心して治療を続けられるでしょう。[2]
セディールの作用の仕方・効果
セディールは、脳内のセロトニンという神経伝達物質に作用することで、不安や緊張などの精神症状を和らげる薬です。[3]
セロトニンは、心の安定や幸福感に関わる重要な物質です。セディールは脳内の「セロトニン受容体」に作用し、神経の過剰な興奮を抑えます。
セディールは病気そのものを治す薬ではありません。
心身症(ストレスが原因で体に症状がでる状態)や神経症(理由のない不安や緊張が強く続く状態)に使われ、ゆるやかに作用していくのが特徴です。
たとえば、ストレスによる動悸や息苦しさ、胃の不快感など、自律神経の乱れによる症状に効果が期待できます。
また、不安や緊張が強くでる神経症にも使われ、恐怖感や抑うつを少しずつ落ち着かせてくれるでしょう。
動悸や息苦しさといった身体的な症状だけでなく、不安や恐怖といった精神的な側面にも働きかけ、心と体の両面から症状を和らげます。
セディールの特徴について
セディールは、他の抗不安薬とは脳への作用の仕方が異なる薬です。
セロトニン受容体に直接作用し、即効性はないものの時間をかけて不安や焦燥感を和らげる効果が期待できます。
セディールはベンゾジアゼピン系抗不安薬と比べて、依存性や耐性が生じにくいです。
そのため、高齢者や長期的な服用が必要な方にも、比較的安心して使用できます。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬との違い
ベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス・レキソタンなど)は、即効性があるのが特徴です。
これらの薬は脳内のGABA受容体に作用し、神経の興奮を鎮めて不安を和らげます。
ただし、長期的な服用により依存性や耐性(薬が効きにくくなること)を生じる可能性もあるのです。[4]
一方、セディールはセロトニン受容体に直接作用するため、ベンゾジアゼピン系抗不安薬とは異なります。
効果があらわれるまでに1〜2週間かかりますが、依存性や耐性が生じにくいです。
依存のリスクを避けたい場合や長期間の治療が必要な場合に選ばれることが多い薬です。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)との違い
セディールとSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)はどちらもセロトニンに関係していますが、脳への働きかけ方が異なります。
セディールはセロトニン受容体を刺激して、不安を和らげます。
一方、SSRIはセロトニンが再び取り込まれるのを防ぐことで、脳内のセロトニン濃度を間接的に高めるのです。
そのため、SSRIは効果があらわれるまでに数週間かかることがあります。[5]
セディールの副作用
セディールは比較的安全性が高い薬とされていますが、体質や服用量によって副作用があらわれることもあります。
多くの場合、副作用は軽度で、時間の経過とともに自然におさまるケースがほとんどです。[1]
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副作用 |
症状 |
注意点 |
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眠気 |
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運転や危険な作業は避ける |
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めまい・ふらつき |
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薬の量が多いほど起こりやすい傾向 |
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消化器症状 |
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血便・激しい腹痛・嘔吐が続くなどの重い症状がでた場合は速やかに医療機関を受診 |
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頭痛 |
一時的な頭痛 |
服用を続けるうちに軽減するケースが多い |
最も多い副作用は眠気で、セディールを服用している方の1.56%にあらわれると報告されています。[6]
服用を続けるうちに体が慣れておさまるケースも多いです。副作用が強く、日常生活に支障をきたす場合は自己判断で服用を中止せず、医師に相談しましょう。
セディールで効果を感じないときの対処法
セディールを服用しても効果を感じられないときは、自己判断で服用を中止せず医師に相談しましょう。
とくに即効性のある薬ではないため、数日間で効果を実感できなくても自然なことです。
ただし、つらい症状が続くと「まだ効かないのでは」と不安に感じることもあるかもしれません。
効果に不安を感じているときこそ、一人で抱え込まず医師と相談することで、自分に合った治療法へとつながります。
服用中に気になる点は、迷わず医師に伝えましょう。
医師に相談するタイミング
セディールを服用していて、以下のような状況がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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2週間以上服用を続けてもまったく効果を感じられない
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副作用が強く日常生活に支障をきたしている
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服用前よりも不安感が強くなった
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症状が悪化している
セディールは効果があらわれるまでに時間がかかる薬です。
上記のようなサインは「薬が合っていない」あるいは「調整が必要」といった目安になります。
早めに相談することで無理なく治療を続けられるでしょう。
用量調整・多剤併用
効果が不十分な場合、用量の調整やほかの抗不安薬・抗うつ薬との併用を検討することがあります 。
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服用量を少しずつ増やす
セディールは最初から多く服用するのではなく、少量から処方されるケースが多いです。
必要に応じて、1日あたり10〜20mgずつ段階的に増量する場合もあります。
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ほかの抗不安薬との併用
より強い不安症状がある場合は、ベンゾジアゼピン系などのほかの薬と組み合わせる場合があります。
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抗うつ薬との併用
不安に加えて抑うつ症状がみられる場合には、SSRIなどの抗うつ薬をあわせて使うケースがあります。
薬の効き方には個人差があり「効かない=自分には合わない」とは限りません。
服用量や薬の組み合わせを調整することで 症状が改善する場合もあります 。不安な気持ちを一人で抱え込まず、医師に相談しましょう。
Q&A
セディールに関するよくある質問をまとめました。
ほかの薬との併用や服用方法で不安に感じやすいポイントについて解説します。安心して服用できるよう、正しい知識を身につけましょう。
Q: セディールは頓服薬として使用できますか?
A: セディールは効果を実感するまでに時間がかかるため、頓服薬としてはあまり適していません。
基本的には、継続して服用することで不安を少しずつ和らげる薬であり、定期的な服用が推奨されています。
頓服薬としては、セディールよりも効果が早いベンゾジアゼピン系が使われるケースもあります。
Q: セディールは他の抗不安薬と併用できますか?
A: 医師の判断によっては、セディールとほかの抗不安薬や抗うつ薬を組み合わせることがあります。
ただし、薬どうしが影響し合って副作用が強くあらわれることもあるため、自己判断で併用するのは危険です。必ず医師に相談しましょう。
Q: セディールは眠くなりますか?
A: セディールは副作用のひとつに「眠気」があります。
眠気が仕事や学業に影響を与えないか不安な場合は、医師に服用時間を相談してみましょう。
たとえば、日中の眠気を避けるために、夕方や就寝前に服用時間を調整することが可能な場合もあります。
また、服用中は車の運転や危険な作業をできるだけ控えてください。
副作用のあらわれ方には個人差があるため、日常生活に支障がでるほどつらい場合は、我慢せず医師に相談しましょう。
Q:セディールは寝る前に服用しますか?
A:セディールは、通常1回1錠を1日3回服用しますが、1日1回就寝前に服用する場合もあります。
必ず医師の指示に従い、用法・用量を守って服用してください。 [1]
まとめ|セディールを効果的に活用するために
セディールは即効性のある薬ではなく、1〜2週間ほど時間をかけて不安や緊張を和らげるのが特徴です。
脳内のセロトニンに働きかけるため、依存性や耐性が少なく、長期的な治療にも適しています。
副作用としては眠気やめまい、消化器症状などがみられることがありますが、多くは軽度で時間の経過とともに落ち着いてきます。
もし強い副作用があらわれたり、2週間以上服用しても効果を実感できない場合は、自己判断で中止せず医師に相談しましょう。
セディールについて正しく理解し 、焦らず服用を続けることが大切です。不安を和らげ、より安心して生活を送るためのサポートとなるでしょう。
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参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

