セディール(タンドスピロン)の強さはどのくらい?ほかの抗不安薬との違いについて解説
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セディールの強さはどのくらい?
個人差が大きく「ベンゾジアゼピン系」の抗不安薬とは作用の仕方が違うため、セディールの強さがどのくらいかは一概にはいえません。
ただしベンゾジアゼピン系の即効性に比べると、セディールは効果がみられるまでに時間がかかり、弱い薬と捉えられがちです。[1]
一方でセディールは依存性を起こす可能性が低く、ベンゾジアゼピン系よりも安全性が高いとされています。[2]
セディールは強い薬とはいえませんが、長期間にわたって服用を続けやすい薬だと認識しておきましょう。
セディールが弱いといわれるのはなぜか
強い即効性があるわけではなく、効果が感じられるのに1〜2週間ほどかかるためです。[1]
さらに4〜6週間飲み続けると、安定した効果が得られるようになります。[2]
なかなか効果がみられないと「飲むのをやめようかな」と思う人もいるかもしれませんが、症状が落ち着くまで服用を続けてみましょう。
また眠気の副作用が少なく、薬を服用している実感が得られにくいこともセディールが弱い薬だと思われる理由のひとつです。[1]
抗不安薬のなかでもセディールは副作用がみられにくい傾向があるため、過度に心配しないようにしましょう。
【抗不安薬の種類】セディールの特徴を理解しよう
依存性といった副作用が出にくく、比較的安全性が高いのがセディールの特徴です。[2]
抗不安薬は大きく分けて2種類に分類され、作用の仕方に以下のような違いがあります。
アザピロン系[2] (セディール) |
気分の安定に関わる「セロトニン」の働きを整えて徐々に不安を和らげる。 |
ベンゾジアゼピン系[3] |
脳内をリラックスさせる「GABA」の働きを助けて速やかに不安を和らげる。 |
ベンゾジアゼピン系はすばやく不安を和らげますが、長期使用や大量投与によって耐性や依存性が起きやすいことが報告されています。[3]
2か月以上続けて服用するような長期使用には向かず、不安が強い場合に頓服で処方されることが多いです。[3]
一方でアザピロン系のセディールは、ゆっくり効果を発揮するため依存性が低く、長期的に抗不安薬の服用が必要な人に適しています。
このように抗不安薬には即効性の有無や服用期間の長さなどの違いがあり、医師が患者ごとに適した薬を選ぶのが基本です。
「薬が効いているのか不安」「副作用が気になる」など処方内容に疑問がある場合は、医師に治療方針を聞いてみると安心でしょう。
セディールとほかの抗不安薬を比較|作用時間・副作用
抗不安薬には「アザピロン系(セディール)」と「ベンゾジアゼピン系」の2種類があり、以下のポイントに違いがあります。
- 作用時間
- 副作用
あらかじめ薬の特徴を知っておくと、効き目がみられる時期の目安がわかったり、副作用が出たときにも早めに気づいたりできます。
安心してセディールを服用するためにも、作用時間と副作用についてほかの抗不安薬と比較しながら確認してみましょう。
作用時間
明確なデータはありませんが、セディールの1回あたりの作用時間は数時間程度だと考えられます。[2]
毎日服用を続けることで徐々に効果を発揮し、効果を実感できるまで1〜2週間ほどかかるのが一般的です。
一方で同じ抗不安薬でもベンゾジアゼピン系は薬ごとに作用時間が幅広く、以下の4つに分類されます。
- 短時間型(3~6時間)
- 中間型(12~20時間)
- 長時間型(20~100時間)
- 超長時間型(100時間~)
一時的に強い不安が起きたり苦手な場所に出かけたりする場合には「短時間型」や「中間型」の抗不安薬が、頓服薬として処方されることがあります。
「長時間型」のように効果が長く続く薬は、1日中不安を感じるといった場合に処方され毎日服用するのが基本です。
どのタイプの抗不安薬を使うかは、不安の強さや持続時間などを総合して医師が判断します。
「効果が持続しない」など薬に疑問を感じたら、医師に相談してみると安心でしょう。
副作用
セディールの副作用はベンゾジアゼピン系の抗不安薬に比べておだやかで、薬がやめられない「依存性」や、ふらつきを起こす「筋弛緩作用」がみられにくいです。[2]
ただし以下のような副作用がみられることがあるため、早期発見のために症状をチェックしておきましょう。
おもな症状 | |
眠気 |
日中に眠気を感じる、集中力が続かない |
めまい・ふらつき |
立ち上がったときクラッとする、まっすぐ歩きにくい |
肝機能障害[4] |
だるさが強い、食欲がない、白目や肌が黄色い、発熱する、吐き気がある、身体がかゆい |
セロトニン症候群[5] |
「不安になる」「イライラする」「そわそわして落ち着かない」といった症状が同時にみられ「興奮する」「震える」「筋肉がこわばる」などの症状もみられる |
悪性症候群[6] |
38度を超える発熱がある(微熱の場合もある)、強い筋肉のこわばり、意識がもうろうとする、発汗したり脈が速くなったりする |
「肝機能障害」「セロトニン症候群」「悪性症候群」はセディールの重大な副作用で、医療機関の受診が必要です。
珍しい副作用ですが服用開始後や服用量の変更後にみられやすい傾向があるため、このタイミングに当てはまる人は体調変化をよく観察しましょう。
また眠気やふらつきが起こる頻度も少ないですが、無理をして我慢すると、転倒し日常生活に支障を及ぼす恐れがあります。
「それほどひどくないから」と一人で悩まず、副作用がみられたときは医師に伝えましょう。
セディールが効かないと感じたときの対処法
効き目を実感できないときは、次の対策をとるのが効果的です。
- 医師に相談する
- 生活習慣を見直す
不安を抱えたまま服用を続けていると、かえって不安が増し体調が悪化することもあります。
薬の効果を十分に感じられず不安になった場合は、対処法を知り、自分にできることから実践してみましょう。
医師に相談する
2週間ほどセディールを服用しても効果を感じず、不安があるようなら医師に相談しましょう。
セディールの効果は服用開始1〜2週間後からみられることが多いためです。[1]
薬があっていない場合はほかの薬に変更したり、別の薬を併用したりするなど治療方針を変える可能性もあります。
相談する際は「効いている実感がない」「持続時間が安定しない」など、効かないと感じた理由を事前にメモして医師に伝えるとよいでしょう。
生活習慣を見直す
不安を感じる頻度を減らせると、セディールの効果がより発揮されやすくなる可能性があります。
心がリラックスできるように、不安を感じたら以下の対策をとり入れてみましょう。[7]
軽い運動をする |
|
腹式呼吸をする |
|
音楽を聴く |
|
セディールだけで治そうとせず、普段から不安があらわれたときの対処法を知っておくことも大切です。
自分がリラックスできそうな方法から試してみましょう。
また無理に生活習慣を変えようとすると、かえって疲れてしまう場合もあります。
毎日やろうとせず、体調が悪いときには休むことも心がけましょう。
Q&A
セディールの強さについて多くの方が感じる疑問にお答えします。要点を押さえて不安を軽減しましょう。
セディールはすぐに効く?効果が出るまでどのくらい?
効果がみられるタイミングが2段階あり、服用後すぐと、1〜2週間かけて徐々に効果を発揮する段階があります。
ある研究によると、セディールの投与30分後から不安を抑える効果がみられたと報告されました。[8]
ただし即効性はベンゾジアゼピン系の抗不安薬ほど強くなく、飲んですぐに効果を感じられないケースも珍しくありません。
臨床試験では4〜6週間の服用で約66%に効果がみられたという結果が報告されているため、即効性を感じられなくても服用を続けることが大切です。[2]
服用の継続に不安を感じたときは、医師に相談するようにしましょう。
セディールが適しているのはどんな人?
軽度から中等度の不安症状がある人に適しています。
セディールは短時間作用型であり、不安症状が強い人には効果が不十分に感じられる可能性があるためです。[2]
またセディールは、依存性やふらつきなどベンゾジアゼピン系でみられやすい副作用を避ける目的でも処方されます。
転倒で骨折しやすい高齢者や長期間の治療が見込まれる人、過去にベンゾジアゼピン系で副作用を経験した人にもセディールが処方されることがあるでしょう。
セディールは頓服薬として服用できる?
セディールは頓服薬で処方される可能性もありますが、頻度は少ないです。
基本的には即効性を感じにくい薬のため、急な不安症状に対してセディールだけでは効果が不十分な可能性があります。
このため頓服には、即効性が期待できる「ベンゾジアゼピン系」の抗不安薬が処方されることが多い傾向があります。
基本的にはセディールは毎日継続して服用することで、徐々に効果を感じられる薬であることを理解しておきましょう。
まとめ|セディールの作用やメリットを理解し適切に活用しよう
ほかの抗不安薬に比べて、セディールは弱い薬だと認識される場合があります。
効果がみられるまでに1〜2週間かかり、副作用が起こりにくいことから薬を飲んでいる実感がわきにくいためです。
ただしセディールには依存性が少なく、長期服用しても安全性が高いというメリットもあります。
「本当に効くのかな?」と服用するのが不安になったときは迷わず医師に相談してみましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。※診断書の内容は医師の判断によります。
参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
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