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パニック障害を抱える方が安心できるもの
パニック障害の方にとって、五感を刺激するものや呼吸法、周囲の支えは安心感につながる可能性があります。
「また発作が起きるのではないか」と日常的に不安を抱えてしまうのがパニック障害の特徴です。[1]不安定な気持ちのなかで安心できるものがあると、大きな心の支えとなります。
以下に安心できるものの一例をご紹介します。[1]
どのような効果があるのか、理由やポイントにも注目してみてください。
安心できるもの |
理由・ポイント |
家族や友人からの言葉やサポート |
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お気に入りの音楽 |
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好きな香り(アロマ) |
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水筒や冷たい飲み物 |
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処方薬の携帯 |
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深呼吸 |
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ツボ押し |
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表で紹介したような「いつでも実行できるもの」「いつでも持ち歩けるもの」は、発作が起こりそうなときにもお守りのような存在となるかもしれません。
心のよりどころをひとつでも持っておくと、不安の波が来ても落ち着くきっかけになるでしょう。自分に合いそうだと思ったものから、少しずつ試してみてください。
パニック障害の方が安心した言葉
共感や寄り添いを感じられる言葉、否定しない言葉は、安心感につながったという声が多く寄せられています。
パニック障害の方は「苦しさを誰にも理解されないのでは」と不安や孤独を感じてしまったり、「自分は迷惑な存在だ」という自己否定感をもってしまったりすることがあるのも特徴のひとつです。
マイナスの感情がうずまくなかで、つらさをそのまま受け入れてくれる言葉は安心感をもたらします。
実際にパニック障害の方が安心した言葉の一例をご紹介します。
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「大丈夫だよ」「心配いらないよ」
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「少し休む?」
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「怖いよね」「つらいよね」
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「焦らなくてもいいよ」
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「今はこれでいいんだよ」
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「ひとりで抱えこまないでね」
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「いつでもそばにいるよ」
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「つらくなったらいつでも言って」
背中をさすりながら優しいトーンで「大丈夫、大丈夫」と声をかけてもらえると「ひとりではない」と感じられ、しだいに不安がやわらいでいくでしょう。
ただし、全ての人に同じ言葉や接し方が合うとは限りません。なかには声をかけずにいてほしいと思う人もいます。相手の気持ちを尊重しながらそっと見守りましょう。
パニック障害を落ち着かせるための飴でおすすめの種類は?
おすすめの飴にはハーブ系の飴が挙げられますが、自分の好きな味であればなんでもかまいません。
飴をなめる行為自体に、過呼吸や動悸といった症状から注意をそらす効果が期待できるからです。
飴の味や食感、なめる動作に意識が向くことで、体のつらい感覚や不安感へ集中しすぎず、しだいに心が落ち着いてきます。
迷った場合はリラックス効果が期待できるカモミールやミント味のハーブ飴を試してみてください。
カフェインには不安を強める作用があるため、ノンカフェインの飴を選びましょう。 [4]
飴は持ち運びしやすく、外出先でもすぐに口にできるアイテムです。「これがあれば大丈夫」と思える心の支えにもなるかもしれません。自分のお気に入りの飴を選んで、お守りとして持ち歩くのもおすすめです。
パニック障害の症状が落ち着く方法
自分なりの「気をそらす方法」を身につけると、パニック障害の症状をやわらげるのに役立ちます。
発作は5〜15分ほどで落ち着くものの、パニック発作中は意識が不安と恐怖に集中してしまいがちです。[5]意識をそらせる方法があると、早い段階で落ち着きを取り戻せるようになります。
心落ち着く方法は一人ひとり異なるため、自分に合う方法を見つけましょう。
症状をやわらげる対処法 |
詳細 | |
リラックスした状態で呼吸を整える |
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意識を別のものに向ける |
見えるもの |
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聞こえる音 |
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香り |
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ふれる |
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味わう |
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前向きなフレーズを携帯する |
例:「めまいがしても立っていられる」「動悸がしても歩き続けていられる」など | |
意識を別の行為に向ける |
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「気をそらす」方法は、パニック発作から一時的に意識を離し、落ち着きを取り戻す助けになります。発作時にすぐ対処できるためには、自分の見つけた方法で気をそらす練習を重ねることが大切です。1日1回は実践しましょう。
また日頃から、パニック発作を起こさないための生活を意識することも重要です。生活リズムを整えることで、心と体のバランスも整い発作が起こりにくくなります。
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質のよい睡眠と十分な休息をとる
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カフェインやアルコールは控える
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朝晩一定の時刻に寝起きする
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3食バランスのよい食事をとる
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適度に運動する
疲れや睡眠不足、カフェインや飲酒はパニック発作を誘発させる要因となるため、とくに注意してください。
生活習慣をおろそかにしたまま安心できる行動ばかりに頼ると、依存心からかえって不安を長引かせることもあります。 [1]
対処法を上手に取り入れながら、規則正しい生活は回復の土台として、少しずつ整えていきましょう。
家族や友人のパニック発作を落ち着かせる方法
発作が起こったときには、慌てずそばに寄り添いましょう。
強い不安と恐怖のなかで、身近な人のあたたかい言葉は心強い支えとなります。症状を受け止めてくれる姿勢によって孤独な気持ちもやわらいでいくかもしれません。
以下の声かけや行動を心がけてみてください。
パニック発作時の接し方 |
ポイント |
落ち着いたトーン・声で話しかける |
例:「つらいね」「大丈夫だよ」 「ここにいるから安心してね」
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そばで寄り添う |
(本人が望む場合) |
背中をさすりながら「大丈夫だよ」と伝えると、気持ちが少しずつ落ち着いてきます。[7]
「お水飲む?」など普段どおりに接してくれることを嬉しく感じる人もいます。焦ったり心配したりしすぎないようにしましょう。
また体にふれずそっとしてほしいと思う人もいるため、本人の希望に合わせてサポートすることが大切です。
「そろそろよくなった?」「がんばれ」など、せかすような言葉やプレッシャーを与える表現は控えてください。
発作を防ぐためには、医師の指示のもと治療を続けることが欠かせません。調子がよいからといって自己判断で薬を減らすと、症状が悪化するおそれがあります。
身近な人は、本人が受診をきちんと続けているか、薬を正しく服用しているかを、日頃から気にかけてみてください。
パニック障害を抱える恋人やパートナーへの接し方
相手に寄り添う姿勢を大切にしながらも、自分にとって無理のない範囲で支えましょう。
自分の経験がない病気に対し「どう接していいかわからない」と悩むのは自然なことであり、恋人を大切に思うからこそ生まれる感情です。
全て理解するのは難しくても「理解しようとする姿勢」が何よりの支えになります。
パニック障害の本人は「迷惑をかけている」と思い、自分の気持ちを打ち明けられないこともあります。まずは病気の特徴について知り、安心できる環境づくりからはじめましょう。[7][11]
そのうえで、以下のような接し方・支え方を取り入れてみてください。 [1][9][10][11]
サポート |
具体例・ポイント |
不安が起こる状況やきっかけを知る |
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発作時に必要なサポートを事前に確認する |
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相手の話を聞く |
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相手の気持ちに寄り添う |
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外出に付き添う |
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小さな成功経験を一緒に積む |
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一度パニック障害を経験すると、逃げにくい場所や、助けを求めにくい環境を避ける傾向があります。[1]電車や人混みを避けるようになり、外出そのものが不安になっていくなかで、そばで付き添ってくれる存在は大きな支えになります。
映画や旅行などアクティブな行動が難しい時期もありますが、ゆとりあるスケジュールでふたりにとって心地よい過ごし方を見つけてください。
ただし、ひとりで息抜きする時間もつくりましょう。[7]感情の波によってイライラをぶつけられることもあるかもしれません。[12]「それでも力にならなければ」と気負いすぎると、自分自身が疲れてしまいます。
恋人やパートナーを支えるためにも、自分の心のケアも大切にしましょう。ときには適度な距離をおきながら見守ってください。
パニック障害の友達といると疲れてしまうと感じるのはよくないこと?
支える側が疲れたり、負担を感じたりするのはごく自然な感情です。決して罪悪感を抱かないでください。
苦しさに共感し「寄り添い、助けたい」と思う気持ちをもつあまり、いつの間にか自分の心がつらくなることがあります。優しさと思いやりがあるからこそ生じる「共感疲労」かもしれません。[14]
自分の心の健康も大切にするために、以下を心がけてみてください。[7][15]
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付き添いは、ほかの友人の協力も得る
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リラックスできる自分だけの時間をつくる
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周りの人に気持ちを話す
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心配しすぎず適度に距離をとる
友人を思いやる気持ちは大切ですが、全ての役割をひとりでこなそうとせず、周囲と協力しながらできる範囲で支えましょう。[7]
よくある質問
パニック障害を経験すると「この先どうなるのだろうか」「よくなる方法がないか」と、とても不安ですよね。
周りの人も「どのように支えたらよいのだろう」と悩む場面も多いでしょう。
ここではパニック障害に関する、よくある質問にお答えします。
パニック障害の人が安心する言葉は?
つらさや不安な気持ちに共感し、寄り添うような言葉です。
パニック障害の方は発作そのものへの恐怖心や、発作によって周りに迷惑をかけてしまうという不安感も抱いています。[1]否定せず、ありのままを受け止めてもらえる言葉は心の支えとなります。
たとえば、以下のような声かけが安心感につながります。
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「怖いよね」「つらいよね」
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「大丈夫だよ」「そばにいるからね」
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「焦らなくてもいいよ」
背中をさすりながらゆっくりと声をかけると、本人は「理解者がいる」と感じ、安心感が生まれます。
ただし全ての人に同じ対応が効果的とは限りません。なかには声をかけずそっとしておいてほしい人もいるため、相手の反応を見ながら心地よい距離感で支えましょう。
パニック障害の方のリラックス方法は?
リラックスするためには、深呼吸や五感を刺激する工夫、ツボ押しなどが効果的です。
自分に合うリラックス法を持っておくと、自律神経が整い、気持ちが落ち着きやすくなります。これらの方法は、発作時につらい症状から注意をそらすためにも役立ちます。
以下は、日常的にも発作時にも役立つリラックス法の一例です。
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ゆっくりとした深呼吸を繰り返す
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アロマなどお気に入りの香りをかぐ
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飲み物や飴で味覚・触覚を刺激する
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好きな音楽を聞く
意識の向け方を柔軟に切り替えられれば、少しずつ不安な気持ちに囚われにくくなっていきます。安心感が生まれることで、発作の頻度が少しずつ減ってくることもあります。
自分に合う方法を見つけ、日頃から取り入れてみてください。
パニック障害はよくなっていくものですか?
適切な治療を受ければ少しずつよくなっていくことが多いです。
パニック障害の治療は「認知行動療法」と「薬物療法」の2つを組み合わせ、少しずつ改善を目指します。[6]
認知行動療法は不安を感じたときの「考え方や行動のくせ」に気づき、少しずつ変えていく方法です。
不安を避けるだけでなく、不安を乗り越える経験を積み重ねることがパニック障害の克服につながります。 [1][16]認知行動療法はこうした成功経験を増やし、不安や恐怖への耐性を高めるために取り入れられます。
薬物療法ではおもに「毎日服用する薬」と「発作時に服用する薬」があります。[16]
毎日継続する薬は心の安定を保つために重要です。即効性はなく徐々に効果があらわれるため、焦らず続けることが大切です。
頓服薬は発作が起きたときに速やかに落ち着かせる効果が期待できます。いつかは自然に手放すことを目標としながらも、つらいときには我慢せず頼りましょう。
薬による治療を続けながら、認知行動療法によって不安へ対処できる自信がつくと、発作の頻度も落ち着いていきます。焦らず自分のペースで治療していきましょう。
パニック障害のトリガーとなるものは何ですか?
パニック障害は、はっきりとした要因がなく突然起こることが特徴です。[16]
はじめの発作は脳内の働きの異常や遺伝的要因、生活環境の変化、トラウマなどが複雑に関係していると考えられています。[16][17]
パニック発作を起こすと「再び発作が起こるかもしれない」という不安が生じます。この「予期不安」が新たな発作の引き金となり得るのです。
予期不安を抱えると特定の場所や状況への恐怖が強まり、さらに発作が起こりやすくなります。
悪循環を断つためには、どのような場面で予期不安を感じやすいのかを知り、発作が起こったときの対処法も持つことが大切です。自分にとって安心できるものを見つけておくことは、日常的な不安の軽減にもつながります。
まとめ:パニック障害の方が安心できるものを準備しておこう
「また発作が起きたらどうしよう」と不安を感じるなかで、自分にとって安心できるものがあると、大きな心の支えになります。
安心できるものは人によって異なるため、自分に合う方法を見つけていきましょう。
好きな音楽やアロマ、ゆっくりとした深呼吸などを取り入れると、心のバランスが整い不安感がやわらぎます。頓服薬やお気に入りの飴を携帯するだけで安心感につながることもあります。
家族や恋人、パートナーの受け入れてくれる言葉も心の安定につながります。
「大丈夫だよ」「つらいね」といった寄り添い共感する言葉は、つらさや孤独な気持ちがやわらぐでしょう。
身近な人は、本人の希望を尊重しながらも、自分自身の心も大切にし、無理のない範囲でサポートしてください。
安心できるものや身近な人に支えられながら、自分のペースで少しずつ不安な気持ちに向き合っていきましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。
参考文献
[4]パニック障害患者における不安とパニック発作に対するカフェインの効果:系統的レビューとメタ分析【JST・京大機械翻訳】J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
[11]Panic Disorder:When Fear OverwhelmsーNational Institute of Mental Health(NIMH)
[16]Panic Disorder:When Fear Overwhelmsー National Institute of Mental Health
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。