レクサプロ(エスシタロプラム)で太る?考えられる原因と体重コントロールの3つの対策

公開日: 2025/10/19 更新日: 2025/10/19
レクサプロ(エスシタロプラム)の副作用を調べているうちに、「太る」という情報を目にして心配している方もいらっしゃるでしょう。 体重の変化は見た目にあらわれやすいため、不安になりますよね。 レクサプロの服用による体重増加の報告はありますが、必ずしも全員に起こるわけではないため、過度に心配する必要はありません。 この記事では、レクサプロで太るといわれる理由や体重コントロールの工夫、副作用への向き合い方について解説します。 体重変化の兆候がみられたときも焦らず対処するために、あらかじめ対策を知っておきましょう。
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レクサプロの副作用で体重が増える可能性はある

レクサプロの服用で体重増加を認めたという報告があることから、体重が増える可能性はあります。[1]

ただし、その頻度は1%未満とされており、頻繁にみられる副作用とはいえません。[1]

副作用の出方には個人差があるため、過度に心配せず「可能性がある」ことを知っておき、あらかじめ対策を考えておくとよいでしょう。

レクサプロでなぜ太る?考えられるおもな原因は「食欲の変化」

レクサプロの効果が直接食欲に影響するといったメカニズムは明らかになっていません。

しかし、気分の落ち込みや不安感がやわらぐことで、食欲が改善し体重が増加する可能性があると考えられます。

レクサプロは、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」の濃度を高めることで、気分の落ち込みや不安感をやわらげる効果が期待できます。[1]

このセロトニンが食欲に影響するといわれていますが、それは「摂食抑制効果」という食欲をおさえる作用です。[2]

そのためレクサプロの服用によって必ず食欲が増えるとは言い切れず、気分が改善して食欲が戻るといった間接的な理由で食事量が変化し、体重に影響すると考えられます。

「レクサプロで太る」悩みのための具体的な3つの対策

レクサプロ服用中の体重に関する不安をやわらげるために、日常生活のなかで無理なく取り組める方法を試してみましょう。

<レクサプロ服用にともなう体重増加への対策>

  • 主治医に相談する

  • 自分でできる体重コントロール術を試す

  • 体重増加を過度に恐れすぎない

「薬で太るのでは」という不安は、心の回復途中にある方にとってストレスが大きくなりがちです。

体重の変化にはさまざまな理由があるため、必要以上に一人で抱え込まないようにしましょう。

対策1:主治医に相談する

「体重が増えてきた」「増えるのではないか」と不安を感じたら、自己判断で薬の中断や調整をせず、まずは主治医に相談しましょう。

相談する際は以下の変化を伝えるように意識すると、医師も状況が把握しやすくスムーズな診察につながります。

  • 体重の変化:いつから、どのくらい体重が増えたのか

  • 生活状況の変化:食事量、間食、運動量は変わったか

  • 気持ちの変化:体重が増えた・増えることをどう感じるか

医師は心と身体の状態をふまえて、薬の継続や変更、追加について総合的に判断してもらえます。

遠慮せず、正直に不安な思いを伝えることが対策への第一歩です。

対策2:自分でできる体重コントロール術を試す

医師と相談しながら自分でもできることを少しずつ取り入れると、心身のバランスが保ちやすくなります。

大切なのは「完璧を目指しすぎない」ことです。

生活に無理なく取り入れられる小さな習慣が、体重の安定にもつながるでしょう。

【食事編】太りにくい食べ方のコツ

食欲が増しているときは、食べるものや食べ方を工夫してみましょう。

  • よく噛んでゆっくり食べる: 満腹感を得やすい

  • 野菜やきのこ、海藻類から先に食べる: 血糖値の急上昇をおさえる

  • たんぱく質を意識してとる: 豆腐、納豆、鶏むね肉、魚などは満足感につながる

間食をする場合は、少量でも満足感のある素焼きのナッツ、無糖のヨーグルト、高カカオチョコレートなどを選ぶのがおすすめです。

【運動編】無理なく続けられるエクササイズ

体重コントロールに必ずしも激しい運動は必要ありません。

まずは気分転換も兼ねて、心地よいと感じる程度の運動を日々の習慣に取り入れてみましょう。

  • ウォーキングを1日20分程度

  • 動画を見ながらストレッチやヨガを朝夕5分ずつ

  • テレビを見ながら足踏み

  • 歯磨き中にスクワット10回

  • 洗濯物を干す前に腕回し30秒

日常生活の「ついで」に室内でおこなえるものから始めるのが、長続きするコツです。

対策3:体重増加を過度に恐れすぎない

レクサプロによる体重増加は1%未満と、起こりうる副作用のなかでも出現率は低いといえます。

治療によって心と身体が元気を取り戻す過程で食欲が回復し、本来の健康的な体重に戻るというケースも少なくありません。

体重の数字だけに一喜一憂せず、治療全体の経過に目を向けることも大切です。

自己判断で服用を中断するリスク

「太るのが嫌だから」といって自己判断で急に服用を中止すると、不安感や焦り、めまい、頭痛といった離脱症状があらわれる可能性があります。[1]

治療中の病気が再発・悪化するリスクも高まり、かえって治療が長引いてしまうリスクもあります。

副作用が強く中断や減量を希望する場合は、必ず医師の指示のもとでおこないましょう。

レクサプロをやめたら痩せる?

食欲や体重の変化には個人差があり「必ず痩せる」「必ず太る」とは言い切れません。

レクサプロを中止すると脳内のセロトニンのバランスが変わるため、一時的に食欲が増える方もいれば、落ち着く方もいます。

体重の変化が出る可能性はありますが、レクサプロを服用している全員が経験するものではないことを覚えておきましょう。

レクサプロのデメリットや注意点は?

レクサプロの注意すべき点は、以下のとおりです。[1]

  • 吐き気や下痢などの胃腸障害が比較的多い

  • 心電図異常(QT延長症候群・心室頻拍)の注意喚起がある

  • 母乳中へ移行することが報告されている

  • 高齢者では血中濃度が高くなりやすい傾向がある

服用中の体調変化に過度に敏感になる必要はありませんが、気になる症状があれば早めに主治医に相談しましょう。

レクサプロの太る以外の副作用は?

頻度は多くありませんが、けいれんや抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、セロトニン症候群がレクサプロの重大な副作用として報告されています。

そのほかのレクサプロ服用中の副作用としてあらわれやすいのは、下痢や吐き気といった胃腸障害が中心です。[1]

副作用の種類

出現率

  • だるさ

  • 眠気

  • めまい

  • 頭痛

  • 吐き気

  • 口の渇き

5%以上

  • 不眠

  • イライラ

  • 下痢、嘔吐

  • 排尿困難

  • 射精障害 など

1~5%未満

このような症状が起こるのは、レクサプロによるセロトニン刺激作用が原因と考えられています。

ただし体調変化の原因が薬の影響とは断定できず、ほかの病気の兆候である可能性も否定できません。

「薬のせいかもしれない」と自分で判断せず、必ず主治医に伝えて薬を調整してもらいましょう。

副作用への対策・対処法

吐き気が強い、めまいがするといった状況は、日常生活に影響を及ぼしかねません。

症状が強く通常の生活そのものが成り立たないと感じたら、医師に相談して量の調整や薬の変更を検討してもらいましょう。

胃薬・吐き気止めの処方などを受けられる可能性もあります。

まだ副作用が出ていない場合も「副作用が怖くて飲むのをためらう」と医師に相談し、対処法やアドバイスを求めると安心して治療にのぞめます。

自己判断による増減は離脱症状を防ぐためにも絶対に避け、必ず医師の指示に従って対処してください。

まとめ:不安は一人で抱えず、医師や薬剤師に相談しましょう

レクサプロの服用中に体重が増加する可能性はありますが、全ての方に体重変化が起きるわけではありません。

あらかじめ原因や対策を知っておくことで、必要以上に不安を感じなくて済むでしょう。

「気になることは積極的に相談する」姿勢が、不安の少ない治療を続けるためにも大切です。

不安なときは一人で抱え込まず、医師や薬剤師に気軽に相談しましょう。

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参考文献

[1]医薬品インタビューフォーム|日本病院薬剤師会

[2]セロトニンシグナルと食欲調節機構|野々垣勝則

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

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