食物アレルギーについて
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
食物アレルギー
「発症したかも」と思ったらすぐに受診を!
「食物アレルギーを発症したかも」と思ったら、症状の重さに関係なく速やかに医療機関を受診しましょう。症状によっては救急車を呼ぶ必要があります。 特に、初めて口にした食品がある、初めての症状があらわれた場合は注意が必要です。
大人になってから発症することも
食物アレルギーはこどもだけが発症する病気ではありません。
大人になってから急に発症する場合もあります。今まで食べられていた食品でも、思いがけずアレルギーを起こすため、発症に気が付かないこともあります。
治癒(アレルギーが治ること)を目指す新しい治療法も
食物アレルギーの治療は、長らく原因物質の徹底した除去が基本でしたが、近年では、『治癒(アレルギーが治ること)を目指す新しい治療法』、例えば『経口免疫療法(減感作療法)』も研究・実施されています。
再発予防のために原因を特定しよう
アレルギー症状が出た後、すぐに症状が落ち着く場合もありますが、初めて症状が出た場合はその日のうちに対面で診察を受けましょう。
アレルギーの原因を特定することが、再発予防に非常に重要です。
判断に迷うなら♯8000へ相談したり、緊急性判断のためにオンライン診療の利用を検討するとよいでしょう。
アナフィラキシーについて
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質などの侵入により皮膚や呼吸器、消化器、循環器などに複数のアレルギー症状があらわれることです。
発症すると急速に進行し、アナフィラキシーショックという全身のショック状態になってしまうこともあります。
あっという間に症状が進行するため、大丈夫そうだと自己判断は避けましょう。
命に関わるアナフィラキシーショック
血圧低下や意識障害を伴う場合はアナフィラキシーショックといい、ただちに医療機関での処置が必要となる命に関わる状態です。アナフィラキシーショックは食後すぐに起きるとは限りません。
アレルギーの原因物質にふれてから6時間程度で発生する遅発型のものや、一時的に症状が軽快してから再び症状があらわれてショック状態になる場合もあります。
軽い症状でも悪化する可能性があるため、数時間は注意が必要です。
こどもに症状が出ている場合は絶対に目を離さないでください。
原因と発症時間
アレルギーが起きるしくみ
体がアレルギーの原因物質に対し過剰に反応することで起こります。
本来なら害がないはずの食品を「害がある」と判断し免疫が過剰に反応してしまうのです。
例:ピーナッツアレルギー
ピーナッツを食べた時、体が害のあるものと判断、免疫細胞がピーナッツに対する抗体を作る。そのためピーナッツを食べるたびにアレルギー反応を起こすようになる。
アレルギーの発症時間
即時型
原因となる食べ物を摂取してから30分〜2時間以内に症状があらわれる
遅発型
数時間~数週間後に、一見するとアレルギーと関係ないような症状があらわれます。
症状はさまざまで、下痢や腹痛、頭痛、めまい、だるさなどがあらわれることも。
発症していることに気づかない、原因となる食物の特定が難しいなど、即時型のアレルギーとは異なる点が多いです。
対処方法と注意点
自己流の治療は厳禁
食物アレルギーはただの好き嫌いではありません。本人の意思ではどうしようもできないものであり、症状によっては命の危険に及ぶ場合もあります。
そのため自己流で治療を試みることは絶対にやめましょう。
「アレルギーが軽いから大丈夫」と自己判断したり、医師に相談せずに市販薬や民間療法を試したりすることは避けてください。
食物アレルギーの検査は、月齢や年齢に関わらず受けられます。
血液検査・皮膚プリックテスト・食物経口負荷試験など、種類はさまざまです。
保険適用で受けられ、未就学児は公費による補助が受けられます。
遅発型アレルギーやぶり返しに注意。「あれ?」と思ったら
アレルギーの症状はすぐに出るとは限らず、時間が経ってから生じる「遅発型」の場合もあります。
また、一度症状が落ち着いたように見えても、後から再度症状があらわれて、アナフィラキシーやショック状態になることもあります。
原因に心当たりがなくても、症状がある場合は食物アレルギーの可能性を考えましょう。
少しでも「あれ?」「おかしいな?」と感じたら迷わず医師の診察を受けましょう。
赤ちゃん・こどもに初めて食べさせる時の注意点
離乳食を始めたばかりの赤ちゃんや小さなこどもは、初めて口にする食べ物も多いでしょう。
「食べたことがないのでアレルギー症状が出るかどうか分からない」というときは、初めて食べる食品には注意をはらい、必ず少量から食べ始め、様子を見るとよいです。
・平日の午前中、病院が空いている時間帯に少量から与えましょう
・食後1時間は症状が出ていないか様子を見ましょう
また、アナフィラキシーや食物アレルギーが疑われる症状や、救急車が必要な症状を確認しておきましょう。
アレルギーには遺伝性があります。親が食物アレルギーを持っている場合は注意しましょう。
こどもに特に多いアレルギーは、ナッツ類・牛乳・卵・小麦です。
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 全身に蕁麻疹があらわれている
- 顔全体の腫れ
- 我慢できないほどの強いかゆみ
- 我慢できるが強い腹痛
- 咳が続く
- 胸がドキドキする
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 部分的な蕁麻疹
- 我慢できる軽いかゆみ
- のどや口の中の痛みが強く水分や食事がとりづらい
- 弱い腹痛
- 2〜3回の嘔吐・下痢
- 初めてアレルギー症状が出た
食物アレルギーの症状は
オンライン診療で相談可能です
おやつを食べてから蕁麻疹が出たような…
これってアレルギー!?
不安なとき
オンラインですぐに
医師に相談できます
食物アレルギーの
オンライン診療に対応
24時間365日、全国エリアで対応
移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


