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トキソプラズマ症について
トキソプラズマ症の特徴・要因・症状
トキソプラズマ症の特徴
トキソプラズマ症の原因菌であるトキソプラズマは、長さが5μm~7μm、幅が3μmで、三日月~半円形の形をしています。
寄生性単細胞生物で終宿主がネコ科動物のもので、感染している段階や宿主の動物の種類、免疫状態などによって、3つのタキゾイト、シスト、オーシストというスタイルをとります。
人などの哺乳類の多くや鳥類が感染します。
地域・国・年齢・衛生状況・食生活などによって、人が感染する割合は違ってきます。
フランスの場合は、感染している人が約85%と言われています。
というのは、フランスにおいては十分に加熱していない肉や生の肉を摂る傾向が大きいのが影響していると考えられます。
一方、日本においても、1割程度の成人が感染しているようなデータもあります。
トキソプラズマ症に感染する人は多くいますが、ごくわずかの人にしか症状は現れません。
というのは、感染している場合でも、免疫機能によってトキソプラズマ症が起きないようになっているからです。
なお、一旦トキソプラズマ症に感染すれば、免疫機能が一生続くため再度感染することはありません。
トキソプラズマ症の症状
トキソプラズマ症に感染した場合でも、正常な免疫機能であれば、ほとんど症状は現れません。
症状が現れても、微熱、リンパ節の腫れ、何となく体調が悪いなど、インフルエンザの軽いような症状で、自然にそのうちに治ります。
しかし、免疫機能が下がっている人や小さい子供の場合は、症状が重くなる場合があります。
トキソプラズマ症の症状としては、感染する箇所によって違っており、例えば、脳の場合は、言語障害、半身の脱力感、頭痛、けいれん、錯乱、昏睡などが現れます。
これ以外に、炎症が肝臓で起きたり、肺炎が発症したり、心筋炎が起きたりすることもあります。
このようになれば、正常に臓器は働かなくなって、命が危なくなる場合もあります。
トキソプラズマ症の診断と検査
トキソプラズマ症は、一般的に、寄生虫についての抗体を調べる血液検査のデータをベースにして診断されます。
抗体というのは、タンパク質として体を寄生虫などのアタックから保護するために免疫機能が作るものです。
新しく起きた感染症を診断する際に、血液検査は使われます。
血液検査は、免疫機能が下がっているがトキソプラズマ症の症状が現れない場合に実施される場合があります。
この血液検査は、さらに免疫機能が弱くなった際に、再度活発にする可能性がある感染の以前の証拠があるか調べるために行います。
しかし、免疫機能の障害の要因がエイズであれば、血液検査において実際に感染が検出されない場合があります。
トキソプラズマ症の治療法
トキソプラズマ症に万一感染した場合でも、治療はほとんどの場合必要ありません。
しかし、トキソプラズマ症の症状が成人で現れたり、乳児で現れたりした場合は、ピリメタミンやスルファジアジン、ロイコボリンというような薬剤を使って治療します。
トキソプラズマ症に妊娠している人が感染すれば、胎児に対する感染を防止するために抗生物質のアセチルスピラマイシンというものが使われます。
アセチルスピラマイシンの性質は、濃度が胎盤で大きくなるので、胎児が感染しないようにトキソプラズマと胎盤で戦います。
感染を完全に止めることは困難ですが、影響が軽くなると言われています。
トキソプラズマ症は、一般的に、胎児に妊娠の初期では感染しにくく、後期になるほど感染しやすいと言われています。
そのため、最も大切なのは早く見つけることです。
感染を早く見つけて、治療を的確に行うと、胎児に対する影響が軽くなります。
トキソプラズマ症の予防
トキソプラズマ症を予防するために、調理したり、食事したりする際に注意することについてご紹介しましょう。
まず、十分に加熱したものだけを摂るということが、最も大切です。
生肉や十分に加熱されていない肉の場合は、トキソプラズマの生きたものが付いていたり、含まれていたりする恐れがあります。
ステーキについてもミディアムやレアであれば、トキソプラズマが死んでいない恐れがあるので、赤みが中心部まで無くなるように火を十分に通しましょう。
生ハムの場合は加工しているため問題ないと考えるでしょうが、加熱していないので駄目です。
トキソプラズマというのは、乾燥や低温に対しても強いものです。
感染を防ぐためには、-12℃に中心部がなるまで数日間冷凍庫で保存する、67℃に中心部がなるまで加熱することが必要です。
また、調理器具のまな板や包丁などを洗うことも大切です。
まな板や包丁などは、野菜用と生肉用を分けて、使用した後は十分に洗っておきましょう。
土が付いている野菜などは十分に洗ってから使いましょう。
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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。