インフルエンザの症状のピークは何日目?発生時期についても解説

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/09/29
2023年10月現在、休学や学年・学級閉鎖に追い込まれる施設がすでに存在するほどインフルエンザが猛威を振るい始めています。 インフルエンザは感染力が強く、数日で発症し、家族感染が起きやすい感染症です。 インフルエンザにかかると、高熱や全身倦怠感などでつらい思いをしなければなりません。 そんなインフルエンザの症状はいつ頃ピークを迎えるのでしょうか。 予防法もあわせて解説していますので、インフルエンザにかからないために今から対策をしていきましょう。 また、今年は時期外れのインフルエンザの流行が起きています。 今後どのような推移をたどりピークを迎えるのか、例年の流行状況とともに解説していきます。
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目次

インフルエンザかも?インフルエンザの初期症状をチェック!

インフルエンザにかかった場合、どんな症状が現れるのかチェックしてみましょう。

以下が初期に現れる代表的な症状です。[1]

  • 38度以上の高熱

  • 強い倦怠感、悪寒

  • 関節痛、筋肉痛

  • 激しい頭痛

予防接種を受けている場合は症状が軽く出る場合もあり、風邪と勘違いする方もいます。

通常の風邪は症状が「緩やか」で、のどの痛みや鼻汁などの呼吸器症状が「同時に」出現します。

インフルエンザではこれらの症状が「急激に」現れますので、こうした場合は迷わず医療機関を受診しましょう。

インフルエンザにかかったら何日目が一番つらいのか

インフルエンザの症状は大きくわけて2つあり、「全身症状」と「呼吸器症状」があります。

発症1〜3日目で38℃を超える発熱や全身倦怠感などの全身症状が出現し、数日後に咳や鼻汁などの呼吸器症状が続いて出現します[2]

症状の強さやどの症状がつらいかは人それぞれですが、症状が軽快し始める5日目頃まではつらい思いをするでしょう。

インフルエンザの症状:全身症状(高熱、全身倦怠感、関節痛など)のピーク

発症1〜3日目に「急激に」そして「強く」症状が現れ始めるのがインフルエンザの特徴です。

発症初期は全身症状として38℃以上の高熱、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などが最も強く現れます。この中でも特に高熱でつらい思いをする方が多いです。

高熱は3日ほど続くのが一般的ですので、発症後3日は全身症状のピークだと思ってください。

医療機関を受診するとタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬が処方される場合があり、この効果で発熱期間が1〜2日ほど短くなることもあります。

ただし、抗インフルエンザ薬はウイルスが増殖するまでの発症後48時間以内に使用しなければ、効果は乏しいと言われていますので注意が必要です。[3]

インフルエンザの症状:呼吸器症状(咳、のどの痛み、鼻汁など)のピーク

全身症状にやや遅れて現れるのが咳や咽頭痛(のどの痛み)などの呼吸器症状です。

ほとんどの場合、発熱してから2〜3日後に症状が出始めます。

症状の強さは個人差が大きく一概にこの症状がつらいとは言いづらいです。そのため呼吸器症状のピークがいつなのかは明言できません。

しかし炎症がひどくなると気道が狭くなり、呼吸困難を引き起こす可能性があります。

また、インフルエンザの場合は咳が1〜2週間ほど続くことも少なくありません。

あまりにも症状が治まらない場合は合併症を起こしている可能性もあるので、医療機関の再受診をおすすめします。

インフルエンザの症状が落ち着くのは発症1週間~10日後

つらいインフルエンザの症状が軽快するのは発症1週間〜10日後です。

それ以上経過しても症状が治まらない場合は、合併症や他の疾患にかかっている可能性も否定できませんので、早めに受診をするようにしましょう。

インフルエンザの合併症

インフルエンザが長引くと合併症を起こすことがあります。

以下が主な合併症です。小さなお子さんや高齢者の方などは重症化しやすいため注意が必要です。

  • 急性気管支炎

  • 肺炎

  • 中耳炎

また、5歳未満のお子さんは以下のような行動が見られた場合、インフルエンザ脳症の可能性があります。直ちに医療機関を受診してください。[4]

  • けいれん

  • 意識障害

  • 異常な発言

  • 声を荒げて泣き叫ぶ、癇癪を起こす

  • おびえる様子がある

そもそもインフルエンザとは?

インフルエンザはインフルエンザウイルスを原因として、さまざまな症状を引き起こす呼吸器(気道)感染症です。

インフルエンザはA型、B型、C型に分類され、日本で主に流行するのはA型とB型です。

一般的にA型が流行しやすく症状が強く出やすいと言われますが、B型であっても重症化しないということではありません。

また、型の違いで症状や経過に変わりはないと言われています。

唯一の違いはA型はヒト以外にも感染しますが、B型はヒトのみに感染するというところです。

日本では例年、11〜12月に流行し始め、1月下旬〜2月上旬でピークを迎えます。

インフルエンザの潜伏期間と感染力

インフルエンザの潜伏期間は1〜2日です。

インフルエンザウイルスは潜伏期間からすでに増殖し始めているため、発症前でも感染する可能性は高いとされています。

また、発症後24〜48時間がウイルス量のピークとなるので、この期間が最も感染力が高いと言えます。[5]

さらに、インフルエンザウイルスは発症前日から3〜7日間は排出されると言われており、この期間は外出を控えるようにと厚生労働省から通達されています。[6]

では登園、登校はいつできるのかと心配される親御さんもいらっしゃいますよね。

お子さんがインフルエンザにかかった場合、学校保健安全法で「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」が出席停止期間とされています。

スムーズに行けば、発症後5日で登園、登校が可能になりますが、ウイルスの排出は続いています。集団感染を防ぐために、マスクを着用して登園、登校するようにしましょう。

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は主に、「飛沫感染」と「接触感染」に分けられます。

いずれもインフルエンザウイルスが粘膜に付着することで感染します。

感染経路を知ることは、感染予防に非常に役立ちますのでしっかり確認しましょう。

飛沫感染

インフルエンザに感染している方の咳やくしゃみなどから出る飛沫が、手や口、目などの粘膜に付着して感染する経路です。

2m以内は飛沫が届くと言われているので、会話する際は2m以上の間隔をあけることが推奨されています。

接触感染

インフルエンザウイルスが付着した手などで手すりやドアノブを触り、それが他者の手に付着することで感染が拡がってしまうのが接触感染です。

感染が拡大しやすい場面として、電車内の手すりやつり革、トイレのドアノブや鍵などがあげられます。

インフルエンザにかからないために【予防法】

インフルエンザは潜伏期間から感染リスクがあるため、インフルエンザの流行時期は日常的に予防することが重要です。

つらい思いをしないために一番大事なことは「かからないこと」です。

予防法を知り、「かからない」「うつさない」対策を実践していきましょう。

以下が主な予防方法です。

  • ワクチン接種

  • 手洗い、消毒、うがい

  • マスクの着用

  • 適度な湿度の保持

  • こまめな換気

ワクチン接種

インフルエンザ予防の有効な手段のひとつがインフルエンザワクチンの接種です。

ワクチン接種による発症予防効果は50%と言われています。[7]

また、もしインフルエンザにかかったとしても重症化を防いでくれる効果をもっています。

インフルエンザにかかった時に最も怖いのは、肺炎や脳症などを引き起こし重症化することです。

2023年は早期流行が懸念されており、すでに流行入りとなった県もありますので、早めにワクチン接種を済ませましょう。

インフルエンザワクチン接種による抗体値のピーク

成人は1回、12歳以下の小児はシーズン中に2回接種を受けます。

接種して抗体が出来始めるのが2週間後、抗体値のピークに達するのが接種後1か月前後で、3〜6か月持続します。[7]

そのため、流行のピークである1〜2月に間に合わせるには最低でも11月中に接種を終えておきましょう。

手洗い、消毒、うがい

手洗いや手指衛生は接触感染を断つために最も有効な予防法で、中でも石鹸を使用した手洗いが効果的です。

また、インフルエンザウイルスに対してアルコールも有効なので、積極的に使用しましょう。

また気道の乾燥でインフルエンザにかかりやすくなります。乾燥予防もかねてうがいもしっかり行いましょう。

マスクの着用

飛沫感染を防ぐために手放せないものがマスクです。

現在、新型コロナウイルス感染症予防としてのマスク装着の努力義務は撤廃されましたが、やはり感染症予防にマスクの着用は欠かせません。

特に人混みに行ったり、会話をしたりする場合は、飛沫予防としてマスクの装着をした方が安心です。

適度な湿度の保持

低湿度は気道粘膜の抵抗力の低下を招きます。

インフルエンザウイルスは粘膜に付着して増殖するため、乾燥によりインフルエンザにかかりやすくなります。

乾燥しやすい室内は50〜60%の湿度を維持するようにしましょう。

こまめな換気

こまめな換気はインフルエンザウイルスの濃度を低減させます。

インフルエンザが流行する寒い冬は、換気扇の使用が寒さ対策にもなります。

空気の入れ替えのための換気ももちろん効果的です。状況に応じてうまく換気しましょう。

今、インフルエンザは流行っているのか?今年の流行ピークを予想!【2023年10月現在】

2023年10月現在、例年を上回るインフルエンザ感染者が報告されています。

休校や学年・学級閉鎖に追い込まれた施設が急増しており[8]、すでに「流行入り」を発表した県もあります。[9]

このことから、インフルエンザはすでに流行していると言えるでしょう。

また医療法人社団育心会は「日本の流行予測に重要な南半球のオーストラリアの保健省によると、2023年のインフルエンザの報告数は5月初旬から急増し始めており、過去5年間の平均を上回っています」としています。[10]

通常インフルエンザは北半球で1〜2月に流行するのに対し、南半球では7〜8月に流行します。

南半球に位置するオーストラリアでの流行が大幅に早まっていることや海外への渡航制限が緩和されたことを鑑みると、日本でも早期に、昨年度に引き続き大きな流行となる可能性が極めて高いです。

以上のことから、今年の流行のピークは例年より早い12月下旬〜年明けと予想されています。[10]

前シーズン(2022/2023シーズン)は、夏を過ぎても流行が続きました。

これを考慮すると、今シーズンも流行が長引くことが懸念されますので、感染予防を十分にして過ごしていきましょう。

インフルエンザの今の発生状況を知りたい方へ

インフルエンザが今どういう動向をたどっているのか気になる方も多いでしょう。

9月〜翌年4月の毎週金曜日の14時に、厚生労働省がインフルエンザの発生状況について報道発表を行っています。

発表資料としてホームページに残されているので、最新の動向を知りたい方はぜひチェックをしてください。[11]

また、国立感染症研究所では毎週「インフルエンザ流行レベルマップ」が発表され、各地の注意報・警報レベルをホームページ内でお知らせしています。

自身の住む地域の流行レベルが一目でわかるので活用してみてください。[12]

よくある質問

インフルエンザのピークについてよくある質問をまとめました。

夏インフルエンザ2023の症状は?

インフルエンザの症状は発症初期に38℃以上の高熱、全身倦怠感、関節痛などの全身症状が出現し、数日遅れて咳や咽頭痛(のどの痛み)、鼻汁などの呼吸器症状が出現します。

かかる時期がずれても症状は変わりません。

インフルエンザは何月がピーク?

例年11〜12月に流行し始め、1〜2月にピークを迎えます。

ただし、2023年のピークは12月下旬〜年明けと例年より早く予想されています。

インフルエンザの2023年のシーズンはいつまでですか?

2023年のシーズンは2023年9月4日〜2024年9月1日です。

インフルエンザ 回復まで何日?

個人差はありますが、発症から7〜10日ほどで症状が軽快します。

まとめ

今年は季節外れのインフルエンザが流行し、9月という早い時期から感染者数が猛スピードで増加傾向にあります。

新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に移行してから、手指衛生をしない場面も多くみられるようになりました。

また、海外の渡航も制限が緩和され、本格的に行き来できるようになったことから海外からのウイルスの持ち込みや海外で感染することも増えてくることでしょう。

インフルエンザは新型コロナウイルス感染症との症状の違いがほとんどありません。疑わしい症状が出現したら必ず医療機関を受診してください。

インフルエンザは日ごろからの感染予防が最も重要です。

自分や家族を守るためにも、そしてつらい思いをしないためにも積極的な感染予防行動をとっていきましょう。

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もし、ご家族やご自身の体調でご不安な点がありましたら、ファストドクターを頼ってください。

参考文献

[1]インフルエンザにかかったかも・・・病院へ行くタイミングはいつがいいの?|健英製薬

[2]インフルエンザについて|インフル・ニュース

[3]インフルエンザの治療薬|新百合ヶ丘総合病院

[4]インフルエンザの潜伏期間は?症状と流行時期、予防接種の効果・副反応を解説|ヨクミテ

[5]【医師監修】インフルエンザは潜伏期間でも感染する?流行時期にとるべき対策|健英製薬

[6]インフルエンザQ&A|厚生労働省

[7]インフルエンザワクチンについて|にしだ内科・外科クリニック

[8]インフルエンザの発生状況について(9/22発表分)|厚生労働省

[9]【解説】インフルエンザで学級閉鎖が相次ぐ 香川県では過去2番目の早さで流行入り 要因は?ピークはいつになる?専門家に聞く|KSB 5ch

[10]インフル、季節外れの流行続く 2023年は早期流行が懸念|医療法人社団育心会

[11]インフルエンザの発生状況|厚生労働省

[12]インフルエンザ流行レベルマップ|国立感染症研究所

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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