インフルエンザの2023〜2024年の発生状況は?潜伏期間や症状、予防策についても解説!

公開日: 2024/01/10 更新日: 2024/09/29
毎年冬になると、「今年のインフルエンザの流行はどうだろう?」「今の時期のインフルエンザの流行状況は?」といったことが気になる方もいるでしょう。インフルエンザにはいくつかのタイプがあります。その中でも、毎年流行が問題になるタイプとしてはA型やB型があります。 そして、2023〜2024年のシーズンでは、例年よりも早い時期からインフルエンザの流行がみられています。今回の記事では、2023〜2024年のインフルエンザの発生状況について、インフルエンザウイルスの基礎知識も踏まえながら解説していきます。
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インフルエンザウイルスの基礎知識

インフルエンザは毎年冬のシーズンに流行る病気と認識している方も多いのではないでしょうか。実際に、毎年のインフルエンザの流行は毎年1〜2月がピークとなることが多いです。一方で、シーズンによっては4、5月までポツポツと小流行が生じることもあります。必ずしも冬だけにかかる病気ではないということですね。

ウイルスの種類

季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型(香港型)、そして2系統のB型(山形系統とビクトリア系統)の4つの種類があります。流行しやすい年齢層はウイルスの型によって多少異なるとされており、各シーズンによって違いが生じます。

インフルエンザの潜伏期間・予防・治療法

A型またはB型インフルエンザウイルスの潜伏期間は1〜3日とされています。つまり、感染を受けてから1〜3日後に発熱や頭痛、全身倦怠感、筋肉痛や関節痛などが突然現れ、その後風邪症状が現れるというのが特徴です。

インフルエンザは通常は1週間ほどで改善してきいます。一方、子供の場合は中耳炎や熱性けいれん、気管支喘息が引き続いて起こることもありますので、注意が必要です。

治療法は対症療法を中心に、抗ウイルス薬の投与が適宜検討されます。予防策としては、基本的には手洗いうがい、人混みをさけ、マスクの着用をするといったことがあります。また、インフルエンザワクチンは重症化や合併症の発生を予防する効果が証明されています。

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インフルエンザの発生状況について解説

インフルエンザウイルス感染症の発生状況は、国立感染症研究所のHPや、各自治体のHPなどで確認することが可能です。今回は、主に2023〜2024年の発生状況をみてきましょう。

インフルエンザの日本での発生状況

インフルエンザウイルス感染症やそれ以外の感染症について、国立感染症研究所には地方衛生研究所から病原体個票が報告されています。まずはじめに注意点ですが、2023〜2024シーズンとは、2023年9月4日から2024年9月1日までとなっています。そのため、2023〜2024シーズンは今後のデータ集計も待たれる部分があり適宜更新されていきます。

さて都道府県別に集計された、分離・検出報告数を見ていきましょう。全国での2023〜2024のインフルエンザウイルス分離・検出報告数としては、A/H1pdm09型、A/H3型といったA型が多く、B/Victoria型は少数となっています。2022〜2023年シーズンに比べると、A/H1pdm09型、A/H3型の両者がより均等に報告されており、B型は少ないことがわかります。

引用)都道府県別、分離・検出報告数

https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/rapid/inf3/2019_36w/2324inftizu_231207.gif

インフルエンザウイルス分離・検出報告数 2023/24シーズン(随時更新)(2023年12月7日現在)国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/1974-idsc/iasr-flu/9147-iasr-influ201920.html

東京での2023-2024シーズンの発生状況

それでは、各都道府県の状況はどのようになるでしょうか。

ここでは、日本で最も人口が多い東京都での2023〜2024シーズンの発生状況を細かく見ていきましょう。

2023年12月24日までのデータにはなりますが、2023.36週、つまり2023年の9月4日からの定点医療機関あたりの患者報告数は、それ以前のシーズンと比較し早い時期から増えていることがわかります。

引用)インフルエンザの流行状況(東京都 2023-2024年シーズン)東京都感染症情報センター

https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/

2023〜2024年のシーズンはまだ半分も過ぎていませんが(2024年1月現在)、今後インフルエンザの流行が収まっていくのか、あるいはダラダラと発生が続いていくのかは注意していく必要があるでしょう。

また、2019〜2020シーズンでは感染のピークが51週つまり12月、2022〜2023シーズンでは10週つまり3月頃であることを踏まえると、今後もさらなる流行のピークに達するまで増えていく可能性もあります。

次に、東京都での過去10シーズンのインフルエンザ患者の年齢構成を見てみましょう。

インフルエンザの流行状況(東京都 2023-2024年シーズン)東京都感染症情報センター

引用)インフルエンザの流行状況(東京都 2023-2024年シーズン)東京都感染症情報センター

https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/

このグラフを見てみると、過去10シーズンの中で、2022〜2023のシーズンでは5〜9歳の子供の割合が約30%と多くなっていることがわかります。

入院患者を調べたデータもあります。

インフルエンザの流行状況(東京都 2023-2024年シーズン)東京都感染症情報センター

引用)https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/

新型コロナウイルス感染症の影響が出ていると思われる2020〜2021、2021〜2022のシーズンを除くと、例年9歳以下の子供や乳幼児、70歳以上の高齢の方の入院の割合が多い状況です。特に2022〜2023年シーズンでは5〜9歳の子供の割合が多いようです。

こうした年齢層の子供たちにインフルエンザが流行する要因としては、小学校生活などの集団行動があります。実際に、インフルエンザの集団発生事例の多くは小学校で起こっています。

インフルエンザは小児や高齢者の方、また、免疫力が低下するような基礎疾患を持っている方では、重症化するリスクがあります。

5〜12歳の子供を対象に実施されたザナミビルというインフルエンザ治療薬(ノイラミニダーゼ阻害剤)の治療試験では、38.2℃以上の発熱や咳、喉の痛みといった症状がある場合にはインフルエンザに感染している可能性が高いという報告もあります。咳や高熱の症状がある場合にはインフルエンザを疑う必要があるかもしれません。

インフルエンザの発生状況は?過去10年間との比較

それでは、最後に日本全体での過去10年のインフルエンザの発生状況を見ていきましょう。

インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第50週 12/28更新)国立感染症研究所

引用)インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第50週 12/28更新)国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html

このグラフでは、2023年では他のシーズンよりもインフルエンザの報告数が多いです。今年のインフルエンザの発生状況としては、例年に比べて大流行と言えるでしょう。

2023〜2024シーズンの大流行の要因は?

新型コロナウイルス感染症の影響で、2020〜2021シーズンと、2021〜2022シーズンのインフルエンザの流行は低調、つまり例年に比べ流行が起こらない状況でした。

そのため、インフルエンザウイルスに対する抗体を持つ人の割合が全ての年齢において低い可能性があります。それにより、今シーズンは新型コロナウイルス感染症の流行以前と比較しても早い時期からの本格的な流行が起こっていると予想されています。

インフルエンザワクチンは今年の流行を予想して製造される

インフルエンザにはA型やB型などの種類があり、毎年流行するインフルエンザの種類は異なります。そのため、「今年の流行って何型になるの?」といったことを予想し、ワクチンが作られているのです。

流れとしては、まず世界保健機関(WHO)が「今年のインフルエンザは何型が流行するだろうか?」としていくつかの株を推奨します。そして、それらの推奨されている株の中から、期待される効果やワクチン供給可能量について国立感染症研究所や厚生科学審議会などが考慮して、最終的に国内のメーカーで作成されています。

残念ながら予想外の株が流行する場合もあるのですが、なるべく効果が得られるように毎年ワクチンが製造されているのです。したがって、インフルエンザの予防のためには、毎年忘れず適切な時期に予防接種を行うことが大切です。今年まだ接種していない方はお早めに、また来年以降も必ず予防接種を行うようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、インフルエンザの2023〜2024年シーズンの発生状況について解説しました。

毎年1〜2月を中心に冬の時期にインフルエンザの流行は起こりますが、今年は少し早めの夏の終わりごろから徐々にインフルエンザが増えているようです。このペースで増えてくると近年まれにみる大流行にもなりえません。

インフルエンザの予防には、手洗いうがい、そして流行期には人混みを避けるなどの感染隔離対策と何より適切な時期に予防接種を打つことが大切です。今後の発生状況にも気をつけながら、インフルエンザの流行を乗り切っていきましょう。

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参考文献

インフルエンザ(季節性)対策 | 首相官邸ホームページ

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/influenza.html

令和4年度インフルエンザQ&A|厚生労働省 Q6

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2022.html#Q6

インフルエンザとは 国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

インフルエンザの流行状況(東京都 2023-2024年シーズン)東京都感染症情報センター

https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/

都道府県別、分離・検出報告数

https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/rapid/inf3/2019_36w/2324inftizu_231207.gif

インフルエンザウイルス分離・検出報告数 2023/24シーズン(随時更新)(2023年12月7日現在)国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/1974-idsc/iasr-flu/9147-iasr-influ201920.html

Symptomatic Predictors of Influenza Virus Positivity in Children during the Influenza Season.Clinical Infectious Diseases.2006;43(5):564-568.

https://academic.oup.com/cid/article/43/5/564/503835?login=false

インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第50週 12/28更新)国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html

令和5年度 今シーズンのインフルエンザ総合対策について|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/index2023.html

2019/20シーズン向け インフルエンザワクチンの製造株について p1(2枚目)

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000499359.pdf

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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