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【インフルエンザとコロナ】症状の違いについて
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症では、一般的な風邪と区別しにくい症状があらわれます。[1][2]
<インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の症状の比較>
症状 |
インフルエンザ |
新型コロナウイルス感染症 |
発熱 |
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全身症状 |
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呼吸器症状 |
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味覚・嗅覚障害 |
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消化器症状 |
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似た症状が多いことから、症状だけでどのウイルスに感染したかを見分けるのは困難です。
とはいえ、まったく違いがないわけではありません。
それぞれの症状の特徴を理解し、自宅で療養すべきか医療機関を受診すべきかの判断材料にしましょう。
インフルエンザの症状
インフルエンザは、発熱や全身倦怠感などの全身症状と、強い咳をはじめとする呼吸器症状が特徴です。[1]
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38℃以上の発熱
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頭痛
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関節痛
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強い筋肉痛
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全身倦怠感
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強い咳
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のどの痛み
インフルエンザの症状は通常1週間以内に軽快しますが、咳が2週間以上つづく場合もあります。[3]
適切なタイミングで治療が受けられれば、発熱期間が短縮されるとも言われているため、インフルエンザを疑う症状がある際は医療機関で検査や処方を受けましょう。[1]
新型コロナの症状
新型コロナウイルスに感染すると、味覚・嗅覚障害、下痢・嘔吐などインフルエンザとは異なる症状があらわれることもあります。[2]
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37℃以上(ときに高熱、発熱しないことも)
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倦怠感
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筋肉痛
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咳
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痰
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のどの痛み
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味覚・嗅覚障害
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下痢や嘔吐
下痢や嘔吐などの消化器症状は、新型コロナウイルス感染症患者の15〜50%の頻度であらわれると言われています。[2]
とはいえ全ての患者に出現するわけではないため、特徴的な症状がなければどの感染症か自己判断することはほぼ不可能です。
新型コロナウイルス感染症の特徴であった味覚・嗅覚障害を訴える患者が減っていることも、判断を困難にしています。
新型コロナウイルス感染症の発症が疑わしい場合は、自己検査をしたり医療機関を受診したりして原因を特定できると感染拡大を防げるでしょう。
【インフルエンザとコロナ】症状ではなく感染力の違いとは?
インフルエンザと新型コロナウイルスでは、新型コロナウイルスがより感染しやすいと言えます。
新型コロナウイルスは、インフルエンザよりも早くウイルスの排出がはじまるうえに、ウイルスの排出期間が長い傾向であるためです。[1][4]
<インフルエンザと新型コロナウイルス感染症のウイルス排出期間>
感染症の種類 |
ウイルス排出期間 |
ウイルス排出量のピーク |
インフルエンザ |
発症前日から発症後3~7日間 |
発症後1~3日 |
新型コロナウイルス感染症 |
発症2日前から発症後7~10日間 |
発症後3日間 |
どちらのウイルスも発症後3日がウイルス排出量のピークであるため、この時期がもっとも感染しやすいでしょう。
【インフルエンザとコロナ】感染経路や潜伏期間について
インフルエンザと新型コロナウイルスのおもな感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。
新型コロナウイルスは飛沫よりさらに細かい「エアロゾル感染」も指摘されています。
感染経路 |
具体例 |
飛沫感染 |
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接触感染 |
ウイルスが付着した以下のもの
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エアロゾル感染 (新型コロナウイルスのみ) |
不特定多数の人が集まる場所(感染者との距離が近いとは限らない)
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感染してから発病するまでの期間を「潜伏期間」とよび、インフルエンザよりも新型コロナウイルス感染症のほうがやや長い傾向です。[5][6]
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インフルエンザ:1~3日
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新型コロナウイルス感染症:2~3日、長くて7日
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症では症状があらわれるまでの時間に差があるため、感染の疑いがある場合は適切な対応をとることが重要です。
自身だけでなく家族が感染したときの対処法や検査を受けるタイミングまで把握しておくと、早めの対処が可能となるでしょう。
家族が感染したときの対応方法
インフルエンザや新型コロナウイルスに家族が感染した場合、家族内感染を防ぐために感染者にはできるだけ別の部屋で過ごしてもらい、看病する方も限定しましょう。[7]
隔離とは別に手洗いやマスクの装着など、基本的な対策をおこなうことも家族内感染を防ぐために欠かせません。
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手洗いやうがいをこまめにおこなう
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感染者も家族も可能な限りマスクを着用する
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感染者がさわったドアノブやスイッチなどを消毒する
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湿度を50~60%程度に保つ
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こまめに換気する
感染者の発症日を0日として、少なくとも7日目までは看病者やほかの家族の体調変化に注意してください。[1][7]
疑わしい症状があらわれたら、正しいタイミングで自分で検査をおこなう、医療機関で検査を受けるなどして、感染を判断しましょう。
検査を受けるタイミング
正しいタイミングで検査を受けないと、ウイルスが検出されず感染症なのに陰性反応が出る「偽陰性」という結果になるケースもあります。
そのため、十分なウイルス量に達するまで検査は待ちましょう。
感染症の種類 |
検査を受けるタイミング |
インフルエンザ |
発症後12時間以降 |
新型コロナウイルス感染症 |
発症後12~48時間以降 |
インフルエンザも新型コロナウイルスも、発症後12時間以降が検出しやすいと言われています。
とはいえ、なかには感染症の症状が強くあらわれる方もいらっしゃいます。
こうした場合は無理をせず、医療機関で相談してください。
インフルエンザや新型コロナに感染した場合、学校や仕事はどうすればよい?
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症を発症した場合、学校保健安全法で出席停止期間が定められています。[8]
感染症の種類 |
登園基準 |
インフルエンザ |
発症したあと5日を経過し、かつ解熱したあと2日(幼児は3日)を経過するまで |
新型コロナウイルス感染症 |
発症したあと5日を経過、かつ症状が軽快したあと1日を経過するまで |
たとえばインフルエンザを1月1日に発症した(発症日は0日目)場合、3日に解熱したら7日から登校が可能です。
就業についても学校保健法の基準を採用している事業所が多い傾向です。就業先の規定を確認しましょう。
【インフルエンザとコロナ】それぞれの治療方法や予防法について
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、ウイルスそのものに対抗する治療(原因療法)と、症状をやわらげる治療(対症療法)で治癒を目指します。
日常でのセルフケアをあわせておこなうことで早期回復をサポートできるため、紹介する方法を取り入れてみてください。
原因療法
原因療法とはインフルエンザやコロナを発症する原因ウイルスに対する治療法で、おもに抗ウイルス薬が使用されます。[1][9]
感染症の種類 |
使用される抗ウイルス薬の代表例 |
注意点 |
インフルエンザ |
<内服薬>
<吸入薬>
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新型コロナウイルス感染症 |
<内服薬>
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感染症になった本人の状況や重症化リスクの有無などによって、使用する薬が異なります。
また市販薬で抗ウイルス薬は存在しないため、かならず医師の診察が必要です。
インフルエンザやコロナがまわりで流行しており、疑う症状があらわれた場合は発症後12時間以降を目安に医療機関を受診しましょう。
対症療法
対症療法は感染症によって引き起こされるつらい症状をおさえるためにおこなわれ、感染症の原因がインフルエンザか新型コロナウイルスかは関係ありません。
たとえば発熱や頭痛がひどい場合は解熱鎮痛薬、咳症状が強い場合は鎮咳薬(ちんがいやく:咳をおさえる薬)などが処方されます。
症状 |
使用されるおもな薬 |
高熱、頭痛 |
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咳 |
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痰、鼻水 |
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対症療法は、からだをできるだけ休めて免疫力(ウイルスと戦う力)を高めるために大切です。
休めないほどのつらい症状がある場合は、我慢せずに医師へ伝えましょう。
日常生活での過ごし方
正しいセルフケアは早期回復をサポートし、つらい症状をやわらげることが期待できます。
セルフケア |
理由 |
十分な水分補給 |
発汗による脱水を予防するため |
積極的な休息と睡眠 |
免疫力を高めるため |
体調変化時の早期受診 |
重症化を防ぐため |
すでに治療を受けはじめている場合も、体調の変化があればすぐに再受診しましょう。[10]
<すぐに受診すべき症状>
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けいれんが起きている
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呼びかけに反応がない
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呼吸困難感がある、苦しそう
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顔色が悪い(青白い)
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嘔吐や下痢がつづいている
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症状が長引いている
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胸の痛みがつづいている
体調に変化が起きているときは、重症化または新たな病気の可能性が否定できません。
感染症の原因にかかわらず心配な症状がある場合は、医療機関に相談してください。
まとめ|インフルエンザとコロナの症状の違いを理解しておこう
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、発熱や咳など共通する症状が多く見た目で判断するのは難しいです。
しかしインフルエンザは38℃以上の高熱や強い筋肉痛、新型コロナウイルス感染症は味覚・嗅覚障害や下痢・嘔吐があらわれやすい特徴があります。
感染力のピークや潜伏期間にも違いがあるため、適切なタイミングで検査を受けることが大切です。
家族が感染した場合の対策も理解し、感染拡大を防ぎましょう。
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参考文献
[2]健康情報誌「消化器のひろば」No.18-3 | 日本消化器病学会
[3]季節性インフルエンザ(ファクトシート)|厚生労働省検疫所FORTH
[4]第121回(令和5年4月19日)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード|厚生労働省
[6]広報誌「厚生労働」2022年9月号 新型コロナウイルス最前線|厚生労働省
[7]新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。