高血圧であらわれる症状をチェック|原因や改善方法も解説

公開日: 2023/12/27 更新日: 2024/09/29
高血圧は日本で最も多い生活習慣病と言われています。 日本の高血圧患者は約4,300万人いると推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況です。 自覚症状がほとんどないのが特徴で、心筋梗塞や脳卒中などの合併症を発症してから高血圧に気付くケースも少なくありません。 この記事では血圧が上がるとどんな症状が現れるのか、高血圧の原因や改善方法、セルフチェック方法についても解説します。 血圧が上がったときの初期症状を見逃さないように、受診や予防の参考にしてください。
【めまい・ふらつき】の気になる症状について教えてください
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急に血圧が上がった時の症状は?

血圧は天候や気温、室温などさまざまな影響を受けて、常に上がったり下がったりしています。

急に血圧が上がると驚いてしまうかもしれませんが、一時的であれば大事に至らないことがほとんどです。

急に血圧が上がった時の症状には以下のようなものが挙げられます。

  • 頭痛

  • 吐き気

  • めまい

  • 耳鳴り

  • 肩こり

  • 吐き気

  • 手足のしびれ

  • 背中の痛み

  • 呼吸困難

このような症状があらわれたら座って1-2分間安静にしてから、血圧を測ってみましょう。

いつもより高ければ、ゆっくりと深呼吸を数回くりかえしてください。[1]

血圧の上昇が一時的であれば特に治療の必要はなく心配はありません。

しばらく様子を見ても上の血圧(収縮期血圧)が160mmHg以上、下の血圧(拡張期血圧)が100mmHg以上が続くときは、早めに受診をしましょう。[2]

一時的に血圧が上がる原因としては以下のようなものが挙げられます。これらは英語の頭文字から“WE UP SBP”といわれます。

▼一過性血圧上昇の原因

White coat

白衣高血圧(医療者による測定)

Exercise

運動

Urine

膀胱内の尿の貯留

Pain

疼痛

Smorking

喫煙

Beer

飲酒

Psychiatric

パニック発作、不安、精神的ストレス

その他

会話、周術期、不眠

出典:レジデント 2016/12 Vol.9 No.12|医学出版

上記以外にも冬場は目が覚めて布団から出るとき、温かい室内から外に出たときなど、急に寒さを感じる場面では血圧が急上昇するので、寒暖差には十分に注意しましょう。

また、非常に高い血圧が続くと脳や心臓の血管、腎臓にダメージを与えてしまう危険性があります。

高い血圧に加え、脳出血や心不全などの臓器障害がある場合には高血圧緊急症(悪性高血圧)となる場合があります。この場合は命に関わることもあるため、救急受診が必要です。[3]

高血圧の症状で思い当たることはございませんか?

頭痛やめまい、肩こり、かすみ目などの症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

ただ、お仕事や日々の生活が忙しく、定期的に通院することが難しいという方も多くいらっしゃると思います。

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高血圧の症状にはめまいの症状も出る

高血圧の自覚症状としてめまいがあらわれることがあります。

めまいは「ふわふわする」「自分や周りがグルグル回る」と表現されますが、高血圧が直接めまいを引き起こすわけではありません。

めまいの主な原因には以下が考えられます。[4][5]

  • 降圧剤の副作用

  • 起立性低血圧(たちくらみ)

  • 三半規管(耳)の異常

  • 脳卒中

  • 心疾患

血圧を下げる薬を服用中は、副作用により血圧が下がりめまいを起こすことがあります。

また高血圧が原因で起こる心臓の病気や脳卒中では、脳の血流量が低下することでめまいがあらわれることがあるのです。

めまいが起きたときはまず安静にしましょう。安静にして症状が治まれば心配ありません。

もし、下記のような症状があらわれた場合は脳卒中(脳梗塞や脳出血)の可能性があります。速やかに医療機関を受診しましょう。[6][7]

 

  • めまいと同時に下記の症状がみられる

    • 激しい頭痛や首の痛み

    • 体の片側(右半分あるいは左半分)が動きにくい、しびれる

    • 物が二重に見える、片目が見えない

    • ろれつが回らない、言葉が出ない

高血圧の症状は目にもあらわれるって本当?

日常的に高血圧が続くと目の血管に傷がつき、高血圧網膜症を引き起こします。高血圧網膜症の初期は症状がありませんが、進行すると眼底出血が起こることがあります。

眼底出血の主な症状は以下です。

 

  • 視野の一部がかすむ

  • 視力低下

  • 飛蚊症(目の前に黒い物が飛んで見える)

  • 物が歪んで見える

眼底出血は手術が必要なこともありますが、高血圧網膜症の治療は血圧をしっかりコントロールすることです。

軽度な高血圧でも長年放置すると高血圧網膜症にかかることがあります。

定期的な眼科検診を忘れないようにしましょう。

高血圧って何?症状や基準となる数値

高血圧とは血圧の高い状態が慢性的に続く病態で、日本人の死亡率に大きな影響を与えています。

高血圧が続くと血管がダメージを受けて動脈硬化が進み、脳梗塞や心不全、心筋梗塞、狭心症などを引き起こします。

日本高血圧学会の診断基準は、病院・クリニックなどで測る診察室血圧では、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上です。

自宅で測る家庭血圧は収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上が高血圧とされています。

高血圧は自覚症状がほとんどありません。つまり自覚症状があれば血圧はかなり高いということになるのです。[7]

高血圧症の原因とは?

高血圧の主な原因は、塩分の摂り過ぎや飲酒、運動不足、ストレスなど生活習慣に関わるものや加齢です。このほか甲状腺や副腎の疾患、遺伝が原因となることもあります。

  • 塩分の摂り過ぎ

  • 飲酒

  • ストレス

  • 加齢

  • 甲状腺や副腎の疾患

  • 遺伝性

ここでは生活習慣に関わるものと、加齢について詳しく解説します。

高血圧症状の原因:塩分過多などの食生活の偏り

日本人の食事は塩分が多い傾向にあり、これは高血圧の大きな原因の一つです。

過剰な塩分が体に入ると血液中の塩分濃度が上がり、それを薄めようと血管に水分を引き込む働きが生まれます。

これにより血管にかかる圧力が高まり、血圧は上がってしまうのです。

食事から摂る塩分量には十分に注意し、バランスの取れた食事を心掛ける必要があります。

麺類の汁物は飲み干さない、1日2回以上飲んでいる味噌汁を1回にする、漬物や加工食品を食べる回数を減らすなどで減塩することができます。

減塩を長く続けて行くためには徐々に薄味に慣れることも大切です。

高血圧症状の原因:飲酒

過度の飲酒を続けると血管は収縮し続け、高血圧の原因になります。

適量の飲酒は体に良いと聞いたことがあるかもしれません。

しかし、アルコールは少量では一時的に血管を広げる働きがあり血圧を下げますが、飲酒量が多くなれば血圧も上がることが分かっています。

自分がどんな時に多く飲酒をしてしまうかを把握しておき、その状況を避けることは過度の飲酒を防止する手段となるでしょう。

高血圧症状の原因:ストレス

人間はストレスを感じると血管が収縮して、血圧が上昇します。

一時的であれば問題ありませんが、持続するストレスは高血圧の原因となります。

ストレスを完全になくすことは難しいため、上手に付き合っていく必要があります。

自分に合ったリラクセーション法を見つけて実践してみましょう。

リラクセーション法の中でも筋肉の緊張をほぐして血行を促すストレッチは道具を使わずストレスを減らすことができ、おすすめです。

ストレッチを行うときは以下のポイントに注意して行ってみてください。[8]

ストレッチのポイント

  1. はずみをつけない

  2. 呼吸は止めずに行う

  3. 1箇所につき10~30秒間伸ばし続ける

  4. 痛くなるまで無理に伸ばさない

高血圧症状の原因:高齢者に多い?

高血圧は加齢と共に増えますが、高齢者に多い理由の一つに血管の老化が挙げられます。

男性では40代から、女性は閉経後の50代から血管の機能が衰え始めることが知られています。

若い人の血管はしなやかで勢いのある血流も受け止めることができます。

しかし年を取った血管は弾力を失ってしまうため、血液が血管の壁を押して負荷となり血圧が上がってしまうのです。

こうして硬くなった血管は衝撃を受け続けるうちに内側は傷つき、血管の壁が厚くなって血液の流れを妨げるようになります。

さらに血管の傷に血液中の余分な脂肪分(悪玉コレステロール)が入り込んで血栓ができやすくなり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす原因になってしまうのです。

血管は生活習慣の改善で若返らせたり、老化を遅らせたりすることができます。食生活ではアルコールを控えるほか腹八分目を心掛ける、運動は少し息がはずむ程度のウォーキングや水泳を習慣として行うことが効果的です。

自分の血管がどのくらい老化しているか、血圧を用いて以下の式でチェックしてみましょう。上の血圧は収縮期血圧を、下の血圧は拡張期血圧を表します。[9]

  • 平均血圧:90以上の場合は細い血管が硬い傾向

    

          平均血圧=下の血圧+(上の血圧-下の血圧)÷3 

  • 脈圧:60以上の場合は太い血管が硬い傾向(正常範囲は40~60)

      

           脈圧=上の血圧-下の血圧

出典:血管年齢を意識する

高血圧になりやすい人とは?

高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも言われ、自覚症状がないままに進行してしまう危険性があります。

高血圧は、原因をひとつとすることのできない本態性(ほんたいせい)高血圧と、原因が明らかな二次性高血圧に分けられます。

関連記事:女性は更年期高血圧に要注意!50代の正常血圧はどのくらいなのか理解しよう

本態性高血圧

日本人の高血圧の約8〜9割が本態性高血圧です。

  • 遺伝的素因(体質)
  • 食塩の過剰摂取
  • 肥満


これらさまざまな要因が組み合わさって起こります。
おもに中年以降にみられるため、食生活を中心とした生活習慣の修正が予防・治療にきわめて大切です。

 

二次性高血圧

二次性高血圧は、本態性高血圧とくらべると若い人に多くみられます。
原因として以下のようなことがあげられます。

  • 腎臓の働きが悪くなって塩分と水が排出されにくくなる
  • 副腎など内分泌腺の病気によって血圧を上げるホルモンが体のなかに増える
  • 血管の病気
  • ほかの病気のために使っている薬の作用

これらの原因がわかり、それを対処することができれば、血圧の正常化が期待できます。[1]

血圧を測るタイミングは?

 

家庭では朝と夜の1日2回、測るのがおすすめです。

朝は起床1時間以内にトイレを済ませて朝食を食べる前に、夜は就寝前に、だいたい時間を決めて測定することが大切です。

飲酒後や入浴直後は血圧が上がりやすいので、避けるようにしてください。

▼家庭で血圧を測るタイミング(1日2回の場合)

起床1時間以内、排尿後、朝食前

就寝前、ただし飲酒後や入浴直後は避ける

家庭で血圧を測ってみて135mmHg / 85mmHg以上が続くときは医療機関を受診する必要があります。自覚症状がなくても油断しないようにしましょう。

自宅に血圧計がないときは、薬局など無料で測定できる血圧計を設置している場合があるので利用してみてください。

高血圧の改善方法は?

高血圧の改善方法でまず挙げられるのが生活習慣の見直しです。しかし、長年続けてきた習慣を急に変えるのは簡単ではありません。

そこで、ここでは今すぐ実践できる改善方法を詳しく解説します。できることから、少しずつ生活に取り入れてみてください。

関連記事:すぐに始められる血圧を下げる方法とは? 医師がおすすめの方法を徹底解説

塩分を控える

塩分の摂り過ぎは高血圧の最も多い原因です。日本高血圧学会では1日の塩分摂取量は6g未満を強く推奨しています。

しかし実際の日本人の食塩摂取量は10gと、目標の6gを大幅に上回っています。[10]

では、6gの塩分とはどのくらいの量なのでしょうか?食品に含まれる塩分量をまとめました。[11]

▼食べ物に含まれる塩分量

メニュー

塩分量(g)

メニュー

塩分量(g)

ラーメン

6~7

みそ汁

1.5

うどん

5~6

インスタントスープ

1.2

カレーライス(ビーフ)

3.9

コンビニ鮭おにぎり

1.4

牛丼

5.3

塩鮭・中辛(1切)

1.1

カツ丼

4.2

あじの開き(1尾)

1.4

中華丼

2.8

梅干し(1つ)

2.2

チャーハン

2.5

ちくわ・中1本

0.7

カルボナーラスパゲティ

4.8

堅焼きせんべい・大2枚

1.0

ミートソーススパゲティ

4.4

あんぱん(1個)

0.7

てりやきバーガー

4.2

デニッシュペストリー

1.2

フレンチフライポテト

(100g)

1.0

塩(小さじ1杯)

6.0

カップラーメン

6.2

濃い口しょうゆ

(小さじ1杯)

0.9

ラーメンやうどんなどの麺類は、汁まで飲み干すと簡単に1日の塩分目標量を上回ってしまうことが分かります。麺類の汁を残すと、2~3gの減塩ができます。

もし1日に何度も味噌汁やインスタントスープを飲んでいる場合は、1日1回に減らしてみましょう。

また、塩分はあんぱんやデニッシュペストリーのような甘いものにも含まれるため、注意が必要です。

食品の包装などに記載されているナトリウム量は、以下の計算式で食塩量に換算できます。

  • 食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg) × 2.54 ÷ 1000

例えばナトリウム量が500mgの場合は500×2.54÷1000=1.27となり、食塩量は1.27gです。

塩分を多く含む一部の食品ではナトリウム量が「g」で記載されていることがあり、この場合は【食塩相当量(g)=ナトリウム量(g)×2.54】で計算できます。

一方、カリウムは塩分を尿から排泄して血圧を下げます。カリウムは野菜や果物、海藻、大豆食品に多く含まれるミネラルの一種です。

また、マグネシウムにも血圧を下げる効果があり、魚介類、海藻類、穀類、ナッツ類に豊富に含まれます。

普段の食事に野菜のメニューを足すなど工夫をしてカリウムを積極的に摂り、塩分のコントロールを意識しましょう。。

ただし、腎臓の病気で治療を受けている場合は、主治医とカリウムやマグネシウムの摂取量を相談してください。

下記は塩分を控えるコツです。[8]

  1. 漬物は控える。自家製浅漬けで少量に。

  2. 麺類の汁は残す。これだけで2~3g減塩可能。

  3. 新鮮な食材を用いる。素材の持ち味で薄味に。

  4. 具だくさんのみそ汁にする。同じ味付けでも減塩できる。

  5. むやみに調味料を使わない。調味料は味付けを確かめながら使う。

  6. 酢、ケチャップ、ドレッシングなど低ナトリウムの調味料を使う。

  7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する。こしょう、七味、しょうが、かんきつ類の酸味を組み合わせる。

  8. 外食や加工食品を控える。塩分が多く含まれるため。塩干物も注意。

出典:高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

塩分制限は長く続けることが大切です。急に減らすのではなく徐々に行い、薄味に慣れていくと良いでしょう。

適度な運動

運動習慣が血圧を下げることは多くの研究で証明されています。

高血圧を予防したり発症を防ぐにはウォーキング(速歩)やステップ運動、スロージョギングなどの有酸素運動を定期的に行うと効果的です。

できれば毎日30分以上、難しければ1回10分以上の運動を1日合計40分行うようにしましょう。

▼高血圧を改善するための運動

種目

運動頻度・時間・強度

ウォーキング(速歩)

  • 頻度・時間
    毎日30分以上行う
    または1回につき10分以上を、合計して1日40分以上を行う

  • 強度
    中等度の「ややきつい」と感じる程度

ステップ運動

スロージョギング

ランニング

このほかに日常生活の中で活動量を増やすことも効果的です。例えば徒歩で通勤や買い物に行く、階段を使うなどです。[12]

ただし心臓に病気がある場合は、主治医に確認してから運動を行うようにしてください。

適正体重の維持

適正体重を維持することは血圧を改善する最も効果的な方法の一つです。適正体重の指標はBMI(体格指数)を用います。BMIと適正体重は以下の式で算出できます。

BMI(kg/m²)=体重(kg) ÷ 身長(m)²

適正体重(kg)=身長(m)²  × 22

最も病気になりにくいBMIは22で、BMIの正常範囲は18.5~25.0(kg/m2)です。BMIが18.5以下は痩せ過ぎ、25以上は肥満とされています。[1]

▼BMI(体格指数)

 

痩せ過ぎ

正常

肥満

BMI(体格指数)

18.5以下

18.5~25.0

25以上

アルコールを控える

適量の飲酒はからだに良いと言われますが、過度の飲酒は血圧を上げる原因です。

高血圧治療ガイドラインでは純アルコール量で男性は1日あたり20~30mL以下、女性は10~20mL以下を推奨しています。[1]

アルコールの適量と純アルコール20gを含むのお酒の量を種類別にまとめました。女性は男性よりアルコール分解速度が遅いため、この半量~8割程度を目安にしてください。[13]

▼アルコールの適量(男女別)

純アルコール量

男性

女性

単位:mL

20~30mL以下

10~20mL以下

単位:g

16~24g以下

8~16g以下

▼純アルコール20gを含むお酒の種類別量

お酒の種類

純アルコール20gを含むお酒の量

ビール(5%)

ロング缶1本(500mL)

日本酒(15%)

1合(180mL)

焼酎(25度)

0.5合(90mL)

ウイスキー(40%)

ダブル水割り1杯(原酒で30mL)

ワイン(12%)

1杯強(160mL)

酎ハイ(7%)

レギュラー缶1本弱(285mL)

梅酒(13%)

1合(180mL)

純アルコール量の計算はアルコール度数または%から以下の式で算出できます。

  • 酒の量(mL)×度数または% ÷ 100 × 0.8=純アルコール量(g)

例えば、アルコール度数が5または5%のビール500mLでは500mL×5÷100×0.8=20となり、純アルコール量は20gです。

酒のおつまみには塩分を多く含む場合があります。漬物や干物、練り製品、ソーセージやベーコンなどの加工肉は控えめにして、調味料のかけ過ぎにも注意しましょう。

また、カリウムにはナトリウム(塩分)を尿から排泄する働きがあります。おつまみにはカリウムを豊富に含む野菜サラダや海藻類、芋類、大豆製品がおすすめです。

禁煙

たばこに含まれるニコチンには強力な血管収縮作用があり、血圧を上昇させます。

禁煙をするとその日から血管収縮のリスクを減らすことができ、禁煙後24時間では心臓発作のリスクが低下することが分かっています。

禁煙後は基礎代謝や食生活の変化で体重が増加するケースがあるので、食生活や運動習慣の改善と合わせて行うと良いでしょう。

自分だけで禁煙がむずかしい場合は医療機関の禁煙外来を受診を検討してみましょう。禁煙治療は保険適用での治療が可能です。[14][15]

保険適用での禁煙治療は通常、12週間にわたり計5回行います。この間に医師の指導を受け、必要があれば禁煙補助薬を使って治療をしていきます。

禁煙治療でかかる費用の目安は、3割自己負担で13000~20000円です。[16][17]

▼保険適用のある禁煙補助薬の種類

禁煙補助薬

成分名

効果

ニコチネルTTS
(貼り薬)

ニコチン

禁煙による離脱症状(※)を和らげる

チャンピックス
(飲み薬)

バレニクリン

・禁煙による離脱症状(※)を和らげる

・タバコを吸ったときの満足感を抑える

(※)離脱症状…タバコをやめたときにあらわれるさまざまな症状。タバコを吸いたいと強く思うこと、頭痛、集中力の低下など

▼禁煙治療の自己負担額目安(3割自己負担の場合)

保険3割自己負担(12週間合計)

13000~20000円

注)処方される薬の量、受診する医療機関により異なります

十分な睡眠

良質な睡眠は血圧を下げるのにとても効果的です。睡眠不足は交感神経の働きを活発にして血管を収縮させるため、血圧を上げてしまうのです。

とはいえ、眠りが浅くなかなか寝付けないと悩んでいる人も多いと思います。

睡眠の質をあげるポイントには以下のことが挙げられます。[8]

  • 眠る前に自分なりのリラックス法を実践する

    • ぬるめの湯で入浴する

    • 読書や音楽、香りでリラックスする

    • 眠ろうと意気込まず、眠たくなってから寝床に入る

  • 睡眠時間にこだわらない

    • 自分に合った睡眠時間を取る、8時間睡眠などこだわらない

    • 年齢を重ねたら睡眠時間は短くなるのが普通

  • 体内時計のスイッチを入れる

    • 朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる

    • 朝の散歩をする

    • 毎日同じ時間に起床する

  • 昼寝をするなら午後3時前の20~30分

  • 睡眠障害は専門家に相談

日中の運動習慣や3食の食事をきちんと取ることも睡眠の質を上げるのに効果的です。血圧が上がったときは特に十分な睡眠と休息を心掛けましょう。

まとめ

高血圧になったらあらわれる症状とその原因、改善方法についてご紹介しました。

高血圧はサイレントキラーと呼ばれ症状がないまま進行してしまうため、自覚症状があらわれた時には血圧がかなり上がっている可能性があり、注意が必要です。

高血圧は、塩分を控えたり、運動習慣やストレス管理をすることで改善することができます。ぜひご紹介した改善方法を日常でも取り入れてみてください。

もし血圧が急に上がったときは安静にし、それでも下がらない場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

急に血圧が上がったときのためにできること

夜間や休日に急に血圧が上がったとき、空いている病院を探したり、自家用車やタクシーで病院へ向かうのは大変ですよね。

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深夜・休日に関係なく医師の診察が受けられ、受診の予約は当日でも可能です。

万が一のためにダウンロードしておくことをおすすめします。

参考資料

[1]一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子

[2]高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

[3]日本内科学会雑誌第104巻第2号 (jst.go.jp)

[4]脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

[5]血行動態起立性めまい/めまい:診断基準-PMC (nih.gov)

[6]脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

[7]高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

[8]ストレス(厚生労働省)

[9]血管年齢を意識する

[10]日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題 ~日本高血圧学会の取り組みを中心に~

[11]高血圧と、上手に付き合っていきましょう。|日本栄養士会

[12]高血圧症を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

[13]飲酒量の単位 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

[14]喫煙|国立循環器病研究センター冠疾患科 (ncvc.go.jp)

[15]禁煙の効果 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

[16]禁煙外来のご案内 | 国立がん研究センター 東病院

[17]禁煙のおくすりってどんなもの?

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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