帯状疱疹のときにバナナを食べても大丈夫?食べてはいけないものは?

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/09/29
「帯状疱疹になったときはどうしたらいい?」 「食べてはいけないものはある?」 「バナナは食べても大丈夫?」 初めて帯状疱疹になった人は、どう対処すべきか、食べ物に制限があるのか悩むこともありますよね。 そこで本記事では、帯状疱疹の対処法や食事について解説していきます。 帯状疱疹にならないための予防法についても説明するのでぜひ読み進めてくださいね。 読み終えるころには、帯状疱疹のときの過ごし方や予防について分かるようになっていますよ!
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目次

帯状疱疹になったらどうすればいいの?

帯状疱疹の症状は、皮膚の赤みや発疹、水ぶくれ、痛み、かゆみなど。

特に皮膚症状より前に、痛みや痒みがみられる特徴があります。このような症状がみられたら帯状疱疹の可能性が高いため、皮膚科や内科を受診してください。

発症後3日以内に治療を開始すれば、自然治癒よりも早く治り後遺症のリスクを減らせます。

帯状疱疹の原因は過去に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスなので、治療は抗ウイルス薬の内服が中心です。

痛みがある場合は、疼痛レベルにあわあせた鎮痛薬が処方されるでしょう。患部は触らずガーゼで保護するようにしてください。

帯状疱疹の時は体が疲れているので、入浴して体を温めたり、十分な睡眠をとるなどできるだけ休むようにしましょう。

帯状疱疹のときに良い食事とは?

帯状疱疹は、特定の食品をたべて治るわけではありません。

しかし、食事に気を付けることによって回復力を高めることが期待できます。

帯状疱疹のときの食事は、免疫力アップを意識することが大切です。免疫力を上げる食事の基本は、体を温めて血流をよくし、腸内環境をととのえること。

その理由は以下の通りです。

体温が低いと血行が悪くなり、身体のすみずみまで酸素や栄養が回りにくくなります。

血液中には免疫細胞も存在するため巡りが悪くなると免疫力低下を招きます。[1]

そのためからだを温める食材をとることで、代謝や免疫力アップ゚が狙えるでしょう。

また、免疫細胞の約7割が集まっている場所は腸です。そのうちの5割が小腸、2割が大腸に存在しています。[2]

腸管内では、上皮細胞と免疫細胞がつくる粘膜バリアがあり、病原菌やウイルスなどの侵入を防いでいます。

さらに腸管内に存在している細菌叢のバランスが健康を保つために重要なポイントです。

したがって腸がよろこぶ食事をとることで、腸内環境が良くなり結果的に免疫力アップへつながるでしょう。

ここでは体を温める食材、腸内環境を整える食材、おすすめメニューを紹介します。

からだを温める食材

にんじん・ごぼう・れんこんなどの根菜類、生姜・にんにく・ねぎのような辛味のある食材、羊肉・鶏肉などの肉類、もち米、黒糖、シナモン・山椒など。

赤、黒、オレンジなど色が濃いもの、冬が旬のもの、北が産地のもの、塩辛いもの、水分が少なくかたいものなどがからだを温める食材の目安です。

腸内環境を整える食材

「まごわやさしい」とはからだによい和の食材の頭文字をとったもので、医学博士の吉村裕之氏が提唱しています。[3]これらは腸内環境を整える食材でもあるため、ぜひ覚えて活用してみてください。

大豆製品:豆腐・豆乳・きなこ・納豆・味噌など

ごま

海藻類:わかめ・もずく・ひじきなど

野菜:キャベツ・ごぼう・にんじん・れんこんなど

魚:いわし・さばなど

きのこ:しいたけ・しめじ・なめこなど

いも:さつまいも・じゃがいも・里いもなど

大豆製品や海藻類、野菜、いも等に含まれる食物繊維は腸内細菌の餌となります。

それぞれ異なる食物繊維が含まれているのでバランスよく食事に取り入れてみてください。

納豆や味噌、ぬか漬けなどの発酵食品は善玉菌を増やして腸内環境をよくするため、なるべく毎日食事に取り入れましょう。

ごまや魚に含まれる良質な油は、腸の動きを滑らかにしてくれます。

きのこ類は豊富な食物繊維が含まれているだけでなく、βグルカンという成分をもつため免疫細胞の働きを整える作用があります。

おすすめメニュー

食欲がないときは、おかゆやうどんなど温かく消化の良いものを食べましょう。

食欲が戻ってきたら少しずつ上記で紹介した食材を取り入れてみましょう。

焼き魚、ねぎや生姜を入れた味噌汁、野菜やきのこがたっぷり使った鍋など温かい和食を中心としたメニューを選ぶのがおすすめです。

帯状疱疹のときに食べてはいけないものは?

帯状疱疹のときに食べていけないものは基本的にありません。

しかし、帯状疱疹になるときは体の免疫力が低下しているため、注意した方がよいポイントがあります。

それは冷たいものや体を冷やすものをなるべく避け、カフェインが多く含まれているものをひかえること。

体を冷やす食べ物をたくさんとると、内臓が冷えたり血行不良となり、回復力に影響する可能性もあるので注意が必要です。

また、カフェインは交感神経を刺激し、安眠しにくくなるため休息を大切にしたい時期には避けた方が無難でしょう。

帯状疱疹のときにバナナを食べても大丈夫?

帯状疱疹のときにバナナを食べても大丈夫です。

バナナは、糖質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを含む栄養満点のフルーツ。

さらに免疫力アップにも貢献してくれる素晴らしい果物なのです。

バナナの免疫効果[4]

  • たんぱく質の代謝に必要なビタミンB6やビオチンが豊富

  • 食物繊維やオリゴ糖など腸内環境を整える成分

  • 白血球を増やしたり、働きを強める作用

ビタミンB6は免疫細胞の活性化にかかわり、ビオチンは細菌やウイルスが侵入したときに起こる炎症を抑える作用に関係します。

シュガースポット(黒い斑点)が出ている熟したバナナはとくに免疫の働きを高める作用が強いです。

少し温めて焼きバナナにしたり、ホットバナナミルクにするとからだに優しいおやつになるでしょう。

帯状疱疹のときだけでなく、免疫力を維持するためにも普段から取り入れていきたいフルーツですね。

帯状疱疹のときにヨーグルトを食べられる?

帯状疱疹のときにヨーグルトを食べても大丈夫です。

ヨーグルトはヘルシーなイメージから、ふだんから食べている人は多いのではないでしょうか?

実際、タンパク質やカルシウム、乳酸菌、ビタミンなど健康に役立つ成分が含まれています。さらにヨーグルトは、免疫力をアップする効果も期待できます。

ヨーグルトの免疫効果

  • 善玉菌を優位にして腸内環境を整える

  • 乳酸菌の種類によっては免疫細胞を活性化する

ヨーグルトは、オリゴ糖を含む食品とあわせてたべることで、善玉菌の働きが高まります。

バナナやきなこ、はちみつなどと一緒に食べるとよいでしょう。

ヨーグルトは冷たいので、食べすぎると体が冷えたり胃腸に負担がかかることがあります。

少し温めたり、量に気を付けながら食べるようにしてください。

ヨーグルトは帯状疱疹のときだけでなく、日ごろから継続して食べることでよい効果が得られるでしょう。

帯状疱疹のときにチョコレートを食べてもよい?

帯状疱疹のときに少量であればチョコレートを食べても大丈夫です。

おやつタイムや息抜きしたいときなどにチョコレートを食べたくなりますよね。

チョコレートは美味しいだけでなく、注目の成分としてカカオポリフェノールが含まれています。

カカオポリフェノールは、疲労回復やリラックス効果、動脈硬化の対策、酸化ストレスを減らす可能性があるといわれています。[5]

ただし、チョコレートにはカフェインも含まれているため、帯状疱疹のときは注意すべき食品です。

ダークチョコレートなど苦みが強めのチョコレートはカフェインも多く含まれています。

帯状疱疹が治るまでは、チョコレートを少量楽しむ程度にしておきましょう。

帯状疱疹のときに飲み物はどれを選べばいい?

白湯や紅茶、ハーブティーなど体を温めるものを飲みましょう。

とくに体を温める食材である生姜やシナモンを入れた紅茶がおすすめです。

紅茶はもともとコーヒーや緑茶よりカフェインの含有量が少ないとはいえ、気になる方はノンカフェインのものを選びましょう。

カモミールなどのハーブティーは疲れたからだをリラックスさせる効果があるので、ぜひ取り入れてみてください。

帯状疱疹のときにやめた方がいい飲み物は?

アルコールのほか、栄養ドリンクやコーヒー、緑茶などは控えましょう。

治療薬を内服しているときに、アルコールの摂取はしない方が無難です。なぜなら薬の作用に影響してしまう可能性があるからです。

また、体力回復を願って栄養ドリンクを飲みたくなりますが、カフェインが多く含まれていることが多いためかえってリラックスできない可能性があります。

これはコーヒーや緑茶も同じことがいえるでしょう。

ただし、緑茶に含まれるカテキンは抗ウイルス作用をもつため風邪やインフルエンザなどの予防にはよいとされています。

帯状疱疹のときによいサプリメントは?

帯状疱疹は病院で処方される抗ウイルス薬で治療することが基本です。

とはいえ補助的にサプリメントを活用するのもよいでしょう。

ここではビタミンB12とビタミンCを紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

ビタミンB12は傷ついた神経の回復に良いとされており、帯状疱疹の治療として病院で処方されることがあります。[6]

ビタミンCは免疫機能を強化し、病気への抵抗力を高めることができます。

帯状疱疹の治療にビタミンC点滴を併用することで、痛みや皮膚の症状に効果が得られたとの報告があるようです。[7]

サプリメントを使用したい場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。

帯状疱疹を予防するにはどうしたらよい?

帯状疱疹にならないために大切なのは免疫力を下げないこと。

免疫力が低下すると体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化して発症につながります。

若い人では疲れやストレスから帯状疱疹を発症することが多いです。

そのため、日ごろから十分な睡眠やバランスの取れた食事をとり、ストレスを解消する工夫を心がけましょう。

また中年~高齢者では、加齢にともない免疫力が低下したり、がんや糖尿病などの病気から帯状疱疹になることが多いです。

持病がある人は定期的にフォロー検査を受けましょう。

また健康な人でもドッグ検査やがん検診などを受け、免疫力の低下する病気が潜んでいないかチェックすることが大切です。

また、50歳以上の人であれば帯状疱疹のワクチンを受けることで、発症予防になったり重症化リスクを下げることができます。

対象となる方は、ぜひ予防接種を検討してみてください。

帯状疱疹にならないために工夫することで、風邪や他の病気の予防にもつながるでしょう。

帯状疱疹にならないようにする食べ物とは?

帯状疱疹を予防するには免疫力をあげる食事が大切です。

ここでは、免疫力をあげるおすすめの食品を紹介します。[8]

ただし、特定のものだけを偏って食べるのではなく、バランスのよい食事を心がけましょう。

肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク質は、からだや免疫細胞のもととなる重要な栄養素のため積極的に食べるようにしてください。

緑黄色野菜はビタミンACEが豊富なので、免疫力アップに役立ちます。

きのこは食物繊維が豊富で腸内環境を整えながら、直接免疫にかかわる作用もあるためおすすめの食材です。

また納豆や味噌、ぬか漬けなどの発酵食品は善玉菌を増やして健康的な腸内環境をつくるため毎日食べるようにしましょう。

Q&A

帯状疱疹になったらやってはいけないことは?

帯状疱疹になったときに自己判断で治療をしてはいけません。

市販薬を使った治療は症状を悪化させてしまう可能性があるため注意が必要です。

帯状疱疹のメイン治療となる抗ウイルス薬は市販されていないため、皮膚科や内科で治療を受けましょう。

処方された薬は決められた日数分を内服し、途中でやめないようにしてください。

また帯状疱疹の皮膚症状としてみられる水疱・膿疱を潰してはいけません。潰すことによって細菌感染など二次被害を起こす可能性があります。

患部は冷やしたくなりますが、冷えることによって痛みが増すことがあります。入浴したりホットタオルを使用するなどからだを温める工夫をしましょう。

温めることによって血行が促進され、痛みも緩和する効果が期待できます。

帯状疱疹を早く治すには?

帯状疱疹を早く治すために、症状が現れたらすぐに医療機関を受診することが重要です。

3日以内に治療を開始することで、自然治癒よりも早く治すことができるでしょう。

傷や重症化のリスクを減らす効果も期待できます。

帯状疱疹になるときは体が疲れている証拠なので、無理は禁物です。入浴して身体を温めたり早く寝るなど、よく休むようにしてください。

帯状疱疹の免疫力向上にはどうしたらよいですか?

免疫力の向上は、生活習慣を見直すことが大切です。

  • 毎日10~30分程度のウォーキングや軽い運動をする

  • 入浴して身体を温める

  • 和食中心でバランスのよい食事を心がける

  • 早寝早起き、7時間以上の睡眠をとる

  • 自分にあったストレス解消法をみつける

  • よく笑う

当たり前のようなことばかりですが、毎日続けるのは意外と難しかったりします。

免疫力の向上は、特別なことをするよりも基本を継続することが重要です。

一番簡単な方法はよく笑うこと。笑うことで免疫細胞が活性化することが知られています。

ぜひ今日からできることを取り入れてみましょう。

帯状疱疹の痛みを軽減する方法は?

まずは医療機関で適切な鎮痛薬を処方してもらいましょう。

通常の鎮痛薬で効きづらい場合は、より強い鎮痛薬が処方されたり神経ブロックなどの局所麻酔注射が行われることがあります。

自宅でできることは以下のようなものがあります。

  • 患部は冷やさず適度に温める

  • 患部を包帯やガーゼで覆って刺激を少なくする

  • 疲れるようなことはしない

帯状疱疹は冷やすと痛みが増すため、入浴や保温をすることで血行が促進され痛みが緩和できます。

また、擦れて痛い場合は、患部をガーゼや包帯で覆うことで刺激を少なくすることができるでしょう。

ストレスや疲れが痛みにつながることもあるので、からだをリラックスさせて十分休むようにしてください。

まとめ

帯状疱疹のときにバナナを食べても大丈夫?食べてはいけないものは?について解説しました。

帯状疱疹のときに食べてはいけないものはありません。バナナももちろん食べて大丈夫です。

ただし、冷たいものや体を冷やすもの、カフェインが含まれている食品などは注意しましょう。

帯状疱疹治療の基本は病院を受診することですが、食事や生活に気を付けることで免疫力をアップさせて早期の回復を期待できます。

ぜひ本記事を参考にしながら、ゆっくり休んでお大事にしてください。

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もし、ご家族やご自身の体調でご不安な点がありましたら、ファストドクターを頼ってください。

参考文献

[1]ミッドタウンクリニック

[2]大正製薬

[3]汐田総合病院

[4]スミフル

[5]明治

[6]おぎはら皮ふ科

[7]スキンソルーションクリニック

[8]マルコメ

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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