熱中症による下痢の対処法・治し方は?
熱中症による下痢への対処法は、体を冷やして熱をとり、不足した水分や塩分を補ったうえで、お腹に優しい食事を摂ることです。
熱中症は、高温・多湿の環境や運動で多量の汗をかき、体から水分が失われた状態です。
そして下痢は、消化器官の機能低下により腸で吸収できなかった水分が便と一緒に排泄される状態です。
熱中症も下痢も体から水分が失われてしまいます。人の体重の3分の2は水分であり、それが大きく不足すると重篤な状態に陥ることがあります。
ここからは熱中症による下痢の症状があらわれたときの対処方法を具体的に説明していきます。
症状が軽いうちにできるだけ早く対処し、重症化を防ぎましょう。
応急処置 をする
下痢などの熱中症の症状があらわれたときはまず、応急処置を行いましょう。[1]
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涼しい場所へ移動して、体を冷やす
木陰やエアコンのきいた涼しい部屋に移動し、首や脇の下、太股の付け根など、太い血管がある部分を冷やしましょう。
太い血管を冷やすことで、血液が循環するときに全身に張り巡らされた血管を通して体温を下げることができます。
濡らしたタオルで体を拭いたり、うちわなどであおいだりすることで、汗のかわりに体の熱を放散させ、体の表面温度を下げることができ効果的です。
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水分と塩分を補給する
熱中症は体から汗とともに水分、塩分、ミネラルなどが失われている状態です。熱中症の症状がでたときは、それらを補える清涼飲料水を選びましょう。
経口補水液やスポーツドリンクなどは、体から失われた水分だけでなく塩分も補給できます。食塩水(水1lに1〜2g の食塩)も有効です。
ジュースでは糖分を摂りすぎてしまう可能性があるので注意しましょう。
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横になって体を十分に休める
立ったままでいると、倒れてしまう危険があります。
それは体内の水分が不足したことで血液量が減ったり、体が熱を逃がそうと血管を広げたりするため、血圧が下がるからです。
必ず横になり、衣服を緩めた状態にしましょう。(このときトラブルを避けるため、同性が介助しましょう)
熱中症の下痢を速攻で治す方法は?
残念ながら下痢の症状を速攻で治す方法はありません。しかし、できるだけ早く治すためにできることはあります。
それは体を休めてあげることです。
一見すると時間がかかるように感じますが、一番早く治す方法です。早く治したいと焦る気持ちがあるとは思いますが、辛抱強く対処してみましょう。
体を休めるために具体的にできることを解説していきます。
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消化・吸収のよいものや、食物繊維の少ない炭水化物を摂る
下痢は胃腸の機能が低下している状態なので、胃腸に優しく、消化吸収のよい食事を心がけましょう。食物繊維の多い芋類や海藻類は消化に時間がかかります。
弱った胃腸に負担をかけることになるので避けましょう。
消化吸収がよいもの:おかゆ、重湯、よく煮込んだうどん、味噌汁、 野菜スープ、リンゴのすりおろし、アイスクリーム、ゼリーなど
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こまめに水分をとる
下痢が続いている場合は、体から排泄された水分を補う必要があります。
カフェインや炭酸などの刺激の強い物を避け、温かい飲み物を摂取しましょう。気温が高くて、温かい飲み物が喉を通らない場合は、冷やしすぎない温度の飲み物を選ぶようにしてください。
熱中症の症状が強く、飲水が可能な場合は経口補水液やスポーツ飲料を選択してください。ただし、一度に大量の水分を摂ると胃腸を冷やし、消化器官に負担をかけるのでこまめに摂取しましょう。
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症状が重い場合は医療機関を受診する
72時間以上続く下痢、強い腹痛がある、血便がでた、意識がはっきりしない、水分を摂ることができない、応急処置をしても症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
熱中症も下痢も体から水分が失われた脱水状態です。
熱中症による下痢は、体から失われた水分が補給できなければ熱中症が急速に進行し、命にかかわります。すみやかに医療機関を受診しましょう。
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休息をとり、体の回復を促す
回復の為には何より体の休息が大切です。熱中症と下痢で体は大きなダメージを受けています。
水分不足から全身に送る血液が不足し、熱をためこんだ体の中では炎症が起き、胃腸は弱って正常に機能しません。
この状態で無理に動くと、熱中症による下痢は治るどころか悪化しかねません。休息は体にかかる負担を最小限に抑えることができます。
早く治したいという焦る気持ちを抑え、安静にして回復を待ちましょう。
熱中症による下痢|救急車を呼ぶ・受診する目安は?
下痢以外の症状で、呼びかけに応答がない、けいれんしている、ぐったりしている、まっすぐに歩けないなど意識障害や全身症状が出現している場合はすぐに救急車を呼びましょう。
これらの症状に当てはまるときは、応急処置をした後に速やかに医療機関を受診しましょう。
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経験したことがないような激しい下痢をしている
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下痢以外に嘔吐、吐き気などがあり自力で水分補給ができない
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しばらく休息をとっても症状がよくならない
高齢者や乳幼児、糖尿病や心臓病などの持病がある方は、これらの症状が当てはまらなくても早めに受診してください。
その理由について解説します。
熱中症で搬送される人の半数が65歳以上の高齢者で、死亡者数全体の8割を占めています。[3]
この原因の一例として、年齢とともに体温調節機能が鈍くなり暑さを感じにくくなる、汗をかきにくくなり熱が体にこもりやすくなるということがあげられます。
熱中症の症状がでたときにはすでに重症化していることもありえます。高齢の家族がいる場合は、体調変化に気を配り手遅れにならないように、早めに医療機関を受診しましょう。
一方乳幼児は、体が未発達のため熱を逃がしにくく、体に占める水分量が多いため外気温の影響を受けやすいという特徴があります。
また、体調の変化を正確に伝えることも困難でしょう。[2]
体を冷やそうとしても嫌がってできなかったり、体調を回復させるだけの十分な量の水分を飲ませられなかったりということもあるかもしれません。
顔や唇の色、機嫌、活発に動いているか、おしっこの量などを慎重に観察し、普段の様子と比べて少しでも異変があれば医療機関への受診をためらわないでください。
また糖尿病、心臓病などの持病がある方は持病の悪化を招くこともあります。
熱中症による下痢の症状があるときに、血圧を下げる薬、血糖を下げる薬などをいつもどおりに服用すると持病や熱中症による下痢の症状が悪化することがあります。
できるだけ早く医療機関を受診し、薬の服用について医師に相談しましょう。
熱中症で下痢が起きる原因について
熱中症で下痢が起きる原因は、腸の炎症や血流量の低下、腸蠕動の活発化、腸の浸透圧の異常にあります。
腸はデリケートな臓器で、健康のバロメーターと言われます。それは腸が、水分の過不足、炎症、ストレスなどの影響を受けやすいからです。[4][5][6]
それでは熱中症で下痢が起きる原因について少し詳しく解説します。
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熱中症により深部体温が上昇すると、細胞が障害され、体に炎症を引き起こす炎症性サイトカインという物質が分泌されます。
炎症性サイトカインの働きで便の刺激に敏感になり、便中の水分を吸収できずに排泄するため、下痢が起こります。 -
熱中症により大量の汗をかくと、体内の水分と電解質が不足し、脱水症状が発生します。
この状態が続くと消化器官へ流れる血液が不足し、消化器官の運動低下から下痢を引き起こすことがあります。 -
汗をたくさんかいた後に水分を一気にとると、腸の蠕動運動が活発になり下痢を引き起こします。
また、大量の汗がでて体が脱水状態になると、ドロドロになった血液が一気に体内に取り込まれた水分で薄まってしまいます。
薄まった血液により腸管から腸壁に水分が吸収されなくなった結果、水分を多く含んだ便が排泄されるのです。
熱中症の下痢は何日続くの?
下痢の原因が熱中症となると、症状が何日続くのか想像しにくく不安になりますよね。
熱中症による下痢は個人差はありますが、2~3日程度で自然に回復します。
ただし、下痢の原因が熱中症なので回復までに時間がかかる場合もあります。
熱中症に重症度分類があるのはご存じでしょうか?熱中症は、意識がはっきりしている軽症、意識が何となくおかしい中等症、意識がない重度と3つに分けられています。
軽症の熱中症であれば正しい処置をすることで24時間以内に改善しますが、重度になると医療機関で数週間の治療を要する場合もあります。
下痢症状が72時間以上続くときは、他の病気が隠れている可能性もあるので、医療機関を受診することをおすすめします。[7]
熱中症による下痢が治らないときはどうしたらいい?
72時間以上下痢が続くときは、医療機関を受診しましょう。[1]
下痢による脱水症状の進行や熱中症以外が原因の下痢の可能性もあります。医療機関で適切な診断・治療を受けてください。
脱水症状が強い場合は、点滴による水分や塩分、栄養素の補給が行われることがあります。医師の指示に従い適切な治療を受けることで、熱中症による下痢の改善が期待できるでしょう。
熱中症の下痢を防ぐ方法は?
熱中症による下痢を防ぐ方法は、水分や塩分の適切な補給、休息の確保、消化器官に負担をかける食事の習慣化を避けること、熱中症の予防策を実施することです。
では、具体的にどのようなことをおこなえばよいのでしょうか?詳しく解説していきます。
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水分をこまめに摂る
下痢を防ぐためには常温や温かい飲み物が最適です。
ただ夏場は暑く冷たい水分が欲しくなりますし、乾いた喉を潤すために一度にたくさんの水分を飲んでしまうこともあるかもしれません。
しかし冷たすぎるものやたくさんの水分は、腸を刺激し、下痢を起こしてしまいます。氷は入れるとしても少量にし、一度にたくさん飲み過ぎないように気をつけましょう。
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塩分を適度に摂る
汗をかくと、多くの水分とともに塩分が失われます。
個人差や体調などによる違いはありますが、汗に含まれる塩分量は0.4%程度です。500mlの汗で約2gの汗を失う計算ですね。
日本人は1日約10gの塩分を摂取しているので、普段通り食事を摂れていれば必要十分ですが、運動などで発汗しているときはそうではありません。
運動中の発汗量は1時間に2lにおよぶことがあり、その場合約8gの塩分をとる必要があります。
飲食物に含まれる塩分は、商品の差はありますがスポーツ飲料であれば500mlあたり0.5~1g、塩飴は0.1~0.2gです。
環境やシチュエーション、体格、年齢などによって変わるので、状況に応じて適切に塩分を摂取しましょう。[8][9][10]
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帽子を着用する
帽子をかぶることは、熱中症対策に有効です。
直射日光が頭に当たると、頭の温度が上がり、その熱を逃がそうと血管が拡張するため頭痛を引き起こします。
また日本人の黒髪は熱を吸収しやすい色なので、帽子をかぶるだけで5~10℃の温度上昇を抑制する効果があるといわれています。
メッシュや麻、麦わら帽子といった通気性のよい素材で作られた物や、日光を広く遮ることができる、つばの広い帽子を選ぶと効果的です。[11]
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こまめに休息をとる
疲労が蓄積すると、熱中症にかかりやすくなります。それは心身の不調が、体の司令塔の役割をもつ自律神経を乱し、体温調節機能を低下させるからです。
自律神経の乱れは胃腸の動きも悪くし、下痢の原因にもなります。睡眠はしっかりと確保し、疲労を溜めすぎないようにこまめに休息をとりましょう。[12]
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エアコンなどで温度を管理する
温度計を設置し、28度を超えないように室温を調整しましょう。室内でも熱中症になることがあります。
エアコンを適温に設定していても、エアコンの設置位置や強い日差しが入りやすい建物の間取り、外気温、湿度、体調不良などが要因で熱中症になる可能性があります。
実際に高齢者の約半数は住宅で発生しているので、室内でエアコンもつけているからと安心しきっていては危険です。その日の環境や体調に応じてエアコンを上手に使いましょう。[13]
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消化に時間がかかる食事は控えめにする
脂肪分や糖分が多いもの、食物繊維を多く含むもの、香辛料を多く含むものは消化に時間がかかったり、刺激が強かったりして胃腸の負担になります。
万全の状態であればよいかもしれませんが、体調が万全でない場合は避ける方が賢明です。
令和3年度より暑さ指数(WBGT)を用いた熱中症警戒アラートが運用されています。[14]
毎日の暑さ指数(WBGT)とその日の予定を考え、一番ベストな熱中症対策の準備をしましょう。
また食生活の偏りや睡眠不足、ストレスや疲労を溜める生活習慣は、自律神経を乱し、消化器官の動きを不安定にします。
この機会に、下痢になりにくい体作りを目指して、食生活や生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
熱中症の下痢に効く薬はある?
熱中症の下痢は、残念ながら特効薬はありません。
「一刻も早く下痢を止めたい」「下痢には下痢止めが効くのではないか」と考え、薬を購入するために薬局へ足を運ぼうとするかもしれません。
しかし、自己判断での下痢止めの服用は、注意が必要です。
持病で薬を服用している場合は、薬の飲み合わせ次第では薬の作用が変化する危険もあります。
また下痢止めを選ぶとき、下痢の原因に合った成分が入っている薬を選ばなければ効果がありません。
万が一にも熱中症が原因でない場合は、下痢止めを服用したことで治りが遅くなる可能性があるからです。[15]
熱中症による下痢では、熱中症の対策をしながら体を十分に休息させて、水分・栄養を摂ることで自然に回復します。
仕事などの都合で下痢症状を早く緩和させるために下痢止めを服用したいときは、医療機関を受診して医師の診断を受けるか、薬局の薬剤師に相談してください。
熱中症以外に下痢を引き起こす病気について
下痢の原因は本当に熱中症なのだろうか。
医療機関を受診して診断を受けていないと、下痢の原因が熱中症なのか確信が持てず不安ですよね。
暑い時期は、熱中症のほかに食中毒、感染性胃腸炎や風邪による胃腸炎等で下痢の症状がでます。
冷たいアイスなどの食べ物や飲料による刺激、薬の副作用、ストレス、過敏性腸症候群などの腸の病気などでも起こりえます。
料理するときの衛生管理は問題なかったか、摂取した食品の賞味期限の確認、味に変化がなかったか、周囲に胃腸炎を引き起こす感染の広がりはないか、風邪をひいていないか、飲食したものの温度はどうだったかなど、消去法で原因を探ることもできます。
また熱中症が原因だと疑って対処しても症状が継続するとき、下痢以外に症状が出ていないかも観察してください。
「熱中症による下痢の可能性は高いけど他の病気の可能性もある」という姿勢で観察すると、症状の見落としが防げます。
熱中症による赤ちゃん・子どもの下痢について
赤ちゃんや子どもは自分の症状を上手に訴えることができません。
下痢症状があるときや、食事の量が普段より少ないとき「お腹が痛い」「気持ち悪い」という訴えがあったときは熱中症の可能性もあるということを理解しておきましょう。
赤ちゃん・子どもは下痢などの熱中症症状が起きやすいといわれています。その理由について詳しく解説します。
赤ちゃん・子どもが熱中症になりやすい理由
乳幼児は大人と比べると体温調節機能が未発達です。また、体の小ささから照り返しの影響を受けやすく、体の不調を言葉で伝えることができません。
それゆえに乳幼児は熱中症のリスクが高く、周囲の大人たちがしっかりと気にかけてあげる必要があります。
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体温調節機能の発達が不十分である
子どもは汗をかく機能が発達していません。そのため、暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまいます。
つまり、熱しやすく冷めにくい体質です。
外気温の影響も大きく受けるため、体温が上昇しやすく熱中症になりやすいという特徴があります。[2]
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照り返しの影響を受けやすい
子どもは大人よりも身長が低い為、地面からの照り返しの影響を強く受けます。
そのため、大人が暑いと感じているとき、子どもはさらに高温の環境下にいることになります。
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自分で予防できない
子どもは自分で自らの体調の変化を訴えられないことがあります。
屋外でずっと遊んでいると、その楽しさに夢中になってしまい、身体に異変が起きていても気づかないのです。
したがって、異変がないか周囲の大人が気にかける必要があります。
乳幼児は体も言葉も発達途中です。
発達の程度には個人差がありますが、言葉でコミュニケーションがはかれるようになるのは2歳前後、自分の症状を正確に伝える程度に言葉と知能が発達するのは一般的に5歳前後といわれています。
さらに、熱中症の危険を理解して行動できるのは中学生くらいです。それまでは周囲の大人たちが、子どもたちの熱中症を防げるようにサポートする必要があります。[16][17]
Q&A
熱中症による下痢について、多くの方が感じる疑問についてお答えします。
熱中症は下痢になりますか?
あまり聞き慣れないかもしれませんが、下痢は熱中症の症状の一つです。熱中症で下痢が起きる原因にはいくつかあります。
熱中症は体の水分バランスが崩れ、熱を逃がせなくなり、体に熱がこもる病気です。体に熱がこもると、体内で炎症性の物質であるサイトカインが産生され、消化器官を刺激し、下痢を引き起こします。
また熱中症で脱水になったり、熱中症対策で水分を摂りすぎたり、冷たいものを飲食することも下痢の原因となります。
なぜ暑いと下痢になるのでしょうか?
胃腸はデリケートな臓器です。
暑いからと涼しい場所にいたり、冷たいものを摂取したりすると、胃腸の負担になり動きを弱めてしまいます。胃腸の動きが弱まると、便から水分を吸収ができなくなるので下痢になります。
また暑さによる体へのストレスで細胞から放出される「炎症性サイトカイン」という物質も下痢の原因です。
炎症性サイトカインは消化器官に炎症を起こします。刺激を受けた胃腸は、腸管内にある便に敏感に反応するため、蠕動運動が活発になり下痢を引き起こします。
熱中症でお腹が痛くなりますか?
熱中症では体の中の水分などが汗とともに体外に排泄されるため、体は脱水状態となっています。
体の中の血液量が減少することで、消化器官の動きが悪くなり消化不良などが起きるのです。
その結果、腹痛が起きることがあります。
また炎症性物質であるサイトカインが産生され、消化器官が刺激されてお腹が痛くなることがあります。腹痛のほか、吐き気や嘔吐、頭痛などの症状があらわれることもあり注意が必要です。
脱水症状で下痢になるのはなぜですか?
脱水とは体内の水分量が減り、電解質のバランスが崩れた状態です。これにより血液が濃くなると、腸の機能低下のため、体内への水分の引き込みが困難になり、下痢を引き起こします。
さらに、大量に汗をかいた後に一気に水分を摂ることは、胃腸を冷やし、消化を遅らせる原因になります。
また体の中の血液が薄まってしまうため、浸透圧差で吸収されている水分を適切に吸収できなくなり、便が水っぽくなります。
まとめ
暑さから体調を崩しやすい夏。
熱中症はさまざまな症状がありますが、この記事では「下痢」に焦点を当てています。
この記事の要点をまとめると
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熱中症の症状の一つに下痢が起こることがあります。
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熱中症による下痢があるときは、体を冷やし、水分や塩分を摂って体を休めるようにしてください。水分摂取と消化に良い食べ物を摂ることで治りを早めることができます。
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熱中症は軽症であれば応急処置をすることで自然に軽快しますが、頭痛や吐き気、倦怠感がある場合は中等度にあたる可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。
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意識がもうろうとしている、会話ができない、けいれん等全身症状が出ている時はすぐに救急車を呼んでください。
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子どもは熱中症による下痢症状を訴えることが難しいため、子どもの訴えをよく聞き、熱中症による下痢の可能性も考えて対応してください。
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熱中症による下痢を予防するためには、外出時にはこまめに水分摂取し、直射日光に当たらないように対策します。
室内ではエアコンを適切に使用し、室温28℃、湿度40~60%を目安に室温を調整してください。
高齢者は暑さを感じにくいため、温湿度計で確認する方法もあります。休息をとり疲れを溜めないようにしましょう。
疲れが溜まってきたら胃腸に負担のかかる食事は避けるようにしてください。
となります。
熱中症による下痢はつらいですよね。
この記事を参考に、一日でも早く改善するよう対処しましょう。
熱中症は、気付いた時にはかなり脱水症状が進行していたり、判断が遅れて重症化するケースがあります。
ファストドクターのオンライン診療では、熱中症が疑われる症状への対応が可能です。
緊急性の判断などにもご利用いただけます。
もしものときに備えてアプリをインストールし、情報登録までしておくと安心です。
参考文献
[6]公益社団法人 日本生化学会 炎症可視化モデルマウスの開発
[7]胃腸炎になったとき、仕事は何日休むべき? ファストドクター
[11]【効果的な熱中症対策】帽子を変えるだけで予防効果は絶大!
[12]MSDマニュアル プロフェッショナル版 自律神経系の概要
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。