ジアルジア症について
ジアルジア症の特徴・要因・症状
ジアルジア症の特徴
ジアルジア症というのは、ランブル鞭毛虫が原虫の感染症として世界各地で見られものであり、アメリカにおいては寄生虫が要因である腸管感染症の中でトップになっています。
シストと言われる外殻を、ジアルジア属の一部のランブル鞭毛虫は形成します。
そのため、ランブル鞭毛虫は長期間河川や湖などの外部環境で生きられるようになって、プールなどの塩素でも死ににくくなります。
このような外殻のシストは、体の外に便と一緒に出て、感染する要因になります。
ランブル鞭毛虫は、よく河川や湖などの淡水で見られるもので、一見するときれいなようなところにもいます。
自治体の上水システムにおいて十分にろ過されていなかった場合は、感染する要因の一つになります。
感染するほとんどの場合は、感染している水を飲むことによって起きます。
例えば、プールで泳ぐ際に水を飲むなどが挙げられます。
しかし、感染している食べ物を摂って感染したり、多く小児同士などの間で見られたり、感染している人の便を触って感染したりすることもあります。
ジアルジア症に多く感染するケースとしては、
- 小児が託児所で過ごしている
- 発展途上国を訪問している
- ハイカーやバックパッカーが処理をしないで湖や河川の水を飲んでいる
などが挙げられます。
ランブル鞭毛虫は、野生動物も宿しています。
ジアルジア症の要因
ジアルジア症は、寄生虫病であるとともに、一種の鞭毛虫のランブル鞭毛虫が感染して発症する感染症です。
一旦ジアルジア症に感染すれば、哺乳類の人などの消化管において繁殖し始めて、下痢性胃腸炎が起きるようになります。
感染する主な経路としては、糞口経路であり、感染している人の排泄物から飛び散ったランブル鞭毛虫が要因とされています。
そのため、感染しているが症状が潜伏している期間が終わった後も現れない人の排便は、非常に感染源として脅威になります。
また、人同士が接触したり、感染している飲料水・食べ物を介した集団感染が広い範囲に及んだりすることも発生するケースがあります。
飲料水が感染している場合は、特に、完全に除去することが普通の浄水処理では難しく、消毒を塩素で行っても抵抗を示すので、感染は間違いなく拡がるようになります。
ジアルジア症の症状
ジアルジア症の場合は、個人によって全く症状が現れないことがあります。
症状が現れる場合は、1週間~2週間経ってから現れます。
代表的なジアルジア症の症状としては、腹部のけいれん、鼓腸というガスの貯留、げっぷ、水様性の水悪臭がする下痢などがあります。
一時的に吐き気が起きることもあります。
漠然とした不快な感じと疲労感があって、食欲不振になります。
治療しなければ、数週間下痢が継続する場合があります。
また、少数ですがより下痢が長引く場合もあります。
このような場合は、十分に食べ物から栄養を吸収することができなくなって、非常に体重が少なくなる場合があります。
ジアルジア症が慢性になると、通常の小児の成長が阻害される場合がたまにあります。
ジアルジア症の診断と検査
ジアルジア症を診断する最も簡単な方法としては、便検査によって抗原のタンパクとしてランブル鞭毛虫が出したものを検出するものです。
顕微鏡で便のサンプルや小腸から採った分泌物を見れば、寄生虫が分かることもあります。
しかし、長期間に感染が渡れば、寄生虫が出るサイクルが不規則になるので、便を顕微鏡で見る検査を時々繰り返して行う必要があります。
ジアルジア症の治療法
ジアルジア症を治療する方法としては、ニトロイミダゾール系のチニダゾールやメトロニダゾールの薬剤が使われます。
このような薬剤は、抗トリコモナスとして日本において薬価収載されています。
ジアルジア症の予防
ジアルジア症の予防薬や予防接種はありません。
そのため、ジアルジア症を予防するための対策としては、
- 水泳プールや飲み水などの公共用水の処理を適切に行う
- 食べ物を扱う場合は衛生管理を十分に行う
- 例えば、トイレの後には手を十分に洗うなど、適切な衛生習慣を個人が持つ
などが挙げられます。
ランブル鞭毛虫は、水を煮沸すれば死ぬので、河川などの水をハイカーが飲む際には最もおすすめです。
塩素やヨウ素で、井戸、プール、貯水槽の水を消毒することもできます。
しかし、この方法は、水温、水の濁度、消毒処理の回数で違いがあるので、信頼があまりできません。
飲み水に対して普段使う塩素の量は、シストを死なせるために十分でない場合があります。
ろ過装置の携帯型のものを使用すれば、シストを水から除去することができますが、有効性がろ過装置にあると判定できないこともあります。
また、世界中でジアルジア症が発生しています。
特に、長期間農村部の亜熱帯~熱帯で滞在したり、頻繫に未開地で飲食したりすると感染するリスクがあります。
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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。