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胃腸炎のとき食事はどうする?
胃腸炎と診断されて嘔吐が続いているときは、食事や水分をすぐにとるのは控えましょう。
<胃腸炎に適した食事と水分のとり方>
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嘔吐がおさまってから食事をする
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消化しやすいものを食べる
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少しずつ水分補給する
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安静にして休息する
胃腸炎には、ウイルス性胃腸炎、細菌性胃腸炎、ストレス性胃腸炎などがあり、下痢や吐き気、嘔吐を中心とした消化器系の症状がおもにあらわれます。
どの胃腸炎になった場合でも、基本的に食事のとり方は変わりません。
胃腸炎における食事摂取のポイントをつかみ、1日でも早い回復を目指しましょう。
嘔吐がおさまってから食事する
食事再開のタイミングは、嘔吐や下痢が落ち着き、水分を問題なく摂取できるようになったら考えるとよいでしょう。
嘔吐が続いている場合、食事をしても吐いてしまう可能性が高く、からだに余計な負担がかかります。
1~2食ほど抜き、水分を中心に少しずつ摂取することをおすすめします。[1]
食事を再開した直後は「胃腸炎のときにおすすめの食べ物は?」を参考に、胃腸にやさしい食事を心がけてください。
消化しやすいものを食べる
胃腸炎になった場合、胃腸を休ませるために消化しやすい食事をとります。
消化しやすい食事とは、分解と消化が簡単におこなえるものです。やわらかい、繊維が少ないなどの特徴があります。[2]
<消化しやすい食事の特徴>
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やわらかい
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からくない
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繊維が少ない
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調理が済んでいる
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胃腸にやさしい
揚げ物やナッツなどの脂肪分が多いもの、酸味の強いフルーツ、脂肪分の多い乳製品は、胃腸に負担がかかるため、少なくとも症状があるうちは避けたほうがよいでしょう。[2]
少しずつ水分補給する
嘔吐が30分おさまったタイミングで、少量の水分から摂取を開始します。[3]
そのまま嘔吐がなければ、ティースプーン1杯程度から少しずつ量を増やして摂取しましょう。
嘔吐や下痢によって体内のミネラルも失われるため、水分と合わせて栄養素を摂取できるものが望ましいです。[4]
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経口補水液
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常温のスポーツドリンク
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ミネラルウォーター
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コンソメスープ
冷えたもの、熱すぎるものは胃腸に負担がかかりやすいため、常温や少し冷ましたものがよいでしょう。
胃腸炎でもっとも予防すべきものは、脱水です。
嘔吐や激しい下痢がおさまらない、水分を摂取できない状態が続いているなどの場合、深刻な問題を引き起こすおそれがあります。
とくに小さな子ども、高齢者の場合は脱水症状を引き起こしやすい傾向です。[4]
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おしっこが出ない、少ない
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口やのどが乾いている
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立ち上がるとめまいが起こる
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泣いても涙を流さない
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ずっと寝ている
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不機嫌が続いている
あてはまる症状があったら、悪化する前に医療機関を受診しましょう。
安静にして休息する
安静にすることで、からだがウイルスと闘うエネルギー(免疫力)を確保しやすくなり、回復の促進が期待できます。
胃腸炎では嘔吐や下痢によって水分やミネラルを失いやすく、体力を消耗しがちです。
からだを休めることは胃腸への過剰な刺激を避けることにもつながります。
活動を再開するときには、無理のない範囲から始めることが望ましいです。
子どもが胃腸炎のときの食事は?
胃腸炎を発症した人が子どもの場合、基本は水分補給を優先し、症状に応じた食事を選びましょう。
状況 |
対応方法 |
注意すること |
軽い下痢の場合 |
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以下の食品は避ける
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離乳食開始前の乳児の場合 |
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嘔吐が強い場合 |
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小さい子どもは、自分でからだの変化を伝えるのが難しいです。
症状が悪化するとぐったりしたり、不機嫌だったりと普段と違う様子がみられるため、大人が症状の変化を注意深く観察し、早めに対応することが重要です。
胃腸炎のときにおすすめの食べ物は?
胃腸炎の際は、胃腸に負担をかけない食べ物や調理方法を選びましょう。[2]
食品の分類 |
具体的な食品 |
おすすめの調理例 |
ポイント |
主食 |
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魚介類 |
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肉類 |
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卵 |
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大豆製品 |
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乳製品 |
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野菜 |
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フルーツ |
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調理するときのポイントは、油を使わず「煮る・蒸す・ゆでる」などの消化にやさしい方法を選ぶことです。
体調に合わせて、少量ずつこまめに摂取しましょう。
胃腸炎のときに避けるべき食べ物は?
胃腸炎の際は、胃腸に負担をかけたり、症状を悪化させたりする食品を避けることが重要です。[2]
胃腸炎で避けるべき食べ物の特徴 |
具体例 |
脂肪が多いもの |
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繊維が多いもの |
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刺激が強いもの |
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酸味が強いもの |
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冷たいもの、未調理のもの |
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菓子類 |
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アルコールやカフェイン入りの飲み物 |
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これらの食品を控えることで、胃腸への負担を軽減し回復を促進できます。
胃腸炎のとき、普通の食事はいつから?
胃腸炎の際、症状が落ち着いてから2〜3日かけて普段の食事に戻すことが一般的です。
おかゆから白米へ移行したり、おかずは薄味で調理したものを取り入れたりするのがおすすめです。
子どもを対象にした海外の研究によると、早期(水分補給開始後12時間以内)に食事を再開しても回復が遅れるリスクは低いことが示されました。[6]
とはいえ、食事再開を早くすれば回復が促進されると証明されたわけではありません。
いつもと違う食事を用意するのは手間がかかりますが、胃腸炎から回復するために大切なことです。
無理をせず、できる範囲で進めていきましょう。
Q&A
胃腸炎の食事について、よくある質問についてまとめました。
胃腸炎からの早期回復を促すために、正しい知識を整理しておきましょう。
胃腸炎になったら何を食べればいいのか?
胃腸に負担をかけない消化のよい食事を選びましょう。おかゆ、うどん、野菜スープ、豆腐などがおすすめです。
脂っこいものや刺激の強い食べ物は避けてください。
くわしくは「胃腸炎のときにおすすめの食べ物は?」と「胃腸炎のときに避けるべき食べ物は?」をご参照ください。
胃腸炎でヨーグルトは食べてもいいですか?
基本的に脂肪分の多い乳製品は控えたほうがよいですが、乳酸菌を含むヨーグルトは例外的に摂取可能です。
適量であれば、腸内環境を整える効果が期待できると考えられています。
ちなみに日本の子どもを対象とした研究で、ヨーグルトを週3回以上摂取した乳児で胃腸炎の発生率が有意に低いと報告されました。[7]
胃腸炎をくり返したくない、胃腸炎を予防したいと考える方には、ヨーグルトの定期的な摂取が有効であるという意見もあります。
胃腸炎になったら何日絶食すればいいですか?
症状が強く出やすい発症後1〜2日は、無理に食べなくても構いません。
水分補給を優先し、症状が落ち着いて食べられそうと感じたら消化のよい食事を少しずつ再開しましょう。
まとめ
胃腸炎のときは無理に食事をとろうとせず、少量の水や経口補水液の摂取から始めることが大切です。
嘔吐や下痢が落ち着いてきたら、消化にやさしいおかゆや具なしスープ、すりおろしたりんごなどを少しずつ取り入れ、胃腸を労わりましょう。
食事を再開するときは、脂っこいものや刺激の強い食べ物、カフェインやアルコールは避けるようにしてください。
これらを意識することで、胃腸炎からの回復をスムーズにし、体調を整える助けになります。
焦らず自分のからだと相談しながら、無理のない食事管理を心がけていきましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
[2]Bland Diet - StatPearls|NCBI Bookshelf
[4]About Norovirus | Norovirus | CDC
[6]Early versus Delayed Refeeding for Children with Acute Diarrhoea|PubMed
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。