りんご病(伝染性紅斑)の症状は子どものほっぺが赤くなる?詳しい症状や受診についても解説

公開日: 2024/12/20
「りんご病が流行している」そんなニュースを聞いて、子どもに感染しないか不安になりますよね。子どもの頬が赤いと、「もしかしてりんご病かも」と心配になってしまうものです。 りんご病は風邪に似た症状がでたのちに、頬が赤くなる特徴的な発しんがあらわれる病気です。子どもにはよくみられますが、大人にもうつることがあります。とくに大人がかかると、症状が強くでることもあるため注意が必要です。 本記事では、りんご病の症状や感染の広がり方、受診のタイミングをわかりやすく解説します。りんご病について正しい知識を知れば、慌てることなく子どもの症状に向き合えるでしょう。
症状がこれ以上悪化しないか不安ではないですか?

症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。

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目次

りんご病の症状:子どもの場合

子どもがりんご病にかかると、以下のような症状が順番にあらわれます。

  • 風邪症状(微熱・だるさ・鼻水など)

  • 頬の赤い発しん

  • 体や四肢に広がる発しん

りんご病は正式には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」といいます。その名のとおり、りんごのように頬が赤くなる症状を思い浮かべる方が多いでしょう。頬の赤みは、紅斑(こうはん)と呼ばれる発しんによるものです。

りんご病にかかると、約10〜20日の潜伏期間を経て、風邪のような症状がみられます。初期症状が治ると、両頬に赤く境界鮮明な発疹があらわれるのが特徴です。蝶の羽のように、はっきりとした境目があると覚えておきましょう。頬の発疹が出たあとに腕や足、体に網目状やレース上の発しんが広がるケースもあります。

発しんは通常1週間程度で消えますが、場合によっては一度消えたのちに再びあらわれることもあります。保護者は、症状の経過をこまめに観察しておきましょう。

子どもがりんご病にかかったときは、特別な治療はしなくても、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。[1]

関連記事:りんご病とは?症状や似た病気との見分け方を解説

りんご病の初期症状

りんご病の初期症状は、風邪のような症状です。[2]

  • 発熱

  • 悪寒(体の内部からくるゾクゾクとした寒気)

  • 倦怠感(だるさ)

  • 鼻水や咳

  • 頭痛

頬に発しんが出る7~10日前に、初期症状があらわれます。この時期がウイルスの排出が最も多く、感染力も強いです。発しんがあらわれたときにはウイルスの排出はほとんどなくなり、感染力もほぼ消失します。[3]

りんご病でほっぺが赤くなる理由

りんご病でほっぺが赤くなるのは、赤い発しんによるものです。この発しんは、りんご病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」が引き起こす症状の一つです。[4]

ほっぺだけでなく、胸部や背中、おしり、腕、足に発しんが広がるケースもあります。ただ赤くなっているように見えますが、網目状やレース状に広がる発しんが特徴的です。[5]

子どもがりんご病にかかった時の注意点

子どもがりんご病にかかった時は以下の点に注意しましょう。

  • 発しんの経過観察

  • 周囲の人への感染予防

りんご病の発しんは、一時的に濃くなることがあると知っておきましょう。たとえば日光に当たったときや運動や興奮したとき、入浴後などのタイミングで、発しんが出現することがあります。一度治っていた発しんが再びあらわれたら心配になってしまうものです。いずれも再発ではなく、一時的な反応であるため心配はいりません。ただし肌を刺激しないように注意しましょう。

周囲の人への感染を防ぐ対策も大切です。妊婦や高齢者、免疫力の低い方が近くにいる場合は、うつさないように注意しましょう。妊婦に感染した場合、胎児に影響を与える可能性があります。また、高齢者や免疫力の低い方に感染すると、重症化する恐れもあるのです。ウイルスの感染拡大を防ぐために、こまめな手洗いや咳エチケットを心がけ、保護者も子どもと一緒に対策をしましょう。[6]

子どもがりんご病にかかったら病院に行くべき?

りんご病は発しんがあらわれる頃には感染力がほとんどないため、子どもが元気であれば医療機関を受診する必要はありません。

ただし、以下のような症状がみられる場合は受診を検討してください。

  • 子どもがぐったりして元気がない

  • 高熱が続いている

  • 関節痛がひどい

  • 水分や栄養を十分にとれていない

  • 発しんが悪化している

  • りんご病かどうか判断できない

りんご病による発しんは1週間程度で消えますが、発しんが長引いたり、ただれたり、悪化するようであれば受診しましょう。

医療機関を受診しても、りんご病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」を治す治療や薬はありません。ただし発しんの痛みやかゆみに対する薬や発熱に対する解熱鎮痛剤などを処方してもらえるケースもあります。

とくに子どもの場合は自分で症状を伝えることが難しいため、心配な点があれば医師に相談しましょう。

子どもがりんご病のときは何科を受診する?

子どもがりんご病にかかったときは、小児科を受診するのが適切です。小児科では子どもの全身状態を診察し、りんご病かどうかを判断してくれます。家庭での対応が分からない場合も、適切なアドバイスをもらえるでしょう。

子どもがりんご病にかかったらいつから登校や登園できる?

りんご病は、発熱や関節痛の症状がなく子どもが元気であれば学校を休む必要はありません。顔や体に発しんがでたときには、すでに感染力が弱まっている状態です。[6]

ただし園や学校によっては出席停止となる場合もあります。

学校保健法では、第3種の感染症「その他の感染症」に分類され、症状によっては感染の恐れがないと医師が判断するまで出席停止となる場合があります。[7]

登園・登校の際は、事前に園や学校に確認するのが確実です。

りんご病はうつる?

りんご病は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスが原因で起こる感染症であり、人から人へうつることがあります。

感染経路は以下の二つです。

  • 感染した人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む飛まつ感染

  • 感染者と接触することで感染する接触感染

りんご病の特徴的な発しんが出るころには、感染力は弱まっています。そのため発しんがみられる人と接触しても感染する可能性は低いです。発しんがあらわれる前の段階で感染が広がりやすいと知っておきましょう。

また一度りんご病にかかると、ヒトパルボウイルスB19に対してほぼ一生涯の免疫ができます。基本的に、再び感染することはありません。

りんご病の流行時期とかかりやすい年齢

りんご病の流行は季節性があり、年始から7月上旬にかけて流行し、9月ごろに減少する傾向がみられます。ただし流行が少ない年は、明確な季節性がみられないこともあります。年によって流行時期は若干異なるため、地域ごとの最新の流行情報をチェックしましょう。[8]

5〜9歳の子どもに多くみられ、次いで0〜4歳の乳幼児が多い傾向です。まれに成人も感染するため、大人も注意しましょう。[3]

大人のりんご病の症状は子どもより重い?

大人がりんご病にかかると、子どもより重い症状がでることがあります。

大人の場合、関節炎や関節痛が特徴的で手や膝の関節に痛みを感じます。関節炎の症状により、1〜2日間歩けなくなるほどの痛みにおそわれるケースもあるのです。頭痛を伴う症状も多く、典型的な発しんがあらわれない方もいます。そのため、風疹として誤診されている症例が子どもよりも多いといわれています。[3]

妊婦が初めてりんご病に感染すると、胎児への影響や流産のリスクがあるといわれています。ただし感染を防ぐための対策を徹底することで感染リスクを下げることが可能です。妊娠中の方は手洗いや人混みを避けるなどの感染対策を心がけ、心配な場合は医師に相談しましょう。[9][10]

りんご病に似ている病気

りんご病の発しん症状は、溶連菌感染症や風疹、じんましんなどと症状が似ているため、区別がつきにくいことがあります。それぞれの病気には特徴的な症状があるものの、初期段階では判断が難しいこともあるのです。適切な診断を受けるためにも、気になる症状がみられたときには医療機関を受診しましょう。

りんご病とほかの病気との違い

りんご病の疑いがあるときは、似ている病気と間違わないよう医療機関で診断を受けるのが確実です。

病気

主な症状

発しんの特徴

りんご病

風邪症状・頬の赤い発しん・網目状の発しん

  • 境界のはっきりした赤い発しんが頬にあらわれる

  • 体に網目状やレース上の発しん

溶連菌感染症[11]

発熱・のどの痛み

全身に1~2mm程度の赤い発しんができる

風疹 [12]

発熱・発しん・リンパ節が腫れる

淡い赤色で小さくやや隆起している

じんましん [13]

かゆみ・チクチクとした痛み

  • 虫刺されのような赤く盛り上がった発しん

  • 数mm程度から手のひら以上のものまで大きさや形はさまざま

いずれも発しんがあらわれる病気ですが、それぞれ特徴が異なります。りんご病では頬が赤くなる特徴的な発しんや体に広がる網目状の発しんがみられます。

自分でりんご病かどうか判断するのは難しいです。判断に迷う場合は、医療機関で診断を受けると良いでしょう。

よくある質問

子どもがりんご病にかかると不安に感じることも多いでしょう。

「どのタイミングで受診するべきか」「保育園や学校に通わせても良いか」など判断に迷うこともあります。

りんご病に関する疑問を解消しておきましょう。

子どもがりんご病になったら病院に行くべき?

症状が軽ければ必ずしも医療機関を受診する必要はありません。

りんご病の特徴的な発しんがあらわれたときには、感染力はほとんどなくなっているためです。

ただし、以下の場合は受診を検討しましょう。

  • 元気がなくぐったりしている

  • 高熱が続く

  • 水分や栄養がとれていない

  • 発しんが悪化している

  • りんご病か判断できない

子どもの場合は小児科医に相談すると、症状に合った適切なケアをアドバイスしてもらえるでしょう。

りんご病の見分け方は?

頬に蝶の羽のような赤い発しんができたのちに、体に網目状やレース状の発しんが広がります。特徴的な発しんがみられる場合、他の病気と区別がつきやすくなります。確実に診断を受けたいときは、医師に相談しましょう。

りんご病で保育園や幼稚園、学校を休む期間は?

発熱や関節痛の症状がなく元気であれば、園や学校を休む必要はありません。

りんご病の特徴的な発しんの症状がでた時点では、感染力が弱くなっているためです。ただし園や学校によっては判断が異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。

小学生がりんご病にかかったらどんな症状が出る?

小学生がりんご病にかかると、発症初期に風邪のような症状があらわれます。その後、頬に赤い発しんができ体や手足に網目状の発しんが広がります。通常は1週間程度で発しんが消え、自然に回復するケースが多いです。場合によっては、発しんが一時的に再燃するため、経過をしっかり観察しましょう。

まとめ:子どものりんご病で気になる症状があるときは受診しましょう

りんご病はヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる病気です。

主な症状は以下のとおりです。

  • 風邪症状(微熱・だるさ・鼻水など)

  • 頬の赤い発しん

  • 体や四肢に広がる発しん(網目状・レース状)

感染力のピークは発疹があらわれる前であり、初期段階で周囲の人々に広がる可能性があります。妊婦や高齢者、免疫力が低い人に感染すると胎児に影響を与えるリスクや重症化する恐れもあります。

子どもに多くみられる病気ですが、大人も感染し症状が重くなる可能性もあるのです。確実にりんご病と診断を受けるためには医師の診察が欠かせません。りんご病を疑う気になる症状があれば、医療機関を受診しましょう。

症状がこれ以上悪化しないか不安ではないですか?

症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。

夜間や休日でもすぐに医師に相談ができるように、ファストドクターのアプリをダウンロードしておきませんか?

参考文献

[1] 伝染性紅斑 |厚生労働省

[2]IASR特集関連記事431号 伝染性紅斑の臨床像と京都府福知山地域における成人の伝染性紅斑の地域流行

[3] 国立感染症研究所|伝染性紅斑とは

[4]About Parvovirus B19 | Parvovirus B19 and Fifth Disease | CDC

[5]ヒトパルボウイルス B19 感染症の様々な病態 Various clinical symptoms in human parvovirus B19 infection

[6]子供のウィルス感染症 Q20 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

[7]第9章 学校における健康安全対策(感染症対策)

[8]パルボウイルスB19感染症(Human parvovirus B19 infection)|症状からアプローチするインバウンド感染症への対応

[9]Parvovirus B19 in Pregnancy

[10]ヒトパルボウイルスB19母子感染の実態

[11]国立感染症研究所|A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは

[12]国立感染症研究所|風疹とは

[13]皮膚科Q&A じんましん

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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