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コロナによる頭痛の特徴
新型コロナウイルス感染にともなう頭痛は、人によってあらわれ方が異なります。[1]
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頭の両側が痛む(両側性)
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痛みの程度は、少し痛い(軽度)~非常につらい(中等度から重度)と幅広い
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ズキズキした痛みや肩こりからくる痛みに似た頭の重みなどタイプはさまざま
一般的な鎮痛剤が効きづらいとする研究もありますが、これといった特徴がなく「この頭痛(頭の重み)だったらコロナ」と一概には言えません。[2]
というのも新型コロナウイルス感染によって頭痛が起こる原因が、一つではないためです。
コロナで頭痛がおきるのはなぜ?
新型コロナウイルスの感染に ともなう頭痛について、 いくつかの原因が考えられています。 [1]
原 因 |
考えられるメカニズム |
直接的なウイルスの障害 |
コロナウイルスが体内に入って、神経系に直接ダメージを与える |
炎症反応 |
からだの免疫反応(コロナウイルスと戦う反応)によって引き起こされる |
低酸素症 |
コロナウイルスの肺への影響によって呼吸がしにくくなり、酸素が足りなくなる |
凝固異常 |
コロナウイルス感染によって血液が固まりやすくなり、 脳への血流が悪くなる |
内皮障害 |
コロナウイルスが血管の内側(内皮)にある細胞を傷つけ、血流が悪化する |
複数の原因が重なって、さまざまなタイプの頭痛を引き起こしている可能性もあります。
我慢できないほど頭痛がひどい、1週間以上頭痛に悩まされているなどの場合は、新型コロナウイルス以外の原因または原因に合った対処法ができていないかもしれません。
医療機関を受診して正しい処置を受けましょう。
コロナの後遺症で頭痛はある?
新型コロナウイルス感染症の後遺症(罹患後症状:りかんごしょうじょう)の一つに、頭痛があげられます。
頭痛があらわれる頻度は研究や医療機関の発表により異なりますが「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」によると、診断後3か月で8%の患者が頭痛の症状を訴えました。[3]
子どもも罹患後症状として頭痛があらわれる場合もありますが、大人より発症率が低いとされています。[4]
一度症状が落ち着いたのにまた頭が痛くなってきた、新型コロナウイルスに感染してから長く頭痛が続いているなどの場合は、罹患後症状の可能性があります。
多くは時間経過で治ると言われていますが、症状がつらい場合は無理をせず医療機関に相談してみてください。
コロナによる頭痛を早く緩和する方法とは
新型コロナウイルス感染症による頭痛を早く緩和する方法として
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しっかり水分補給をする
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十分に休息をとる
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環境調整をおこなう
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鎮痛剤を使用する
などがあげられます。
実は新型コロナウイルス感染症による頭痛は、ウイルス感染による炎症反応だけでなく身体の疲労や環境など、複数の原因が重なって悪化することがあります。
そのため、複数の方法を組み合わせることでより効果的に頭痛を緩和できるでしょう。
新型コロナウイルス感染症による頭痛は、痛みと不安な気持ちが相まって一層つらく感じるもの。頭痛を緩和するための具体的な方法を解説しますので、できることから実践し1日でも早く快適な日常を取り戻しましょう。
しっかり水分補給をする
頭痛はからだの水分不足(脱水症状)が関係している場合があります。
たとえば新型コロナウイルスに感染している場合、発熱により知らず知らずのうちに体内の水分が失われがちです。
脱水状態になると脳への血流が悪くなり、頭痛の一因になります。そのため、1日あたり1.5〜2リットルを目安に少しずつ水分補給することが重要です。
無理なく飲めるよう、常温の水や薄めたスポーツドリンクなどを活用するとよいでしょう。
十分に休息をとる
十分な休息はウイルスと戦うための免疫力を高め、頭痛の原因となるウイルスの増殖や炎症をおさえます。
短時間でも休息をとる、休みやすい環境を整えるなどの工夫をして、休息時間を確保しましょう。
寝る前に深呼吸や軽いストレッチをおこなうのもリラックス効果が期待でき、休息を促します。
環境調整をおこなう
新型コロナウイルスが原因の頭痛は、片頭痛のように光や音に敏感になる場合があります。[5]
明るすぎる場所や騒がしい環境を避ける、大きな温度変化がない室温(夏場:25~28度、冬場:18~22度)管理を意識し、頭痛の症状を悪化させないことが早期の緩和につながります。
鎮痛剤を使用する
医療機関をすぐに受診できず頭痛を早くどうにかしたいときは、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬を服用してみましょう。
ただし、薬を安全に使用するためには基本的なルールを守ってください。
<鎮痛剤を安全に服用するルール>
ポイント |
理由 |
用法・用量を守る |
副作用や過剰内服による健康被害を防ぐため |
空腹時の服用を避ける |
胃への負担を軽減するため |
正しい服用間隔を守る |
効果を最大限に発揮させ副作用を避けるため |
医師や薬剤師に相談する 添付文書を確かめる |
状態によって使用してはいけない可能性があるため |
内服を続けても頭痛が続いている、むしろ強くなっているなどの場合は医療機関の受診をおすすめします。
関連記事:新型コロナになった!つらい高熱や強いのどの痛み、関節痛などコロナに効く解熱剤は?
こんな頭痛は要注意!医療機関を受診すべきサイン
これまでの頭痛と変化があったり、症状が強くなっていたりする場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
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激しい頭痛が1週間以上続く
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日常生活に支障をきたしている
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解熱鎮痛剤を飲んでも改善しない
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めまいや視界がおかしいなどの症状がある
症状のタイプや強さが変化している場合は、頭痛を引き起こした病気とは異なる病気を発症している恐れがあります。
どの病気かを自己判断することは難しく、放っておくとさらに症状が悪化するかもしれません。
不安に感じる症状があれば、迷わず医療機関を受診してください。
Q&A
新型コロナウイルスによる頭痛で、多くの方が感じる疑問についてお答えします。
Q コロナ頭痛はいつまで続くの?
新型コロナウイルス感染症による頭痛が続く期間は、症状の重症度や個人で異なります。
一般的には1週間以内で改善を認めることが多いですが、なかには1か月以上症状が続く方もいます。
とはいえ、頭痛は生活の質(QOL)を下げるほどつらいものです。持続期間に限らず、つらいと感じたら医療機関に相談しましょう。
Q どんな薬が効果的?
市販薬ではアセトアミノフェンやイブプロフェン、ロキソプロフェンなどが含まれているものが新型コロナウイルスの頭痛に効果的です。
頭痛に効果が期待できる薬の成分 |
特徴 |
アセトアミノフェン |
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イブプロフェン |
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ロキソプロフェン |
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なかでもロキソプロフェンは、妊娠中の方や消化性潰瘍の既往がある方など、使用が禁止されている場合もあります。
市販薬を購入する際は、かならず薬剤師に相談してください。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合、思わぬ病気が隠れている可能性もあります。3〜4日使用しても症状が変わらない、悪化するなどのときは医療機関を受診しましょう。
Q 頭痛以外にどんな症状に注意すべき?
新型コロナウイルス感染症は、頭痛以外にもさまざまな症状を引き起こします。
なかでもすぐに受診すべき症状として、呼吸の不安定さや意識がはっきりしないことなどがあげられます。[6]
見るべきポイント |
詳しい症状 |
表情・見た目 |
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呼吸の状態 |
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意識の状態 |
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子どもの場合、自分で症状を訴えることが難しく、周りの大人が気づいてあげなければなりません。
ポイントを参考に、状態に変化がないか注意深く観察しましょう。
関連記事:【2024年12月】コロナの最新症状や潜伏期間について確認しよう
まとめ|コロナにともなう頭痛の特徴と対処法
新型コロナウイルスにともなう頭痛は、重だるさを感じる程度の軽い痛みですむ場合もあれば、ズキズキとした我慢できないほどの痛みを感じる場合もあり、個人差が大きいです。そのため「こんな頭痛はコロナ」と一概に言うことはできません。
頭痛のほかに発熱や倦怠感、のどの痛みなど新型コロナウイルス感染症を疑う症状があれば検査をしましょう。
新型コロナウイルスによる頭痛は、日常生活での適切な対処によって緩和が期待できます。
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水分補給をする
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十分に休息をとる
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環境調整をおこなう
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鎮痛剤を使用する
新型コロナウイルスによる頭痛は片頭痛のように光や音に敏感になる場合があるため、刺激が少ない環境を整えることで症状がやわらぐかもしれません。
市販の鎮痛剤はアセトアミノフェンやイブプロフェンが効果的ですが、安全に使用するため、服用前に薬剤師に相談しましょう。
対策をとっても症状が長引く場合は、別の病気が隠れていたり症状が悪化していたりする可能性があります。
早めに治したいと思う方こそ、我慢せず医療機関を受診し適切な処置を受けましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
[2]COVID-19 is a Real Headache!|PubMed
[3]新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント|厚生労働省
[4]新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A|厚生労働省
[5]Headache as a Cardinal Symptom of Coronavirus Disease 2019: A Cross-Sectional Study|PubMed
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。