5類になるとどうなる?新型コロナウイルスの感染症法上分類が「2類」から変更に。感染症の分類と変更点を解説

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/05/22
令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同様の「5類感染症」へと変更する方針を正式に決定しました.この、感染症法上の分類変更により、感染者の行動制限や医療体制、ワクチン接種や入院・検査の公費負担など、これまでと対策が大きく変更となります。 本記事では、5類移行後の変更点を詳しくまとめていきます。
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感染症法とは?

感染症法(正式名称:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)は、感染症の発生発生予防・まん延の防止を目的として設定されています。

「感染症法」では、症状の重さや病原体の感染力など罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、感染症を1類~5類の5種の感染症と指定感染症、新感染症の7種類に分類しています。

それぞれの感染症の種類により医療機関の対処法も異な流ため、感染症によっての危険度に対応した対策が可能となっています。

感染症法の分類

 定義感染症名
一類感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
二類感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性が高い感染症急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)
三類感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を起こしうる感染症コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス
四類人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症E型肝炎、ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、など
五類人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症E型肝炎、ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、サル痘、など
 新型インフルエンザ等感染症
新型インフルエンザ新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザ。

一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められているもの。

再興型インフルエンザかつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したもの。

一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの。

指定感染症
一~三類および新型インフルエンザ等感染症に分類されない既知の感染症の中で、一~三類に準じた対応の必要が生じた感染症(政令で指定、1年限定)
新感染症
人から人に伝播すると認められる感染症で、既知の感染症と症状などが明らかに異なり、その伝播力および罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症

e-Gov 法令検索 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)

新型コロナウイルスの類型の変化

新型コロナウイルスは2019年12月に中国・武漢市で発生し、その後世界中に拡大。

そして、2020年1月28日には日本で初めて新型コロナウイルス感染症の患者が確認されました。

この時点では、新型コロナウイルスの感染力や重症化によるリスクなどがまだ不明な点が多かったため、厚生労働省は新型コロナウイルスを「指定感染症」に指定しました。

その後、徐々に新型コロナウイルスの国内の感染者が続いたため、厚生労働省は2020年2月7日付けで感染症法上2類に変更。

しかし、無症状の感染者も感染を広げる可能性があることなど、新型コロナウイルスの特性が徐々に分かってくるにつれ既存の感染症法の類型では対応が難しくなってきたため、翌年の2021年2月「新型インフルエンザ等感染症」という新たな分類に設定されました。

新型インフルエンザ等感染症に位置付けられたことで、感染対策以外の措置についてもふさわしい対応が必要になるとの判断から、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、政府や都道府県に新型コロナウイルス感染症対策本部が設置されました。

そして、緊急事態宣言が出されたり、まん延防止等重点措置が取られたり、飲食店への営業時間の短縮要請が出されることとなったのです。 

そして現在、新型コロナウイルスは、「新型インフルエンザ等感染症」から、3類と4類と段階を経ずに、2023年5月8日付けで「5類感染症」へと変更になりました。

なぜ新型コロナウイルスは、5類へと分類変更になったのか?

先ほどご紹介したように感染症法上の分類というのは、症状の重さや病原体の感染力など罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点からぞれぞれの類型に設定されています。

現在、日本国内で新型コロナウイルスの陽性者が初めて確認されてから約3年ほど経過します。

現時点ではワクチン接種率は、1回目接種数は全人口の77.96%。陽性者数の累計は3,300万人。

国民の約4人に1人は新型コロナウイルスの罹患経験があり、PCR検査を行なっていない方・症状が軽く罹患に気が付いていなかった人を含むとさらに多い人数が予想されます。

よって「感染力」は依然として高いものの、国民の多くが免疫が獲得できてきていると考えられているため、類型を変更することが検討されるようになったと考えられます。

実際に今までも、SARS(重症急性呼吸器症候群)は、当初は新感染症に分類されていたものの、指定感染症から1類、現在の「2類」へと段階を追って変更になっています。

5類になるとどう変わる?変更点を解説

今回の5類への引き下げに伴い、政府や都道府県の対策本部、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」は廃止。

感染者への入院勧告や、感染者や濃厚接触者の外出制限はなくなります。

さらに、屋内で着用を推奨されてきたマスクの着用、感染者の把握、感染者を診療する医療機関への補助といった医療的な措置が今後変更となります。

つまり、現在行なっている感染対策のように政府が法律に基づいて一律的に求める仕組みから、個人や事業者などによる自主的な判断に委ねる仕組みに変わるということになります。

さらに、それぞれの変更点を下記に詳しくまとめてみました。

5類移行後、外出を控えるかどうかは個人の判断

現在、陽性が確認された際の療養期間は症状がある人の場合は、発症の翌日から7日間が経過。

さらに、症状が軽くなってから24時間経過したら解除できるとされております。

5類移行後は、陽性後の外出自粛に関しては、個人の判断になります。

ただ、5類に移行した後であっても感染した場合、発症の翌日から5日間は外出を控えることを国からは推奨されています。

新型コロナウイルス自体、発症から10日程度はウイルスを排出する可能性があるため、マスクの着用や、高齢者などリスクが高い人との接触は控えるなどの配慮を呼びかけています。

学校保健安全法の施行規則の規則も改定

 

学校の出席停止期間は「症状が軽くなって1日」

新型コロナに感染した際の出席停止の期間の基準は現在、文部科学省が定めた学校保健安全法の施行規則に基づいて「治るまで」とされています。

しかし、文部科学省は感染症法上の位置づけが今回「5類」に移行するのに伴い、学校保健安全法の施行規則を改正。

「発症の翌日から5日間」で、なおかつ「症状が軽くなってから1日経過するまで」とする新たな基準を設定する方針を固めました。

ただ、発症後一定期間はマスクの着用を呼びかける方針を取るとのことです。

PCR等検査無料化事業、療養施設は終了

PCR等検査無料化事業(無料の一般検査事業)は令和5年5月7日をもって終了となります。

今後は、無症状だけど検査を受けたい場合は、薬局等で販売している「抗原検査キット」などを購入して、自分自身での検査が必要となります。

また、5類への移行後は療養施設も終了となるため、原則自宅療養となります。

そのため、事前に食料の備蓄などを蓄えておく必要が出てきます。

また、高齢者の方や基礎疾患がある方など新型コロナウイルス感染のリスクが高い方と同居されている方に関しては、事前に「陽性になったらどのような隔離、もしくは自宅療養の状態をとるのか」ご家族の間でしっかりと話し合いをする必要があるでしょう。

医療費の負担も変更対象に

5類への変更後は自己負担が生じることとなります。

その一方で、新型コロナウイルス罹患による治療薬の負担は2023年9月末までの間は「全額が公費負担」となりますので自己負担はありません。

また、万が一、新型コロナウイルス罹患によって入院することになった場合には、入院医療費についても今後は自己負担が生じます。

ただ、高額療養費制度の対象となり、さらに高額療養費の自己負担額から2万円が減額される措置になります。

自宅療養中の支援制度も終了

現在行われている発生届対象者について、保健センターが実施している健康観察も終了となります。

その他に終了となる支援制度としては下記が挙げられます。

  • 自宅療養セット
  • パルスオキシメーター
  • オンライン診療センター(各都道府県が設置しているもの)

患者搬送は入院勧告がなくなるため原則廃止となりますが、高齢者の方の入所施設への搬送には対応しております。

2023年度中は公費負担によるワクチン接種が続く見通し

感染症法上の類型は、上記以外にもワクチン接種費用の公費負担などに影響します。

現在、新型コロナウイルスのワクチン接種は、全額公費負担で個人の負担は一切ありません。

しかし、5類感染症への移行後、将来的には季節性インフルエンザと同様、部分的に個人負担が生じる可能性があります。

ただし、現状では少なくとも2023年度中は公費負担によるワクチン接種が続く見通しです。

厚生労働省のワクチン接種に関する専門家会議では現在、今春以降、どのような人にどのようなワクチンの接種を推奨し、どの接種を公費負担で行うのかといった詳細を検討中となります。

新型コロナウイルスが5類移行することによるメリットとは?

新型コロナの流行以降逼迫していた保健所の業務が軽減すことによる保健所の他業務への対応が強化できる可能性があります。

今までは自治体や保健所が入院調整を行っておりましたが、今後は入院についても診療所や病院の間での調整になると考えられるからです。

また、新型コロナウイルスに感染した場合、現在は発熱外来のみの受診となっていましたが、今後は一般の診療施設で受診でも受診が可能。

患者側にとっては受診のしやすさを感じる場面も出てくるでしょう。

また、最も大きなメリットとしては経済活動の面です。

新型コロナウイルスが国内で発生してから約3年ほど経ちますが、5類感染症への引き下げによって新型コロナウイルス発生前のような経済活動の再開も見込まれます。

感染者・濃厚接触者の就労制限効果が軽減され、さらに今まで制限されていた旅行や外食等での消費の需要減退圧力が改善することも予想されます。

新型コロナウイルスが5類移行することによる問題点は?

コロナ5類移行決定 医療提供体制など課題 準備急ぐ 政府

新型コロナの感染症法上の位置づけについて、政府は5月8日に「5類」に移行する方針を決めました。

移行に向けては、一般の医療機関で患者を受け入れるための医療提供体制などが課題で、政府は自治体とも連携し準備を急ぐことにしています。

一方、流行状況の把握方法について、厚生労働省は感染者の「全数把握」から季節性インフルエンザで実施されている「定点把握」に切り替える方針で、来月から専門家による部会で具体的な検討を始めることにしています。

NHK NEWSWEB

その一方で問題視されている部分もあります。それは、「定点把握」へと変更となる点です。

新型コロナウイルスが5類感染症へ引き下げられることにより、今後の新規陽性者数は「定点把握」へと変更となります。

現在の新型コロナウイルスの対応としては、発生届をもとにした「全数把握」により新規陽性者数を日毎に把握しています。

全体把握では、感染者の地域ごとの詳細な数だけでなく、患者の現在の症状や基礎疾患の有無なども記録され、入院の必要性の判断などにも活用されています。

>>厚生労働省-データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-

しかし、今回変更になる「定点把握」は、すべての医療機関対して患者の報告を求める代わりに、全国各地であらかじめ指定した医療機関から定期的に患者数の報告を集めることによって、地域ごとの流行の動向を推定する方法です。

 全数把握定点把握
特徴詳細に報告

 医療機関の負担が大きい

簡潔に報告

 医療機関の負担が小さい

報告対象すべての医療機関指定された医療機関
報告内容症状や感染経路、診断方法など

 例:重症急性呼吸器症候群(SARS)発生届出票

年齢や人数など

 例:感染症発生動向調査(インフルエンザ/COVID-19定点)

5類感染症に分類されている季節性インフルエンザの場合は、都道府県が指定した小児科約3000か所・内科約2000か所の医療機関を“定点”として、週ごとに患者数を集計。

定点当たりの患者数の変動を見て、流行の動向を把握しています。

定点把握に切り替えた場合、全数把握で得られた基礎疾患等の詳細なデータにもとづいた流行状況の予測や、過去の感染状況と比較した詳細な分析などは、詳細の分析が困難になる可能性も考えられます。

こうした定点把握への移行から、今後の感染動向をどう把握するのかといった点も含め、専門家と政府の間での議論が必要になると考えられます。

まとめ

2023年5月8日付けで、5類感染症へと引き下げになる新型コロナウイルス。

現在、第8波が収束しているとの見方も増えてきておりますが、徐々に感染者数も増加を示しており、大型連休後の感染者数の増加に対して不安の声も上がっています。

5類への引き下げは経済的や生活の自由度が増すことなどメリットは挙げられるものの、感染拡大の危険性については、むしろリスクが高まるのではとも予想できます。

今後、感染対策が個人や事業主の判断となります。

今まで同様のレベルの感染対策を実施しなくてもよいものの、感染拡大を防ぐためには自分や家族、周りの人などのリスクに応じて過少にならない程度の適切な感染対策を続けることが大切となります。

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記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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