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気管支喘息(喘息)とは
ハウスダストやダニなどのアレルギー物質(アレルゲン)などを原因として、気管支の炎症が慢性化して気道が過敏になります。
それに反応して気道が狭くなり、喘鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイとした呼吸音)などが出現する疾患が気管支喘息です。
喘息というとほとんどの場合気管支喘息のことをさします。
日本では喘息による死亡率は低下していますが、喘息の患者自体は増加傾向です。
家の構造の変化によるアレルゲンの増加、深刻化している大気汚染、食品などに含まれる化学物質の増加、長時間勤務による過労やストレスの増加、清潔すぎる環境などが喘息を発症させている要因と考えられています。[2]
気管支喘息と咳喘息の違い
気管支喘息と咳喘息はよく混同されがちですが、似ているようで少し違います。
大きな違いは「喘鳴」の有無です。
喘鳴とは呼吸をするときに聞こえる、ヒューヒュー、ゼーゼーなどのやや高めの音のことです。
この音は基本的に空気の通り道である気道が狭窄したときに、聴診器を使用せずに聞こえます。
気管支喘息は喘鳴を伴う重篤な状態であるのに対し、咳喘息は喘鳴を伴わない咳だけの場合をいいます。
咳喘息では気道狭窄もそこまで強くありません。
これが気管支喘息と咳喘息の違いです。
咳喘息は1〜2か月の薬物治療で治癒することが多いと言われていますが、実は咳喘息を罹患した成人の3〜4割は気管支喘息に移行するという報告があります。[3]
最近では新型コロナウイルス感染後に咳喘息を再発する例が増えています。[4]
喘息は感染症を起因として発作が起きる傾向があるので、当然のことかもしれません。
その他の喘息の病型
気管支喘息、咳喘息以外にも喘息には種類があり、喘息の原因によってアトピー型喘息、非アトピー型喘息、アスピリン喘息、運動誘発性喘息に分けられます。
アトピー型喘息
特定のアレルゲン(アレルギー物質)を誘因とした喘息です。
アトピー型喘息の場合、環境整備をするなど、原因となるアレルゲンを遠ざけることが大切です。
アレルゲンの種類については後述します。
アトピー型喘息の原因は、アレルゲンに対するアレルギー反応です。
IgE抗体と呼ばれるアレルゲンに反応して作られるタンパク質により引き起こされます。
非アトピー型喘息
非アトピー型喘息はアレルゲンが特定できない喘息のことです。
この場合、発作の引き金となるタバコの煙などのアレルゲン以外の要因を避けることが重要になります。
アスピリン喘息
アスピリン喘息は解熱鎮痛薬のアスピリンの使用を誘因としていますが、誘因物質はアスピリンだけではありません。
アスピリン以外の原因として以下が考えられています。[5]
-
NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)
-
医療品添加物
-
食品や食品添加物
【NSAIDs】
NSAIDsはアスピリンと同様に解熱鎮痛の効果を持ちます。
アスピリンやNSAIDsは市販で販売されている総合感冒薬に含まれていることも多いため、アスピリン喘息患者は使用しないよう注意が必要です。
【医療品添加物】
喘息発作の治療にも使用されるステロイド薬のうち、コハク酸エステル型のステロイド薬は喘息発作の誘発や喘息症状の悪化を招くため、使用できません。
【食品や食品添加物】
タートラジン(食用黄色4号)、安息香酸ナトリウム(防腐剤)、ベンジルアルコール(香料)などが添加物の中でも喘息の誘因とされています。
また、アスピリン喘息患者のうち約2割が、ミントや練り歯磨き、香辛料の多い食事(サリチル酸が多い)で症状の悪化を自覚しているという報告もあります。[6]
小児に発症することは稀ですが、成人喘息の約10%がアスピリン喘息と言われており、大人になってから喘息発症をする要因のひとつです。[7]
運動誘発性喘息
運動をすることが誘因となる喘息を運動誘発性喘息といい、もともと喘息を罹患している方が重症化すると運動誘発性喘息になりやすいと言われています。
運動誘発性喘息には、運動開始〜終了ごろに発作が起こる即時型と、運動終了後6〜12時間ほどで発作が起こる遅延型があります。
遅延型については、運動終了後から時間が経っているため運動が誘因となっていることに気づきにくいので注意が必要です。
運動によって呼吸数が上昇することで、冷たく乾燥した空気を大量に吸い込むことが刺激になり、発作が起こると考えられています。
そのため夏と比べて冬の方が発作が起きやすいです。
マスクの着用や運動前に治療薬を使用することが発作予防になります。
ストレスで喘息になることはあるのか|メカニズムを解説
ではストレスで喘息を発症することはあるのでしょうか。
結論を言うと、喘息はストレスが原因で発症します。
そもそもストレスとは、外部刺激によって心身が緊張している状態のことです。
外部刺激の要因は以下の4つがあげられます。
-
環境因子:天候、騒音、振動
-
身体的因子:病気、疲労
-
心理的因子:悩み、不安
-
社会的因子:対人関係、仕事
こうした刺激によってストレスが大きくなると喘息の発症や悪化を招きます。
ストレスが喘息の発症や喘息症状の悪化に影響を与えることはわかっているのですが、その機序ははっきり解明されていません。
ただし、現在では2つの説が考えられています。[8]
-
ストレスホルモンが原因ではないか
私たちの体がストレスを感じると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが分泌されます。
それに反応してサイトカインというウイルスやアレルギー物質などを体外に排出するはたらきをもつ物質が放出され、炎症の起きている気道をますます刺激してしまうという説です。
-
自律神経が関係しているのではないか
自律神経は身体を興奮させるはたらきを持つ交感神経と、リラックスさせる副交感神経で成り立っています。
精神的ストレスを感じると交感神経が優位となり、全身の筋肉を緊張させます。
気道の筋肉もその影響を受けて硬直・収縮するため、喘息症状があらわれやすくなるという考えが2つ目の説です。
メカニズムははっきりしていませんが、ストレスが喘息を発症、悪化させることは明らかです。
「ただ咳が長引いているだけ」と思っている方は、もしかしたら喘息を発症しているかもしれません。
一度医療機関を受診するのもひとつの手です。
喘息が大人になってから発症するのはストレスが原因かも
喘息というと小児に多いと思いがちですが、成人でも少なくはありません。
小児喘息のうち3割が成人喘息に移行すると言われています。
また、成人喘息の7〜8割が成人になってから発症します。
成人して初めて喘息を発症するのは働き盛りの40代〜60代の方が多く、社会的にも家庭的にも中心となる世代の発症が多いです。[8]
大人になって発症する喘息の誘因はいくつか考えられていますが、多くはストレスから発症します。
近年の治療薬の開発によって、重症喘息自体は少なくなってきましたが、成人喘息は小児喘息と比較して重症化しやすいとも言われています。
「風邪が長引いているだけ」と思い込む方が多く、気づいたときにはすでに重症化・慢性化していることもあるので、咳が続く場合は医療機関の受診を検討しましょう。
喘息と心の病気(うつ病など)の関係性
喘息と精神的ストレスは相互に関係し合うことが分かっています。
精神的ストレスが喘息を発症、悪化させるケースは少なくありません。
反対に、喘息が精神的ストレスを強くする原因となることもあります。
実際に喘息患者の方の多くにはうつ・不安症状があると確認されており、抑うつ症状のある方は喘息の有病率も高いと言われています。
ストレスによるうつ病を改善するには、うつ症状そのものの治療に加え、原因となっているストレス源がなにか把握し、早めに対処することが必要です。[8]
子供もストレスが原因で喘息を発症するのか
小児の気管支喘息の大半はアレルギー反応が原因で発症します。
ストレスのみを誘因として発症する例はほとんどありませんが、小児の喘息発作を起こしたり悪化させたりする原因のひとつとしてストレスがあげられます。[9]
心理的ストレスに加え、寝不足や疲れなどの身体的ストレスも発作を引き起こすので、できるだけ心身に負担のかかる刺激を与えないよう環境を整えることが重要です。
ストレス以外の喘息の原因
ストレス以外の喘息発症の原因として、アレルギーを起こす原因物質であるアレルゲンとそれ以外の要因に分けられます。
ストレスはアレルゲン以外の原因に含まれます。
以下が喘息を発症させると言われている主な原因です。[10]
アレルゲン
食品や添加物
特定の食品や添加物がアレルゲンとなり、喘息を引き起こします。
乳幼児に特に多く、乳製品、卵、大豆、小麦、米、そば、甲殻類、青魚などさまざまな食品がアレルゲンとなり得ます。
また、食品に使用される防腐剤や着色料もアレルゲンとなる可能性があり、大人の場合はこうした添加物やそば、小麦製品などが原因で喘息を発症するケースが多いです。
食品によるアレルギー反応が喘息発作まで引き起こすことは稀ですが、決して起こらないということではありません。
アレルゲンが特定されている場合は、摂取を避けましょう。
ハウスダスト、花粉
ハウスダストや花粉などのアレルギー物質が体内に入り込んだり皮膚に触れたりすることで喘息発作が起こることがあります。
ほこりやダニ、スギやヒノキなどの花粉、ペットの毛など、原因となり得る物質は多くあり、成人になってから発症する方も珍しくありません。
アレルゲン以外
大気汚染やたばこの煙、天候の変化などのちょっとした日常生活の変化も喘息発作を誘発させます。
なかでもたばこは、200種類の有害物質が含まれているため、気道の炎症を促進させます。
喫煙者のみならず周囲の非喫煙者も影響を受けますので、喫煙は控えるようにしましょう。
また、感染症も喘息発作を起こす引き金のひとつです。
そのほか、建材や壁紙などの内装材、塗料など揮発性のある有機化合物質、さらには化粧品や香水などの成分や強い匂いによって喘息発作が出現することもあります。
ストレスによる喘息症状とは
ストレスによって発症しても症状自体は通常の気管支喘息と変わりません。
主な気管支喘息の症状は以下の通りです。
-
息苦しさ、呼吸困難
-
喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)
-
胸の痛み、のどの違和感
喘息の症状は、多くが夜間〜明け方にかけて出現します。
それぞれの誘因因子によって発症場面は異なり、ストレスが原因の場合はその原因となっている事柄に直面したときに出現しやすいです。
喘息がストレスにより悪化!心療内科を受診することも視野に
ストレスと喘息は相互に関係しあっており、精神的ストレスが喘息を悪化させます。
逆に喘息が精神的ストレスを助長させ、精神疾患を新たに発症することも少なくありません。
喘息により精神疾患を発症した場合または精神疾患により喘息が悪化した場合は、精神疾患に対する専門的な治療が必要なケースもありますので、心療内科を受診することも視野に入れましょう。
自分が精神疾患を抱えているかもしれない、強いストレスを感じていると思ったら、まずはかかりつけ医に相談してください。
ストレスによる喘息は改善するのか|治療法、対策
小児喘息の6〜8割はoutglowといって、思春期までに治癒します。
では大人になってからストレスで発症した喘息はどうなのかと気になる方もいるでしょう。
実のところ、成人喘息に「治癒」という言葉は適さず、「寛解」という言葉が当てはまります。
寛解とは、症状は治まっているものの、いつ再発してもおかしくない状態のことを言います。
なぜ「治癒」と言わないのかというと、寛解と思われる例でも気道の炎症が続いているケースが多いためです。
喘息の場合は「薬物治療が終了した=治癒」ではなく、寛解状態であることを忘れないようにしましょう。
喘息の治療のゴールは「発作を起こさない状態を長期間継続すること」、つまり「寛解状態を続けること」です。[11]
そのためには医師の指示に基づいた治療をしっかり継続することと日常生活の改善が必要になります。
「喘息治療の目標」として喘息予防・管理ガイドラインで以下のように掲げられています。[12]
“
-
健常人と変わらない生活が送れること
-
正常な発育が保たれること
-
正常に近い呼吸機能を維持すること
-
ピークフローの変動が予測値の20%未満
-
ピークフローが予測値の80%以上
-
夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと
-
喘息発作が起こらないこと
-
喘息死の回避
-
治療薬による副作用がないこと
-
非可逆的な気道モニタリングへの進展をふせぐこと
引用元:喘息治療のゴールと治療法|横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック ”
ストレスが原因だからといって特別な治療法はありません。
喘息の薬物療法と非薬物療法に分けて解説していきます。
薬物療法
喘息の治療は基本的に薬物療法が中心となります。
気管支の炎症を抑えてくれる「長期管理薬」と、発作が起きた時に使用する「発作治療薬」を組み合わせて治療することがほとんどです。
長期管理薬
喘息は症状が出ていなくても慢性的に気管支に炎症が起きている状態であるため、持続的に炎症を抑える治療が必要です。それに適応するものが長期管理薬になります。
長期管理薬は主に気道の炎症を抑えて発作を予防する「吸入ステロイド薬」と、気管支を拡げて呼吸を楽にする「気管支拡張薬」に分かれ、患者の重症度に合わせて薬剤が選択されます。
以下が主要な長期管理薬です。
【ステロイド薬】
-
副腎皮質ステロイド薬(吸入薬)
【気管支拡張薬】
-
長時間作用性β2刺激薬(吸入薬、貼り薬、内服薬)
-
長時間作用性抗コリン薬(吸入薬)
【両方の作用をもつ】
-
吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤(吸入薬)
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テオフィリン徐放製剤(内服薬)
-
ロイコトリエン受容体拮抗薬(内服薬)
【そのほかの長期管理薬】
-
抗アレルギー薬(内服薬)
長期管理薬は長期に使用して初めて効果が現れるものです。
効果が乏しいからといって自己判断で中断するのは症状悪化のリスクが高いため、絶対にやめましょう。[13]
発作治療薬
発作が出現したときに使用するものが発作治療薬です。
気管支拡張作用により使用すると発作は治まりますが、喘息の根本である炎症を抑える作用はありません。
長期管理薬を使用せずに発作治療薬を単独で使用することはほとんどありません。
発作治療薬のみ使用することで、喘息が悪化する可能性が高まるためです。
主な発作治療薬は以下の通りです。[13]
-
短時間作用性β2刺激薬(吸入薬、内服薬)
-
テオフィリン薬(内服薬)
発作治療薬は気管支を拡げる作用を持ち、即効性があります。
いざ発作が起きた時のために常に持ち歩いておきましょう。
非薬物療法
薬で症状をコントロールすることはもちろん重要ですが、原因物質(アレルゲン)の排除など、発作を起こさないようにする努力も必要です。
以下を実践し、日常的に予防行動をとるようにしましょう。[2]
-
ストレスをためないこと
-
十分な睡眠
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適度な運動
-
規則正しい生活を送ること
-
室内の環境を整えること(アレルゲンの排除)
ストレスをためないこと
ストレスは喘息症状を悪化させることがわかっています。
社会人の場合、仕事でもプライベートでもどうしてもストレスから逃れられない場面があるのでストレスが蓄積しやすいです。
そういったときは自分のストレスサインにいち早く気づき、症状を悪化させる前に心身ともに休息をとるように心がけましょう。
十分な睡眠
不十分な睡眠は体の疲労を蓄積させます。
疲労がたまると体調不良になりやすかったり、アレルゲンに対して敏感に反応しやすくなったりします。
小児の場合も睡眠不足がストレス源となって喘息発作が出やすくなりますので、安眠できる環境を整えてあげましょう。
適度な運動
20分ほどのウォーキングや水泳などの適度な運動をすることで、心肺機能が高まり、発作が起きにくい身体づくりができます。
喘息だからといって運動を制限する必要はありません。
ただし、ジョギングやマラソン、サッカーなどの持久力が必要となる運動は喘息患者には不向きですので避けるようにしましょう。
また、冬場は空気が冷たく乾燥しており、発作が起きやすくなっています。
マスクの着用をすることで発作予防になりますのでおすすめです。
規則正しい生活を送ること
人の体は一朝一夕で変わるものではありませんので、十分な睡眠の確保や適度な運動は、継続することがとても大切です。
またバランスのとれた食事をとることで免疫力を向上させたり、禁煙したりすることも発作予防、重症化予防になります。
喘息は高血圧や糖尿病などと同じく慢性疾患と捉え、長期的に体調が管理できる規則正しい生活を送るようにしましょう。
室内の環境を整えること(アレルゲンの排除)
喘息はほこりやダニなどのアレルゲンから発作が起きます。
喘息を発症した原因に関わらず、悪化要素をなくしておくことが日常生活を穏やかに過ごすために必要です。
以下に主な対策をご紹介します。[14]
【カーペットの使用を避ける】
カーペットを敷いたままにしておくことは、ダニの発生を促進させてしまいます。
喘息発作を引き起こしやすくなるので、喘息症状がある場合はフローリングの部屋で休むようにしましょう。
【布団や枕をこまめに干す】
布団や枕はダニの温床です。
天日干しをしたり布団乾燥機を使用したりした後に、掃除機をかけましょう。
こまめなダニ対策が喘息発作の出現を防ぎます。
【布製品はできる限り置かない】
布製品はほこりの蓄積やカビ発生の原因となりやすい上に、ダニの発生もしやすくなります。
ぬいぐるみもほとんどが布でできているため、置かない方が安心です。
【こまめに掃除をする】
ほこりを室内にためないために、こまめに掃除をしましょう。
床には食べこぼしなどのダニのエサになり得るものがたくさん存在します。
ダニの繁殖を促してしまうため、掃除機をかけて予防しましょう。拭き掃除も加えるとさらに効果的です。
ストレスによる喘息は市販薬で改善するのか
「喘息に効く」という市販薬は存在しますが、症状が一時的に改善するだけで根本原因の治療はできません。
喘息発作を起こさず重症化しないためにも医師から処方された吸引薬や内服薬を服用することが最も安全です。
また、喘息の原因がストレスの場合、誘因因子であるストレスを軽減、解消することが重要視されます。
ただし、すぐに病院に行けない場合は医療機関を受診するまでのつなぎとして市販薬を使用することは可能です。
繰り返しになりますが、市販薬の効果は一時的です。
受診可能となったらすぐに医療機関にかかりましょう。[14]
発作が起きないように対策しましょう|ストレスをためないためにできること
自身がどの状況でストレスを感じているのかいち早く知ることが、発作を起こさなくするために重要です。
ストレスをためないために以下の方法でストレス源から距離をおきましょう。[8]
職場や学校から距離を置く
職場や学校でのストレスが原因である場合は休職や休校を視野にいれましょう。
職場環境を変えることもひとつの手段で、異動や仕事量の調整を検討してください。
学生の場合は、可能であれば両親や教員、相談窓口などに相談し対応していきましょう。
発作が起きやすい状況を把握する
特定の場面で発作が起きやすいこともあります。
仕事でのプレゼンテーションや学校での発表などが例としてあげられます。
起きやすい状況を把握し主治医に事前に相談しておくことで、薬の量を一時的に増やすなどの対応が可能です。
喘息の治療は長期間発作を起こさないことが目標です。
長期的に考え、自分の誘因因子を見つけて早めに対応できるようにしましょう。
ストレス発散方法を見つける
自分なりのストレス発散方法を見つけ出しましょう。
発散方法は好きなことであればなんでも良く、買い物やリラクゼーション(入浴やマッサージ)、趣味、旅行などが適しています。
不安や悩みがある場合は、相談できる相手がいるとなお良いです。
心身ともに休まることがなによりも重要です。
Q&A
喘息とストレスについてよくある質問をまとめました。
ストレスで喘息になる?
大人になって発症する喘息の原因の多くがストレスです。
喘息とストレスは関係性が深いことはわかっていますが、そのメカニズムははっきりと解明されていません。
過度なストレスは喘息の原因になりますか?
ストレスは発症の原因にもなりますが、悪化の原因でもあります。
ストレスが喘息を発症、悪化させる機序は明らかではありませんが、ストレスホルモンとよばれるコルチゾールや、自律神経が関係しているのではないかという説があります。
大人になってから喘息になる原因は何ですか?
ストレスや疲労、アスピリンやNSAIDsの使用が成人喘息を発症させる原因と言われています。
喘息でやってはいけないことは何ですか?
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自己判断で休薬、減薬すること
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原因となるアレルゲンにさらされ続けること
-
喫煙
これらは喘息を悪化させる可能性が高いため、絶対にやめましょう。
仕事のストレスで気管支喘息や咳喘息を発症した場合、休職や労災はどうなる?
ストレスは症状を悪化させるため、不調だと感じたら休職を視野に入れましょう。
医師から診断書をもらえるケースも多いので、申告しにくい場合は相談してください。
過重労働で喘息が悪化し、労災認定が認められた事例もあります。[15]
まとめ
ストレスは喘息発症の要因でもあり、喘息を悪化させる原因でもあります。
機序は明らかになっていなくても、ストレスと喘息の関係は非常に強いものです。
ストレス社会と言われている現代では、身体的にも精神的にもストレスを回避することはとても困難です。
しかし、何においても体が資本であることを忘れないでください。
ストレスをためないように行動することが心身ともに健康でいるため、喘息の治療を進めていくためにとても大切です。
成人喘息を発症した場合、長期的な治療が必要となります。
自分のストレスサインを見逃さず、積極的に休息をとるように心がけ、喘息と上手く付き合っていきましょう。
ファストドクターでは無料の医療相談を行なっています。
アプリから往診の待ち時間を見れるだけではなく、チャットや電話での無料の医療相談が可能です。
もし、ご家族やご自身の体調でご不安な点がありましたら、ファストドクターを頼ってください。
参考文献
[3]喘息(ぜんそく)の原因|くすりと健康の情報局by第一三共ヘルスケア
[4]咳喘息とは|藤田医院
[5]生命の危険にかかわるかもしれない『アスピリン喘息』について|医療法人富寿会 村田クリニック
[6]禁忌と回避(医療関係者の皆様へ):解熱鎮痛薬の使い方(医療関係者向け)|NSAIDs解熱鎮痛薬不耐症・過敏症:独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
[8]ストレスで喘息がひどくなるのはなぜ?改善策・おすすめの漢方など|健達ねっと
[12]喘息治療のゴールと治療法|横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。