細菌性急性胃腸炎の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、細菌性急性胃腸炎の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。
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細菌性急性胃腸炎について

細菌性急性胃腸炎の特徴・要因・症状

細菌性急性胃腸炎の特徴

細菌性急性胃腸炎というのは、発熱、下痢、腹痛、血便などの症状が細菌感染によって現れる病気です。

一年中細菌性急性胃腸炎は発症しますが、特に高温多湿の時期は注意する必要があります。

発症する要因としては、主として食中毒によるものが多くあります。

食中毒としては、

  • 感染型食中毒という感染した食べ物を摂って体の中で細菌が増殖して病原性を持つことで起きるもの
  • 毒素型食中毒という細菌が食べ物の中で作った毒素を摂って起きるもの
  • 中間型食中毒という消化管の中で摂った細菌が増殖した際に毒素を初めて作って起きるもの

などがあります。

細菌性急性胃腸炎の要因

細菌性急性胃腸炎の要因としては、食中毒が細菌感染によって起きることです。

ここでは、細菌の種類によって要因になる食べ物と潜伏期間についてご紹介しましょう。

毒素型食中毒

細菌の種類要因になる食べ物潜伏期間
黄色ブドウ球菌サンドイッチやおにぎりなど1時間~5時間
ボツリヌス菌ハム・ソーセージや瓶詰・詰詰など12時間~36時間

特にボツリヌス菌は乳児が感染した場合は注意する必要があります。

感染型食中毒

細菌の種類要因になる食べ物潜伏期間
腸炎ビブリオ魚介類6時間~12時間
サルモネラ鶏肉や鶏卵など12時間~48時間
カンピロバクター井戸水や食肉など2日~11日
リステリアソーセージや生チーズなど平均3週間
病原性大腸菌井戸水や生食肉など1日~5日
O-157 2日~7日

中間型食中毒

細菌の種類要因になる食べ物潜伏期間
ウェルシュ菌室温で保存した煮込み料理のシチューやカレーなど8時間~24時間
セレウス菌オムライスやチャーハン1時間~5時間

細菌性急性胃腸炎の症状

細菌の種類によって細菌性急性胃腸炎の症状は違ってきます。

毒素型食中毒

細菌の種類症状
黄色ブドウ球菌嘔吐、下痢、腹痛
ボツリヌス菌胃腸障害、嘔吐、神経障害

症状が重くなれば呼吸障害が起きて死亡することもあります。

感染型食中毒

細菌の種類症状
腸炎ビブリオ下痢、腹痛、たまに発熱、血便、嘔吐
サルモネラ腹痛、嘔吐、発熱、下痢
カンピロバクター腹痛、下痢、高熱、初期のかぜのような悪寒、頭痛、筋肉痛
リステリア頭痛、発熱、嘔吐
病原性大腸菌下痢、嘔吐、腹痛
O-157血便、重症の命に関わる脳症や溶血性尿素症症候群

中間型食中毒

細菌の種類症状
ウェルシュ菌腹痛、下痢
セレウス菌下痢、嘔吐

中間型食中毒のウェルシュ菌の場合の症状は、セレウス菌の場合の症状はがそれぞれ現れます。

細菌性急性胃腸炎の診断と検査

同じ症状が同じ物を摂った人同士に認められると、細菌性急性胃腸炎の可能性が大きくなります。

便培養検査と便検査を行って、出血があるかどうかと原因細菌を特定します。

細菌性急性胃腸炎の治療法

細菌性急性胃腸炎を治療する方法としては、脱水を避けることが最も大切です。

大人に比較して、子供はよく脱水になります。

水分を少量ずつでも補給し続けることが、脱水を避けるためには大切です。

特に、経口補水療法が小児の場合は推奨されています。

水分、糖分、塩分をいいバランスで配合してコントロールした経口補水液を口から飲むことによって、脱水を予防したり、脱水症状から回復したりします。

大量に初めから飲めば吐くため、欲しがっても初めは飲料として少量だけを与えます。

数分ごとに飲料を与えて嘔吐がなければ、また水分を少量与えるようにします。

落ち着いた症状になるまで、繰り返して粘り強く水分を与えます。

水分を与えて症状が数時間落ち着いていると、少しずつ固形物を摂っても問題ありません。

この場合には、酸っぱいもの、辛いもの、濃い味のものなどは止めましょう。

いつもよりも柔らかいものにしなくても問題ありません。

果汁・果物の柑橘系のものや乳製品は、落ち着いた症状になるまでできる限り止めましょう。

食欲がいつもより無くなっている場合が多いため、摂りやすいもののみでも問題ありません。

ある程度水分が摂れていると問題ありません。

脱水が進んでいたり、水分がごく少量でも下痢、嘔吐が現れたりすれば、入院する必要がある場合もあります。

細菌性急性胃腸炎の場合は、抗菌薬を症状の程度や要因になる細菌の種類によって推奨するケースと推奨しないケースがあります。

効果が期待できる抗菌薬は、細菌の種類によって違ってきます。

細菌性急性胃腸炎の予防

細菌性急性胃腸炎を予防する方法としては、細菌の感染を防止するため、うがい、手洗いを行うことが最も大切です。

トイレの後や食事の前には、手を必ず洗いましょう。

また、夏や梅雨のシーズンは、雑菌がよく繁殖するため、調理器具を殺菌して十分に食べ物を加熱しましょう。

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記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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