痛いとき、熱があるときに便利!小児、高齢者、妊婦も内服ができる市販のアセトアミノフェンについて解説

公開日: 2023/12/26 更新日: 2024/09/13
天気が悪く頭が痛いとき、生理痛がひどくて下腹部が痛いとき、風邪をひいて熱が出ているときなど、日常生活において痛みや発熱で困ることはよくあるかと思います。そんなときには症状がひどくなる前に解熱鎮痛剤を飲むと、痛みや熱が治まり過ごしやすくなります。 昨今、市販の解熱鎮痛剤の種類は増えており、近所のドラッグストアで簡単に購入できるようになりました。ひとことに解熱鎮痛剤といっても含まれている成分は様々です。 アセトアミノフェンは、そんな解熱鎮痛剤のひとつです。小児や高齢者、妊婦も内服することができ、比較的安全に使用することができるお薬です。今回はそんなアセトアミノフェンに関して、ドラッグストアでも購入できる、市販のアセトアミノフェンについてご紹介します。
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アセトアミノフェンとは?

ウイルスや細菌が体の中に侵入したとき、私たちの体は外敵を追い出すために様々な防御反応が働いてアラームを鳴らします。また体が傷ついたときにも緊急事態であることを知らせるためにアラームが鳴ります。

このときに作られる物質がプロスタグランジンです。プロスタグランジンによって、私たちの体は異常事態を察知して、熱が出たり痛みが出たりします。アセトアミノフェンは私たちの体の中枢に働きかけて、プロスタグランジンが作られるのを邪魔します。そうすることによって熱や痛みが抑えられます。

アセトアミノフェンの内服方法について。注意すべき副作用は?

アセトアミノフェンは痛みや熱で困っているときに頓服で用いるお薬です。一般的に1日に服用して良い回数は1日3-4回までで、4時間以上間をあけると追加して内服することができます。

アセトアミノフェンは効果も副作用もマイルドなので、小児、高齢者、妊婦においても比較的安全に使うことができます。しかし、どんな薬でも同じですが、正しく使わないと副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。

一番重篤な副作用は肝機能障害です。決まっている用量よりも多量にアセトアミノフェンを内服すると、肝臓の細胞に障害が起きてしまいます。長期間漫然と内服し続けるのもよくありません。

アセトアミノフェンを内服する量は成人では1日4000㎎以上を超えては絶対にいけません。市販の解熱鎮痛剤の場合には、一般の方がご自分で管理することになっているので、安全性を担保するために1日量が1500mgを超えないように規定されていることが多いです。

小児の場合には、アセトアミノフェンの1回投与量は10-15mg/kgであり、1日の限度量は60mg/kgです。体重によって内服してもよい量が変わりますので気をつけてください。

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ドラッグストアで購入することができるアセトアミノフェンについて

ドラッグストアで購入することができる解熱鎮痛剤のなかで、アセトアミノフェンが主成分である薬をご紹介します。

ノーシンアセトアミノフェン錠

アセトアミノフェン単味製剤で、1錠中に150mgのアセトアミノフェンが含まれます。7歳から成人まで幅広い年代の方に使用することができます。

タイレノールA

アメリカで発売されているお薬ですが、用法・用量を変更して日本で発売されました。

アセトアミノフェン単味製剤で、1錠に300mgのアセトアミノフェンが含まれています。15歳以上の方が内服することができます。

ラックル

速溶錠なので水に触れるとすぐに溶けます。かみ砕いて飲むか、水を使って飲むことができます。痛いときに飲みやすくなっています。アセトアミノフェン単味製剤で、1錠に300mgのアセトアミノフェンが含まれています。対象年齢は15歳以上です。

リングルN300

1錠に300mg含まれるアセトアミノフェン単味製剤です。片手でも開封しやすいパッケージになっています。対象年齢は15歳以上です。

ディパシオACa 

アセトアミノフェン単味製剤で、1錠に150mgのアセトアミノフェンが含まれています。1錠に含まれている量が少な目なので、7歳以上の小児においても内服可能です。

バファリンルナJ

小中高生が内服することができるアセトアミノフェン単味製剤です。チュアブル錠なので、かみ砕いたり口の中で溶かして飲むことができます。水は不要です。1錠に100mgのアセトアミノフェンを含んでいます。

小児用バファリンCII

3歳から14歳の小児のためのアセトアミノフェン製剤です。小粒でフルーツ味なのでお子さんが飲みやすいように工夫されています。1錠に33mgのアセトアミノフェンを含んでいます。年齢によって1回内服量が決められています。

小児用バファリンチュアブル

口の中で溶かしやすいチュアブル錠、オレンジ味で小粒なので子供さんにも飲みやすくなっています。対象年齢は3歳〜14歳です。1錠に50mgのアセトアミノフェンを含み、年齢ごとに1回内服量が規定されています。

こどもパブロン坐薬

1歳から使用できる座薬です。食欲がないときや吐いているときにも使いやすいです。1歳〜12歳の小児が対象です。

市販の医薬品を使用するときに注意すべきこと

ドラッグストアで気軽に薬を購入することができるようになり、つらい症状を自分でコントロールできるようになりました。このように市販薬へのアクセスがよくなったことは素晴らしいことであり、有効活用して毎日を快適に過ごして頂きたいと思います。

一方で、市販薬には処方箋がなく、内服する量やタイミングを自分で管理する必要があります。医薬品は正しく使うと、つらい症状を和らげてくれるすばらしいものですが、使い方を間違えると重篤な副作用につながりかねません。

市販の解熱鎮痛薬には、様々な成分が含まれています。アセトアミノフェンなどの痛みを取る成分に加えて、胃腸の粘膜を守る成分や、カフェイン、眠くなる成分などです。商品名が似ている薬においても中身は全く違うということがよくあります。

ドラッグストアで医薬品を購入する際には、薬剤師や登録販売者に相談し内容を確認してから購入しましょう。特に持病があって病院にかかっている方や妊娠中の方は、主治医に相談してから市販薬を購入してください。

薬を購入し自宅で内服する際には、まず説明書をしっかりと読んで、内服する量、タイミングをしっかりと守るようにしましょう。また、解熱鎮痛剤を内服しても症状が改善しないときや、薬の副作用が出たときには早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

アセトアミノフェンは痛みや熱が出たときに内服すると、つらい症状を楽にしてくれる薬です。副作用が少なく、小児、高齢者、妊婦においても安全に使用できます。

近年、アセトアミノフェンを有効成分とする解熱鎮痛剤の市販薬が増え、ドラッグストアで気軽に購入できるようになりました。市販薬であっても正しく使わなければ副作用が出現する可能性があります。

ドラッグストアでの医薬品購入時には、薬剤師や販売担当者に相談し、ご自分に合った薬を選びましょう。また、用法、用量、注意点をしっかりと守って内服するようにしましょう。市販の解熱鎮痛剤を有効活用して皆さまが毎日を快適に過ごされることを祈っております。

参考文献

厚生労働省ホームページ 市販の解熱鎮痛薬の選び方

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00404.html

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