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ワクチンが効きにくい?BA5株の特徴や症状、潜伏期間について

オミクロン株をはじめ、世界では様々なコロナウィルスの変異株が生まれています。
現在変異株の中で主流となっているのが、BA4株・BA5株(読み方:ビーエーフォー、ビーエーファイブ)と呼ばれる変異株です。
日本にも既にBA5感染者の割合が増えており、ワクチンが効きにくい特徴があると言われています。

この記事では、BA5株の特徴や、症状、重症化率などについて詳しく解説します。

モニタリング情報

ファストドクターによる検査陽性率(更新日:8月9日)

2022年8月8日:34.83%

2022年8月7日:64.45%

2022年8月6日:66.90%

2022年8月5日:61.90%

2022年8月4日:57.01%

2022年8月3日:67.21%

2022年8月2日:72.94%

2022年8月1日:58.77%

ファストドクターでは、発熱や咳など新型コロナウイルス感染症を疑う患者さんに対してのみPCR検査、抗原検査を実施しています。

※無症状の方には検査を実施しておりません。

ニュース速報
記事監修

名倉 義人 医師

○経歴
・平成21年
名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
・平成23年
東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得
・平成27年
東戸塚記念病院で整形外科として勤務
・令和元年
新宿ホームクリニック開院

○資格
救急科専門医

○所属
日本救急医学会
日本整形外科学会

BA5株とは?感染力が強くワクチンが効きにくい特徴

世界中で多くの感染者を出した「オミクロン株」は、実は1つの変異株の名前ではなく、いくつかの変異株の総称です。
2022年2月~3月にかけて流行したオミクロン株はBA2という変異株で、これまで感染の主流でした。
現在、新たに置き換えが進んでいるオミクロン株がBA4やBA5であり、今までのBA2とは違う特徴があるとされています。

これまでのBA2とBA4/5の違い

BA4やBA5は、BA2に比べて

  • ワクチンが効きにくい性質がある
  • BA2に比べておよそ1.2倍の伝播力がある(※)
  • BA2に比べて病原性が高い(※)

という特徴があることが示唆されています。
※動物実験における検証結果

さらに後述しますが「肺で増殖しやすい」などの特徴がある可能性も示唆されています。

また、新たに感染拡大の恐れがあるBA.2.75株(通称:ケンタウロス株)については、こちらの記事を参考にしてください。
ケンタウロス株(BA.2.75)とは?感染力やBA5株との違いを解説

BA4/5の構造の特徴や発生源

BA4やBA5には、ウィルスを特徴付ける「スパイクタンパク質」に以下のような特徴があります。

  • 69-70番目のアミノ酸の欠失している
  • L452R変異、F486V変異を有している

BA4やBA5は、いずれも南アフリカで初めて検出されています。
(2022年1月にはBA4が、2月にはBA5が検出。)

WHOが「VOC-LUM」に分類する変異株

WHOでは、これまでのCOVID-19の変異株をいくつかのカテゴリに分類しています。
BA4,BA5は、他の変異株よりも特に力を入れて監視する必要があるとして、VOC-LUMというカテゴリに分類しました。
VOC-LUMとは、VOC(懸念される変異株)の中でも、さらに感染拡大のリスクが高い特徴を持つ変異株が属しているカテゴリです。

BA5株の症状や潜伏期間について

BA5株は、これまでのオミクロン株の症状に加えて「けん怠感」を感じる人が増えています。
また、潜伏期間が短くなっているという報告があります。

BA4やBA5の症状の特徴

これまでのBA1株(オミクロン株)に感染した場合は

  • 発熱
  • せき
  • のどの痛み

などが主な症状でした。

半分以上の人が「無症状」ということにも注目したいところです。

新規陽性者の中で無自覚症状だった人の割合は、7月に入ってから増加しています。

日本でもBA5の感染者が増えていますので、それに伴って無自覚症状の人も増加している可能性があります。

潜伏期間は短くなっているという報告も

オミクロン株はデルタ株に比べて、潜伏期間が短い傾向があります。

BA4・BA5株の具体的な潜伏期間には詳しい調査が必要ですが、発症まで短くなっているという報告があります。
最短では、感染推定日の翌日に発症したという報告もあります。

BA5株の毒性や重症化率について

BA4やBA5は、これまでのデルタ株と比べての毒性が強いと言える根拠は、今のところ出ていません。
むしろ、入れ替わりが日本より進んでいる欧州やアフリカでの重症化が進んでいないことから、これまでの変異株に比べて危険性はやや低いとされています。

動物実験で毒性・病原性はBA2より高いという結果が

BA4やBA5は重症化しにくいとされる一方で、一部ではBA2よりも毒性や病原性が高いことを示唆している報告があります。

動物実験で行った検証では、体重の減少、呼吸機能の低下など、いずれもBA4・BA5の方がBA2に比べて病原性が高い結果となっています。
ただしこちらの検証は、オミクロン株以外のデルタ株などと比較した結果ではありません。
これまでのコロナ禍で既に免疫を獲得している方がほとんどだと思われるため、実際の重症化リスクとは差がある可能性があります。

肺で増殖しやすい可能性

これまで、オミクロン株は気管で増殖し、肺では増殖しにくいとされていました。
しかし、東京大学医科学研究所の佐藤 佳(kei satou)教授らが行った実験から、「BA5は肺で増える可能性がある」ことが示唆されました。

ヒトの肺細胞にてBA2株とBA4,5株の培養を行った結果、BA2株よりもBA4,5株の方が発育が良いことが分かりました。
佐藤教授はBA4,5株のことを「デルタ株が持っていたような、肺で増えやすい特性を獲得したオミクロン株とも言える」と答えています。

参考:Virological characteristics of the novel SARS-CoV-2 Omicron variants including BA.2.12.1, BA.4 and BA.5|Kei Sato |2022.05.26

BA4・BA5の重症化のリスクは低い見通し

重症化のリスクに関してはまだ情報が十分ではありませんが、「BA4やBAは重症化しにくいのではないか」と言われています。

BA4やBA5の入れ替わりが進んでいる南アフリカでは、死者数の劇的な増加は見られていません。
同じくBA5の拡大が進むヨーロッパでも重症者数の増加は見られていないので、重症化リスクは高くないされています。

こちらは7月7日に東京都の出した第7波での重症化率の見込みですが、基本シナリオではいずれも第6波より重症化の危険性は低いと見積もられています。

感染力が高く、国内・海外で感染割合が増える

BA4やBA5は、ワクチン接種をした人でも感染しやすい免疫回避の特徴があるとされています。
海外ではポルトガルなど感染が急拡大した国もあり、日本でも感染割合が増えています。

国内(東京都)の感染状況

7月21日に発表されたBA4、BA5の感染状況は

BA2の系統疑い22.9%
BA2.12.1の系統疑い1.4%
BA4の系統疑い1.1%
BA5の系統疑い74.5%
データ引用:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年7月21日)変異株PCR検査

となっており、7割以上がBA5に既に置き換わっています。

以下のグラフは、それぞれの変異株が検出された時点をスタートとして、感染率の時間推移を表しています。

時間の経過とともにBA2疑いの割合が減っていき、BA5疑いの割合が増えていることから、徐々に日本国内でのBA2からBA4/5への置き換えが進んでいることがわかります。

海外の感染状況

世界各国で、BA4株、BA5株への入れ替わりが進んでいます。

イギリスでは6割がBA4/5

イギリス健康安全局(UKHSA)が6月24日に発表した資料によると

現在、イギリスでは新規陽性者全体のうち

  • BA4株が22.28%
  • BA5株が39.46%

を占めていると推定しています。
参考:BA.4 and BA.5|SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England

BA4とBA5はBA2よりも明らかに成長が早く、今後はBA5が主要な亜種となる可能性が高いとイギリス健康安全局は予想しています。

南アフリカでは6割がBA4/5

南アフリカは7月12日時点で、直近30日における検体のうち61%がBA4株・BA5株でした。

南アフリカでは61%がBA4/5に置き換わっている
グラフ:Lineage prevalence over time in South Africa|outbreak.info

BA2からの置き換わりが進むと共に、2022年4月から5月にかけて感染者数の増加が見られたことから、BA2よりもBA4やBA5の方が感染力が強いことが指摘されています。

ポルトガルは84%がBA5

ポルトガルではBA.5の検出割合が急上昇し、7月12日現在ではBA5の割合が84%となっています。

ポルトガルでは84%がBA5に
グラフ:Lineage prevalence over time in Portugal|outbreak.info

6月中ばあたりからBA.5の波のピークに達したとされていましたが、7月に入りまた感染者が増えているので、油断できない状況であると言えます。

BA5のワクチンはまだ完成していない

BA4やBA5に対応するブースターワクチンは、まだ開発途上です。
6月30日にFDA(アメリカ食品医薬品局)が出した声明では、ワクチン制作会社に対してアメリカのブースターワクチンに2022年秋からBA4やBA5のワクチン成分を含めるよう助言しました。
参考:Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Recommends Inclusion of Omicron BA.4/5 Component for COVID-19 Vaccine Booster Doses | FDA

ワクチン製造会社は既にオミクロン株(BA1)の臨床試験までは完了していますが、BA4/5のワクチンはまだ開発途中です。
FDAではBA4/5ワクチンのブースター接種が本格化するのは来年になると予想しており、準備を進めています。

BA5再感染リスクやワクチンの効き目について

一度コロナにかかった人でもBA5は再感染する?

BA4株やBA5株はこれまでのオミクロン株よりも免疫をすり抜けやすいため、過去に感染した人やワクチンを接種した人でも、再感染しやすい可能性があるとされています。
ワクチン接種によって重症化を防ぐ効果はあるとされていますが、最近コロナ感染した方やワクチン接種した方でも、引き続き感染対策を行うことが必要です。

ワクチンが効きにくい?3回目接種で大きな違いが

こちらはワクチン接種の回数と中和抗体との関係を調査したデータです。

ワクチン2回接種と3回接種とBA4/5への予防効果
13 ワクチン3回目接種の効果|(第92回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年7月7日)

青い棒が2回目接種、オレンジの棒が3回目接種を表しています。
3回ワクチンを接種することで、デルタ株だけでなくBA4やBA5に対しても高い中和抗体価が得られることが示唆されています。

こちらのデータは対象となるサンプルが15名の医療従事者のみという、サンプル数としては少ないデータとなります。
しかし、ワクチンの2回目接種と3回目接種で大きな違いが出ていることがわかるため、ワクチンの予防効果に期待ができます。

まとめ

  • BA4やBA5などの変異株は、ワクチン効きにくいとされている
  • 日本国内でも、既に4割弱がBA4/5に置き換わっている
  • 症状はこれまでよりもけん怠感を感じやすいが、無自覚の人も多い
  • 重症化率は低いとされているが、これまでの変異株より病原性が高いとする説もある

withコロナ時代となり、BA4株やBA5株の感染拡大のニュースを聞いても、初期のオミクロン株が出てきた時のような衝撃は感じないかもしれません。

しかし、十分な対策をしないままだと、オミクロン株の拡大時と同じくらい被害が出る可能性があります。
夏になりクーラーをかけて部屋を閉め切りたくなる季節となりましたが、人が多い時はこまめに換気をするなどして、引き続き基本的な感染対策を行いましょう。

4回目のワクチン接種も始まっていますので、重症化リスクの高い人は積極的にワクチン接種を受けるようにしてください。

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