猫ひっかき病とは?初期症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/03/04 更新日: 2024/03/26
猫ひっかき病は猫にひっかかれたり嚙まれたりした後、”バルトネラヘンセラ”という細菌が傷口に入り込んで炎症を起こした際につけられる病名です。 「飼い猫や野良猫にひっかかれてしまったけど、放っておいて大丈夫なのかな?」「猫ひっかき病にかかってしまっているかどうやって判断するんだろう?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。 猫ひっかき病にかかっていた場合、リンパ節の腫れや発熱、ブツブツしたできものができるなどの症状が現れます。中には治るのに数か月かかったり、悪化して死に至ってしまうケースがあるほど怖い病気なのです。 この記事では猫ひっかき病であった場合、具体的にどんな初期症状が出るのか、どんな治療を行うのかなどを解説していますので、猫に引っかかれて不安な方は是非最後まで目を通してみてください。
軽傷だから大丈夫と思ってしまっていませんか?

猫に引っかかれてしまった場合、早期の治療が重要です。

実は動物から感染する病気は様々で、一度医師に見せた方が良い場合もあります。

「猫に引っかかれた後、熱やリンパの腫れが出ている気がする」 「ひっかかれたくらいで病院に行くのは面倒」

そんな場合はファストドクターのオンライン診療にご相談ください。

オンライン診療ならスマホで診察ができるため、家から出ずに気軽に症状をご相談いただけます。

猫ひっかき病について

猫ひっかき病の特徴・要因・症状

猫ひっかき病の特徴

猫ひっかき病というのは、リンパ節炎がメインの感染症で、細菌のバルトネラヘンセラによって起きるものです。

猫ひっかき病の原因菌は、猫の口腔粘膜、血液、目ヤニ、ノミなどから検出されるものです。

猫同士では、主として猫のノミの排泄物によって感染します。

つまり、ノミが猫ひっかき病に感染している猫の血液を吸って、猫の毛の上いる際にお互いに猫同士が舐め合うことによって排泄物を摂って、猫の中で繫殖するものです。

一方、猫の引っ掻きによって猫から人に感染します。

猫ひっかき病の要因

猫ひっかき病の要因としては、主として猫による引っ掻き傷が考えられます。

ネコノミが猫の血液を吸って細菌を取り込むと、細菌が体の中で繁殖し、猫の毛の中に細菌を糞便として排出します。

そして、細菌が含まれている排泄物が、グルーミングを猫が行う際に爪や歯に付きます。

そして、爪や歯に細菌が付いた猫が、人を引っ掻いたり、咬んだりすることによって、細菌が傷口から侵入して、猫ひっかき病に感染します。

このような猫ひっかき病の要因の中で予防できるようなものについては、事前に猫を飼っている人が取り去っておきましょう。

猫ひっかき病の症状

猫ひっかき病のほとんどの場合は、猫が引っ掻いたり、咬んだりしてから3日~10日のうちに、傷が付いた箇所に紅斑性丘疹(こうはんせいきゅうしん)が痂皮を伴って現れます。

さらに、リンパ節の腫れが2週間のうちに現れます。

リンパ節は、初めは圧痛を伴って硬くなり、この後は液状に内部がなり、瘻孔ができて膿が出る場合もあります。

リンパ節が腫れることによって、発熱、頭痛、倦怠感、食欲不振が現れる場合があります。

リンパ節の腫れは、自然に2ヶ月~5ヶ月のうちに無くなります。

一般的に、完全に猫ひっかき病は回復しますが、例外的に肝脾疾患あるいは神経疾患の重度のものが起きた場合は、後遺症が残ったり、死亡したりする場合があります。

猫ひっかき病の診断と検査

猫ひっかき病の診断を確定するためには、一般的に、リンパ節穿刺検体のPCR検査、あるいは6週間ごとに採った急性期と回復期の血清を調査する血清抗体価で陽性になることが必要です。

同じようなリンパ節の腫れが、例えば、野兎病、ブルセラ症、抗酸菌感染症、鼠径リンパ肉芽腫、真菌感染症の別の感染症でも起き得るので、ネコひっかき病とはっきりと診断できなければ、このような微生物も検査します。

猫ひっかき病の診断を確定したり、悪性腫瘍が疑われたりする場合は、リンパ節生検を行います。

特徴的な化膿性肉芽腫の病理組織学的所見が認められたり、細菌が蛍光抗体法によって検出できたりすれば、猫ひっかき病の可能性があります。

全身症状がある患者と易感染性患者の場合は、血液培養も行います。

培養陽性にリンパ節穿刺検体がなる場合はまれです。

一方、猫ひっかき病の要因の細菌を、リンパ節生検検体の培養で分離できる場合があります。

猫ひっかき病の治療法

猫ひっかき病を治療する主な方法としては、治療を特に行わなくてもほとんど自然に治りますが、場合によっては数ヶ月も治るまでにかかることがあります。

免疫力が下がった高齢者や免疫不全の人の場合は、症状が重くなって脊髄障害や麻痺になることもあるため注意しましょう。

一般的に、猫ひっかき病の治療薬としては、抗生物質のマクロライド系のものが使われます。

抗生物質としては、ミノサイクリンというテトラサイクリン系のものも効果が期待できます。

しかし、歯牙の着色が副作用としてあるので、小児のように永久歯が生えていない場合に使う際は十分に注意する必要があります。

猫に引っかかれてしまった場合はご相談ください

猫に引っかかれた場合、全身に炎症が広がってしまうケースも報告されています。

もし猫に引っかかれてしまった場合は一度医師に症状を相談してみませんか?

ファストドクターのオンライン診療では、自宅にいながら24時間スマホで診察ができ、マクロライド系抗生物質のお届けも可能です。

アプリの症状を選択する画面で「皮膚症状」を選び、診察受付をしてください。

猫ひっかき病の予防

猫ひっかき病を予防するためには、次のようなことに注意する必要があります。

  • ノミを駆除する

猫ひっかき病を予防するためには、やはりノミを駆除することです。

猫が外出する場合は、動物病院でノミの駆除薬のフロントラインなどを定期的に使用すると効果が期待できます。

薬を使用するのが少し不安な場合は、ブラッシングをノミ取り櫛で行いましょう。

  • 猫の爪を短く切る

猫ひっかき病の細菌は、人の体の中に傷口から侵入して感染するため、猫が引っ掻いたりした際に傷にならないように、常に猫の爪は短く切ることが大切です。

  • 食べ物などを口移しで与えない

唾液によって猫ひっかき病は感染する場合もあるため、猫に食べ物を口移しで与えたりするのは止めましょう。

  • 野良猫に触らない

野良猫の方が飼い猫より猫ひっかき病に感染している可能性が大きいため、できる限り触らないようにしましょう。

  • 外に飼い猫を出さない

別の猫から感染するのを防止したり、ノミを予防したりするためにも、完全に部屋の中で猫を飼うようにしましょう。
外出しなければ、別の猫から猫ひっかき病に感染するのを防止することができます。

ひっかき病は約10日後から症状があらわれます

猫ひっかき病にかかっていた場合、遅れて症状が出ることが特徴です。

念のため、徐々に出てくるかもしれない症状に備えてオンライン診療のアプリ「ファストドクター」をインストールしておきませんか?

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診察の際はアプリを開いて症状を選択する画面で「皮膚症状」を選んで受診してください。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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