更年期障害の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、更年期障害の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。

更年期障害について

更年期障害の特徴・症状

更年期障害の特徴

閉経に日本の女性がなるのは50歳~51歳であると言われており、この閉経の前後の45歳~55歳を更年期と一般的に言います。

しかし、個人によって閉経の年齢は違っているため、40代前半から閉経になる場合もあります。

更年期障害というのは、卵巣の働きが閉経にともなって衰えて、急にエストロゲンという女性ホルモンの分泌が少なくなることによって起きます。

エストロゲンの分泌が少なくなれば、エストロゲンによってそれまでコントロールされた、さまざまな体の機能が上手く作用しなくなります。

また、エストロゲンが下がると、卵巣に対して、脳は女性ホルモンをさらに分泌するように指令を出します。

しかし、この場合に、脳の指令が不要な興奮を周りの脳に引き起こすことによって、自律神経が上手くコントロールできなくなります。

そのため、急に女性ホルモンが少なくなることに体が追い付かなくて、心身の不調や神経のコントロール不良がよく起きるようになります。

このような状態は多少とも起きますが、影響が日常生活まであるものを特に更年期障害と言います。

更年期障害の症状

  • 頭痛

頭痛は多く女性に発症しますが、更年期に起きたり悪くなったりすることがあります。

脳の血管壁の収縮や痙攣によって、更年期の頭痛は起きるとも言われています。

エストロゲンの分泌が少なくなることが、更年期の頭痛に関係するとされています。

更年期障害の症状としては、全体の頭が痛い、一部の頭が重たいなどいろいろです。

  • 肩こり

肩こりが更年期になってひどくなる場合は多くあるようです。

エストロゲンが更年期になって少なくなることでの自律神経のアンバランスが、更年期障害の症状を強める場合があります。

  • よく疲れる

更年期障害の特有の症状としては、疲れて体がだるい、何もやる気がしない、などというようなものもあります。

  • のぼせ、発汗、ほてり

代表的な更年期障害の症状としては、ほてりやのぼせというホットフラッシュが挙げられます。

急に汗が止まらなかったり、顔が熱くなったりします。

  • 腰痛、腹痛

腰痛、腹痛の場合は、更年期障害だけでなく、卵巣腫瘍などのリスクもあるため、早めに診てもらいましょう。

また、腰痛の場合は、閉経後骨粗しょう症というよく更年期から現れるものと関係していることがあります。

更年期障害の診断と検査

更年期障害の検査の方法についてご紹介しましょう。

問診からまず検査は始まります。

問診票を見ながらさまざまな質問をして、卵巣や子宮の状態をお腹の上と膣から必要によって触診します。

超音波検査は、超音波を出してエコーとして返ってくるもの受けて画像にして診断するもので、卵巣や子宮の状態を調べます。

血液中の女性ホルモンの濃度を、血液検査によって調べます。

ホルモンの濃度を測ることによって、更年期障害であるかを調べるとともに、骨粗しょう症や高脂血症の可能性についても調べる場合があります。

細胞検査は、子宮がんがあるかどうかを調べるものです。

細胞を子宮頚部から採るものですが、痛みもなく数秒で終わります。

乳房検査は、乳がんがあるかどうかを調べるものです。

触診以外に、超音波検査やマンモグラフィーなどを行う場合があります。

更年期障害の治療法

  • ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、少なくなったエストロゲンを補充するものです。

また、子宮がある場合は、一緒にプロゲステロンという黄体ホルモンを投与します。

自己負担も保険が適用されるため少なく、根本的な更年期障害の治療法として非常に期待されています。

  • 漢方薬での治療

漢方は、症状を改善するためにいいと言われており、生まれたのは東洋医学からです。

更年期障害のいろいろな症状がある場合やホルモン補充療法が使えない場合には、まず漢方薬での治療が行われます。

  • 抗不安薬や抗うつ薬などでの治療

うつや不安などの精神神経症状の不安やうつがメインの場合などは、抗不安薬や抗うつ薬が使われます。

これ以外にも、カウンセリングを専門のカウンセラーや周囲の人に受けることも効果が期待できると言われています。

治療を行いながら、しっかりと他の人に話を聞いてもらうことによって、心身のストレスが無くなります。

更年期障害の予防

更年期障害を予防する方法としては、睡眠や食事バランスに注意することも大切ですが、有酸素運動を続けることが最も効果が期待できます。

  • 筋肉をストレッチで伸ばして血流を改善する

有酸素運動の前に身体の筋肉をストレッチで伸ばして、血流を改善しましょう。

身体が柔軟になって、リンパもよく流れるようになります。

ストレッチをすると、リラックスが心身ともにできるため、ストレスも無くなります。

  • 筋トレを行う

筋トレというのは、負荷を筋肉に掛けるもので、無酸素運動として乳酸が発生します。

体の中に乳酸が溜まると疲れが取れにくくなります。

そのため、定期的に腕立て伏せやスクワットなどを始めましょう。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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