尿管結石の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
こんにちは、ファストドクターです。 尿管結石についてお伝えします。

尿管結石の特徴・症状

尿管結石の特徴

尿管結石というのは、尿管と言われるところに結石ができる病気です。

尿管結石の場合は、尿の流れを止めたり、尿管を刺激したりするため、いろいろな症状が現れます。

さらに、治療が遅れた場合は腎機能が止まったり、感染症になったりするリスクもあります。

尿管結石の症状

排尿する際に結石が小さい場合は体の外に自然に出ますが、結石が大きな場合は尿管に詰まって、強い痛みが現れる場合があります。

痛みが現れるところとしては、尿管結石が起きている背中や太ももの左右の付け根などになります。

尿管を刺激すると、痛みが激しくなる場合が多いようです。

しかし、結石が腎臓などにある場合は、実際には痛みが起きない場合があります。

尿管結石でも痛みが現れない場合は、レントゲン検査、CT検査、超音波検査を健康診断などの際に受けるとたまたま見つかる場合が多くあるようです。

痛みが無いという場合でも、体の中に結石が長い期間あれば、恐ろしい腎盂腎炎などになったり、障害が腎機能に起きたりする恐れがあるため、自分で判断してそのままにしないようにしましょう。

尿管結石の診断と検査

尿管結石を診断する際は、症状、レントゲン検査、尿検査などの画像で判断する必要があります。

また、尿管結石の要因を調べて、再発を予防するためには、尿生化学検査、血液生化学検査、尿培養などが必要になります。

尿管結石を診断する流れとしては、 

  • 結石があるか
  • 結石の大きさを調べて、尿の流れが結石によってどのように悪化しているか
  • 膿尿と尿検査で分かると、感染がどのような細菌で起きているか
  • 出てきた結石の成分はどうか

というようになります。

尿管結石の治療法

尿管結石を治療する方法は、結石を自然に出す方法と手術で除去する方法があります。 

結石を自然に出す方法

結石がそれほど大きくなければ、鎮痛薬・溶解薬・排石促進薬などによって、基本的に、約1ヶ月かけて自然に結石を出します。

自然に結石が出ない場合は、手術で除去する方法に変更します。

なお、自然に結石が出る確率は、結石の大きさが5mm未満の場合は約7割、5mm~10mmの場合は約5割であると言われています。

結石が大きくなるほど、自然に出る可能性が小さくなります。

手術で除去する方法

大きな結石で自然に出るのが困難な場合は、結石を手術で砕いて除去します。

手術する代表的な方法についてご紹介しましょう。

体外衝撃波結石破砕(ESWL)

衝撃波を体の外側から当てて結石を砕いて、尿と一緒に細かくなった結石を自然に体の外に出す手術です。

体の外から手術ができる以外に、麻酔を使うのも最低限にできるので、日帰りで手術を受けることも場合によってはあります。

割合小さい10mm未満の結石の場合に実施される場合が多くあります。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)

尿管を内視鏡で見て、モニターで結石を確認して、体の中でレーザーを使用して結石を砕いて除去する手術です。

特殊なワイヤーを使って、砕いた結石は直接除去します。

結石をきれいに除去できるメリットがありますが、使用できるレーザーの強度に対して大きすぎる結石の場合は、手術を何回か行う場合があります。

一般的に、結石の大きさが20mm以下の場合に実施されることが多くあります。 

経皮的腎砕石術(PNL)

結石の大きさが20mm以上で、腎臓の中に結石がある場合に使用される手術です。

手術する際は、腎臓の中まで結石がある腰側から筒のような腎瘻を通します。

そして、腎瘻からレーザーと内視鏡がついた機器を体の中に入れて、結石を砕いて除去します。

尿道よりも大きな筒を入れるので、結石が大きい場合でも手術ができます。

しかし、麻酔を全身に行う場合が多く、腎臓を直接切開するので、出血などに注意する必要があります。

経皮・経尿道同時内視鏡手術(ECIRS)

経皮的腎砕石術と経尿道的尿管結石破砕術を一緒に行って、結石をより確実に除去する方法です。

2つの手術のメリットをミックスして、結石をより安全に確実に除去することができますが、手術ができる医師がいる病院が限定されています。

ここでご紹介した手術は、メリットとデメリットがそれぞれあります。

そのため、絶対にどの手術がいいというのは決まっていません。

結石があるところや大きさだけでなく、患者の希望や生活スタイルに応じた最も適した治療法を、病院で相談することが大切です。

尿管結石の予防

現在、高い体脂肪率の場合は、尿管結石によくなると言われています。結石の種類によって、尿管結石を予防する方法が違ってきます。

尿酸結石の場合は、内服薬によって治療を行います。時間は必要ですが、結石を場合によっては溶解することができます。

シュウ酸カルシウム結石の場合は、生活習慣を食事療法などによって変えます。

普段から水分をこまめに摂ることが必要です。

1日に摂る水分量としては、1.2リットル必要であると言われています。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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