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RSウイルス

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

知っておこう!RSウイルス感染症4つのポイント

赤ちゃんは重症化に要注意

RSウイルス感染症は風邪と同じように最初は鼻・喉に感染し、その後ウイルスが肺の奥まで侵入することで重症化します。
0〜1歳は重症化しやすいですが、中でも生後6ヶ月未満の赤ちゃんは肺までの距離が短く、気管支が狭いほかさまざまな要因で重症化しやすいです。
重症化することで呼吸状態が悪くなり、入院が必要になる場合や、命に関わる場合もあります。
特に出生体重が軽かったり、心臓や肺に基礎疾患のある子は重症化する可能性が高いです。

流行期に症状がある場合は早めに受診しましょう。
2歳になるまでにほぼ全ての子どもが感染します。
上記の子どもたちは特に初めてかかった際注意が必要です。

観察ポイント

呼吸状態に注意

RSウイルス感染症が重症化すると呼吸状態が悪くなります。 自分で症状を伝えられない赤ちゃんは、呼吸状態に注意しましょう。またミルクや母乳が飲めなくなることも重症化のサインなので見逃さないようにしましょう。

鼻水や痰に注意

RSウイルスでは、鼻水や痰が大量に出る場合が多いです。
赤ちゃんの鼻や喉は小さく狭いため、少量でも息苦しさを感じる原因になります。
鼻水は吸引器などを用いて適宜吸引し、痰には室内の加湿をして出しやすくなるように対処しましょう。
鼻水や痰は量が多いと中耳炎や気管支炎を合併する場合があります。
症状がひどい、泣き止まない、苦しそうといった場合には医療機関を受診しましょう。
薬が処方されれば、症状を和らげることができます。

特効薬なし!2歳未満は早めの受診を

RSウイルス感染症に特効薬はないため、症状を軽くするための対症療法をおこないます。

小さな子どもにとっては症状がつらく感じられることも多いでしょう。

早めに薬で対処してあげるとよいでしょう。

1歳以上でミルクが飲めていれば慌てて受診する必要はありません。

しかし重症化しやすい1歳以下の場合は流行期に風邪症状があれば早めに受診しましょう。

赤ちゃんでなくても、呼吸器や心臓に持病のある人、免疫機能が低下している人は重症化のリスク高く、注意が必要です。

一度だけではない!大人も感染する

2歳までにほとんど全員がかかりますが、免疫がつきにくいことから何回も感染する特徴があります。
しかし2歳以上の子どもや大人は鼻風邪程度で終わることが多いため、多くは軽症ですみます。

そのため症状だけでは一般的な風邪との判別が難しいため、自宅で赤ちゃんや高齢者、持病のある人と暮らしている場合、風邪症状には注意が必要です。

RSウイルス感染症はどんな症状?

原因や感染経路

  • 原因:RSウイルス
  • 感染経路:飛沫感染、接触感染
  • 潜伏期間:4〜6日 
  • 症状期間:5〜7日
  • 流行期:9月〜12月頃(近年は地域や年により異なる)
  • 好発年齢:0〜1歳

治療・検査

・治療
特効薬はありません。症状を和らげる治療をおこないます。

・検査
RSウイルスには検査キットがあります。ただし検査をおこなうのは基本的に重症化リスクが高い1歳未満の赤ちゃんのみです(保険適用)。

1歳以上の場合は、入院が必要なほど重症な場合や、重症化リスクの高い基礎疾患がある場合に医師の判断で検査をおこなうことがあります。

症状

・発熱(38〜39℃)
・鼻水
・咳
・喘鳴(ぜんめい)
悪化すると、呼吸がゼーゼー、ヒューヒューする

※赤ちゃんの場合悪化するとミルクや母乳が飲めなくなる場合もあります。

知っておきたい豆知識

喘鳴(ぜんめい)とは?

気道が狭くなることにより、呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューという音がすることを喘鳴といいます。はっきりと音を聞き分けるのは難しいため、喘鳴かどうかわからないときは一度受診してみましょう。

RSウイルス感染症が関連する病気

症状が似ている病気:クループ症候群

RSウイルス感染症の対処方法は?

鼻水を取り除く

鼻水が多い場合は必要に応じて吸引しましょう。
鼻水が溜まったままだと、呼吸がしづらいだけでなく、病気が治りにくくなったり、中耳炎などを引き起こす可能性もあります。なるべく取り除いてあげましょう。

鼻水吸引をするときの注意点

吸引を頻回におこなうと、鼻の粘膜を傷つけたり鼻血が出たりすることがあります。回数に決まりはありませんが、赤ちゃんの様子を観察し、以下のような場合には吸引をおこないましょう。 

  • 息をしづらそう
  • ミルクや母乳をのみにくそうにしている
  • 鼻水が多くて眠れない

加湿する

小さな子どもは自分で鼻水や痰を出すことが難しいです。
さらに、鼻水や痰は脱水傾向になると粘り気が増します。
加湿して乾燥を防ぐことで、鼻水や痰が出しやすくなります。加湿器などを用いて、湿度が50%〜60%になるように調節しましょう。
鼻汁や痰が多いとミルクや母乳など飲み物が飲みづらい、喉に張り付いて嘔吐をしやすい、誤嚥して肺炎を起こす可能性があります。

ウイルス検査(保険適用は1歳まで)

1歳未満は重症化リスクが高いため、健康保険の適用で検査を受けられます。
1歳以上で検査を希望する場合は基本的に自費での実施となります。
しかし、重症化リスクがある人や、重症化リスクがある家族(高齢者、赤ちゃん)と暮らしている場合は検査をした方がよいかもしれません。
受診の際にその旨を医師に伝えてみましょう。

家庭内感染を予防しよう

大人がRSウイルス感染症にかかっても、風邪と症状が似ていて気がつきにくいです。
気をつけたいのは大人が感染していることに気づかず、一緒に暮らしている赤ちゃんや高齢者、持病のある家族へ感染させてしまうことです。
風邪症状がある場合は家庭内でもマスクを着用し、症状の出ている間はなるべく一緒に食事をしたり、寝たりする家庭内での接触を避けるようにしましょう。

遊び場や共有のおもちゃに注意

子どもの場合、室内の遊び場や共有のおもちゃを介して感染することも多いです。
手洗いやうがいが可能な年齢なら、対策として実施しましょう。
アルコール消毒やアルコール成分を含む除菌シートも有効です。

いつから登園できる?

登園目安は「解熱後24時間以上経過し、咳などの呼吸器症状が改善し、全身状態がよいこと」です。

保育園に通っている場合、0歳の園児も在園している可能性があります。

医師の指示や園の方針に従って登園しましょう。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

119番

大人も子どもも、以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。

  • 意識がはっきりしない

  • 呼吸が苦しそう

  • 唇が紫色

  • 激しい痛みをともなう

  • 明らかに様子がおかしく自力での受診が難しい

至急受診を

以下の場合は昼夜を問わず救急外来を受診しましょう。

  • 生後3ヶ月未満で症状が出た
  • ミルク・母乳が飲めない
  • 息を吸ったときに胸がへこむ
  • 息を吸うときに小鼻が開く
  • 呼吸が速い
  • 顔色が白い(悪い)

受診が必要

医療機関が開いている時間帯に早めに受診をしましょう。

  • 1歳未満で38℃以上の熱が出た
  • ミルク・母乳の飲みが悪い
  • 不機嫌が続いている
  • 泣き止まない
  • 保護者からみて子どもの様子がいつもと様子が違う、気になる

不安がある場合は医療機関やオンライン診療を受診しましょう。

子どもの体調不良、どう判断する?

特に5歳以下の子どもは自分の体に起こっている症状を正確に伝えることが難しいです。

また、何度も同じ質問をされると質問に対する答えが変化する場合もあるため、本人の言葉だけで状態を判断することは避けましょう

体調不良や、喉が痛い・頭が痛い・鼻が詰まるなどの不快な症状を不機嫌で表現している場合が多いです。朝に「今日は機嫌が悪いな」と思っていたら夕方になって熱が出たというケースはよくあります。

そのため、親からみて「何か変だな?」「いつもと違う?」という様子が続く場合は医師へ相談してみましょう。

「こんなことで受診していいのかな?」「家庭の事情でなかなか受診できない」というときには、オンライン診療もおすすめです。

受診する際のポイント

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • いつからどんな症状があるか
  • 水分や食事はとれているか
  • 持病はあるか
  • 持病などで飲んでいる薬があるか
  • 症状に対して薬を服用したか→ある場合は薬品名(商品名)と服用時間
  • 周囲で感染症などが流行しているか

病院の持ち物リスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

  • スマートフォン/携帯電話
  • 家族の連絡先がわかるもの
  • お財布
  • お薬手帳(持病がある場合は必ず)

持参が必要

  • 保険証
  • 医療証
  • 診察券

※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもに必要

子どもは下記も準備しましょう。

  • 着替え
  • おむつ
  • おしりふき
  • ビニール袋2−3枚
  • 大きめのタオル(フェイスタオル等)

症状が出る前に備えられること

家庭内感染対策の準備

家族が感染した時を想定し、感染した人と他の家族の生活空間を分けられるように備えましょう

可能であれば個室で過ごしてもらうことが望ましいです。

また、感染対策に必要な備品を事前にストックしておくと便利です。

必要品の例

マスク、消毒用アルコール

近隣の病院を確認しておく

近隣の夜間・休日に対応している病院やかかりつけ医の診療時間を確認しておきましょう。

タクシー会社の連絡先を確認しておく

自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう

運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。

こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。

緊急連絡先を確認しておく

勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。

受診に必要な物の場所を決めておく

保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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