RSウイルス感染症について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
RSウイルス感染症
RSウイルスは風邪のウイルス
RSウイルス感染症は、呼吸器に感染するウイルスです。数多く存在する風邪のウイルスの一つで、大人が感染してもただの風邪で終わる場合がほとんどです。
感染経路は…
- 飛沫感染
- 接触感染
潜伏期間は…
4〜6日
症状期間は…
5〜7日
ほとんど100%の人が2歳までに感染し、一度感染すると免疫ができます。生涯にわたり何度も感染しますが、免疫がつくことでただの風邪とされます。
赤ちゃんは重症化する場合もある
RSウイルス感染症の症状は…
- 発熱(38〜39℃)
- 鼻水
- 咳
- 喘鳴(ぜんめい)
大人にとってはただの風邪でも0〜1歳のこどもは重症化しやすいため注意が必要です。中でも生後6か月未満の赤ちゃんは肺までの距離が短く、気管支が狭いなどの理由から悪化しやすいです。悪化するとミルクや母乳が飲めなくなる場合もあります。
また、重症化すると呼吸状態が悪くなり、入院が必要になる場合や、命に関わる場合もあります。
とくに、出生体重が軽かったり、心臓や肺に基礎疾患のあるこどもは重症化する可能性が高いです。流行期に症状がある場合は早めに受診しましょう。
喘鳴(ぜんめい)とは?
気道が狭くなることにより、呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューという音がすることを喘鳴といいます。はっきりと音を聞き分けるのは難しいため、喘鳴かどうかわからないときは一度受診してみましょう。
鼻水や痰がたまり続けないようにする
RSウイルスでは、多量の鼻水や痰が出ます。
赤ちゃんの鼻やのどは小さく狭いため、鼻水や痰がたまると息苦しさを感じます。これが多量になると、合併症や重症化の原因にもなります。
自分で鼻水や痰を出すことができないため、処方薬で出しやすくしたり、吸引器で取り除いたりすることが必要です。小児科では鼻水や痰の吸引をおこなってくれます。赤ちゃんの吸引は難しいため、不安がある場合やうまく行えない場合は受診しましょう。
特効薬なし!2歳未満は早めの受診を
RSウイルス感染症に特効薬はありません。つらい症状を和らげる対症療法をおこないます。体が小さなこどもにとっては症状がつらく感じられることも多いでしょう。早めに薬で対処してあげるとよいでしょう。
1歳以上で、ミルクが飲めていれば慌てて受診する必要はありません。
しかし重症化しやすい1歳以下の場合は流行期に風邪症状があれば早めに受診しましょう。
RSウイルス感染症の対処
鼻水を取り除く
鼻水が多い場合は必要に応じて吸引しましょう。
鼻水が溜まったままだと、呼吸がしづらいだけでなく、病気が治りにくくなったり、合併症や重症化を引き起こす可能性もあります。なるべく取り除いてあげましょう。
鼻水吸引をするときの注意点
吸引を頻回におこなうと、鼻の粘膜を傷つけたり鼻血が出たりすることがあります。回数に決まりはありませんが、赤ちゃんの様子を観察し、以下のような場合には吸引をおこないましょう。
- 息をしづらそう
- ミルクや母乳をのみにくそうにしている
- 鼻水が多くて眠れない
加湿する
小さなこどもは自分で鼻水や痰を出すことが難しいです。 さらに、鼻水や痰は脱水傾向になると粘り気が増します。加湿して乾燥を防ぐことで、鼻水や痰が出しやすくなります。加湿器などを用いて、湿度が50%〜60%になるように調節しましょう。
鼻汁や痰が多いとミルクや母乳など飲み物が飲みづらい、のどに張り付いて嘔吐をしやすい、誤嚥する可能性があります。
ウイルス検査(保険適用は1歳まで)
RSウイルスには迅速検査キットがあります。
ただし、検査をおこなうのは基本的に重症化リスクが高い1歳未満の赤ちゃんのみです(保険適用)。1歳以上の場合は、入院が必要なほど重症な場合や、重症化リスクの高い基礎疾患がある場合に医師の判断で検査をおこなうことがあります。
家庭内感染を予防しよう
大人がRSウイルス感染症にかかっても、ただの風邪ですので気がつきにくいです。
注意したいのは、大人が感染していることに気づかず、一緒に暮らしている赤ちゃんや高齢者、持病のある家族へ感染させてしまうことです。風邪症状がある場合は家庭内でもマスクを着用し、症状の出ている間はなるべく一緒に食事をしたり、寝たりする家庭内での接触を避けるようにしましょう。
遊び場や共有のおもちゃに注意
こどもの場合、室内の遊び場や共有のおもちゃを介して感染することも多いです。
手洗いやうがいが可能な年齢なら、対策として実施しましょう。
アルコール消毒やアルコール成分を含む除菌シートも有効です。
登園目安
登園目安は「解熱後24時間以上経過し、咳などの呼吸器症状が改善し、全身状態がよいこと」です。保育園に通っている場合、0歳の園児も在園している可能性があります。医師の指示や園の方針に従って登園しましょう。
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 生後3か月未満で症状が出た
- ミルク・母乳が飲めない
- 息を吸ったときに胸がへこむ
- 息を吸うときに小鼻が開く
- 呼吸が速い
- 顔色が白い(悪い)
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 1歳未満で38℃以上の熱が出た
- ミルクや母乳の飲みが悪い
- 不機嫌が続いている
- 泣き止まない
- 保護者から見て、こどもの様子がいつもと様子が違う・気になる
RSウイルスが感染症が疑われる際はオンライン診療で相談可能です
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RSウイルス感染症の
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24時間365日、全国エリアで対応
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診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


