流行性角結膜炎(はやり目)
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
流行性角結膜炎(はやり目)
こどもに多い目の感染症
流行性角結膜炎とは、アデノウイルスに感染することにより、目の結膜と角膜に炎症が起こる病気です。 目の充血・多量の目やにが特徴的なこどもに多く見られる目の感染症です。
感染力が非常に強い
流行性角結膜炎の原因ウイルスであるアデノウイルスは、感染力が非常に強いです。流行しやすいことから「はやり目」とも呼ばれます。
主にアデノウイルスが付着した手で目をこすることで感染し、発症します。学校や幼稚園、保育園など、集団生活の場において集団感染しやすい病気です。
角膜や結膜ってどの部分?
角膜は黒目の表面全体を覆っている透明な膜の部分です。
結膜は白目の部分(眼球結膜)とあっかんべをしたときに見える赤い部分(眼瞼結膜)です。
アルコール消毒は効かない
アデノウイルスにアルコール消毒は効果がありません。
感染予防には、流水での手洗い・うがい・次亜塩素酸での消毒が効果的です。
炎症が視力に影響することも
流行性角結膜炎の炎症が角膜へ及ぶと、角膜に点状の濁りが生じます。角膜が濁ると、見えにくさやまぶしさを感じるようになります。ほとんどの場合、治療を行うことで完治しますが、まれに視力低下の後遺症が残ることがあります。
こどもは注意!見え方が変わる、見えにくくなったことに気づかないことも。
こどもが光に対しまぶしそうにしている・テレビや物を見るときに目を細めたり、首をずらして見ているときは目や視力に変化があった可能性があります。早めに医師へ相談しましょう。
症状があったら早めに受診を
アデノウイルスに特効薬はないため、つらい症状を和らげる対症療法をおこないます。
こどもは目の痒みを我慢できず、掻くことで炎症が広がります。また家庭内感染が広がることもあります。
なるべく早めに受診して、かゆみや炎症を抑えるなど必要な処置をしてもらいましょう。
流行性角結膜炎もっと詳しく
原因
- アデノウイルスに感染することで起こる
感染経路
- 接触感染
アデノウイルスが付着した手で目を触ることで感染する
症状
- 症状が続く期間:2週間
- 白目(結膜)の充血
- まぶたの腫れ
- 多量の目やに
- 涙が出る
- 目がゴロゴロする違和感、異物感
- まぶしさ
- 見えにくさ
治療
- 治療は特効薬がないため、対症療法
流行性角結膜炎の対処
こどもの目薬のさし方
こどもは点眼薬を怖がったり、嫌がったりする場合が多いです。治療が長期にわたる場合は、毎回の点眼がストレスになってしまうことも。以下のように行ってみましょう。
- 目を閉じたまま目頭に目薬をさす
- まばたきをする
目頭にたまった目薬が、まばたきによって目に入るため、目を閉じたまま目薬をさします。
安全に、適切な点眼が行えるようにしましょう。
目やにを拭くときの注意点
目やにを拭くときは、ティッシュペーパーや綿棒を使って直接手で触れないようにしましょう。拭いた後は必ず流水と石鹸を使用し、手を洗いましょう。
こどもの物を見るときの様子に注意
大人は自覚症状を伝えられたり、見え方の変化に気づくことができますが、小さなこどもはそれができないことがあります。流行性角結膜炎は、炎症が角膜に及ぶと視力の低下に繋がります。
以下の様子があれば、目や視力に変化があった可能性があります。早めに医師へ相談しましょう。
- こどもが光に対しまぶしそうにしている
- テレビや物を見るときに目を細める
- テレビや物を見るときに首を傾けて見ている
ウイルスの排出期間に注意
アデノウイルスは強いウイルスなので、私たちの身の回りのあらゆる場所や物の表面でも、比較的長く生存する可能性があります。
感染後、症状が治まってからも1〜2週間程度はウイルスが排出されると考えられています。この期間も、接触感染を防ぐためにこまめな消毒と手洗いが重要です。
入浴における注意点
アデノウイルスは、お風呂のお湯を介してうつったり、お風呂後にタオルを共有するなどしてうつることも考えられます。
そのため、家庭内で感染者がいる場合には、感染者は1番最後に入浴するようにしましょう。
感染者の使用するタオルは分けて、消毒と洗濯を行うようにしましょう。
アデノウイルスに感染したら消毒は次亜塩素酸ナトリウムで
アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいため感染者がふれた物の消毒には次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしましょう。
※次亜塩素酸ナトリウムで手指消毒はおこなわないでください。
家庭内で感染しやすい場所
- ドアノブ、手すり、おもちゃなど
共有でふれる場所やものはできるだけこまめに消毒しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液はどこで手に入る?
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液はドラッグストアで購入できる他、希釈すれば台所用の液体塩素系漂白剤でも代用が可能です。
ただし使用する場合は直接肌にふれることや衣類に付着しないように注意書きをよく読んでから使用してください。
感染予防にはアルコール消毒よりも丁寧な手洗いとうがい
基本的な感染予防対策は流水と石鹸での丁寧な手洗いとうがいです。
外出先などでアルコールシートだけで手を拭くことや、こどもの遊び場でのおもちゃ・おむつ替えスペースなど共有の物を拭きあげるだけではウイルスを除去することできません。
使用後には必ず流水と石鹸での手洗いをおこないましょう。
登園目安
流行性角結膜炎は、出席停止期間が設けられている病気です。
感染力が強い期間は、一般的に発症後1週間程度と考えられています。登校・登園の再開時期については、必ず医師の診察を受け、指示に従ってください。
受診目安
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 白目(結膜)の充血
- まぶたの腫れ
- 大量の目やに
- 涙が出る
- 目がゴロゴロする違和感、異物感
- 熱をともなう
流行性角結膜炎の症状は
オンライン診療で相談可能です
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流行性角結膜炎の
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移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


